ゆっくりちぇんの中身が餡子じゃありません


「さて、どうしたものかな」
目の前にある見栄えの悪いイチゴを前に考える俺。
俺はイチゴ農家をやっている。今年も収穫を終え無事出荷したのだが農作物の宿命というかどうしても見栄えが悪いのだとか味が悪いのができてしまう。
毎年色々と料理して食べているんだが、今年はどうしたものだろうか。
とここで妙案を思い付く。
「確かここに…」
稗田家が新しく刊行した「ゆっくり辞典」を引っ張り出す。ゆっくりの中身や生態が書いてある優れものだ。
「やっぱりそうか!」そうときまったら善は急げだ。さっそく市場へと買い物へ向かう。

「さて、こんなもんでいいかな。」買ってきたのはフランスパン、マシュマロ、生クリームである。
それを置いて籠と賞味期限切れのお菓子を取り出す。
できれば天然物をとらえたいが、いざとなれば下取りで養殖物を買えばいい。
森を少し奥に入るとさっそくゆっくりれいむの家族を発見した。
「ゆっゆっゆ~♪」相変わらず気持ち悪い歌を歌いながら行進している。全部で8匹だな。
「やあ、君たち少しゆっくりさせてもらえるかな?」
「ゆっくりしていってね!」「おじさんゆっくりできる?!」「ゆっゆっ!」
ああテンプレ会話乙であります。今回はこれが目的じゃないんだ。
いつものようにお菓子でつって籠の中へ。そのまま加工所へレッツゴー!

「「「「ゆっくりした結果がこれだよ!!」」」」とか聞こえてくるが気にしない。
「毎度ありがとうございます。今回はどうしますか?」
ゆっくりハントは農閑期の農民の副業としてよく行われていた。当然俺もやっており加工所の職員とも顔なじみである。
「今回は下取りにしてほしいですが。」
「下取りですか、珍しいですね。で何をお求めですか?」
「バレーボールぐらいの大きさのゆっくりちぇんを一匹、それと残った分でプチゆっくりのありすとぱちゅりーを同数お願いできますか?」
「ええと、この量だと…じゃプチゆっくりのありすとぱちゅりーを2匹ずつ、ゆっくりちぇん中サイズを1匹でよろしいですか?」
「ああ、それで十分です。この籠の中にそのままお願いします。」
「では少々お待ちを…」
10分ほどたって籠の中にゆっくりたちを入れて職員が戻ってきた。
「ではご注文の品です。今後ともよろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくお願いします。ではこれで。」
目的の品を手にいれ意気揚々と自宅へ向かう。

家へ帰ってさっそく準備をする。
囲炉裏に火を起こし台所へ。フランスパンは一口大に切りイチゴとマシュマロといっしょに皿の上へ。フォークを取り出し、ゆっくりたちを取り出す。
ゆっくり達は出荷前にあらわれておりそのまま食べても問題ない。早速ゆっくりちぇんを取り出して起こす。
「ゆっくり起きたよーわかるよー」何がわかるんだろうか?
早速手元のナイフで頭を切り落とす。
「ゆっ!!いだいよーわがらな”い”よー!!」まあ、だろうな。
そのまま囲炉裏の上につるしてある四又の金具に皮を突き刺す。さっきから喚いているが喚いているのは元気な証拠だ。大丈夫だろう。
食べれない尻尾を切り落とし、中身をかきまぜる。
ゆっくりちぇんの中身はチョコクリームである。俺はそれでチョコフォンデュをしようとしているのだ。
「んー少し硬いかな緩めるか」生クリームを少し加える。
自分の体の中に冷たいものが入ってくる感触に驚いたのか「つめたいよーきもちわるいよー」と暴れる。
そりゃそうだろう。俺だって自分の脳の中に生クリーム入れられたら気持ち悪い。でも、これはゆっくり。ゆっくりにかける情など持っておりません。
いい感じにゆるくなってきたので早速食べるとしよう。もともとゆるい脳がさらにゆるくなったちぇんはすでに「わか…ゆっ…さ…」とか呻くだけの存在になっている。
早速イチゴにフォークを突き刺しゆっくりの中へ。なかでかきまぜるたび「ゆっ…ゆっ…」と呻く。あれだ、ポッ○ルみたいな状況だな。
「うん!うまい!」少しすっぱ過ぎるため出せなかったがちぇんフォンデュには丁度いい。逆に少しマシュマロは甘すぎたな。
皿に盛った材料を粗方食べつくすとさっそく今日のメインデッシュである。
一般にゆっくりは大きくなるにつれ甘さが増すという。プチゆっくりはあまり甘くないため人気は無いが今回のこの料理にはぴったりだ。
先にカスタードのありすにしようと思い、寝ているプチゆっくりにフォークを突き刺す。
「いだいいいいいぃぃ!!」さすがに鈍感なゆっくりでも目が覚めたらしい。ただ、あまり太くないフォークのためまだ元気のようだ。
「ゆっくり抜いてね!!ありすはとかいはなんだからね!!」食材の分際で口答えとは生意気な。まあいい、せめて痛みを知らず安らかに死ぬがよい。
「ごめんごめん。お詫びに今都会派の最先端のチョコ風呂に入れてあげようか」
「ゆっ!!都会派!?い入れてくれるっていうんだったら入ってあげないこともないわ!!ありすは都会派だもの!!」
「そうかそうか~。じゃ、おぼれないようのこのまま入れてあげよう」
「ゆっくり入れてね!!」
ゆっくりちぇんに気づかないか心配だったがすでにほとんど反応しない状態だったため気がつかなかったようだ。
「ゆっ!ゆっ!ちょこおふろ~とかいは~♪」既にしてご機嫌である。
「ほ~らチョコ風呂だぞ~」とそのままゆっくりをチョコに突っ込む。
「ゆっ!チョコおふっゆっしずめぶっ!ゆっぐりいれ”っ」
そのまま沈めて中でかきまぜる。時々口が外にでてくると「だじっ!!」「ゆ”ぐっ!」と聞こえてくる。
「もういいかな?」チョコから取り出してそのまま口へ
「ゆっぐりはなじで!!ありすばとがい”はなの!!」とか聞こえてくるが気にしない。
うーん甘すぎないクリームと甘いチョコレートが抜群。皮ももちもちしておりとてもおいしい。
口の中からは「ゆ”ぐっ!や”め”っがまな”い”で!!」とか聞こえてきたが思いきり噛むと何も聞こえなくなった。
そのまま残りのゆっくりも食べつくす。
「少し食べ過ぎたかな…」最近メタボ気味なのに心配だ。
散歩がてらまたゆっくりを捕まえてこよう。そう思いながら焦げたゆっくりちぇんをゴミ箱に捨てた。

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世紀末もハンターも筆が進まないのでぱっと思いついたネタで軽く一本
だれをチョコにするか迷ったんですが餡子のままではつまらないと思っていたちぇんにしました

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最終更新:2022年04月14日 22:45