(鹿目さん...)

配られた名簿を見たほむらは身体を震わせた。
まどかが連れて来られている。このイカれた殺し合いに。


鹿目まどかという人物像はよく知っている。
彼女ならまず間違いなく帆高も参加者も全員を救おうとする。

...ああ、もしもなにも知らない時であれば賛同しただろう。

けれど、自分は知っている。
そんな願いは叶わないことを。

彼女が救おうと願う『帆高』自身が他者に害を為そうとしていることを。

「あの人(デュラム)が嘘をついている...?」

当然、その可能性もある。
けれど、嘘を吐いてなんになる?
森嶋帆高を探す為の人材を探すでもなく、殺す気であんなにバカスカ撃って。
そこまでした上で、あんな嘘を?
メリットがない。気の緩みから漏らしてしまったと考えた方が理屈が通る。

デュラムが嘘をついているか、帆高が本当に依頼をしたか。
どちらの方が可能性が高いかは言うまでもない。

ならどうする。それでもまどかの夢を護るか、それとも...

「...今さら、ですよね」

自分は既に仲間を殺している。魔女になった美樹さやかを。
そんな自分が、見も知らぬ少年の、それも己の手で愛しい者を消したような少年に同情するなどなんと可笑しな話だろう。

仲間を切り捨てられるのに、どこぞの誰かは切り捨てられないのか。
そんなことでまどかを護ることなんてできるものか。

「...伝えないと」

帆高の話が嘘でも真でも。
なんにせよ帆高を見つけ出さないことには始まらないのだ。

自分一人だけではデュラムを掻い潜り且つ帆高を探し出すのは厳しいものがある。
だから参加者間で帆高を見つける為に協力を持ちかける。
それだけでもタイムアップまでの時間はかなり稼げる。
そして最悪の場合は―――この手で

「わ...わたしが彼を...」

殺さなければならない。

少女は決意して進む。
それが仕組まれた罠であるとは知らずに。

「それにしてもまどか先輩って...なんだろうこれ。まどかの書き損じ?」



【D-2/1日目/深夜】

【暁美ほむら(眼鏡)@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:ダメージ(中)
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1~3
基本方針:まどかを守りたい。
0:ひとまずマスクの男(デュラム)の話を他の参加者に共有する。
1:まどかを護る。
2:マスクの男(デュラム)への依頼主は帆高...?
3:マスクの男(デュラム)には要警戒する。
4:まどか先輩って...なに?
※参戦時期はまどかと『騙される前の私を救ってほしい』と約束を交わす前。

44:そして地獄がやってくる 投下順 46:どうして雨が降る?
時系列順
前話 名前 次話
42:災厄の種 暁美ほむら [[]]
最終更新:2021年08月18日 14:50