雨止まぬこの土地では外にいるだけで雨風で衣類は濡れ
体が冷え込み体力を奪われていく。
特に現在いる場所は山中であり、足場も視界も悪い。
辺りをきょろきょろと見まわしながらゆっくりと歩く少女、一条蛍は
不安と恐怖で震えながら進んでいくと
大きな山小屋を見つける事が出来た。
やっと休める……休息場所を見つけた蛍の足取りは軽くなり
急いで山小屋へと向かっていった。
そこには飢えた獣達がいるとも知らずに……
「……失礼します」
もしかしたら持ち主が住んでいるかもしれないと声を出しながら
山小屋に入り、奥へと進んでいく蛍。
リビングに向かっていったその時――
「お姉さーん!今から俺らとあそばなぁい?」
「えっ?」
「さすがタクさん、すげえ美人ゲット♪」
二人組の男が蛍の前に現れた。
彼らは蛍より先に山小屋を見つけ、根城としていた。
「俺、渋井丸拓男。略してシブタク♪」
「どーも、伊藤大祐っす。ヨロシク♪」
二人は雨で半濡れになった蛍の体を舐め回すように見つめ
いやらしい笑みを浮かべていた。
「へへへ、付き合ってよ~素敵なお姉さぁ~ん」
「こ、困ります……」
「困りますぅ、だって~」
「きゃわいい~~、アハァ♪」
(きっと悪い人達なんだ!逃げないと……)
「おっと、どこへ行くのかな?ゆっくりしようよ」
蛍は玄関まで下がろうとするも後ろに回り込んだ大祐によって退路を塞がれる。
二人の男は蛍を逃がさない様に囲むように近づいてくる。
「お姉さんも名前教えてよ~」
「い、一条蛍……です」
「蛍ちゃんか~名前もきゃわいい~~」
「高校生ぐらいに見えるけど何歳かな?」
「……11歳です」
「……いやいやいやいや!!11歳は違うでしょ!お兄さん達をからかっちゃ駄目だよ!」
「ほ、本当です……嘘じゃありません……」
「その身体で小学生は反則でしょ!もうむしろ犯罪じゃん」
蛍の実年齢と見た目のギャップの差に男達はゲラゲラと笑う。
ただ談笑をするだけなら平和だっただろう。
もちろん、それはありえなかった。
「では大祐くん、このプリティーガールな蛍ちゃんのためにこれから授業を始めようと思う♪」
「はーい、タクさん先生!何の授業をするんですか~?」
「それはねぇ~保健体育の授業でーす!赤ちゃんの作り方を教えてあげよう♪」
二人はキャッキャッと笑いながら茶番劇に興じ
蛍を捕まえて寝室まで引っ張り込んだ。
「ほらめくって!脱がして!全部!」
「うひょ~!待ってましたぁ!」
「嫌ァ!!お願い、辞めてください!!」
無理やり服を捲られると、ジュニアブラに包まれた豊満な胸が露わになると
シブタクは下衆な笑みを浮かべながら胸を鷲掴みにし揉みしだいた。
「嫌ぁあああーー!!助けてぇ!パパ!ママぁーー!!」
ぼこっ!
「痛っ……」
抵抗する蛍にイラッときた大祐が頬を殴りつけた。
痛みと驚きで蛍は声が出なくなる。
「あんまり騒ぐと、もっと痛い事しちゃうよ」
「うぅ……ぐすっ……」
「おいおい大祐くん、やりすぎだぜ」
「いやぁごめんごめん、ついカッとなっちゃってさ♪」
「気を取り直して、さぁ続き続き♪」
「その娘を離せ!」
突如、山小屋に新たな参加者がやってきた。
特徴として身長は190㎝、髪は茶、筋肉モリモリのマッチョマン。
しかも手には自動小銃が握られている。
彼の名はジョン・メイトリックス。
元コマンドー部隊の隊長である。
「は、はい!!」
シブタクと大祐はすぐさま蛍から離れ、手を挙げた。
この男には逆立ちしても勝てないのは一目瞭然だ。
メイトリックスは蛍の方に目を向ける。
服は無理やり剥ぎ取られて下着姿になって泣いている。
二人が何をしようとしていたか語るまでも無く理解出来る。
「ゲス共め……」
「待ってくれ!俺たちはこの子を守ろうとしていたんだ。へへへ」
「そ、そうだよ。女の子一人だけじゃ危ないと思ってさぁ」
「遺言はそれで終わりか?」
メイトリックスの顔は険しくなる。
虚言はむしろ火に油を注ぐ結果にしかならない。
「すまねえ!つい魔が差してやっちまったんだ!」
「俺達本当に反省してるからさ」
「もう二度とこんなことしないから許してくれよ……OK?」
「OK!!」
ズドン!
渋井丸拓男、シブタクは脳天を撃ち抜かれ絶命した。
【渋井丸拓男@DEATH NOTE 死亡】
続いて大祐を射殺するべく銃口を向ける。
「き、キャアアアアアアアア!!」
殺人に驚いた蛍の叫び声によってメイトリックスの手は止まる。
チャンス!とばかりに大祐は走り、裏口から脱出。
森の中へと逃げていった。
「あの糞ガキめ!」
生かしておいてもロクな事にならない。
殺しそびれた男を追うと考えたが
目の前で泣き崩れる少女を放っておくわけにはいかない。
メイトリックスは少女を怯えさせないよう、ゆっくりと優しくと語りかけた。
♢
「落ち着いたか?」
「はい……すみませんでした」
「いいんだ。君ぐらいの年頃なら怯えて当然さ」
こんなか弱い少女をも巻き込む主催者達の悪質なやり口に
メイトリックスは怒りに燃えていた。
それはかつて娘を人質にとり、汚い仕事を強要させてきたアリアス一味をも超える極悪非道ぶりである。
奴らの言いなりになってたまるか。
どんな困難だろうと絶対に諦めない。
森嶋帆高を救出し、主催者共を皆殺しにしてこの殺し合いを打破する。
【ジョン・メイトリックス@コマンドー】
[状態]健康、主催者に対する激しい怒り
[装備]H&K 91A2(19/20)
[道具]基本支給品、(ランダム支給品0~2)
[行動方針]
基本方針:森嶋帆高を救出し、主催者を倒す。
1:一条蛍を保護しながら森嶋帆高を探す。
2:首輪を解除し脱出手段を探す。
※参戦時期は本編終了後です。
【一条蛍@のんのんびより】
[状態]疲労(小)、頬に痣
[装備]無し
[道具]基本支給品、(ランダム支給品0~3)
[行動方針]
基本方針:人殺しなんて怖い事はしたくないです。
1:メイトリックスさんと共に行動する。
2:森嶋帆高さんも死んでほしくありません。
※参戦時期は後続の書き手にお任せします。
「クソが!あの筋肉ダルマめ、よくも俺の楽しみを!」
大祐は山の中を走っていた。
山道での移動は前回の殺し合いでも散々経験したのですっかり慣れてきた。
そう大祐が殺し合いに巻き込まれるのはこれで二度目だ。
前回は一人も殺さずに生存可能な条件だったのにも関わらず
欲望のままに行動し続けて、時には女を犯し、時には命を奪い
好き勝手に悪逆の限りを尽くした後に死亡した。
なのになぜ今、生きているのか?なんて理由はどうでもいい。
せっかく蘇ったんだから再び自由に楽しませてもらう。
現状に困惑し、どうしていいか分からないでいた渋井丸拓男を
甘言を用いて悪の道に引きずり込んだように――。
【伊藤大祐@
リベリオンズ Secret Game 2nd stage】
[状態]健康
[装備]無し
[道具]基本支給品、(ランダム支給品0~3)
[行動方針]
基本方針:好き勝手に楽しむ。
1:楽しめそうな相手を探す。
2:森嶋帆高は俺がやらなくても誰かが代わりに殺すでしょ。
※参戦時期はAルート死亡後です。
最終更新:2021年01月27日 09:28