14スレ目の74(ななよん)の妄想集@ウィキ
誓いの輝石~Avenge~/#12/パートF
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14sure74
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タクトと別れたラスは一人、嘗ては自室だった部屋に入る。
出て行った頃と何一つ変わっていない光景に、ラスは少しだけ驚いた。
(義姉さん・・・。毎日忙しいはずなのに、ちゃんと手入れしておいてくれていたんですね・・・。)
いつ、帰ってくるか分からない義理の弟の部屋をたった一人で、日々の激務の合間を縫って汚れ一つない状態に保つのは容易ではない。
ラスはハルの好意に、ありがたさと後ろめたさを感じずには居られなかった。
「ごめんなさい、義姉さん・・・。僕は、貴女から受けた恩を仇で返す、悪い義弟です・・・。」
ラスはぽつりと呟いた。
「両親に虐げられ棄てられた僕を拾って、此処まで立派に育ててくれたのは・・・貴女です・・・。」
ラスは背凭れ【せもたれ】のついた椅子に腰掛け、机に項垂れる。
机の上にはこの部屋に居た頃に読んでいた本が、名前順に奇麗に立てかけてあった。
「貴女は、僕がやりたいことを好きにやらせてくれました。そのために、色々と支えてくれもしました・・・。」
ラスは目で本の背文字を追いながら、また呟く。
「貴女の無償の愛に触れられたから、今の僕があります。貴女に出会えて、とても本当に嬉しいです・・・。」
背文字を追い終わって、また呟く。
「・・・だからこそ。だからこそ僕は彼女に、貴女が僕にしてくれたことをしてあげたいのです。」
ラスはゆっくりと握り拳を作った。
「彼女は、普段はあんな調子ですが・・・。本当はとても儚くて、脆い女性【ひと】です。誰かが傍に居ないと、すぐに折れてしまうでしょう・・・。」
ラスの拳に少しずつ力が入っていく。
「・・・彼女、”アソびに行ってくる”なんて普段なら絶対に言いません。なにか、僕が関わって欲しくないことをしようとしに行くに違いないです。」
ラスの拳が小刻みに震えだした。
「確かに彼女の”力”ならば、並大抵の無茶や無謀は強引に押し通せます。ですが・・・。」
(その”力”の正体は――)
~~~~
あの日の夜。
一通りの仕度を済ませたラスは、彼女が泊まっている医療施設に戻った。
「あっ、ラスくん・・・。」
彼女が泊まっている部屋へ向かう途中、ラスは呼びかけに応えて振り返る。
そこには、白衣に身を包んだ中年の女性が立っていた。
「あっ、ドクター。・・・すみません、ご迷惑をおかけして。」
「いいさ。ラスくんにはなにかと借りがあるしね。それよりも・・・。」
ドクターの語調から彼女の心中を察したラスが口を開く。
「彼女のこと・・・ですか。」
「ああ。・・・あのコ、何者なんだい?」
ドクターの質問は、態々聞くほどのことではないはず。
そう考えたラスは首を傾げながら答える。
「『何者』って・・・女性のファイターですよ? 珍しくはないと思いますが・・・。」
「いや、それは見れば分かるさ。でも、アタイは化物染みた回復力を持ってる女ファイターなんて初めて見たよ。」
確かに彼女の回復力は目を見張る物があった。
ドクターが化物と称するのも無理はないだろう。
ラスはそう思った。
「白状するなら、アタイはキミが担ぎ込んできたあのコの容態を見た時、これはもう手遅れだと思ったよ。それなのに・・・」
「・・・正直、僕もダメかもしれないと思ってました。あの回復力については・・・僕が知りたいぐらいです。」
「そうか・・・。」
ドクターは一度間をおいてから言葉を続ける。
「しかも驚くべきことに、あのコの身体にはもっと前に死んでてもおかしくないような傷跡があった。」
「そうなんですか・・・!? 流石に、それは知りませんでした・・・。」
ラスは初めて知る事実に目を丸くした。
「・・・そこでだ。」
ドクターは一度息を吸って、続きを切り出した。
「あのコには悪いけど、少しだけ調べさせてもらった。」
「ド、ドクターッ!?」
彼女の回復力の秘密については知りたい気持ちは分かるが、勝手に彼女の身体を調べるのは倫理的に問題があるだろう。
ラスはドクターの彼女の意思を無視した行動に驚愕の声をあげた。
「彼女に断りもなくそんなことをするなんて、いくらなんでも酷いですよっ!」
「・・・本当にすまないと思ってる。・・・だが、キミは知りたいとは思わないのか?」
「そ、それは・・・っ!! で、でも・・・っ!?」
ラスは返す言葉が思いつかず口篭ってしまった。
彼女の回復力の正体を知りたくないと言えばウソになるからだった。
ラスの葛藤を悟ったドクターは、小声でラスに提案した。
「まぁ・・・あのコの身体に負担が掛からないよう細心の注意を払って調べたし、アタイとキミだけの胸にしまっておけば、問題ないと思うけどな?」
「・・・し、しかし・・・っ!」
「それに、キミはこれから、あのコと旅をするんだろう? ・・・好きになったコのことは知っておいて損はないと思うぞ?」
「――すっ!? 『好きになったコ』って!? ぼ、僕はただっ!」
耳まで真っ赤にして慌てふためくラスに、ドクターは悪戯な笑みを浮かべて問い詰める。
「好きになったんだろう? 守ってやりたいんだろう?」
「・・・・・・・・・はぃ。」
観念したかのようにぽつりと肯定の言葉を呟き、ラスは俯いた。
ドクターはラスの様子を見て失笑すると、すぐに真剣な表情でラスに調べた結果を説明しだした。
「彼女の化物染みた回復力の正体、それは――」
~~~~
「・・・彼女の生命【いのち】は、もって後・・・1、2年。」
(――『何らかの理由で生命活動の調整が利かなくなって暴走状態に陥っている影響。』です。)
ラスはゆっくりと立ち上がりながら呟く。
「・・・本当に、ごめんなさい。義姉さん。・・・ですが、彼女にはもう、時間がないのです。」
ラスは軽く服を整えながらまた呟く。
「・・・僕は、彼女が生きていられる内に、彼女の本懐を遂げさせてあげたいのです。」
(彼女の心中に、僕の姿がないのは分かっています。それでも・・・。)
ラスは部屋の様子を端から端までゆっくりと見渡し更に呟く。
「・・・それが例え、この身の破滅と引き換えであろうとも。」
(僕は彼女を・・・愛してしまいましたから。)
ラスは目を閉じ、この部屋で過ごした日々を思い起こす。
賑やかで楽しかった光景が脳裏を過【よ】ぎり、ラスは軽く失笑をした。
(・・・って、これじゃあ、単なる押し売りですよね。)
ラスは含み笑いで軽く後頭部を掻きながら、部屋を後にした。
~~~~
「おっ、小雨になってきた・・・。こりゃぁ、明け方までにはあがりそうだな・・・。」
ラスが上の部屋に行っていた間、窓の外から雨模様の”都”の夜景を見ていたタクトは、ラスが階段を下りてくる気配を察して振り返った。
ラスは上に行った時と同じように笑顔で会釈をすると、下へ降りる階段へと向かった。
「ん? ラス、出かけるのか?」
「いえ、カーゴに置いてきた荷物を取りに行くだけですよ。」
「・・・ふーん。」
(まっ、本当はネスが心配になって、後を追いかけるつもりなんだろーけどな・・・。)
タクトはラスの心中を察して、あえてそれ以上言及しなかった。
ラスはタクトが再び窓の外を眺め始めたのを脇目に、車庫へと降りていった。
~~~~
「――失態ですわ・・・っ!」
夜も更け、小雨になってきた頃、”都”の国立資料館の近くにある宿泊施設が多い区域を、アスは彷徨っていた。
例え宿泊先を知らなくても、近くで彼らの気配を探れば簡単に見つけられるだろうと、アスは思っていた。
「私としたことが、あれだけ傍に居たのにラスさんの気配を思い出せないなんて・・・っ!!」
しかし、その思惑を成功させるためには必要な条件があった。
それは、’探そうとしている人物の気配を知っている’ことである。
普段のアスならば、思惑通りにラス達の元へと辿り着けただろう。
しかし、あの時のアスは一目惚れした異性と一緒に旅ができることで完全に舞い上がっていた。
それに加えて、その人物からのまさかのお誘いである。
アスが普段は絶対にしないようなど忘れをするのも無理はなかった。
アスは街路樹に拳を思い切り叩きつけて叫んだ。
「私の唯一にして、最大の失態ですわっっ!!」
街路樹の幹が鈍い轟音と供に拳の形にヘコみ、まばらに居た通行人が一斉にアスへと驚愕の視線を浴びせた。
アスは視線に気付き、愛想笑いをしながらその場を走り去った。
「・・・仕方ありませんわね。」
アスはネスの気配を探ることにした。
不本意ながら一緒に居た時間の長いネスの気配なら覚えている。
”都”ぐらいの大きさなら全神経を研ぎ澄まし、集中すればどの方角に居るかぐらいは分かるはずである。
アスはそう考え、早速全神経でネスの気配を探り始めた。
「・・・?」
しかし、どういうワケかネスの気配を感じることができなかった。
普段のネスは気配を消そうとしない。
つまり、彼女は今、意図的に気配を消して行動しているということになる。
「・・・まさかっ!?」
彼女が気配を消す時は絶対に気配を知られては困る時だけである。
そう考えた瞬間、アスの脳裏に一つの可能性が浮かんだ。
そして、それはほぼ正解に近いだろう。
アスは舌打ちをして走り出した。
~つづく~
出て行った頃と何一つ変わっていない光景に、ラスは少しだけ驚いた。
(義姉さん・・・。毎日忙しいはずなのに、ちゃんと手入れしておいてくれていたんですね・・・。)
いつ、帰ってくるか分からない義理の弟の部屋をたった一人で、日々の激務の合間を縫って汚れ一つない状態に保つのは容易ではない。
ラスはハルの好意に、ありがたさと後ろめたさを感じずには居られなかった。
「ごめんなさい、義姉さん・・・。僕は、貴女から受けた恩を仇で返す、悪い義弟です・・・。」
ラスはぽつりと呟いた。
「両親に虐げられ棄てられた僕を拾って、此処まで立派に育ててくれたのは・・・貴女です・・・。」
ラスは背凭れ【せもたれ】のついた椅子に腰掛け、机に項垂れる。
机の上にはこの部屋に居た頃に読んでいた本が、名前順に奇麗に立てかけてあった。
「貴女は、僕がやりたいことを好きにやらせてくれました。そのために、色々と支えてくれもしました・・・。」
ラスは目で本の背文字を追いながら、また呟く。
「貴女の無償の愛に触れられたから、今の僕があります。貴女に出会えて、とても本当に嬉しいです・・・。」
背文字を追い終わって、また呟く。
「・・・だからこそ。だからこそ僕は彼女に、貴女が僕にしてくれたことをしてあげたいのです。」
ラスはゆっくりと握り拳を作った。
「彼女は、普段はあんな調子ですが・・・。本当はとても儚くて、脆い女性【ひと】です。誰かが傍に居ないと、すぐに折れてしまうでしょう・・・。」
ラスの拳に少しずつ力が入っていく。
「・・・彼女、”アソびに行ってくる”なんて普段なら絶対に言いません。なにか、僕が関わって欲しくないことをしようとしに行くに違いないです。」
ラスの拳が小刻みに震えだした。
「確かに彼女の”力”ならば、並大抵の無茶や無謀は強引に押し通せます。ですが・・・。」
(その”力”の正体は――)
~~~~
あの日の夜。
一通りの仕度を済ませたラスは、彼女が泊まっている医療施設に戻った。
「あっ、ラスくん・・・。」
彼女が泊まっている部屋へ向かう途中、ラスは呼びかけに応えて振り返る。
そこには、白衣に身を包んだ中年の女性が立っていた。
「あっ、ドクター。・・・すみません、ご迷惑をおかけして。」
「いいさ。ラスくんにはなにかと借りがあるしね。それよりも・・・。」
ドクターの語調から彼女の心中を察したラスが口を開く。
「彼女のこと・・・ですか。」
「ああ。・・・あのコ、何者なんだい?」
ドクターの質問は、態々聞くほどのことではないはず。
そう考えたラスは首を傾げながら答える。
「『何者』って・・・女性のファイターですよ? 珍しくはないと思いますが・・・。」
「いや、それは見れば分かるさ。でも、アタイは化物染みた回復力を持ってる女ファイターなんて初めて見たよ。」
確かに彼女の回復力は目を見張る物があった。
ドクターが化物と称するのも無理はないだろう。
ラスはそう思った。
「白状するなら、アタイはキミが担ぎ込んできたあのコの容態を見た時、これはもう手遅れだと思ったよ。それなのに・・・」
「・・・正直、僕もダメかもしれないと思ってました。あの回復力については・・・僕が知りたいぐらいです。」
「そうか・・・。」
ドクターは一度間をおいてから言葉を続ける。
「しかも驚くべきことに、あのコの身体にはもっと前に死んでてもおかしくないような傷跡があった。」
「そうなんですか・・・!? 流石に、それは知りませんでした・・・。」
ラスは初めて知る事実に目を丸くした。
「・・・そこでだ。」
ドクターは一度息を吸って、続きを切り出した。
「あのコには悪いけど、少しだけ調べさせてもらった。」
「ド、ドクターッ!?」
彼女の回復力の秘密については知りたい気持ちは分かるが、勝手に彼女の身体を調べるのは倫理的に問題があるだろう。
ラスはドクターの彼女の意思を無視した行動に驚愕の声をあげた。
「彼女に断りもなくそんなことをするなんて、いくらなんでも酷いですよっ!」
「・・・本当にすまないと思ってる。・・・だが、キミは知りたいとは思わないのか?」
「そ、それは・・・っ!! で、でも・・・っ!?」
ラスは返す言葉が思いつかず口篭ってしまった。
彼女の回復力の正体を知りたくないと言えばウソになるからだった。
ラスの葛藤を悟ったドクターは、小声でラスに提案した。
「まぁ・・・あのコの身体に負担が掛からないよう細心の注意を払って調べたし、アタイとキミだけの胸にしまっておけば、問題ないと思うけどな?」
「・・・し、しかし・・・っ!」
「それに、キミはこれから、あのコと旅をするんだろう? ・・・好きになったコのことは知っておいて損はないと思うぞ?」
「――すっ!? 『好きになったコ』って!? ぼ、僕はただっ!」
耳まで真っ赤にして慌てふためくラスに、ドクターは悪戯な笑みを浮かべて問い詰める。
「好きになったんだろう? 守ってやりたいんだろう?」
「・・・・・・・・・はぃ。」
観念したかのようにぽつりと肯定の言葉を呟き、ラスは俯いた。
ドクターはラスの様子を見て失笑すると、すぐに真剣な表情でラスに調べた結果を説明しだした。
「彼女の化物染みた回復力の正体、それは――」
~~~~
「・・・彼女の生命【いのち】は、もって後・・・1、2年。」
(――『何らかの理由で生命活動の調整が利かなくなって暴走状態に陥っている影響。』です。)
ラスはゆっくりと立ち上がりながら呟く。
「・・・本当に、ごめんなさい。義姉さん。・・・ですが、彼女にはもう、時間がないのです。」
ラスは軽く服を整えながらまた呟く。
「・・・僕は、彼女が生きていられる内に、彼女の本懐を遂げさせてあげたいのです。」
(彼女の心中に、僕の姿がないのは分かっています。それでも・・・。)
ラスは部屋の様子を端から端までゆっくりと見渡し更に呟く。
「・・・それが例え、この身の破滅と引き換えであろうとも。」
(僕は彼女を・・・愛してしまいましたから。)
ラスは目を閉じ、この部屋で過ごした日々を思い起こす。
賑やかで楽しかった光景が脳裏を過【よ】ぎり、ラスは軽く失笑をした。
(・・・って、これじゃあ、単なる押し売りですよね。)
ラスは含み笑いで軽く後頭部を掻きながら、部屋を後にした。
~~~~
「おっ、小雨になってきた・・・。こりゃぁ、明け方までにはあがりそうだな・・・。」
ラスが上の部屋に行っていた間、窓の外から雨模様の”都”の夜景を見ていたタクトは、ラスが階段を下りてくる気配を察して振り返った。
ラスは上に行った時と同じように笑顔で会釈をすると、下へ降りる階段へと向かった。
「ん? ラス、出かけるのか?」
「いえ、カーゴに置いてきた荷物を取りに行くだけですよ。」
「・・・ふーん。」
(まっ、本当はネスが心配になって、後を追いかけるつもりなんだろーけどな・・・。)
タクトはラスの心中を察して、あえてそれ以上言及しなかった。
ラスはタクトが再び窓の外を眺め始めたのを脇目に、車庫へと降りていった。
~~~~
「――失態ですわ・・・っ!」
夜も更け、小雨になってきた頃、”都”の国立資料館の近くにある宿泊施設が多い区域を、アスは彷徨っていた。
例え宿泊先を知らなくても、近くで彼らの気配を探れば簡単に見つけられるだろうと、アスは思っていた。
「私としたことが、あれだけ傍に居たのにラスさんの気配を思い出せないなんて・・・っ!!」
しかし、その思惑を成功させるためには必要な条件があった。
それは、’探そうとしている人物の気配を知っている’ことである。
普段のアスならば、思惑通りにラス達の元へと辿り着けただろう。
しかし、あの時のアスは一目惚れした異性と一緒に旅ができることで完全に舞い上がっていた。
それに加えて、その人物からのまさかのお誘いである。
アスが普段は絶対にしないようなど忘れをするのも無理はなかった。
アスは街路樹に拳を思い切り叩きつけて叫んだ。
「私の唯一にして、最大の失態ですわっっ!!」
街路樹の幹が鈍い轟音と供に拳の形にヘコみ、まばらに居た通行人が一斉にアスへと驚愕の視線を浴びせた。
アスは視線に気付き、愛想笑いをしながらその場を走り去った。
「・・・仕方ありませんわね。」
アスはネスの気配を探ることにした。
不本意ながら一緒に居た時間の長いネスの気配なら覚えている。
”都”ぐらいの大きさなら全神経を研ぎ澄まし、集中すればどの方角に居るかぐらいは分かるはずである。
アスはそう考え、早速全神経でネスの気配を探り始めた。
「・・・?」
しかし、どういうワケかネスの気配を感じることができなかった。
普段のネスは気配を消そうとしない。
つまり、彼女は今、意図的に気配を消して行動しているということになる。
「・・・まさかっ!?」
彼女が気配を消す時は絶対に気配を知られては困る時だけである。
そう考えた瞬間、アスの脳裏に一つの可能性が浮かんだ。
そして、それはほぼ正解に近いだろう。
アスは舌打ちをして走り出した。
~つづく~