第1話「街のはじまり」 - 20XX @ ウィキ

夜明け前の街に、ひとりの少女が降り立った。
名前は――甘衣（あまい）かるあ。
彼女の夢は、街の人たちを救う**EMS（救急隊）**になること。
だが、配属の扉を叩いた瞬間、運命は少しだけ意地悪だった。

「ごめんね、今は定員いっぱいなんだ」

それでも彼女は諦めなかった。
「じゃあ、待ちます！」と笑顔で返したその瞳には、
確かにまっすぐな光が宿っていた。

院長先生との出会い

EMSの院長先生は、そんな彼女を気にかけてくれた。
街のルールや道を丁寧に案内してくれた優しい人。
その日、かるあはこの街の“空気”を初めて感じた。
――人の温度が、ちゃんとある街。

タバコ屋のあきさん

街を歩く途中で出会ったのは、
笑顔の似合うタバコ屋のあきさん【桃菜 あき】。
彼女もまた、かるあに街を案内してくれた。
仕事のこと、暮らしのこと、そして夢のこと。
彼女との会話は、かるあの背中を少し押してくれた。

新しい力を手に入れて

日が暮れるまでに、かるあは警察官で教官を担当してくれた
ヴィンスモーク・ スクアーロ氏から
バイクと車の免許講習を受け、見事に合格。
自由に街を走るための“翼”を手に入れた。

働くことを知る

待機期間のあいだ、
かるあは木こりやファーム作業などを学び、
街の人々と汗を流した。
手にできる小さな仕事の一つひとつが、
この街のリズムを少しずつ教えてくれた。

そして新しい日常へ

EMSに入隊できるその日まで、
かるあはタバコ屋さんでお世話になることを決めた。
すぐにでも助けられる命を助けたいと夢見ながら、
今日も店先で笑顔を絶やさない。

「いつかこの街の“命”を守れる人になるんだ」

それが、甘衣かるあの物語のはじまり。
1日目――街の鼓動を知った日。