命を得て
心を得た
個を得た事で
ソレは思い
自らを憂う
漠然とした
ヒトを
くくるびた。饅頭売り場
「まんじゅう~。温泉、まんじゅう~」
ソノ物体は、ただ繰り返されるレコードのように
同じ言葉を繰り返していた
同じ言葉を繰り返していた
姫「『巫琴』~
相変わらずいいコして店番しとるんじゃなァ」
相変わらずいいコして店番しとるんじゃなァ」
そんなモノに、一人の少女は話しかける
MSC復権軍頭領(マクシオン系和平派)にして、MSC幹部『元老』である少女。姫だ
MSC復権軍頭領(マクシオン系和平派)にして、MSC幹部『元老』である少女。姫だ
そう言われた物体は、彼女を一瞥すると、冷蔵庫からフルーツ牛乳を出す
姫の黒髪が艶を増し、頬が少し上気している
ならばその状態への反応はこう
もうその物体には〝その場合〟を学習し、その通りに繰り返す
ただそれだけだった
姫の黒髪が艶を増し、頬が少し上気している
ならばその状態への反応はこう
もうその物体には〝その場合〟を学習し、その通りに繰り返す
ただそれだけだった
姫「うむ。ありがとうのぅ。巫琴♪」
受取りながら、姫は巫琴の頭を撫でた
巫琴「……ん」
ようやく、その物体は反応を示す
そして、示した次の瞬間に
そして、示した次の瞬間に
「まんじゅう~。温泉、まんじゅう~」
元に戻った
姫「ふぅむ……」
その様子を見て、姫は静かにその場を後にした
――ナンバーズベース基地『イマジナリ・ロスト』――
4「いきなり連絡を入れて来たと思ったら
そんな事か。姫さん」
そんな事か。姫さん」
一連の流れを、ナンバーズの盟主
4ことレン・イヴェールは、ベースの通信室で、皆と共に耳を傾けていた
4ことレン・イヴェールは、ベースの通信室で、皆と共に耳を傾けていた
30「光里のヤツが、なんか連れてくるとか聞いていたが…」
十六夜「共振石を巡る戦いでも、私たちは確かに一緒に居た
けど、そのコの事はよく知らない」
けど、そのコの事はよく知らない」
ミイコ「光里さんが連れて来るんですよォ~?
きっとカワイイコに決まってます! ささ、みんな迎えにいきましょうよ~ォ!!」
きっとカワイイコに決まってます! ささ、みんな迎えにいきましょうよ~ォ!!」
百「ウチらもあの時、総出で帰りのお世話になったし、ええんやない?」
ビリオン「そそ♪
アソコはよく知ってるし、問題ないない!」
アソコはよく知ってるし、問題ないない!」
エミリオ「待ってください…!
MSCは、敵だと厄介で味方だと頼りない組織と聞いています!
あまり懇意にし過ぎるのはどうかと…」
MSCは、敵だと厄介で味方だと頼りない組織と聞いています!
あまり懇意にし過ぎるのはどうかと…」
1「あん? そんなら敵に回る方がめんどくさいじゃねェか
ついて来れないなら置いて行く。それだけだっての」
ついて来れないなら置いて行く。それだけだっての」
カイネス「そ、それはさすがに可哀想でござる!!」
ハオ「そうだよ。きっと大丈夫……だと思うよ?」
と、皆思い思いに感想を述べていた
4「姫さん。騒がしくしてすまない
だが、俺達は誰一人として、遊びでこうしているんじゃあない
全員本気で、それぞれの目的のために生き、そして戦っている」
だが、俺達は誰一人として、遊びでこうしているんじゃあない
全員本気で、それぞれの目的のために生き、そして戦っている」
その言葉に、騒がしかった者達は、一斉に口を閉じる
4「その少女に、俺達と共に戦う、確固たる目的……
〝サガシモノ〟はあるのか?」
〝サガシモノ〟はあるのか?」
そして一同は、姫の映るモニタの方を見た
姫『そう、さな……』
その幾つもの目線を向けられ、彼女は少し口角を上げる
姫『保護されるだけの我が家を離れ、お主等のような〝人〟を見る
それが〝アレ〟に必要で、また生きる目的である〝サガシモノ〟
かのぅ』
それが〝アレ〟に必要で、また生きる目的である〝サガシモノ〟
かのぅ』
10「…なんですか、それは?」
エスタ「なんだ? そのコは悟りでも開こうというのか?」
ランティス「ふぅん…。〝アレ〟がねェ」
4「………」
姫『ま。ダメそうなら送り返しても構わん
大丈夫なら、よくしてやってくれ』
大丈夫なら、よくしてやってくれ』
そう言って、モニタから彼女は姿を消した
――――
光里「ウフーフ!!
みなさ~ん! お連れしましたよォ!」
みなさ~ん! お連れしましたよォ!」
そう言って7,こと光里は、満面の笑顔のまま言い放つ
99「光里さん。誰もいらっしゃらないようですが」
11「まさか、機内で寝てる…とかじゃないだろうな
かなり自由とか言っていたが」
かなり自由とか言っていたが」
光里「ああ~。それはですねェ……
9さ~ん。2さ~ん! 電源お願いできます~~?」
9さ~ん。2さ~ん! 電源お願いできます~~?」
と、彼女はナニやらよくわからない装置を機体から降ろし、EXMの共通規格エネルギーラインへと繋ぐよう指示する
9「つ、繋げていいのかコレ…!? ハッキングとかされないよなァ……」
2「ちょっと怪しいかもだけど、きっと大丈夫っスよ!!!!!」
接続が完了すると、ここら一帯の空間…。空気のようなモノがうねり、変わったような気がした
すると……
すると……
巫琴「……」ひょこッ
突如、その装置の影から、一人の少女のような物体が現れた
ミュー「ひゃッ!? い、いつからそこに!?」
1「……おいおい。コイツは……」
光里「『ゲートチャンネル装置』
『ゲートニウムサーバー』という方が聞き馴染みますかね?」
『ゲートニウムサーバー』という方が聞き馴染みますかね?」
光里「ウ、フ、フ!!
驚きましたかァ…!? 実は、元はこの子のお父様のお父様。つまり、おじい様が元来所有していた技術らしくてですねェ
こうして、元の鞘に収まった。という訳らしくて」
驚きましたかァ…!? 実は、元はこの子のお父様のお父様。つまり、おじい様が元来所有していた技術らしくてですねェ
こうして、元の鞘に収まった。という訳らしくて」
レピス「聞きました~♪
枯れた技術の水平飛行~~って感じにするとかしないとか!!
今。加入を募ってますよね」
枯れた技術の水平飛行~~って感じにするとかしないとか!!
今。加入を募ってますよね」
その喧騒を余所に、巫琴はゆっくりと辺りを見渡す
巫琴「……へェ」
1「…なあ」
その様子に見かねたのか、最初に声を掛けたのは1
アリス・ピルグリム・ヴェンデッタだった
アリス・ピルグリム・ヴェンデッタだった
1「一応、ここのベースでも古参をやらせてもらってる、1だ」
巫琴「……1…?」
1「ああ。ここじゃあ、全員数字のコードネームがある
お前を連れて来た光里は7だ
まさか聞いて無いのか?」
お前を連れて来た光里は7だ
まさか聞いて無いのか?」
見ると、光里が申しわけなさそうに手を合わせていた
巫琴「……数字」
1「ったく。コネ入隊はエミリオで手一杯だってのに…
ここはいつから怪しい組織の天下り先になったんだか」
ここはいつから怪しい組織の天下り先になったんだか」
エミリオ「エ、エース!?
さっきと言ってる事が逆……」
さっきと言ってる事が逆……」
巫琴「……」
ゼロ「まあまあ。まだ僕たちも、巫琴のことよく知らないんだし
お互いに知っていこうよ!」
お互いに知っていこうよ!」
光里「そうですねェ…
巫琴ちゃ~ん。私ちょ~っと野暮用で出てきますので
まずはノンビリ過ごしてみてくださいねェ!」
巫琴ちゃ~ん。私ちょ~っと野暮用で出てきますので
まずはノンビリ過ごしてみてくださいねェ!」
そう言って、光里は自分のEXMに乗って、その場を後にした
――――
ベース外縁部
巫琴「……」
いくつかの質問にあいながらも、全てにボンヤリと返すだけの彼女は、次第に誰かが言い出した
[まだ一度の多くの人間と話すのに慣れていないのではないか]
と、いう言葉によって解放され、一人このベースを散策していた
[まだ一度の多くの人間と話すのに慣れていないのではないか]
と、いう言葉によって解放され、一人このベースを散策していた
彼女の本質は『鏡』
一度に全ての情報を読み取ったとしても、反映できる身体も口も一つだけ
故に、彼女は一度の多くの情報を同時にぶち込まれた場合の対処を、まだ学んでいなかったのだ
一度に全ての情報を読み取ったとしても、反映できる身体も口も一つだけ
故に、彼女は一度の多くの情報を同時にぶち込まれた場合の対処を、まだ学んでいなかったのだ
今まで、自分が如何に両親やその部下達に囲われ、匿われていたか
そして、自分の空蝉である琴里との決定的な違いを知った
そして、自分の空蝉である琴里との決定的な違いを知った
知ってしまった
周囲になにも無い。殺風景な景色を眺めながら
その人のようなモノは、まるで置物のように動かない
その人のようなモノは、まるで置物のように動かない
4「…巫琴。いいか?」
その場に、4が姿を見せる
4「ああは言ったが、数字は俺が名乗り出してから、皆が合わせてくれているだけだ
浮かばないなら、無理に名乗る必要はない」
浮かばないなら、無理に名乗る必要はない」
巫琴「……そう」
そのまま、風が吹き、遠くで街の光が瞬いていた
巫琴「でも…」
4「…?」
巫琴「みんな楽しそうだった…。わかるよ…」
ソレは振り向き、彼の顔を見る
4「……そうか」
そう言って、4は巫琴の頭を撫でる
だが手の平から伝わる感触は、ほぼ人のソレであったが、4はそれが完全な生物ではないと
天性の感覚から、それを読み取った
天性の感覚から、それを読み取った
巫琴「気付いた? 分かった?」
と、巫琴は少しいたずらをするかのように紡ぐ
4「ああ。だけどな、巫琴」
巫琴「?」
首を、傾げる
4「お前の名前。素敵だな
似合ってるぞ」
似合ってるぞ」
そう言い残し、頭から手を離すと、4は下へと帰っていく
巫琴「………」
――――
シャーリ「巫琴さん、帰ってしまうのですか?」
ベースの格納庫、例のチャンネル端末を備えた場所に、数人が集まっていた
巫琴「ううん。ちゃんと、おとうさんとおかあさんにも、自分で言わないと」
1「そうだな。このサーバー端末も、結構便利そうだし
置いてくれればありがたいけどよ」
置いてくれればありがたいけどよ」
巫琴「ん。言っておく……。4…?」
いくつかの言葉を聞き、盟主の眼を覗き込む
4「どうした? 巫琴」
巫琴「ミコトで、3,5,10…
全部合わせて、18」
全部合わせて、18」
そう言って、彼女はここに現れた時のように、装置の後ろに隠れた
巫琴「次、会った時は
私は18。だから…!!」
私は18。だから…!!」
その声に、4も、周りの皆も
少しだけ微笑みを浮かべ、それを受けた鏡の少女は、その表情に合わせたようになった気がした
少しだけ微笑みを浮かべ、それを受けた鏡の少女は、その表情に合わせたようになった気がした
次に彼らが彼女を見たのは『薔薇の園』
光里の要請に応えた、ナンバーズたちの中に、彼女は確かに存在していた
この場で皆と共に〝人〟のなんたるかを探し求めるために……
光里の要請に応えた、ナンバーズたちの中に、彼女は確かに存在していた
この場で皆と共に〝人〟のなんたるかを探し求めるために……
『アナタは、私の〝分身〟
でも、もう同じじゃあない
だから……』
でも、もう同じじゃあない
だから……』
巫琴「ナンバーズ……No.18
鏡色の巫琴…『ルーク・スペクルム』
ゲート・アウト……ッ!!」
鏡色の巫琴…『ルーク・スペクルム』
ゲート・アウト……ッ!!」