唯「ほら見てあずにゃん! あずにゃんの里が見えてきたよ!」

梓「そ、そうですね」

唯「わぁ、ここでゆっくりできるかな!? 私歩き疲れちゃったよ」

梓「……で、できるんじゃないですか?」

唯「あれ? あずにゃん嬉しくないの? あずにゃんのお友達いっぱいいるんじゃないの?」

梓「お友達っていうか、同族がわらわらいるだけですし」

唯「ふーん、さてついたついた♪」


案内梓「あ、ようこそ旅の唯先輩……と連れの梓。はじめまして私は案内梓です」

唯「わー、あずにゃん以外のあずにゃんだー。ねぇねぇ、なにか食べる物ある?」

案内梓「はい! たっくさんありますよ!」

唯「わぁい、久しぶりにアイスたべたーい」

案内梓「さぁさぁ、早く村へお入りになってください」

梓「ほんとに入るんですか?」

唯「えっ、入らないの? 日も暮れるしゆっくりしようよー」

梓「でもまだまだ旅の途中ですし、こんなところで足止めくらってるわけにはいかないんですけど」

案内梓「まぁそうかたいこと言わずに。たくさんおもてなしできますよ」

唯「ほんと!? うわぁい、お腹も空いたしじゃあ遠慮無く~~」

梓「ちょ、ちょっとぉ! 待ってくださいよ!」 

案内梓「みんなー唯先輩がきたよー」

子梓1「わぁ唯先輩だ」ギュ

子梓2「唯先輩ようこそ!」ギュ

子梓3「唯先輩遊びましょう!」ギュウ

唯「うへぇ、あずにゃん達元気だねぇ」ナデナデ

梓「むぅ……」

唯「ほれほれ~唯先輩だぞ~」

子梓1「唯先輩ふわふわ~」

子梓2「ねぇ唯先輩あれやってアレやってよ!」

子梓3「ふんす見たいなー」

唯「ふんす!」

子梓2「わぁ、はじめて見ちゃった!」

唯「ふんす!」

子梓3「ねぇもっと~」

子梓1「ふわふわ~」

唯「えへへ」

梓「……」

案内梓「こらこらみんな、唯先輩は疲れてるんだから離してあげなさい」
               サトオサ
案内梓「あ、そうだ。先に里長梓に挨拶にいったほうがいいですよ。

案内梓「ここの滞在許可証をくれるはずです」

唯「うんわかった~」

子梓1「明日また遊ぼうね~」

子梓2「えーん唯先輩もっとふんす見たい~」

唯「えへへ、またね~」ナデナデ

子梓3「ふぁ……きもちー」

梓「……しっしっ!」


……


唯「ええと、里長あずにゃんのおうちはどっちかな」

梓「どうして案内役に聞かなかったんですか」

唯「ほえーそれにしても賑わってるねぇあずにゃんの里は」


ワイワイ ガヤガヤ

ユイセンパイデス  ワァ、ユイセンパーイ


梓「行く人行く人にすごい見られてますよ」

唯「みんなかわいいねぇ。一生懸命お仕事してるね」

梓「……どうせ私は……」

唯「あ、たい焼き屋さんだよあずにゃん!」

梓「にゃ!」

唯「二つくださいな」

梓「二つも買ってくれるんですか!」

唯「え、一個私のだよ当然でしょ」

梓「……」

店梓「はいどうぞ。二つで300むったんです」

唯「え? 300むったん!? うわー私うんたん通貨しかもってないよ」

店梓「じゃあここで換金していったらどうですか? うんたん→むったん なら承りますよ」

唯「いいの!? じゃあそうする! えっと、これくらいかな」ゴソゴソ 

梓「ちょ、ちょっと! むったん通貨なんてこの里以外では使えないんですからそんなに換金したら……あぁー」

唯「わぁい! むったんがいっぱいだよ!」ジャラジャラ

店梓「ゆっくりしていってくださいね」

梓「……そのお金は没収です」

唯「えっ!」

梓「預かりますその通貨」

唯「どうして~」

梓「勝手なことされると困るからです。必要なときは私がその分渡しますんで」

唯「ひどい~」

梓「元は二人で稼いだお金なんですから使い込まないでください」

唯「じゃあせめて半分~」

梓「とりあえず! 里長に挨拶して、宿を確保してからです」

唯「え~ん……あ、たいやきはいどうぞ」

梓「♪」

梓「もぐもぐもぐもぐ」

唯「あずにゃん族はみんなたい焼きが大好きなんだね」

梓「もぐもぐもぐもぐ、ふぁい」

唯「あずにゃんお口の周りべたべたー」



里長の家


唯「やっほー! おじゃましまーす」

里長梓「あ、唯先輩。いらっしゃい、うふふ」

唯「おお! なんか色っぽいあずにゃんだ! 大人だね~」

里長梓「長旅はつかれたでしょう? 何も無いとこですがゆっくりしていってくださいね」

唯「わぁい! 歓迎してもらったよあずにゃん!」

梓「……」

里長梓「で、唯先輩そのお連れのちんちくりんは?」

梓「むかっ!」

里長梓「うちの里の者ではないようですが……」

唯「この子はあずにゃんだよー」

里長梓「はぁ、たしかに梓ですね……」ジロジロ

梓「うっ……旅の途中で行き倒れてるところをですね」

里長梓「なるほど、野良のあなたが救ったというわけですね!」

里長梓「さすが人情深い我が一族です。褒美を取らせましょう」

唯「ううん、行き倒れてたのはこのあずにゃんの方だよー」

里長梓「……」

梓「……」

唯「……?」

里長梓「と、とりあえずお部屋を用意させますね。窓から見えるあの大きな木の宿に行ってみてください」

唯「ほぇー。いいのー?」

里長梓「もちろんです。私たちは唯先輩をもてなすのが生きがいですから」

唯「やったぁ、ありがとうあずにゃん」

里長梓「それと、ふふふ。滞在許可証です!」チュ

唯「ふぇ!?」

梓「!!」

里長梓「旅の唯先輩、なにか困ったことがあったら私のところへ来てくださいね。精一杯対処いたします」

梓「……」ワナワナ

唯「えへー、美人さんにキスされちゃった」

梓「むぐぐぐ!!!」

唯「あずにゃん……ど、どうしたの? 尻尾逆だってるよ?」

梓「むぅ! なんでもないですっ!!!」フシュー

里長梓「あらら、手の甲だけで怒っちゃうなんて」

唯「それじゃあしばらくご厄介になります!」

里長梓「どうかごゆるりと。里の者総出で歓迎いたします」

唯「わーい、いこっあずにゃん!」

梓「しばらくって……一泊だけですからね」

唯「えーーーーむったん換金した分無駄になるよー」

里長梓「えーーーー明後日から里のお祭りなのにー」

梓「あぁもう! わかりましたわかりましたから!」

唯「なんかあずにゃん機嫌悪いー。たいやきもっと食べたかった?」

梓「そういうのじゃないですから」

唯「えーでも尻尾がピーンって、ほら」サワサワ

梓「ふにゃあ! 勝手にさわらないでください」

唯「いつもは喜ぶくせにー」

梓「今日は気分じゃないんです!」

里長梓「……ふむ」


宿

宿梓「遠路はるばるいらっしゃいませ唯先輩! お話は伺っております」

唯「ありがとー」

梓「綺麗な宿ですね」

宿梓「この里の自慢宿ですよ」

唯「おいしーものたべれる?」

宿梓「はい、ご夕食は日が落ちてからでいいですか?」

梓「そうですね。とりあえずゆっくりしたいですし、お風呂も入りたいです」

宿梓「わかりました。それではご夕食の前に一度声をおかけしますね」

唯「うんじゃあそんな感じで!」


宿梓「それではこのお部屋をお使いください」

唯「うん! うわー広いなー。くんくん、なんだかいい匂いがする! あずにゃんたちの匂いだね」

宿梓「ふふ、ごゆっくり~」


唯「ご飯なにがでるのかなーわくわく」

梓「さっきから食べ物のことばっかりですよね唯先輩」

唯「あずにゃんの里にくるのは初めてだからね!」

梓「私もです。たいやきがおいしいってことしか知りませんでした。てか聞いてくださいほんとにおいしいんですよアレ! こう生地がね……もちっと」

唯「えへへ、あとでまた買ってあげるからねー」ナデナデ

梓「ふぁ……」

唯「だから1万むったんちょーだい!」

梓「い、一万……?」

唯「いまからお土産買いにいく!!」

梓「えっ、いまから!?」

唯「うん! まだ日は暮れてないしちょっとだけ! ね?」

梓「むぅ……でも私つかれてますし」

唯「行きたい行きたい!」ソワソワ

梓「この里きてからいつにもましてテンション高いですね……」

唯「当然だよ! だってあずにゃんの里だよ!?」

唯「こんな貴重な機会もう無いんだよ!? 隅々まで見とかないと!」

唯「ほら、旅人は好奇心旺盛なんだよ!」

梓「……じゃあ一人で行ってください。私ゴロゴロしてますんで」

唯「あずにゃんも一緒にいこうよ~」

梓「……どうぞ一万むったんです」スッ

唯「えー、まぁいっか。じゃあお留守番しててね。ご飯の時間くらいにはもどってくるよ!」

梓「はいはい」


……


唯「ここが繁華街かな?」

唯「灯りがきれー、あずにゃんもいっぱいー」

唯「おっと、お土産お土産~♪」


「ねぇそこの唯先輩」


唯「ん?」

遊梓1「えへへ、いまお暇ですか~?」

遊梓2「ねぇ唯先ぱぁい」

遊梓3「私たちと遊びませんか?」

唯「おおっ! 可愛いあずにゃんたちだねぇ」

遊梓1「いまなら~お酒と~おいしいお菓子と~」

遊梓2「お風呂と~」

遊梓3「私たちがついてきて3000むったんぽっきりですよ!」


唯「3000むったん……ちょっと高いかも」


遊梓1「どうですかぁ?」

遊梓2「楽しいですよ~」

遊梓3「ほらほらいきましょ!」

ギュ

唯「うわわっ……でへへ」

遊梓1「いっぱい旅のお話聞かせてくださいよ」

遊梓2「わぁ唯先輩あったかいですね」

唯「両手にあずにゃん……うふふふ」


……


遊梓1「さぁさぁ唯先輩もういっこん~」

唯「んぐんぐ、ぷはー」

遊梓2「いいのみっぷり。ほれぼれしちゃいます」

遊梓3「ささ、どんどんどうぞ。里の名物バナナ酒です」

唯「ごくごく、ふへぇ~、おいひ~」

遊梓2「唯先ぱぁい私なんだか酔っ払いちゃいました~」ギュ

唯「んお?」

遊梓1「あっ、ずるい! 全然飲んでないくせに! 私のほうが酔ってるもん!」ギュ

唯「ふおっ」

遊梓3「唯先輩、どうです? このままお風呂はいっていきませんか?」

唯「おふ、何? ……ふぇえ、なんか……頭がくらくら~」

遊梓3「ふふ……一名様ご案内~」

遊梓1「さぁ唯先輩、まずはヌギヌギしましょうね~」

唯「うぅ……なになに」

遊梓2「あ、ずいぶん汚れてますね。長旅ご疲れ様です」スルスル

唯「えっ、なに何、私なんでぬがされてるの」

遊梓3「大丈夫、私たちにお任せください。すみずみまで綺麗にしてあげますからね」

唯「ほぇええ……」


梓「ちょっと待ちなさい!!」


遊梓「!!!」

梓「な、なにしてるんですかこんなところで!!!」

唯「ほえ……あずにゃ……」


梓「ってなんで脱がされかけてるんですか!」

唯「だ、だってぇ……頭が……ふへ」

遊梓1「ちょっとなに! 私たちの唯先輩だよ」

遊梓2「そうだよ、いまからお風呂に入るんだから!」

遊梓3「綺麗にするんだから!」

梓「おっ、お、おふろ……!? だ、だめー!!」

梓「だいたいこのいかがわしい店はなんなんですか」

唯「おいしいお酒とお菓子があるって……あと可愛いあずにゃんたち」

梓「もお! 早く宿帰りますよ」グイグイ

唯「ちょ、ちょっとまって……服着るから」

遊梓1「えー! 勝手に連れてかないでよー、まだまだお楽しみはこれからなのにー」

遊梓2「ていうか誰。どういう関係なの?」

梓「わ、私は別に……旅の付き添いみたいなもんです!」

遊梓3「付き添いねぇ……」




2 ※未完結注意!
3 ※作者別・続き
最終更新:2011年05月18日 20:55