梓「私の感想としては、澪先輩を怖がらせるために律先輩がしたものだと」

律「だったら澪の部屋に直接置くさ。ま、結局私がここで澪に披露してるんだから、疑いは晴れないだろうけど」

確かに一番ありえそうな展開ではある。じゃあそういうことで、と納得したいこの空気は、和さんによって乱される。

和「ところで、ムギはほんとにここに来てるのよね?私はまだ姿を見てないのに、そんなもの見せられたら……」

あえて言葉を濁した様子で、中空を目が泳いでいた。
その濁した言葉を拾い上げるように、透さんが口を開く。

透「ちょっと心配だね、探してみよう。みんなは自分の部屋を見てきて、僕と真理は食堂とか一階を探すから」

唯「えっ、えっ、あれ?」

お姉ちゃんは、何が何だかわからないといった様子。

唯「ムギちゃん自分の部屋にいるんじゃないの?」

これに答えたのは真理さんだった。

真理「じゃあ透は一人で一階を見回ってきて。私はマスターキーを取ってから、紬ちゃんの部屋をノックしてみるわ」

透「わかった。それじゃあみんな、行動開始だ。」

透さんが食堂へ向かって歩いていく。和さんと梓ちゃんが階段を登るのを追うように、私とお姉ちゃんも談話室を離れる。

律「澪ー、いつまでも俯いてても仕方ないだろ、追いてくぞー」

そう言うと、律さんは私達を追い抜くように階段を一段飛ばしで駆け上がっていった。残された澪さんが心配になったが、一応腰を上げようとしていたので、そのまま階段を登りきることにした。
二階に上がった先では、既に他の三人が自室に入っていた。私達二人も、お互いの安全を確かめるように目を合わせてから、それぞれのドアを開けた。


分岐

※1 憂視点
※2 梓視点




最終更新:2012年02月04日 22:15