唯「ただいま」
紬「唯ちゃん。戻ってきたんだ」
唯「うん。ムギちゃんのためにカップケーキを焼いたんだ」
紬「ふぅん。カップケーキね…」
唯「食べてくれる?」
紬「うん」
唯「じゃあ、あーん」
紬「……」モグモグ
唯「……どうかな?」
唯「えっ? ……ちょっと待ってて」
唯「これなんだけど……」
紬「やっぱり……このレシピ、薄力粉の量がちょっと少ないよ」
唯「食べただけでそんなことわかるんだ……ムギちゃん凄い」
紬「残りも全部食べさせてくれる?」
唯「えっ、でもあんまり美味しくないんじゃ……」
紬「お腹が減ってるの」
唯「……そうなんだ。じゃあはい、あーん」
紬「……」モグモグ
唯「あーん」
紬「……ゴホッゴホッ」モグ
唯「ムギちゃん!!」
紬「ゴホッ、喉に…ゴホッ、詰まっちゃっ‥ゴホッ‥た」
唯「ムギちゃん、牛乳だよ」
紬「……」ゴクゴク
唯「大丈夫」
紬「ええ」
唯「でも、牛乳で服が汚れちゃったね」
紬「お風呂」
唯「えっ?」
紬「お風呂に入れてほしいな。昨日も入ってないし」
唯「そ…そうだよね。お風呂に入ろう」
紬「足の拘束解いてくれる?」
唯(ムギちゃんこの隙に逃げ出すつもりかな……)
唯(でも、それはそれで仕方ないか)
唯(……)
唯「うん。いいよ」
唯「本当に一緒でいいの?」
紬「拘束されたまま一人で入れないもの」
唯「うん。じゃあ脱がすね……」
唯「ムギちゃんの体、きれい」
紬「そう?」
唯「うん」
紬「…」
唯「じゃあ、私も脱いじゃうね」
紬「…」
唯「うん。終わった。じゃあ一緒に入ろ」
唯「ムギちゃんの髪、洗ってもいい?」
紬「うん」
唯「さらさらだね」
紬「そう?」
唯「うん。とっても綺麗」
紬「唯ちゃんの髪も……」
唯「うん?」
紬「なんでもない」
唯「……そう」
紬「洗ってくれる?」
唯「うん」ゴシゴシ
紬「……」
唯「痒いところはない?」
紬「ちょっと右のほう……うん、その辺を重点的にお願いできる?」
唯「うん!」
紬「……」
唯「じゃあ次は背中を洗うね」
紬「お願い」
唯「……これくらいでいいかな」ゴシゴシ
紬「うん」
唯「後は……前と下なんだけど……」
紬「あと、顔もお願いするね」
唯「いいの?」
紬「何が?」
唯「その……おっぱいとか、大切なところとか」
紬「いいよ」
唯「じゃあおっぱい失礼するね」
唯「…」ゴシゴシ
紬「…」
唯「…」ゴシゴシ
紬「…ぅ」
唯「…」ゴシゴシ
紬「…はぅ」
唯「…」ゴシゴシ
紬「…うぅ」
唯「ムギちゃん感じてる?」
紬「…」
唯「ムギちゃん怒ってる?」
紬「…怒ってない」
唯「そっかー」
紬「うん」
唯「じゃあ大事なところもやっちゃうね」
紬「優しくしてね」
唯「うん」ゴシゴシ
紬「っ……うっ……強すぎ」
唯「ごめん。もっと優しくするね」
紬「お願い」
唯「そーっとそーっと」コシコシ
紬「うん、それくらいで…」
唯(ムギちゃんの大事な部分を洗っちゃった//)
紬「唯ちゃん…?」
唯「なんでもないよ。じゃあ私の体も洗っちゃうね」
紬「……うん」
唯(最初の計画だと、お互いの体を洗い合う予定だったんだけど、流石に無理だよね)
唯(でもムギちゃんとの仲は順調に良くなってる気がする)
唯(だけど……)
唯(これって、抵抗できないムギちゃんが従順になってるだけだよね……)
唯(結局、私が力でムギちゃんを従わせてるだけだよね……)
唯(こんなことで喜んでちゃ、本当は駄目なんだよね……)
唯(……)
唯(……)
唯(……お風呂からあがったら、全部話してしまおう)
唯(私がムギちゃんを監禁した理由も)
唯(そして謝ろう……今のムギちゃんだったらひょっとしたら許してくれるかもしれない)
唯(もし許してくれなかったとしても……自業自得だから)
唯「お風呂気持ちよかった?」
紬「うん」
唯「ねぇ、ムギち」
紬「夜ご飯も唯ちゃんが作ってくれるの?」
唯「あっ…えっと……」
紬「作ってくれるなら、私が傍で見ててあげる」
唯「ムギちゃん?」
紬「……美味しいもの食べたいし」
唯「……」
紬「…唯ちゃん? どうしたの?」
唯「ううん。なんでもない。じゃあ夜ご飯作ろーか!」
紬「うん」
唯「晩御飯はカレーだよ」
紬「材料は?」
唯「玉ねぎ、人参、じゃがいも、豚コマ、カレールーだよ」
紬「ふぅん。じゃあまずは野菜を切ってくれる」
唯「もう…‥それくらいわかってるよ……」
紬「手を切らないように気をつけて」
唯「うん……」ザザザザザザザザ
紬「切れたね。次は鍋にバターをひいてくれる」
唯「うん」
紬「次は玉ねぎを鍋で炒めて」
唯「うん」
紬「じゃがいもと人参を投入して」
唯「うん」
紬「最後に下味つけた豚コマを入れて、水を入れて」
唯「うん」
紬「中火でしばらく煮込みましょ。たまに灰汁をとるのを忘れずに」
唯「……うん」
>三十分後
紬「じゃあ弱火にしてルーを投入して」
唯「うん」
紬「弱火で十分ほど煮てから、しばらく寝かせたら完成よ」
唯「うん」
>十分後
紬「もういいんじゃないかな」
唯「うん。じゃあよそうね」
紬「あっ、皿はひとつでいいんじゃないかな」
唯「えっ」
紬「どうせ唯ちゃんに食べさせてもらうんだし」
唯「……うん」
唯(濃厚な間接キスになっちゃう)
紬「じゃあ食べさせてくれる」
唯「はい、あーん」
紬「……」モグモグ
唯「……どう?」
紬「美味しい!」
唯「ホント!?」
紬「うん! 唯ちゃんも食べて見て……」
唯「うん」
唯(ムギちゃんの口に入ったスプーン)
紬「……ひょっとして同じスプーンは嫌?」
唯「ううん。そんなことないよ。じゃあ、私も」モグモグ
紬「どうかな?」
唯「うん。とっても美味しいよ~」
紬「そう? それは良かったわ」
唯「はい、ムギちゃん、あーん」
紬「あーん」モグモグ
唯「私も」モグモグ
唯「あーん」
紬「あーん」モグモグ
唯「……」モグモグ
唯「食べたね」
紬「うん。美味しかったね」
唯「うん!」
唯(うん。この流れで言ってしまおう。全部)
紬「唯ちゃん……私言わなきゃいけないことがあるの…」
唯「ムギちゃん…?」
紬「唯ちゃん…ごめんなさいっ!」
唯「えっ……なんでムギちゃんが謝るの?」
紬「実は……唯ちゃんが私と仲良くなりたくて監禁したこと知っていたの」
唯「どうして……」
紬「昨日の夜――」
最終更新:2012年07月24日 12:12