唯「あ…みんなに見せたい物があるんだ」
律「何だ?」
唯「ほら、このノート凄いんだ!」
和「憂ちゃんの名前…」
唯「うん…憂のノート何だけど…とりあえず中を見てよ」
律「うん…」
紬「不思議ね…勝手に文字が…」
律「あ、あぁ…透明人間が書いてるみたいだ」
和「じゃがいも…砂糖…料理の
レシピを書いてるのかな?」
澪「み、みたいだな…」
唯「これ…憂が書いてるんだ!」
和「え…憂ちゃんが?」
唯「うん!」
唯「ごめん…いきなりこんな事言っても信じる分け無いよね」
律「いや…信じるぞ」
唯「りっちゃん…」
律「だって…ほら普通の紙だし…」
紬「私も信じるわ…」
唯「ありがとう…みんな今日は私の家に来て欲しいんだ…あずにゃんや純ちゃんも誘って」
澪「どうしてだ?」
唯「私の家に憂がいるから…」
和「でも…憂ちゃんは……」
唯「うん…姿は見えないけど家にいるんだよ」
澪「姿は見えないって…お化けか!?」
唯「そうだけど…憂は悪いお化けじゃ無いよ!」
澪「そ、そうだよな…」
和「………わかった、みんなで唯の家に行きましょ」
唯「じゃあ…放課後みんなで私の家に行こうね」
律「わかった!」
唯「あずにゃんと純ちゃんは私が誘うから」
澪「うん……」
唯「みんな本当にありがとう」
和「大丈夫よ…もうHRが始まるから席に付きましょう」
唯「……うん!」
昼休み。
唯「じゃあ私、あずにゃんと純ちゃんがいる教室に行くからね」
律「あ…あぁ」
紬「行ってらっしゃい唯ちゃん」
唯「うん!」
澪「すっかり元気になったな」
和「えぇ……」
和「唯…大丈夫かな?」
澪「………………」
律「大丈夫だろ!」
和「でも…憂ちゃんがノートを書いているなんて…信じられないわ」
澪「うん…」
紬「そうね…でも私は唯ちゃんを信じるわ、あのノートの事も唯ちゃんの家に憂ちゃんがいるって事も信じるわ」
和「そうよね……唯が嘘を言う分け無いよね」
二年教室。
唯「あ…あずにゃん?」
梓「ゆ、唯先輩!」
唯「ごめんね迷惑かけて…」
梓「迷惑なんて…そんな事無いですよ」
唯「純ちゃんいる?」
梓「いますよ、今呼んで来ますね」
純「どうしたんだですかー?」
唯「うん、今日は二人にお話があるんだ」
梓「お話?」
唯「憂とお話したくない?」
梓「え………?」
純「憂と…?」
唯「う、うん…あのね不思議なノートがあるんだ!」
梓「唯先輩…憂は……」
唯「うん…でもこのノートがあれば憂とお話出来るだよ」
梓「どういう事ですか?」
唯「えーと…このノートに文字が浮かび上がるんだ!憂が文字を書いていて…えーと…えーと…」
純「……憂とお話出来るんですよね?」
唯「うん!」
唯「とにかく今日は私の家に来れる?」
梓「は、はい行けます」
純「私も大丈夫です…」
唯「じゃあ今日は私の家に来てね!みんなも行く予定だから」
梓「澪先輩達もですか?」
唯「うん!放課後みんなで私の家に行こうね」
梓「はい…分かりました…」
唯「じゃあ私は教室に戻るね」
梓「は、はい!」
唯「放課後また会おうね」
純「わ、わかりました……」
梓「あ…唯先輩!」
唯「なぁに?」
梓「元気になったみたいで…よかったです」
唯「ありがとうあずにゃん!じゃあバイバイ」
梓「さようなら…」
…
梓「純はどう思う?」
純「ノートの事?」
梓「う、うん…」
純「あまり…信じて無いかなぁ」
梓「そうだよね…ノートで憂とお話が出来るなんて…」
純「うん……」
放課後。
唯「あ…みんな来た来たぁ!」
紬「おまたせ唯ちゃん」
唯「うん!じゃあ行こうよ!」
梓「はい……」
唯「みんなきっと憂の部屋に入ったらびっくりするよ!」
澪「憂ちゃんの部屋に憂ちゃんがいるのか?」
唯「うん!」
唯「着いたよー!」
和「…………………」
唯「みんな急に立ち止まってどうしたの?」
律「……早く入ろうぜ」
唯「うん!どーぞ!」
一同「お邪魔します」
唯「みんな憂の部屋だよー」
純「…………………」
唯「どうしたの?入ら無いの?」
律「いや…入りにくてな…」
唯「そっかぁ…大丈夫だよ憂がこの部屋にいるから!」
和「えぇ……じゃあ入るわね」
唯「うん!」
和「……………」
律「ど、どうしたんだ?」
和「入って見て……」
律「あ、あぁ……」
唯「憂が側にいる感じがするでしょ?」
律「本当だ…それに寒いな…クーラー付けてるのか?」
唯「付けて無いよ!」
梓「憂……ぐすっ…」
唯「あずにゃん……泣かないで」
梓「はい…本当に憂が側にいる気がします」
純「…………うん」
唯「ほら、ノート見て」
憂『皆さん今日は来てくれとありがとうございます』
梓「ノートが……」
純「本当に文字が…勝手に………」
憂『梓ちゃんも純ちゃんも来てくれてありがとう』
純「憂…………」
唯「あ…三人で話したい事が沢山あると思うから、みんなは私の部屋でお話しようよ!」
紬「そうね…」
憂『お姉ちゃんありがとう』
唯「ううん大丈夫だよ!三人でいっぱいお話しててね!」
梓「はい…ありがとうございます」
唯「じゃあ…私の部屋に行こうよ」
澪「う、うん…」
律「だな…」
唯「じゃあ行こ!ギターとか勉強とか教えて欲しい事いっぱいあるから」
和「えぇ……」
唯「憂たくさんお話ししててね」
憂『うん!』
梓「本当に憂なんだよね?」
憂『うん、梓ちゃん純ちゃん久しぶり』
純「私、ずっと話したかったよ…」
憂『私もだよ本当に嬉しいよ』
梓「憂……今何処にいるの?」
憂『梓ちゃんの後ろにいるよ』
梓「そうなんだ…私達一緒にいるんだね」
憂『うん』
純「憂はお化けなの?」
憂『うん、そうみたい』
梓「お化けって怖いイメージがあるけど憂なら怖く無いよ」
憂『ありがとう梓ちゃん』
純「でも…本当に不思議だね」
梓「うん……」
憂『私が死んだ後のお姉ちゃんってどうだった?』
梓「たまにしか…学校に来なくて元気も無かったよ…」
憂『そうなんだ』
梓「でも今は元気だよ、きっと憂のおかげだね」
憂『梓ちゃんありがとう』
純「また三人で遊びに行きたいなぁ…」
梓「うん」
憂『ごめんね、私自分の部屋から出られ無いから』
梓「出られ無いの?」
憂『うん』
純「……じゃあ毎日憂の部屋に来て、憂とノートでお話するよ」
梓「うん!毎日来るね」
憂『あのね、二人に大事なお話があるんだお姉ちゃんに言っちゃダメだよ』
梓「大事な話?」
憂『うん、私が今から書く事は切り取ってね』
梓「急にどうしたの?」
憂『ごめんね突然で、私ね成仏しなくちゃダメなんだ』
純「成仏…?」
憂『うん……』
梓「成仏って…憂はいなくなっちゃうの?」
憂『うん、ごめんね』
純「ずっと…ずっとこの部屋にいる事は出来ないの?」
憂『出来るよ、でも悪いお化けになっちゃうから』
梓「どういう事?」
憂『あのね、時々だけど思うんだお姉ちゃんが死なないかなって……』
憂『ごめんねこんな事』
梓「憂……」
憂『でもね…お姉ちゃんとノートじゃなくて声でお話したい、お姉ちゃんから抱きしめられたい』
純「………………」
憂『お姉ちゃんが死ねば私のこの願いは叶うんだよ』
梓「憂…唯先輩をどうするつもりなの?」
憂『わからないよ!お姉ちゃんと一緒にいたいって気持ちが前より段々強くなってきて頭がモヤモヤするんだ』
純「……………」
憂『このままじゃお姉ちゃんを傷付けてしまう気がするよ…』
梓「………………」
憂『だから、お姉ちゃんを傷付けてしまう前に成仏したい』
梓「憂…いつ成仏するの?」
憂『分からないよ、それに成仏の仕方が分からないよ』
純「そっかぁ……」
憂『ごめんね折角来て貰ったのにこんな暗い話し』
梓「ううん…いいよ」
憂『お姉ちゃんにはこの話し内緒だよ』
梓「うん…このページは切り取るね」
憂『あ…まだ書きたい事があるんだ』
梓「書きたい事?」
憂『手紙だよ』
梓「手紙は誰に書くの?」
憂『お姉ちゃんにだよ、もし私が成仏したら渡してくれる?』
梓「わ、わかった」
唯「あずにゃんまだ話してる?」
梓「あ…唯先輩が来たよ憂」
憂『うん、梓ちゃん頼んだからね』
梓「うん…」
憂『ありがとう』
唯「開けるよ?」
梓「は、はい!」
唯「憂楽しかった?」
憂『うん、楽しかったよありがとうお姉ちゃん』
唯「ううん…憂の為だもん」
澪「なぁ…唯、私達はそろそろ帰るから」
唯「うん!あずにゃんと純ちゃんも帰る?」
梓「はい、もう遅いですし帰ります」
純「憂また来るからね」
憂『うん、バイバイ今日はありがとう』
梓「うん……」
憂『澪さん律さん紬さん和さんもわざわざ来ていただいてありがとうございます』
和「ううん、いいのよ」
律「私達も時々来るからな」
憂『はい、あの…お姉ちゃんをよろしくお願いします』
唯「えへへ~みんなよろしくね」
憂『それじゃあみなさんさようなら』
唯「うんバイバイ!」
唯「みんな帰ったね」
憂『うん、お姉ちゃん今日の夜ご飯だけどレシピはもう書いてあるから一人で頑張れるよね?』
唯「うん!頑張ってみるよ!」
憂『うん、頑張ってみてね』
唯「ありがとう!ご飯作って来るよ」
唯「出来たよー!」
憂『今回も上手に出来たね』
唯「えへーありがとう」
憂『いいよ食べてみてお姉ちゃん』
唯「うん!……美味しいよ!」
憂『お姉ちゃんもう一人でご飯作れるようになったね!』
唯「うん!ありがとう」
最終更新:2010年06月12日 23:11