● 梓side
うわっ、びっくりした!!
ふと、顔を上げた時に見た憂のことだ
……笑顔でリモコンを振りかぶるのはどうかと思う
ていうか、憂怖っ
そして、あれでごまかされる唯先輩かわいっ!!
……っと、喉かわいたなぁ
梓「えっと、飲み物飲み物……」
……あった
これなんのジュースだろう……?
そのまま味を確かめるように口に含んだ
梓「(なっ、これ……お酒……!?)」
「ねぇ、憂、このジュースさぁ、おs……」
憂「ジュースだよっ?」ニコッ
梓「え、でも、これ……」
憂「ジュースだよ」
梓「……」
憂さん怖いです
目が、笑ってないです
そうですか。黙って飲めってことですか
……こうなったら、やけだ
梓「――」グイッ
これって、アルコール度数結構あるんじゃ……
……ちょっとまって、こんなのみんな飲んでるの?
律先輩は結構豪快に、澪先輩はチビチビとだが、喉に流していっている
梓「……律先輩、ちょっとグラスいいですか?」
横から律先輩のグラスを取り、許可を待たずに口に含んだ
梓「(やっぱり……わたしのよりアルコール度数が低い)」
憂「どうしたの梓ちゃん?」
梓「うんうん、なんでもないよ」
それにしてもなぜ私のだけこれだけアルコールが……
あぁ、頭がぼんやりしてきた
喉から体全体へと熱が伝播する
……あぁ、もういいや。
● 憂side
ふふふっ、梓ちゃんも飲んだ~
ほら、梓ちゃんの顔が赤くなってきた
憂「(私の予想通り、梓ちゃんはお酒に弱かったね)」
だから、一気にアルコールの高い飲み物で攻めさせてもらった
一方、おねえちゃんはなかなかお酒に強い
……本人はお酒に飲んでるとは思ってないから、気付いてないだろうけど
梓ちゃんと同じものを飲んでいるのに、まだジュースといってられるほどだ
……さすが、おねえちゃんだよ~! これだけお酒に強ければ、バカな男にそのままお持ち帰りなんてことないよ~
だが、さすがにおねえちゃんの顔も赤くなってきている
……うーん、酒池肉林ももうすぐかなぁ
あぁ、『酒池肉林』なんていい響きだろう!
梓ちゃんはもうすでに顔が真っ赤、おねえちゃんももうすぐ、澪さんと律さんもすぐだろう……
ただ紬さんがよくわからない
さきほどから飲んではいるのだが、まったく顔に出ない
紬「ほらっ、唯ちゃん、あ~ん♪」
唯「あ~ん」
紬「ふふ、でも少し熱くなってきたわ~♪」
唯「うん、そうだね~♪」
紬「あらっ、唯ちゃんも~?それなら」
「上に羽織っているもの、脱いじゃえ~♪」
唯「やぁん、ムギちゃんのえっち~」
……あれは酔っているのだろうか?
うん、酔っているよね?
● 紬side
うふふ、どんな思惑で私達にお酒を出したのかはわからないけど
……これはチャンス♪
なぜなら
紬「(酔った雰囲気をだしていれば、多少の過激なスキンシップも許される)」
もちろん、本当にお酒に溺れることなどない
演技でいい、演技で
唯ちゃんも顔が赤くなってきているから、記憶も曖昧になるだろう
そして、この部屋の室温
暖房が少し高めね……加えてお鍋という……
紬「(わかったわ、憂ちゃん、あなたっ、脱がす気ねっ?)」
わかったところで、別にそのことを誰に告げることはない
なぜなら
紬「(唯ちゃんの裸唯ちゃんの裸唯ちゃんの裸唯ちゃんの裸唯ちゃんの裸唯ちゃんの裸)」ハァハァ
……いいわぁ、憂ちゃん、その策に乗りましょう♪
そう思っていると
梓「ふふふ、ゆ~いせんぱ~い///」
唯ちゃんの後ろにフラフラと移動してきた梓ちゃんが唯ちゃんを後ろから抱きしめた
唯「あれれ、今日はあずにゃんから、抱きついてくるなんてめずらしいね~♪」
梓「えへへ、ゆいせんぱいだ~♪」
あれは完全にお酒に堕ちてしまっている
梓「ふふふ、ゆいせんぱ~い、キスしましょ~う///」
……!?
紬「……なっ、だm」
駄目と声を出そうとしたときだ
律「だめ~~~~~」
唯ちゃんの正面のりっちゃんが大声を出した
● 律side
あっれ、おかしいな
だめ~~~ なんて口にするつもりなかったんだけどなぁ
これじゃぁ、まるで澪みたいだ
もうちょっと私らしく私らしく
律「唯は私のだからだめなのーー」
あっれ?
なんだこの感じおかしいなぁ
…………まぁ、なんでもいいや
顔が熱いけど、きっと室温がちょっと高いからだろう
梓「べー、ゆいせんぱいはわたひのものれす~」
律「だめなのー!とにかくだめー!」ウルッ
もう考えられないや
この感覚に身をまかせてしまえ
● 澪side
あぁ、唯が梓のものになってしまう
澪「…………」ポロポロ
あれ、なんでだろう。私も止めようと、やめろーっていいたいのに
頬が熱い
なにかが流れてる
……あぁ、私泣いてるのか
澪「ゆいぃ~………グズッ」ポロポロ
あれ、なんでこんなに感情をうまく制御できないんだろう
おかしいなぁ
うう、でも唯が取られるところを考えちゃうと、つい悲しくなっちゃうよー
あぁ、なんだろうこれ
……もうこの熱さのせいってことにしちゃえ
それでいいや
● 紬side
あれ、なに?みんななんでこんなになっちゃってるの~
でも……みんな唯ちゃんへの気持ちが表立ってきてるわ……
あぁ、私も酔ってしまえば、あんなうらやましいことができるの?
お酒の力に溺れてしまう
……いえ、これは溺れるんじゃないわ。そう力を借りるだけよ
そう私も……
そうすれば、目覚めたときにはきっと唯ちゃんとの愛の巣ができてるはずよ
……がんばれ、酔った後の私♪
そういって、ぐっとグラスを傾けた
● 憂side
とんでもないことになってしまった!!
いや、でもこれは酒池肉林のまであと一歩じゃないだろうか
……あぁ、されるがままになってるおねえちゃんもかわいいし
憂「(あれ、おねえちゃん目がうつろ?もしかして眠いのかな)」
……少し幼女っぽくなってる律先輩もかわいい!
憂「(うわぁ、あの律さん抱きしめたいなぁ)」
……欲望丸出しでキス魔な梓ちゃんもかわいい!!
憂「(あぁ、おねえちゃんと梓ちゃんの頬擦り、あの頬と頬の間に挟まれたい)」
……澪さんにいたっては、あの輪に入っていけず、テーブルの隅でぐずついてるよ~
憂「(あれほど守ってあげくなる女の子がいるのだろうか)」キュン
……あ~、とうとう紬さんも服脱ぎ出しちゃった!
憂「(うわぁ、体つきがとても大人で、なんかえっちぃなぁ)」
あれ、なんだろうさっきから口の中に鉄の味が
手で口元をぬぐってみる
……血……?
気付けば、私は鼻血をだしていた
……いつからでてたんだろう?えへへ、みなさんかわいすぎて気付かなかったなぁ
あれ、なんか視界がぼやけて……
――バタン
――翌日
● 唯side
唯「う~ん、あつい……」
「……っは!!」ガバッ
暑さと寝苦しさに私は目を覚まします
それも当然です
なぜなら
あずにゃんが私の首に手を回し、眠りについていて
ムギちゃんが、ちょっとえっちな格好で私の右腕をからめて寝ています
りっちゃんはなぜか私の足にすがるように、抱きついており
澪ちゃんは、なぜかぐずりながら私の名前を呼んで、寝ています
唯「……なにがあったんだろう?」
私の記憶を辿りますがどこか曖昧です
覚えているのは、あずにゃんが抱きついてきたあたりまで
唯「まぁ、いっかー♪」
……あ、そうだ。このままじゃみんな風邪ひいちゃう
とくにムギちゃんは服がところどころはだけていて、とても危ないです
唯「よいしょっと……」
なんとかみんなを起こさないように、抜け出し
唯「えっと、たしか大きな毛布があったよね」
そして、みんなが毛布に入れるように寄せていきます
唯「えへへ、みんな仲良し仲良し。良きことかな~♪」
4人の幸せそうに眠っているところを見ていると私も幸せになってきます
唯「あ、そうだ」
私はとてもいいことを思いつきました
そしてそれを実行にうつすため、あるものをとりに行きます
――えへへ、みんな、はいチーズ
眠っているのでだれからも反応はありません
ですが
――カシャッ
こういう写真があってもいいとおもいます
――キッチン
唯「あれ、憂はなんでこんなところで寝てるの?」
床にはなにか赤いものが
唯「ありゃ、ケチャップでもこぼしちゃったのかな」
もういいかげんに終われ
最終更新:2010年12月23日 01:38