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映像 - (2009/04/13 (月) 18:00:13) の編集履歴(バックアップ)


1980s
●「TVEV LIVE: TV WAR」(1985. 上映: 1985.9.15., 筑波科学博にて)
 一部がyoutubeにアップロードされている
http://www.youtube.com/watch?v=etlzBM3fOtU
 TVEV BROADCASTは収録されていないものの、1985年9月のつくば万博で上映された「TV WAR」は1985年にVHSとLDが発売、2005年10月には(2004年12月に出た限定Box「坂本龍一 80年代の映像作品集」から選出されて)DVD化された。

 浅田彰「メディア・アートへの導入:私的なメモランダム」ではこう回想されている。
「私自身がその線〔メディア・アートとの関わり〕でささやかな試みを始めるきっかけとなったのは、1985年に今野裕一が中心になって行われた立花ハジメとラディカルTV(原田大三郎+庄野晴彦)によるAVパフォーマンスである。ポップ・ミュージック・シーンの延長上に生まれたこの形式は、急速に洗練されていった。だが、このままでは、企業のAVスペースやTV番組のAVコーナーを飾る気のきいた意匠として消費されてしまうのではないかと危惧されたし、また実際、かれらの後から現れた多くのAVグループは、その危惧を現実のものとしていったのだ。
 そこで私が試みたのは、そのパフォーマンスを、いちど途方もない規模に拡大してみることだった。筑波科学博のためにSONYが作った巨大なジャンボトロンを使って、開会式を前にした85年9月15日の夜に、坂本龍一とラディカルTVによって一度かぎり行われた〈TVEV LIVE: TV WAR〉がそれである。史上最大のTVを駆使して行われた、残酷にして花華やかな戦争のシミュレーション」(『ur』no.1、1990、p.27)。

●「Radical Station」(1986.4.1-13. 放送: パルコ100chTVを中心に渋谷パルコのCATVシステムで放送)
 Radical TVによる企画番組で、ライヴ・パフォーマンスを含め13日間で34番組を放送した。そのうち22番組の採録記事が『文化の近未来形 Radical Station』(ペヨトル工房、1986.12)に収められており、浅田彰は1986.4.12.放送の30番目と31番目の番組、「カソード・レイ=グラフィティー」(武邑光裕との対談)と「サンプリング・エイジのゲリラ達」(武邑光裕・原田大三郎との座談会)で登場*1
【浅田の発言のいくつかの要旨】
 フェアライトのCMI(Computer Music Instrument)とCVI(Computer Video Instrument)の類比、CVIもCMIぐらいの操作能力が望ましい。ミュージック・コンクレートやチャンス・オペレーション、ブーレーズらの音楽史的展開を横目で見ながらヴィデオ映像について考えていたと思われる。
 日本の場合TVやヴィデオは、一億向けの全国的ネットワークと100人向けのギャラリーのようなネットワークに両極端に分かれてしまっているが、その中間ぐらいで、普通のオープンサーキットでもなく完全に閉じたギャラリーでもない試みが必要(p.11)、小回りのきくネットワークやメディア・シアターみたいなものがほしい(p.15)と発言。
 放送権や著作権、パブリック・ドメインなどについても言及され(pp.14-15, pp.22-23)、アメリカの公共CATVで放送されている政治的なヴィデオアートを、それらを欠いた日本のCFと対比して論じる(pp.23-24)。こうしたPDや日常流されている映像を変形加工しまた投げ返すという手際において未来派との差異があると指摘。

●「AKIRA ASADA TVEV BROADCAST」(1986. 放送: 1986.9.12., フジテレビ)
part 6 http://jp.youtube.com/watch?v=fTHlofKcMJc
part 7 http://jp.youtube.com/watch?v=HT2WvQMP-fA
part 1 http://jp.youtube.com/watch?v=CScihJCTY08
part 2 http://jp.youtube.com/watch?v=JQpYJc-C9UY
part 3 http://jp.youtube.com/watch?v=yi1EjOz7lrs
part 4 http://jp.youtube.com/watch?v=0SBYaQ_HWlw
part 5 http://jp.youtube.com/watch?v=aSWjJCjQcLQ
part 8 http://jp.youtube.com/watch?v=hjCl8fotdpQ
part 9 http://jp.youtube.com/watch?v=WPmskNsDQDg
:上記「メディア・アートへの導入」でこう回想されている。
「だが、そういうライブ・パフォーマンスと同時に、メディアのネットワークへの浸透が試みられなければならない。およそ一年後の86年9月12日の深夜から翌日の早朝にかけてフジテレビで放送された〈TVEV BROADCAST〉は、その一つの試みだった。田口賢司のプロデュースのもとに、ラディカルTVによるプロローグを始め、石原恒和のディレクションによる浅田彰のレクチャー、ベルギー・ラジオ・テレビ局のステファン・デコステレがポール・ヴィリリオ、クラウス・フォン・ブルッフ、ジャック・ゴールドステインをフィーチャーして制作した実験番組「われわれ男たちはなぜかくもテクノロジーを愛するか」、そして柄谷行人、磯崎新、フェリックス・ガタリらのトークを加えて構成された番組が、4時間余りににわたって放映されたのである」(同上)。上に挙げられた動画は浅田レクチャーの箇所だろう。文字化された記録は『GS 楽しい知識』vol.5、1987.4、「特集=電視進化論」に収められている。

 上記記録と比較したかぎり、youutubeでアップロードされている動画はその一部であるのみならず、順序も間違っているようだ。part 6, part 7は、part 1の前にあるはずの冒頭箇所である。したがって、紙面記録に基づいた正確な順序はpart 6, part 7, part 1, part 2, part 3, part 4, part 5, ◎, part 8, part 9である。上のURLリストは記録にしたがって並べなおしておいた。
 「TVEV BROADCAST」は3章構成となっている。part 6-7, 1-5は第1章「COMPUTER EVOLUTION」。◎にはベルギー・ラジオ・テレビ局(BRT)製作の「われわれ男たちはなぜかくもテクノロジーを愛するか」("Warum wir Männer die Technik so lieben?", cast: Paul Virilio, Jack Goldstein, Stefaan Decostere, Chris Dercon, Klaus von Bruch, production: Claude Blondeel, Dienst Kunstzaken, BRT, 1985. 冒頭部分をこちらで見ることができる)が第2章「TECHNO EVOLUTION」として挿入される。
 part 8の4:45の箇所は本来の放送版では編集点であり、注意してよく見るとシーンが切れている。この箇所にビデオ映像『柄谷行人「鏡・ヴィデオ」』が挿入され、part 8の最後に「ニューヨークにそういう巨大なディスコを設計した磯崎新が語ります」と導入句を続け、ビデオ映像『磯崎新「電子の迷宮」』が挿入される。その後再びタクシーシートの場面の浅田に戻って数分語った後、アンデル・リスターの映像作品『HELL』が挿入され、タクシーシートの場面の浅田レクチャーに戻り、次いでビデオ映像『フェリックス・ガタリ「ポスト・メディア」』(撮影はガタリのパートナーであるジョゼフィーヌ・ガタリ)が挿入され、タクシーシートの場面の浅田レクチャーに戻り、ビデオ映像『柄谷行人「デカルトと精神」』が挿入され、最後にpart 9の浅田の語りで締めくくられる(ここまでが第3章「BAROQUE EVOLUTION」)。

 なお、Radical TVをはじめとする戦後日本のビデオ作品史にはChristophe Charles「Media arts in Japan: cinema, video, intermedia, 1951-1995」(1996年博士課程提出論文。日本語版公開)がある。第1章「History of Media Arts in Japan」の第二部「Intermedia - Video」では「TV WAR」と「TVEV BROADCAST」(後者は本論文では「TV EVOLUTION」と記されている)についても軽く触れられており、参考になる。

●「事故の博物館」(1989. 放送: 1989.3.21., NHK総合TV)
part 1 http://jp.youtube.com/watch?v=_AFai4lC4RA&feature=related
part 2 http://jp.youtube.com/watch?v=xGdNeW37ZJE&feature=related
part 3 http://jp.youtube.com/watch?v=shHaxVg0SUM&feature=related
part 4 http://jp.youtube.com/watch?v=LkQvPzAales&feature=related
:製作スタッフはNHKの柴田岳志、ラディカルTVの原田大三郎と庄野晴彦、浅田彰
 製作の経緯をめぐっては『ur』no.1(1990)所収の浅田彰「メディア・アートへの導入:私的なメモランダム」「〈事故の博物館〉の舞台裏」、原田大三郎「事故の博物館」(聞き手:今野裕一)、庄野晴彦「デスクトップ・ヴィデオの可能性」(聞き手:今野裕一)参照。

1990s
●「浅田彰が語るグレン・グールドの世界」(1992,NHK)
http://video.google.com/videoplay?docid=318854992669373005

2000s
●「farewell njp」(2006)
 2006年11月2日、ワタリウム美術館で開催されたナムジュン・パイク追悼ライブ「farewell njp」に参加したときのトーク音声がアップロードされている。以下は浅田発言箇所。
part 2 http://www.youtube.com/watch?v=bN_uhzj__V8&feature=related
part 3 http://www.youtube.com/watch?v=w0sY96SZy8k
 発言において触れられている『バイバイ、キップリング』(邦訳書籍版あり)の1986年10月の日本放映をめぐるエピソードは、浅田彰「『バイバイ、キップリング』見聞記」(『GS 楽しい知識』vol.5、「特集=電視進化論」所収)などで当時語られている。
 ウィトゲンシュタインの兄弟たちが皆自殺したというエピソードを語り、「あ、そうそう、明日ウィトゲンシュタインの建築についてしゃべらなきゃいけないので君に聞きたかったところだったんだ」云々とパイクに尋ねられるというのは、1986年6月22日にウィーンでパイクと(ごく近いところにいるにもかかわらず)電話で語り合ったというくだりで、触れられている(浅田彰「クリス・デルコン」、同書、p.52)。そのときのパイクのインタヴュアーがデルコンだった。
 また、1986年の「12月14日、ポンピドー・センターで〈日本の批評におけるモダンとポスト・モダン〉と題するシンポジウムの演壇に立っていた」ときにアラン・ジュフロワに告げられてパイクが来ていることを知り再会した際*2、浅田がヴィリリオはパイクを賞賛していたことだし、二人を対談させてみようと考え打診していたところ、パイクも大いに興味を示したが、日程上無理であり、取りやめになったというエピソードも紹介されている(同書、「TV進化論」巻頭文章)。
 なお、「電視進化論」特集、メディアアートへの浅田の関心は80年代中期から鮮明で、ジャン=ポール・ファルジエやヴィリリオ、エドモン・クーショなど、『カイエ・デュ・シネマ』ビデオ特集号や『Traverses(トラヴェルス)』*3、『ZONE』*4、『Change International』に掲載された論文や対談を積極的に翻訳紹介しており、これはのちの『インターコミュニケーション』やICCへの積極的な関与にいたる。NHK教育番組についての持続的な関心は、いわばこの頃からの意識の残影のようなものだと言えるだろう。

●「《LIFE - fluid, invisible, inaudible ...》をめぐって」(坂本龍一・高谷史郎・浅田彰・中沢新一との公開トークイベント。2007.9.15.ICCにて). ※こちらからDL可能。

●「ダムタイプ《S/N》トーク・イヴェント」(高谷史郎・BuBu de la Madeleine・高嶺格との公開トークイベント、2008.9.15.ICCにて). ※こちらからDL可能。

●「アーキテクチャと思考の場所」(2009.1.28.世界文明センターでの浅田彰・磯崎新・宇野常寛・濱野智史・宮台真司・東浩紀(司会)とのシンポジウム)※動画は音声のみ。
part 1 http://www.nicovideo.jp/watch/sm5980473
part 2 http://www.nicovideo.jp/watch/sm5980501
part 3 http://www.nicovideo.jp/watch/sm5980551
part 4 http://www.nicovideo.jp/watch/sm5980568
part 5 http://www.nicovideo.jp/watch/sm5980615
part 6 http://www.nicovideo.jp/watch/sm5980629
part 7 http://www.nicovideo.jp/watch/sm5980728
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