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ASA 17-025-2001 労働活動家=李旺陽氏に医療上の懸念

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国際事務局発信日:2001年7月26日
AI INDEX:ASA 17/025/2001

  • 国名:中華人民共和国
  • ケース:医療上の懸念


このページの内容一覧


対象者

  • 李旺陽[りおうよう、Li Wangyang]

事案の概要

前文:

1998年7月6日、アムネスティは、「反革命宣伝煽動」罪で懲役13年の刑に服していた李旺陽に対する医療要求の手紙書き行動を展開した。彼は、1996年7月、病気治療のため仮釈放されたが、8カ月後、治療の最中に中国中部の湖南省沅江[げんこう、「げん」は「さんずい」の右に「元」という字。Yuanjiang]監獄に再投獄された。アムネスティは、彼が心臓病を患っていることに対して憂慮を表明した(参照: アムネスティ公開文書ASA 17/01519/98, 1998年7月6日http://web.amnesty.org/ai.nsf/Index/ASA170151998)。
李旺陽は、2000年6月上旬、健康不良のため釈放された。2001年2月、彼は、監獄に対して病気治療のための賠償金を請求し、ハンガー・ストライキを行なった。彼は、2001年5月に再逮捕され、2001年7月9日、公式に最低10年の懲役が伴う転覆罪の判決を受けた。「国家政権転覆」罪は、虐待に対する賠償金請求の闘争から生じたものと思われる。李が、現在、どこに拘禁されているかは不明である。

現在の状況:

李旺陽は、ハンガー・ストライキや慢性病によって衰退していると報告されている。少なくとも2001年5月以降は、支えなしでは歩けない状態にあることが報告されている。アムネスティは、李の現在の健康状態を判断するために、独自の健康診断が行なわれたという情報を受けていない。李旺陽は、良心の囚人であり、また適切な診断と必要な医療措置を受けるためにも、早急に釈放されるべきである、とアムネスティは主張している。

背景情報:

1989年、中国全土にわたって学生主導の民主化デモが展開されていた時、李旺陽は、1989年5月、湖南省で結成された邵陽[しょうよう、「しょう」は「召」の右に「おおざと」、Shaoyang]市労働者自治連合会(中国語[邵陽市工人自治聯合會])の会長となった。彼は、継続的にストライキやデモを計画し、演説をし、そして邵陽市内では人気と影響力のある人物であった。 中国において、自主的または自治的労働組織は違法である。「中華全国総工会」が、唯一の公式認定労働組合である。これは、政府管轄であり、中国における労働者の利益を代表する独占権を守っている。

北京で起きた市民に対する弾圧[=天安門事件、1989年6月4日]から数日後の1989年6月9日、李旺陽は逮捕された。『湖南日報』の記事によると、李旺陽は、勞働者たちをストライキに導き、邵陽市における自主的および自治的労働組織の設立を招いたとされる「横断幕の掲揚、小冊子の出版、連絡旅行の遂行、風説の広報、反動スローガンの表現」のため起訴された。彼は、反革命宣伝活動および煽動」の罪で起訴され、1990年初期に、邵陽市中級人民法院[=地裁]で裁判を受けた。彼は、懲役13年の判決を受け、2002年に釈放されるはずであった。しかしながら、1996年早急に監獄に戻されたときと、2000年6月の2回、病気治療の理由で釈放された。 彼は、独居房で長期間過ごし、拘禁中、看守による激しい殴打に苦しんだと報告されている。 2001年2月、獄中で患った病気を治療するのにかかった医療措置を請求するため、ハンガー・ストライキを行なった後、彼は再び嫌がらせを受け、2001年5月に再逮捕された。

彼の妹、李旺玲[りおうれい、LI Wangling]は、実兄の事件を宣伝したとする転覆罪で、2001年7月7日に、労働教養[裁判なしで受ける拘禁]3年を言い渡された、と報告されている。



付属文書


[これ以後は、本来、医師を対象とした企画ですが、参考資料として掲げました。アクション期間が終了していますので、以下の嘆願文をそのまま送るのは避けてください。なお、アムネスティは、今も、李旺陽氏を「良心の囚人」と見なし、即時無条件釈放を求めています。]

要約
1998年7月6日、アムネスティは、「反革命宣伝煽動」罪で13年の刑に服していた李旺陽に対する医療措置要請のアピールを行なった。1996年7月、彼は病気療養のため仮釈放されたが、8カ月後、療養の最中に中国中部、湖南省の沅江[げんこう、「げん」は「さんずい」の右に「元」という字。Yuanjiang]監獄に連れ戻された。アムネスティは、彼が心臓病を患っているという報告に対し憂慮を表明している(参照:1998年7月6日発行AI Index: ASA 17/015/1998; http://web.amnesty.org/ai.nsf/Index/ASA170151998)。
李旺陽は、2000年6月上旬、健康不良のため釈放された。2001年2月、彼は当局に対し病気の治療費を支払うよう要求し、ハンガー・ストライキに入った。彼は、続いて、2001年5月に再逮捕され、2001年7月9日には、先ず、しばしば少なくとも懲役10年の刑を伴う[国家政権]転覆罪で起訴された。「国家政権転覆煽動」罪は、彼が虐待に対して公然と賠償金を請求する行動を起こしたためと見られる。現在、李がどこに拘禁されているかは不明である。

要請される行動:
以下宛てに丁寧な手紙を書いてください。

意見の非暴力的表現を唯一の理由に投獄され、良心の囚人と思われる李旺陽について自分は今手紙を書いている、ということを述べてください。
李旺陽の早急かつ無条件釈放を要請してください。
李旺陽が獄中で罹り、治療を受けないままでいる病気についての報告に対する憂慮を表明してください。
彼の現在の健康状態に関する情報や受けている治療に関する詳細を要請してください。
国際基準における規定にしたがって、李旺陽が必要な治療を受けられるよう忠告してください。

もし至急便送付から2カ月以内に政府やその他の受信者から返事が来ない場合、返事を求めるフォローアップの手紙を送付してください。2001年9月30日以降にアピールを送付する場合は、[アムネスティ國際事務局の]医療チームに確認し、受け取った返事については医療チーム気付けで国際事務局へコピーを送ってください。

要請文の宛て先
(葉書70円、封筒90円)

[湖南省長]
中国 410011
長沙市 五一中路7
湖南省 人民政府
省長 收
 AIR MAIL

差出人住所氏名:

[湖南司法庁長]
中国 410011
長沙市 韶山路2
湖南省 司法庁
庁長 收
AIR MAIL
差出人住所氏名:

<コピー送付先>
(葉書70円、封筒90円)

[中華医学会]
中国 100710
北京市 西大街
東四- 42
中華医学会 收
 AIR MAIL
差出人住所氏名:

(葉書50円、封筒80円)
[駐日中国大使]
106-0046 
東京都港区元麻布3丁目4-33
中華人民共和国大使館
特命全権大使 閣下

電話:03-3403-3388
Eメール:info@china-embassy.or.jp

[手紙文例]
請願書
  李旺陽, 因入獄期間遭受虐待而患上了疾病。爲討回公道,他向当局要求賠償,然而却爲此被以「国家政權顛覆罪」判處了有期徒刑十年。
  李旺陽只是以和平的方式,表達了自己的意見,他是良心犯(政治犯)。
  我在此鄭重地請求,立刻釋放李旺陽。也請允許李旺陽接受應有的治療。
                 此致
  敬礼!
(日本語文)
 李旺陽さんは、獄中で虐待を受け、病気を患ったため、当局に対し、賠償金を請求しました。しかし、そのため却って「国家政権転覆罪」で10年の判決を受けてしまいました。
 彼は、非暴力的に自己の意見を主張しただけの、良心の囚人です。
ただちに李旺陽さんを釈放してください。また、李旺陽さんが医師から治療を受けられるようお願い申しあげます。 敬白
署名;             

[電子メール文例]
Dear Sirs/Madams

This e-mais is a transcript of letters to Governor of the Hunan Provincial People's Government, and Director of the Hunan Provincial Department of Justice,

I am writing about Li Wangyang who has been imprisoned solely for non-violent expression of his opinions and who I believe to be a prisoner of conscience. I urge you to release Li Wangyang prompt and unconditional. I am seriously concerned about reports that Li Wangyang is in ill-healthy medical treatment in prison. I seek information on his current state of health and ask for details of whatever medical treatment he is receiving. I request of you that Li Wangyang receive all necessary medical care in accordance with provisions set out in international standards.

Thank your for your attention to Li Wangyang's case.

From :

(日本語文)
意見の非暴力的表現を唯一の理由に投獄され、良心の囚人と思われる李旺陽さんについて、私は今、手紙を書いております。李旺陽さんを即時かつ無条件で釈放してください。李旺陽さんが獄中で罹り、治療を受けないままでいる病気についての報告について、憂慮を表明いたします。李旺陽さんの現在の健康状態に関する情報や、受けている治療に関する詳細をお教えください。国際基準における規定にしたがって、李旺陽さんが必要な治療を受けられるようお願い申しあげます。





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