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873 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2010/02/06(土) 23:10:30.17 0 &color(blue){>>847 } 第341回 「ひょっとして怒ってる?」 「え?」 「私、今日初めて熊井ちゃんって呼んだから」 「そうだっけ?いや、別に怒ってないよ」 「でも、先輩でしょ?」 「なら、まず敬語でしょ」 そんなことを梨沙子が言うからプっとふき出してまった。 「そっか、確かにね。そっちのほうがいい?」 「いや、いいよ別に。」 「ごめん、私、中学もまともに行ってなくて先輩ってのが いまいちわかんないんだよね」 梨沙子はそう言って、もう一回小さな声で「ごめんなさい」って言った。 気弱で病弱な子とばかり思っていたけどそうでもないみたいだ。 言うことはかなりハッキリしてるしハキハキしてる。 愛理と親友っていうのはなんだかあっさり納得できちゃう。 「みやとかももにもこんな感じなんだけど、ダメかな?」 「2人が何も言わないってことはそれでいいってことだよ。多分ね」 「そっか、よかった・・・・あ、そこ右に曲がったとこだよ」 梨沙子は少し先にある曲がり角をさした。 うん、知ってる。ここを曲がると愛理の家の門扉が見えるはずだ。 「じゃあ、ここで・・・」 「え、行っちゃうの?」 「いてほしいの?」 874 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}:2010/02/06(土) 23:11:12.18 0 &color(blue){>>873 } 第342回 「・・・いや、なんていうか・・・気まずい・・かなと」 「あ、そっか。わかったよ。もう、たこ焼き冷めちゃう」 「あとで好きなだけ買ってあげるから」 「ほんと!?いひぃ~♪じゃあ、付き合ってあげるもーん♪」 ちょっとそっけない感じだったくせに、買ってあげるなんて言うと 一気にテンションが上がって面白い。 全く変ていうか・・・なんていうか可愛い子だ。 みやが妹みたいと言うのもわかるような気がした。 梨沙子は躊躇することもなく(いや当たり前か)愛理の家のチャイムを押した。 うちは胸がドキドキしてくるのがわかる。 ちゃんと謝らないと、一方的なこと言ってごめんって言わなきゃ。 ちゃんと、ちゃんと・・・。 「はぁーい」と愛理の声が聞こえてきた。 「りーだもん。」 「あれ、りーちゃん?どうしたの?」 「話があるから出てきて欲しいのー」 「うん、わかった」 インターホン越しにそんな会話をしている2人。 愛理の返事があって、しばらくするとガチャリとドアは開いた。 緊張がMAXだ・・・うぅ、どうしよう・・・いや、どうしようじゃなくって・・・ 「りーちゃん、話って・・・・・」 梨沙子に声をかけた愛理と目が合った。 やっぱり可愛いなぁ、愛理・・・いつもは制服姿しか知らないから部屋着の愛理は新鮮だ。 いやいや、そういうことじゃなくて・・・ 875 :&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/02/06(土) 23:11:52.59 0 &color(blue){>>874 } 第343回 「こ、こんばんは・・・・愛理」 「・・・何してるんですか」 「愛理、熊井ちゃん愛理にお話があるって」 「・・・・・りーちゃんがなんで」 「つ、ついさっき会ったんだよ。駅で」 愛理が低い声で言うから、慌てて返事をした。 愛理は膨れた顔をして私の顔を見る。 「じゃあ、りーは愛理のお家の中にいるからー」 「え、ちょっと梨沙子」 「熊井ちゃん頑張ってー」 「りーちゃんちょっと!」 私と愛理の引きとめも虚しく、梨沙子は勝手に愛理の家に上がり込んでいった。 ・・・愛理の家の前、私と愛理は2人きりになって向き合った。 「・・・愛理、今日はゴメン」 必死に、なんて言おうってずっと考えてたのに結局出てくるのは平凡な言葉。 「なんていうか・・・言いすぎたって反省してる。ももちにも、いろいろ怒られた。 確かに私は村上のことなんも知らなかった。噂とか評判だけで判断してたかもしれない。 ・・・なのに近づいちゃだめ、なんて愛理の意思を無視したこと言って・・・ 一方的に怒って、その・・・ごめん」 愛理は何も言わず、黙って聞いている。 「・・・多分妬いてたんだ。愛理とあいつが仲良くなるのが面白くなかったのかもしんない。 愛理のこと好き過ぎて、なんだかよく周りが見えてなかった。・・・・本当にゴメン。」 876 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2010/02/06(土) 23:12:38.13 0 &color(blue){>>875 } 第344回 「・・・許して、くれる?」 伺うようにそう聞いた。 愛理は何も言わず、じっと考え込むように唇をかんでいた。 「許して欲しいですか?」 「うん」 「じゃあ、抱きしめてキスしてください」 「え?」 「ん?」 「ここで?」 「じゃあどこで?」 「えっ・・・・」 この感じ、許してくれているはずなんだけど、でも、顔は相変わらずちょっと怖いし・・・ や、やっぱりしなきゃ・・・だめだよねぇ? うわぁ、恥ずかしい。異常に恥ずかしい・・・。 だけど、 「んっ・・・・」 意を決して愛理を抱き寄せて、唇を奪った。 優しく、でもちょっと強引に。今まで、してこなかったようなキス。 柔らかいなぁ・・・。 唇が離れるときそんなことを考えていた。 「・・・・これからは、もう怒鳴ったりしないで下さい。」 唇が離れて目が合うと、愛理はそう言った。 877 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2010/02/06(土) 23:13:20.48 0 &color(blue){>>876 } 第345回 「うん、約束する。ごめん」 「えへへ・・・ちょっと見直しました」 「え?」 愛理はいつものようにふわっとした笑顔を見せてくれた。 緊張でガチガチだった胸がやんわりと解けていくような感触・・・。 「今日、舞美ちゃんに泣きついたんです」 「え?」 「舞美ちゃん包容力あって優しくて、大人だなぁって思いました。 逆に、先輩は子供っぽいって思いました」 「・・・・・・」 「でも、今先輩に抱きしめられて思ったんです。子どもっぽいなんて、そんなことないって。 そんなこと考えた私のほうが子どもっぽいです・・・やっぱり私の居場所はここだなぁって思います」 「・・・そんなこと言われると、嬉しい。でも、舞美ちゃんには妬く」 「ごめんなさい・・・舞美ちゃんに、また好きになっちゃうよとか」 「言われたの?」 「はい・・・」 「愛理は気が多いなぁ~」 って笑うと、 「でも、そのたびに妬いてくれますよね」 なんて可愛いこと言うから、「当たり前じゃん」って言ってまた抱きしめてあげた。 仲直りできてよかった・・・ほっとした。やっぱり私はこの子が好きでこの子がいなきゃだめなんだ。 愛理もそう思っていてくれたら嬉しい。いや、そう信じてる。 その帰り、梨沙子と愛理と一緒に駅前のたこ焼き屋へ行った。 ・・・・5皿も買わされた・・・・。・・・梨沙子って、病弱の設定は?・・・と口に出すのは止めておいた。

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