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第241話~第250話」を以下のとおり復元します。
187 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/10/20(火) 01:23:25.55 0
&color(blue){>>186 }
第241回 


茉麻ははぐらかして、大切なことは何も言ってくれない。 
ただ、ここで、部室で待っていればいいってそう言うだけで。 
でも、私たちは心配で仕方が無い。 
清水に散々なことされて自殺まで考えたももが1対1で話をしにいくなんて。 

ももだって、なんで一人で行ってもいいなんて思ったんだろう。 
茉麻になに言われたんだろう。 
ここを出る前、「みや、心配しないの。」って頭を撫でてくれた感触がよみがえってくる。 

あぁ、もう心配だよもも・・・。 

時計が進むのが遅すぎる。 

茉麻の、雑誌をめくる音と、愛理のシャープペンの音と、秒針の音だけが響く。 

その場から動き出したくてしょうがなかった。 
でも、茉麻の言葉も、ももの言葉も信じてるから、うちからは動き出せなかった。 


234 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/10/21(水) 01:26:45.38 0
&color(blue){>>187} 
第242回 
少し遡ってお昼休み 
◆ 
「なにー?すーちゃん」 
「うん、あのね」 

お昼休み、空き教室にもも先輩を引っ張ってきた。 
もも先輩とは付き合いなんて短いけど、でもすーちゃんって呼んでくれて嬉しい。 
可愛くて小さくて私は結構好き。だからこそ、佐紀ちゃんには素直になって欲しいんだけど。 

「もも先輩、聞いた?私のしてること」 
「・・・・?あぁ、生徒会長のこと?」 
「そうそう、どう思う?」 
「どうって・・・別に。なんでそんなことするのかなぁって思った。」 
「実際さ、入ってきたらどう?」 
「ありえないもん。」 
「ありえたら?」 
「なに、すーちゃんなんでそんなこと?」 
「私ね、もも先輩が何されてたか知ってる。生徒会長、佐紀ちゃんは私の友達なの」 
「えっ・・・うそ」 
「ほんと。いろいろ聞いてるんだ。」 
「そう・・・・・」 
先輩が下を向いてしまう。あぁ、言わなきゃよかった?いやでも、それじゃあ話が進まないし・・・。 
まあしょうがない。ここは踏み込まなきゃいけないってわかってたんだし。 

「それでね、もも先輩に手伝って欲しいことがあって」 
「え?ももが?なにを?」 
「いや実はね、佐紀ちゃんって無理してるんだ。ほんとはああいう子じゃないの。 
ほんとは素直になりたいって願望のあるいい子なの。って・・・まぁ、信じないとは思うけどさ」 
「・・・だね、無理。」 
もも先輩は小さな声で吐き捨てた。 


235 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/10/21(水) 01:27:26.21 0
&color(blue){>>234} 
第243回 

「もも先輩さ、佐紀ちゃんのホントの顔見たいと思わない? 
意地っ張りでもなくて意地悪でもなくて腹黒くなくて、 
優しくて純真な、素直になることに恐れを持ってる、そんな顔見たくない?」 
「・・・・まあ、見たいかって言われれば見たいけど」 
「その作戦の一部なんだよね、文芸部に誘ってるのは」 
「なんで?」 
「イヤほんとはね、佐紀ちゃん文芸部に入りたがってるの。 
絶対本人は言わないけどね、でも、私にはわかるの。付き合い長いし」 
「・・・その自信はどっから出てくんの」 
「ま、そこはいいとして」 
「よくないよ、もう」 

「だいたい、あの人もものことや愛理のこと嫌いじゃん。なんで入りたいの?」 
「ま、それは内緒」 
「え、それが大事でしょうが」 
「まあまぁ、でね、もも先輩に誘って欲しいの。佐紀ちゃんを」 
「えぇ、やだ。絶対やだ」 
「いい機会じゃん、喋ってみなよ」 
「なんでそういう話になってるの。すーちゃんでいいでしょ?」 
「だめなの。佐紀ちゃん私相手じゃ本心言わないもん。もも先輩になら言うと思う」 
「だからその自信はどっから・・・言わないよ。嫌いな人に言う?言わない」 
「まぁのこと信じてよ」 
「・・・えぇ、なんだかなぁ」 
「お願い!放課後さ、生徒会あるらしいからそれ終わってから声かけてみてよ」 
「ほんとにやるの?」 
「うん・・・・いや?」 
「いや・・・・だけどでも、すーちゃんのお願いもあるし・・・」 
もも先輩が揺らいでいる。ここが押し時。 


236 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/10/21(水) 01:28:31.11 0
&color(blue){>>235 }
第244回 

「あ、これだけは絶対大切だから聞いてね」 
「ん、なに?」 
「今の佐紀ちゃんはね、なんとなく柔和になってて昔みたいにもも先輩のこと・・・えっと」 
「いじめない?」 
「そ、そう。嫌いっていう態度もきっと急に態度変えられないとかいう佐紀ちゃんなりの 
プライドなんだよね。わかってあげて欲しいの。たぶんえりかちゃんも同じでさ。 
そりゃもも先輩は口にもしたくないようなこといっぱいされたと思うし 
今でもその傷が癒えてないんだろうなって思う。でも、・・・まぁに騙されたと思って、お願い」 
「・・・じゃあ、生徒会長さんに文芸部に入ってって誘えばいいんだよね?」 
「そう。ありがともも先輩!」 
「・・・うん」 

もも先輩は口を尖らせて小さく頷いた。 
やばい、ワザとか自然とかわかんないけど可愛い。こりゃ佐紀ちゃんも惚れるわ。 
…ま、熊井ちゃんのほうが数倍いい女だけどね。 
私も何とかしなきゃな・・・忘れてた。まぁ、今はいいか・・・。 

放課後になって一旦部室に集まった。 
みやは怒り出すし、愛理ちゃんも戸惑ってる。 
でも、もも先輩は決意固めてるのか「大丈夫だよ」って余裕顔。 
だからみやも強くは言えなかったみたいで、もも先輩が部室を出てからずっと不機嫌だ。 

佐紀ちゃんはどんな反応を示すだろうか。拒絶は絶対にしない。 
えりかちゃんの話だと、今日1日心ここに在らずでなんかふわふわしてたとか言ってたし。 
もも先輩のこと考えたくないのに考えちゃって変になっちゃってんのかな。 
まぁ、それなら作戦成功だから嬉しいところだけど。 

みやにも言ったけど、これは2人にとって大切な一歩だと思う。 
正直、話す内容はなんでもいい。2人が2人きりで話すことに意味がある・・・はず。 

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