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第211話~第220話 - (2009/09/29 (火) 00:56:53) のソース

248 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/09/27(日) 00:33:43.23 0
&color(blue){>>209 }
第211回 

放課後、部室に集まって新しい仲間の自己紹介となった。 
3人ならそこそこ広かった部室だけど、もう13人ともなると狭すぎて座る場所も危うい。 
それは嬉しい悲鳴でもあるけど、もし18人になったらここに全員が入るのは不可能かもしれない。 

「ねぇ、もも、ちょっといい?」 

自己紹介も終わって、それぞれどう勧誘活動をするか話合っているとき、舞美に呼ばれて外へ出た。 

「なに?」 
「あのさ、えりを誘うかと思って・・・どう?」 
「どうって?」 
「いやー・・・・なんとなく気まずそうだったから」 
「・・・・・まあ、小学生のころのようにはいかないから」 
「なにがあったの?」 
「まぁ、いろいろ」 
「誘っちゃまずいかな?」 
「ももがいいよって言っても、えりかちゃんがOKするわけないよ。 
絶対に入りたくないって言うんじゃないかな」 
「・・・じゃあ、とりあえず誘ってみる。時間もないし」 
「うん・・・・・」 

じゃあ、って行って舞美はそのままどこかへ行ってしまった。 

えりかちゃん、えりかちゃんは・・・・・清水と一緒にももをいじめていた1人。 
昔はあんなに仲良かったのになぁ、と思ったのは最初のうちで、 
お弁当をゴミ箱へぶちまけられた時に、そういう甘い感情は捨てた。 

憎き一人なわけだ。でも、舞美は知らない。話そうとも思わない。 
きっと、無駄だろう。 


249 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/09/27(日) 00:34:26.67 0
&color(blue){>>248 }
第212回 

「でね、えり、お願い!えり帰宅部でしょ?」 

教室から帰ろうと出てきたえりを捕まえて、一通り説明して、頭を下げた。 
えりは黙って聞いてくれていたんだけど・・・・ 

「無理だよ、やだ」 
「どして?」 
「いや、だって・・・」 
「ももがいるから?」 
「・・・・そう。嗣永のこと、嫌いなんだよね」 
「何で呼び捨てにするの?仲良かったじゃん」 

えりは心底嫌そうに、嗣永、とそう呼んだ。 
ももちゃんって呼んでたのに。何で・・・・何があったんだろうか。 

「舞美は知らないんだよ、知らなくていいし」 
「教えてよ、もも何も教えてくれないんだ。えり、教えて」 
「教えてもいいけど・・・・」 
「じゃあ!」 
「舞美に嫌われちゃいそうだから、止めとく。」 
「えり!」 
「ごめん、じゃ、帰るね」 
「え、ちょ・・・・・」 

結局何もわからず、何の成果もなくえりは帰っていった。 
ももの言ったとおりだ。・・・・2人に何があったんだろう? 
嗣永なんて呼ぶのは尋常なことじゃないと思うんだけど・・・・。 

私は、そのヒミツが知りたくなった。 


320 名前:&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}} 投稿日:2009/09/29(火) 00:31:23.96 0
&color(blue){>>249}
第213回

今朝も、駅まで舞美ちゃんと歩く。
りーちゃんはお寝坊さんのようで、置いてきた。

「ってことがあったんだけど、愛理なんか知らない?」
「・・・・知ってる」
「じゃあ!」
「でも、言わない」
「えぇ・・・」
とっても知りたいって顔に書いてある。
でも、言えない。私が言うことじゃない。

「ももが言いたくないって言うなら、言わない。言えないよ。そうでしょ?」
「そりゃそうだけど・・・」
「しょうがないよ」
「・・・ももとえりはすごく仲良かったんだよ、ほんと親友って感じで・・・なのになんでかなぁ」

舞美ちゃんは腕を組んで考え込んでしまう。
その、えり、梅田先輩がどういう人かは詳しく知らない。
でも、きっとももは許せないだろうし部に入ってくれても歓迎できる気がしない。
だから、それでいい。
お互いに嫌だと言うのに無理に引き入れる理由なんてどこにもない。

「・・・私は、引っ越したし二人の間に何があったか全然知らない」
「うん」
「でも、仲直りして欲しい」
「無理だよ、いまさら」
「うぅ・・・・」

舞美ちゃんはそれっきり黙ってしまった。しょうがないこともあるってわかってよ。

321 名前:&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}} 投稿日:2009/09/29(火) 00:32:06.62 0
&color(blue){>>320}
第214回

「・・・・なにあれ」

お昼休み、さすがに狭いってことで中庭で会議がてらにみんなでお昼を食べることになった。
教室にお茶を忘れて取りに戻ってきたら・・・。

みやを囲むように、前田ちゃん、梨沙子、新しく入った吉川ちゃんがいた。
みやは真ん中で楽しそうに、ううん、だらしなく笑ってる。
・・・・ライバルが多いなぁ。多すぎる。

って会議になっていない・・・ただお昼休み集まりました的な。

「あぁ、もう・・・」
「ももち?どしたの」
「へ?あぁ、いや・・・食べるか」
「もも、こっちおいでよ」
愛理とくまいちょーが誘ってくれる。でも、みやが・・・・。
それにこの2人といると胸焼けしそうだ。

「愛理、これ食べたい」
「じゃあ、先輩こっちのウインナー下さい」
「ん、いいよ、はいあーん」
「モグモグ・・・んー!美味しい。」

・・・・やっぱりか。ももはそっと2人から離れてみやの近くへ行った。
もも、おいでよってそう一言言って欲しかった。でも、みやは話に夢中で気付いてもくれない。

ちょっとだけ、泣きたくなった。

322 名前:&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}} 投稿日:2009/09/29(火) 00:32:48.26 0
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第215回

お昼、文芸部には断りを入れてえりを昼食に誘った。
昨日のこともあるから断られるかと思ったけど、OKしてくれた。
そして、屋上で2人、お弁当をつついていた。

「舞美、聞かないんだね」
「なにを?」
「とぼけちゃって。聞きたいって顔してるよ」
「え、うそ?ほんと?」
慌てて顔を抑える。・・・・ってこれじゃ図星だ。恥ずかしい。
えりはずっとクールっていうか、すましているから感情は読めない。

「舞美さ、私先に言っておくことがある」
「え?」
「話してもいいよ、でもその前に言いたいことがあるの」
「う、うん・・・なに?」
えりは卵焼きを半分にお箸で割きながら小さな声でそう言った。

「・・・・私さ、舞美が好きだった。小さい頃から好きだった。」
「え?」
「でも、舞美はつぐな、ももが好きだった。」
「え、そうだっけ・・・?」
「だからかなぁ、悔しかったのかな。・・・いやいまさら正当化しても意味ないけど」
「えり?」
「・・・・私さ、舞美に再会して思ったんだよ。あぁ、今でも、好きだって」
えりは表情を一切崩さなかった。だから、それが告白だって気付くまでに、時間が随分かかった。
「好きで好きでしょうがないんだよね。こういう気持ちになったの、高3にしてやっとだよ。
・・・きっと舞美は私のこと嫌いになる。でも、私の気持ちだけは覚えておいてよ。」

えりはそう言って、話し始めた。
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