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マジカルロリータ

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マジカルロリータ ◆.pKwLKR4oQ



『――それでは、また六時間後の私の放送を楽しみにしていてくれ』
「なにが『楽しみにしていてくれ』よ! ふざけるのもいい加減にしてよ!」

でも今の放送が本当ならば圭一、レナ、沙都子の3人は無事に生き延びているらしい。
当然と言えば当然だ。
あの3人がそう簡単に死ぬはずがない。
なぜなら私達は100年もの道のりの末に運命を打ち破ったのだから。
だからそんな頼もしい仲間である3人が簡単に死ぬなんて思えない。
たぶん3人ともこの殺し合いを打ち破るべく行動しているはず。
私も愚図愚図していられない。
運命に抗う事の大切さを身に染みて知った私――古手梨花がまず行動しなくてどうする!
待っていなさい、社長! 最後に笑うのは私達雛見沢分校部活メンバーよ!
……みー? 誰かもう一人いたような気がするのです?
……………ああ、思い出した。魅音がなぜかいないんだわ。なぜかしら? まあここに来ていない=無事だからいいけど。

「死者は152人中73人――って、半分ぐらい死んでいるじゃない! まさか、こんなに殺し合いが進んでいたなんて……」

こうなってくるとズシオと会えたのは幸運だったようね。
まさか2分の1の確率で死ぬ場所だったなんて。
とにかくこれからは一層気を引き締めて行動しないといけないわね。
……もうあんな事故みたいな悲劇は御免よ!!
うぅ、思い出しただけでも寒気とやるせなさが……あぁ、私のファーストキスが……
こ、これもズシオのせい――って言うよりもズシオと会ってから碌な事がないような……
やっぱりズシオと会ったのって不幸だったのかしら。
そういえばさっきから静かね、どうしたのかしら――

「ぅ……ぅう……あぇ……」
「ズ、ズシオどうしたの!? 何で泣いているの?」

はっ! そうよ、ズシオにだって仲間がいるはず。おそらくさっき放送で呼ばれて――
それなのに私ったらズシオの事なんて少しも考えずに、自分一人で圭一達の無事を知ったからと言って喜んで……
私に配慮が足りなかったようね。今度から気を付け――

「……ひ、ひは、ふぁんは(し、舌、噛んだ)」
「紛らわしいのよ!!!」
「くぁwせdrftgyふじこlp」

とりあえずトマホークで一発叩いておいた。
はぁ~心配して損した。
しかも噛んだ理由を聞いてみれば死んだ人の名前を読み上げていたためだとか。
因みにルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールのところで噛んだらしい。
それにしてもホント無駄に長い名前ね、そりゃあ舌を噛んでしまうのも納得――!?

(え? ちょっと待って、確かあの時――)

そうだ、思い返せば社長も放送の時にルイズの名前を読み上げる時に舌を噛んでいた。
でもすぐに読み上げ直していたが、よくよく考えればおかしな事だ。
普通舌を噛んだら今私の目の前でのたうち回っているズシオみたいにしばらくはまともに喋れないはずだ。
それにもかかわらず社長は噛んだ後もすぐに普通に喋れていた、つまりは――

(社長側、つまりこの殺し合いを仕向けている主催者は複数いるって事ね)

思いもよらぬところで主催者側の事情を察する事ができたわね。
よくよく考えてみればこんな大がかりな事を一人でするなんて無理よ。
そうなると協力者がいてもおかしくないか。
――ッ! もしかしてズシオはこの事を密かに私に教えようとしてワザと自分の舌を噛んだ……訳ないか。
あれは正真正銘の馬鹿ね。

「みー♪役に立ったからなでなでしてあげるのです。にぱー」
「お、では口づけを――」
「少し、頭冷やそうか!!!」
「くぁwせdrftgyふじこlp」

ふざけたこと言ったから二度目のトマホークアタック。
ああ、ズシオみたいな人だったらすぐに喋れるのね……そんな事はないと信じましょう。
それより気を取り直してデイパックの中身でも調べたほうが良さそうね。
正直今まで調べていなかったなんて迂闊だったわ。
とりあえずこの茶碗とマヨネーズと箸は元々支給されていたズシオに返しておきましょうか。
まったく! 支給品が茶碗とマヨネーズと箸だなんて社長はズシオに何をさせたかったのかしら。
まあいいわ。それよりも、えっと、まずは……

「『魔法少女リリカルなのはA’s DVD-BOX』……なにこれ? ズシオ、DVDって何か知っている――あ、聞いた私が馬鹿だったわ」
「え、余はまだ何も「どうせ知らないんでしょう」はい、そうです」

やっぱり聞くだけ無駄だったわね。
なんとなくそんな気がしていたから言ってみたけどビンゴだったとは。
まあ、これは置いておきましょうか。
それで次は――へ? これって……

「人形?」

そう、私のもう一つの支給品はかわいらしい人形だった。
金髪碧眼で顔立ちも中々精巧にできている完成度。
着ている物は赤いドレス調の服装、それに俗にかぼちゃパンツとも言われるドロワーズ。
身体の細部も見た感じかなりよく作られているようで、一見するとまるで小人――

「――って、いつまで握っているのよ! さっさと離せー」

……え、えっと、前言撤回。
なぜかこの人形、喋る、動く、飛ぶ、その場で一回転して身体を見渡すetcetc
思わず手を放してしまったが……なに? 最近の人形はこうもリアルに作られているの?

「ふう、やっと出られた。ちょっと、もっと早くデイパックの中身は確認してよね。ああ、肩凝った」
「……もしかして妖精さんなのですか。ボク初めてみたのですよ」
「おお、余も妖精とやら見るのは初めてだな」
「まあ合ってはいるわ、私の名前はエミット。エーテルランドの妖精よ」

それから自称妖精のエミットの話を要約すると次のようになった。
エミットはエーテルランドに住んでいて、このたび人間界で悪さを働く魔法使い(違反者と言うらしい)対策として派遣されたらしい。
そして人間界で楠沙枝と西島翔子と出会って二人に魔法の才能があったので魔法少女になってもらって、日夜世界の平和のために手伝ってもらっている最中に連れて来られたと。
まあ経緯などをごっそり省略するとこんな感じになった。
うん、なんというか私以上に苦労したみたいね。
……特に違反者の罠に嵌った時のゴニョゴニョとか――同じ女として同情するわ。
途中でズシオを気絶させておいて良かったわ、本当に。
今は復活してエミットに使い方を教えてもらったDVDを見ている。
でもあのアニメはなんだろう。
妙に私に似た声で「悪魔で……いいよ。悪魔らしいやり方で話を聞いてもらうから」とか聞こえるのは気のせいよね。
いや、ファンタジーな魔法少女じゃなかったの?
これじゃあ熱血バトルもの……あ、『熱血バトル魔法アクションアニメ!』って書いてある……

「――というわけで、あなたにも魔法少女やってもらうわよ!」

えっと……はい?

 ◆


「みー? 何の事かさっぱりなのですよ?」
「ああ、反対意見は受け付けないわよ。こっちも時間ないんだから」
「いや、本当に何の事だか分から――」
「だ か ら ! 梨花を私の力で魔法少女にしてあげるって言っているでしょ! 魔法が使えれば仲間を探す手助けにもなるのよ」
「でも、まだ心の準備というものが……」

いきなりの事態に梨花は戸惑うしかなかった。
エミットの事情はだいたい分かったとはいえ、さすがにこの申し出はいきなりすぎた。
梨花にとって魔法が使えるようになるというのは大きな魅力だが、如何せん得体の知れないものに触れるのは少しばかり躊躇してしまう。
だがしばらく考えた結果、ものは試しという事でエミットの申し出を受ける事にしたのだった。

「まあ、一度騙されたと思って。まずは目を瞑って舌を出してちょうだい」
「……こうふへすひゃ――!? ちょ、ちょっと! 今、何したのよ!?」

梨花は言われた通り自身の舌を少し出して目を閉じてじっとしてみたが、次の瞬間その舌に何か触れた。
それはザラッとして尚且つ湿り気のある物体。
間違いなく誰かの舌――というより状況的にそれはエミットの舌しか考えられなかった。
舌と舌が触れ合う所謂ディープキスというのは語弊があるが、それぐらいの衝撃を梨花は受けていた。
奇しくも数時間前にはファーストキスを奪われていた事も混乱に拍車をかける要因となった。

(わ、わたし、また唇を……って、これってディープキス? いやいや、ありえないから! 事故よ、これは不幸な事故のようなものよ! ちょっと! なにカメラ……はまわっていないか。いや、落ち着――いてられるか! もう嫌あああああ!!!!!

遠くの方で「繰り返される悲しみも悪い夢もきっと終わらせられる」という梨花そっくりの声がBGM代わりに聞こえたのは気のせいだろうか。

「仕方ないでしょ。粘膜同士を触れ合わせないと術はかけられないんだから。
 ……うん、沙枝には劣るけど翔子とはいい勝負ね。なかなか良い思念しているじゃない」
「……ぅう、ファーストキスに続いてセカンドキスまで……かわいそかわいそなのです……」
「ああ、その点は安心して。術をかけ終わってからちょっと魔法かけておいたから。唇は奪われる前の状態に戻っているわよ」
「……魔法って便利なのね」
「ええ、その気になれば下の方の初めてでも元通りにできるわ」

なんとも生々しい言葉だと梨花はついしみじみ思ってしまった。
違反者との戦いの話を聞いた後だから尚更そう思えてしまう。
だがこれで梨花も魔法少女になったのだが、今一つ実感が湧かない。
それを察したのかエミットは次のステップを指示してきた。

「えっと頭に言葉が思い浮かんでいるでしょ。それを唱えれば変身できるわ(本当はちょっと違うんだけどややこしいからいいや)」
「……あのエミット、本当に言わないといけないのですか」
「そうよ。ああ、早くしてよ。こっちは時間がないって言っているでしょ。
 名前はナースエンジェルりりかSOSでもリリカルなのはでもベルンカステルでも、3つ合わせてナースエンジェルウィッチりかりかステSOSでも、意表を突いてオヤシロイガーZでもいいから!」
「全部却下! 名前はシンプルに魔法少女梨花で結構よ!」

自棄になったのか声を荒くしていく梨花。
ついに意を決して変身のための呪文を唱える時。

「フレデリカ オヤシロ フォーム アップ!」

梨花の掛け声と共に身に付けていた緑のワンピースは光の粒子となって飛び散り、一瞬梨花の幼くも艶やかな【以下省略】
そして光が収まると梨花の姿は一変していた。

「魔法少女梨花参上なのです♪……って、これって――」
「へぇ巫女服ね。結構センスいいわね、和洋折衷?」

梨花の身に付けていた緑のワンピースは白い衣に緋色の袴というまさしく巫女服という衣装になっていた。
古手神社の巫女として着こなしているだけあってその姿は可愛い巫女さんという表現に相応しいものだ。
だが梨花としては何回か着た事あるから抵抗はない事はいいとして、どことなく拍子抜けだった。
もっとそれっぽい服になると思っていたというのが正直なところだった。

「じゃあ、次ね。梨花、なんか武器をイメージしてみて」
「武器?」
「そう、『魔法少女らしい』武器ね(沙枝や翔子に言ったら近代兵器になったけど、梨花なら……)」

いきなり魔法少女の使いそうな武器と言われても思い付くものでもない。
だが梨花はもう流れに身を任せる事にしてとりあえず使いやすい武器をイメージし始めた。
使いやすい武器、使いやすい武器、使いやすい武器、使いやすい武器……

「――っ、できたのですー」
「って、なんで鋤になるのよ!! 今度は古過ぎよ!!」

梨花が出してみたのは毎年綿流しで使われている鋤。
使い慣れている武器らしい武器と言ったらこれぐらいしか咄嗟に思いつかなかったのだ。

「でも不思議と本物と違って重くないのです」
「当然よ。思念を具現化させているものだし、それに変身している状態なら身体能力は大幅に強化されるから生身の一般人なんかイチコロよ」

そういわれてもいまいち実感の湧かない梨花。
今日から君も魔法少女だ、と言われて素直に喜べる状況ではないから当然か。

「なら証拠を見せるわ。梨花、その鋤を適当な方向に向けて」
「こう、ですか?」
「そう。次に力を込めて」
「はいなのです」
「よし、一発ドーンとぶっ放して」
「えっと、ディバインバスター!!」

――ドォオオオォォォオオオン!!!!!!

梨花は目の前の光景に唖然としていた。
エミットの言うままに鋤を構えてやってみれば「ディバインバスター」という掛け声と共に鋤の先端から光線が発射されたのだ。
しかもその威力は凄まじく家を半分吹っ飛ばす程だった。
反対側でずっとDVDを観ていたズシオも振り向いた姿のままで口をあんぐりとさせていた。
「ちょっと……、やりすぎたかな?」というテレビの向こうからの声が今の梨花の気持ちを雄弁に語っていた。

「……なに、これは――?」
「これじゃあ『魔法少女』じゃなくて『魔砲少女』ね。ところで『ディバインバスター!!』ってなに?」
「ズシオが見ていたDVDに出てくるアニメの主人公がそんなこと言っていたのよ。それにしても威力強過ぎでしょ!」
「まあ、そこはおいおい――って、もう時間が!?」
「さっきから時間を気にしているみたいだけど、何かあるの」
「大ありよ。私が外に出ていられるのは1時間に10分だけって決まっているの。しかも自分からは出て来る事ができないのよ」
「それ、無責任だと思わないの?」
「仕方ないでしょ。ああ、沙枝と翔子ならきっと手を貸してくれるわ。それとやろうと思えばデイパックの中にいても会話ぐらいならできるかも。じゃ、あとよろしく!」

そう言い終えるとエミットはデイパックの中に入って行った。
その様子を見届けた梨花はただポカーンとするしかなかった。

「梨花、その姿なかなか似合ってくぁwせdrftgyふじこlp」
「はぁ、こんなのでいいのかしら」

とりあえず3度目のトマホークブレイカー+魔法の鋤アタックをズシオに浴びせる梨花。
その後、ズシオがDVDデッキに突っ込んだせいでDVD-BOXが破壊された事に気付くのはもう少ししてからだった。


【1日目 朝/J-5 町にある民家】

【古手 梨花@ひぐらしのなく頃に】
【服装】巫女服(魔法装束)
【装備】トマホーク@余の名はズシオ!
【状態】健康、なんだか精神的に疲労(小)
【持ち物】基本支給品一式、エミット@魔法少女沙枝シリーズ
【思考】
 1:部活メンバーや楠沙枝と合流する。
 2:殺し合いという運命に抗う。
 3:早くまともな人間に出会いたい。
 4:エミットは……いいか(ああ、西島翔子が死んだって言いそびれちゃった……)。
【備考】
※エミットは制限で1時間に10分しか外へ出る事ができません。エミット自身が勝手に外へ出る事は出来ない(ただし声掛けはデイパックの口が開いていれば可能らしい)。
※主催者が複数いる事に気付きました。
※変身している時に出来る事は沙枝と大差ありません。
※魔法少女リリカルなのはA’s DVD-BOXはズシオが突っ込んだせいで家に備え付けてあったDVDデッキ諸共大破しました。

【ズシオ@余の名はズシオ!】
【服装】上半身裸、ズボン
【装備】なし
【状態】健康
【持ち物】基本支給品一式、茶碗とマヨネーズと箸
【思考】
1:梨花、痛い……ガクッ


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古手梨花のなく頃に 古手 梨花 ハンバーグって言ったのにどうしてスパゲティが出てくるの
古手梨花のなく頃に ズシオ ハンバーグって言ったのにどうしてスパゲティが出てくるの

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