スロット間の適用数値依存性確認試験結果報告書
はじめに
SL2あるいはSL3装備において,なかなか良値が続かない,秘薬で消しても良値来ない,などという思いを抱いている方もいるであろう.このような状況から,「装備ごとに適用数値の潜在能力が定められており,潜在能力を超えて良-良スロットになることがないのではないか?」(すなわち,1つ良スロットが出ると,残りのスロットは潜在能力が足りないため良スロットとならない)という疑義が私の元へ提出された.なるほど,面白い推察である.この疑問は興味深く,これを確認する試験を行うことにした.
試験方法
疑義に対する試験方法の考案
提出された疑義を次のような仮定として捉えてみることにする.
- 装備ごとに成長合成の適用数値に関する潜在能力が定められている
- 同一名称・同一能力の装備でも,潜在能力はそれぞれ異なる
- 各スロットの成長合成適用数値の評定値の合計がその装備の潜在能力を超えない
- 潜在能力の範囲内で適用数値はバラツク
これら仮定の下では,SL2装備の第1スロットで(潜在能力に対して)高数値の適用数値が来た場合,第2スロットの適用数値は,第1・第2両スロットの合計が潜在能力を越えられないため,結果として低数値となるであろう.逆に第1スロットが低数値であった場合には,第2スロットは自由な結果を得られるから高数値が来ることもあり得る.すなわち,適用数値は次のような傾向を持つと考えられる.
- 一つの装備で2つのスロットを持つ場合,第1スロットと第2スロットの適用数値には負の相関がある
(負の相関:第1スロットが高いと第2スロットが低い,第1スロットが低いと第2スロットが高い,という関係)
そこで,いくつかのSL2装備に同一の成長合成材料を用いて成長合成を行い,第1・第2スロットの適用数値間に相関関係が認められるか調べることにより,提出された疑義に対する答えとすることにした.
試験方法および条件
試験は,短い時間にSL2装備に成長合成を行い,第1・第2スロットの適用数値間に相関関係が認められるか調べる方法とした.連続して成長合成を行った場合に何らかの傾向が同一装備に集中する可能性を否定できないため,各装備に番号を与え,乱数によって選択された順番で成長合成を行った.実施した試験条件は表1の通りであった.
表1 試験条件
条件 | 帽子 | 盾 | ||||
成長合成日時 | H20.3.16 21:48~21:58(成長合成キャンペーン中) | H20.3.17 22:32~22:37(成長合成キャンペーン中) | ||||
TS内時間 | 昼 | 朝 | ||||
成長合成装備 | Lv.50-100のSL2帽子 12個 | Lv.50-80のSL2盾 6個 | ||||
成長合成材料 | マラカイト(魔法防御:43-115) | べっこう(HP:324-864) | ||||
成長合成時ステータス | 幸運100 ケミカルラボマスター | 幸運185 ケミカルラボマスター | ||||
成長合成場所 | ファンタジアサーバー メロディアイランド プルーミングコーラ |
試験結果
表2および表3に試験結果を示す.また,図1および図2に第1スロットと第2スロットの適用数値の散布図を示す.帽子および盾の第1・第2スロットの適用数値間の相関係数rはそれぞれ,-0.03,-0.79であった.この結果を無相関検定で調べたところ,いずれも「相関関係があるとはいえない」との結果であった.
帽子については,相関係数においても,散布図を見ても,両スロットに相関があるようには見えない.(負の相関がある場合,散布図上で点が右下がりに並ぶ.)しかし,盾については,相関係数が-0.79とかなり大きく,散布図上でも相関があるようにも見える.無相関検定で相関がないとされたのは,純粋にデータ数が少なかったことが原因かもしれない.この辺りをもう少し詰めてみよう.
帽子については,相関係数においても,散布図を見ても,両スロットに相関があるようには見えない.(負の相関がある場合,散布図上で点が右下がりに並ぶ.)しかし,盾については,相関係数が-0.79とかなり大きく,散布図上でも相関があるようにも見える.無相関検定で相関がないとされたのは,純粋にデータ数が少なかったことが原因かもしれない.この辺りをもう少し詰めてみよう.
表2 試験結果(帽子)
No. | 成長合成順序 | 適用数値 | 成長合成装備 | ||||
1st-SL | 2nd-SL | 1st-SL | 2nd-SL | 合計値 | 装備名 | 制限Lv. | |
1 | 2 | 6 | 94 | 54 | 148 | 蔵ブリムキャップ | 50 |
2 | 5 | 8 | 68 | 63 | 131 | 蔵キャバセット | 70 |
3 | 9 | 12 | 48 | 45 | 93 | ||
4 | 10 | 13 | 84 | 71 | 155 | ||
5 | 1 | 3 | 86 | 75 | 161 | 蔵ブラスヘルメット | 80 |
6 | 17 | 18 | 53 | 81 | 134 | ||
7 | 19 | 22 | 57 | 61 | 118 | 蔵シルバーヘルメット | 90 |
8 | 15 | 16 | 61 | 86 | 147 | ||
9 | 4 | 11 | 89 | 64 | 153 | 蔵クレスト | 100 |
10 | 23 | 24 | 66 | 94 | 160 | ||
11 | 20 | 21 | 49 | 67 | 116 | 粕キャバセットSL2 | 70 |
12 | 7 | 14 | 68 | 50 | 118 | ||
相関チェック | 1st-SLと2nd-SLの相関係数r | -0.03 | (無相関検定:相関があるとはいえない) |
表3 試験結果(盾)
No. | 成長合成順序 | 適用数値 | 成長合成装備 | ||||
1st-SL | 2nd-SL | 1st-SL | 2nd-SL | 合計値 | 装備名 | 制限Lv. | |
1 | 6 | 8 | 663 | 377 | 1040 | 蔵プリックバックラー | 50 |
2 | 11 | 12 | 404 | 555 | 959 | ||
3 | 7 | 10 | 421 | 706 | 1127 | 蔵スクエアシールド | 80 |
4 | 3 | 5 | 577 | 372 | 949 | 粕プリックバックラー | 50 |
5 | 2 | 4 | 534 | 404 | 938 | ||
6 | 1 | 9 | 577 | 518 | 1095 | 枡メタルバックラー | 50 |
相関チェック | 1st-SLと2nd-SLの相関係数r | -0.79 | (無相関検定:相関があるとはいえない) |
図1 散布図(帽子)
図2 散布図(盾)
表4に第1・第2スロット・合計の平均値・標準偏差を示す.表に示す「合計値-理論上の推定値」とは,第1・第2スロットの平均値・標準偏差から統計的に算出した場合の合計値の平均値・標準偏差を表す.これをみると,盾の合計値の測定値の標準偏差は,理論上の推定値の標準偏差よりかなり小さい.こちらについても,データ数が少ないことから統計的方法で「小さい」ことを示すことはできないが,もし本当に「小さい」とするならば,次のことがいえる.
- 個々のスロットのばらつきに比べて合計値のばらつきが小さい
- すなわち,合計値がある範囲に収まるように調整を受けている可能性を示唆している
さらに言えば,帽子・盾いずれも「第1スロットの適用数値>第2スロットの適用数値」となっている.提出された疑義が真であれば,実際にこのような傾向を示すであろう.(なぜなら,「第1スロットはほぼ自由な適用数値を取る」のに対して,「第1スロット低い→第2スロットは低くも高くもなる」であるが,「第1スロット高い→ほぼ確実に第2スロット低い」ため,第2スロットのみ上側の制限を受けるからである.)
表4 各スロットおよび合計値の平均値・標準偏差
1st-SL | 2nd-SL | 合計値 | |||
測定値 | 理論上の推定値 | ||||
帽子 魔防合成 | 平均値 | 68.6 | 67.6 | 136.2 | (136.2) |
標準偏差 | 16.1 | 14.7 | 21.4 | 21.8 | |
盾 HP合成 | 平均値 | 529.3 | 488.7 | 1018.0 | (1018.0) |
標準偏差 | 99.9 | 131.0 | 81.2 | 164.7 |
帽子には相関がなく,盾にだけあるかもしれない,となった原因を探る.もう一度試験条件を見てみる(表1).下の表中の赤文字が両者で異なる条件である(日時については除外した).両者で異なる条件は「TS内時間」,「成長合成装備(の種類)」,「成長合成材料」,「成長合成時の幸運ステータス」である.(これに+して,「偶然(たまたま)」というのもあるが….)本試験では原因を特定できないが,これら要因の影響を受けて,帽子と盾で異なる(かもしれない)結果を生じている可能性がある.
表1(再掲) 試験条件
条件 | 帽子 | 盾 | ||||
成長合成日時 | H20.3.16 21:48~21:58(成長合成キャンペーン中) | H20.3.17 22:32~22:37(成長合成キャンペーン中) | ||||
TS内時間 | 昼 | 朝 | ||||
成長合成装備 | Lv.50-100のSL2帽子 12個 | Lv.50-80のSL2盾 6個 | ||||
成長合成材料 | マラカイト(魔法防御:43-115) | べっこう(HP:324-864) | ||||
成長合成時ステータス | 幸運100 ケミカルラボマスター | 幸運185 ケミカルラボマスター | ||||
成長合成場所 | ファンタジアサーバー メロディアイランド プルーミングコーラ |
まとめ
本試験結果をまとめると,次のようになる.
- 帽子・盾でスロット間の相関を調べたが,両者ともに統計的に有意な相関は認められなかった.
- 盾はデータ数が少ないため相関関係を見出せなかった可能性を否定できない.可能ならばデータ数を積み増して(あるいは再試験を行って)検証するべきであろう.
おまけ
本試験とは直接関係がないが,帽子と盾では成長合成時の幸運値が85も異なる.折角なので,両者の適用数値を比較してみた.
両者の適用数値の範囲は全く異なるため,直接の比較はできない.そこで,適用数値を次のように変換して比較する.
変換された適用数値=(適用数値-下限値)/(上限値-下限値)×100
(下限値:適用数値範囲の下限値,上限値:適用数値範囲の上限値 である)
この式によって変換された適用数値は,最低値なら0,最高値なら100,それ以外なら0~100の間の数値になる.変換された適用数値の平均値・標準偏差を表Aに示す.これを見ると,帽子も盾も差があるようには見えない.これは,幸運100と幸運185では適用数値に差がない可能性を示している.
両者の適用数値の範囲は全く異なるため,直接の比較はできない.そこで,適用数値を次のように変換して比較する.
変換された適用数値=(適用数値-下限値)/(上限値-下限値)×100
(下限値:適用数値範囲の下限値,上限値:適用数値範囲の上限値 である)
この式によって変換された適用数値は,最低値なら0,最高値なら100,それ以外なら0~100の間の数値になる.変換された適用数値の平均値・標準偏差を表Aに示す.これを見ると,帽子も盾も差があるようには見えない.これは,幸運100と幸運185では適用数値に差がない可能性を示している.
表A 変換された適用数値の平均値・標準偏差
1st-SL | 2nd-SL | ||
帽子 魔防合成 | 平均値 | 38.0 | 30.5 |
標準偏差 | 18.5 | 24.3 | |
盾 HP合成 | 平均値 | 36.4 | 32.9 |
標準偏差 | 20.6 | 21.1 |
追加試験-SL3エブリ盾のHP合成
データ収集条件
データの収集条件を追表1に示す.
追表1 データ収集条件
試験日 | H.20.5.1 |
試験時刻 | 7:41~8:03 |
鯖 | F鯖夢島 |
場所 | ブルコラ |
TS内時間 | 昼 |
幸運 | 193 |
ケミカルラボ | マスター |
材料 | 赤の数珠球 |
合成種別 | 最大HP |
適用範囲 | 408-1128 |
成長合成スロット数 | 3SL*27=81 |
試験結果概要
- できるだけ短い時間で成長合成を行っているが,それより短い間隔で成長合成結果を変動させる要因が存在することを否定できないこと,および連続して成長合成を行った場合にその結果が独立であると明言できないことを考慮.擬似乱数を生成し,ランダムな順番で各スロットの成長合成を行った.追表2に各スロットの成長合成順序を示す.
追表2 各スロットの成長合成順序一覧表
装備No. | スロットNo. | ||
1 | 2 | 3 | |
1 | 36 | 54 | 56 |
2 | 12 | 37 | 58 |
3 | 39 | 46 | 68 |
4 | 6 | 76 | 78 |
5 | 15 | 65 | 66 |
6 | 22 | 42 | 74 |
7 | 59 | 70 | 72 |
8 | 23 | 60 | 63 |
9 | 49 | 52 | 53 |
10 | 8 | 18 | 41 |
11 | 7 | 17 | 69 |
12 | 1 | 43 | 79 |
13 | 19 | 62 | 67 |
14 | 25 | 50 | 64 |
15 | 21 | 57 | 81 |
16 | 9 | 11 | 20 |
17 | 33 | 77 | 80 |
18 | 27 | 28 | 71 |
19 | 24 | 29 | 34 |
20 | 3 | 4 | 30 |
21 | 16 | 35 | 51 |
22 | 26 | 55 | 61 |
23 | 14 | 31 | 75 |
24 | 5 | 40 | 44 |
25 | 10 | 45 | 73 |
26 | 32 | 38 | 48 |
27 | 2 | 13 | 47 |
- 各装備各スロットの適用数値を追表3に示す.
追表3 各装備・各スロットの適用数値一覧表
装備No. | 適用数値 | |||
スロットNo. | 合計値 | |||
1 | 2 | 3 | ||
1 | 480 | 552 | 660 | 1692 |
2 | 588 | 559 | 681 | 1828 |
3 | 429 | 516 | 739 | 1684 |
4 | 501 | 451 | 537 | 1489 |
5 | 516 | 480 | 444 | 1440 |
6 | 530 | 580 | 487 | 1597 |
7 | 566 | 631 | 753 | 1950 |
8 | 537 | 624 | 768 | 1929 |
9 | 530 | 422 | 436 | 1388 |
10 | 811 | 523 | 422 | 1756 |
11 | 717 | 487 | 552 | 1756 |
12 | 645 | 451 | 609 | 1705 |
13 | 825 | 508 | 487 | 1820 |
14 | 631 | 681 | 501 | 1813 |
15 | 638 | 429 | 523 | 1590 |
16 | 811 | 458 | 422 | 1691 |
17 | 696 | 436 | 645 | 1777 |
18 | 595 | 760 | 508 | 1863 |
19 | 724 | 624 | 530 | 1878 |
20 | 789 | 516 | 523 | 1828 |
21 | 516 | 559 | 566 | 1641 |
22 | 609 | 595 | 811 | 2015 |
23 | 588 | 552 | 681 | 1821 |
24 | 429 | 494 | 566 | 1489 |
25 | 595 | 422 | 854 | 1871 |
26 | 429 | 580 | 710 | 1719 |
27 | 883 | 616 | 537 | 2036 |
- 結果を「成長合成適用度」(ページ下部参照)に変換すると追表4のようになる.
追表4 各スロットの適用度
装備No. | 適用度 | ||||
スロットNo. | 合計値 | ||||
1 | 2 | 3 | 1+2 | 2+3 | |
1 | 10 | 20 | 35 | 30 | 55 |
2 | 25 | 21 | 38 | 46 | 59 |
3 | 3 | 15 | 46 | 18 | 61 |
4 | 13 | 6 | 18 | 19 | 24 |
5 | 15 | 10 | 5 | 25 | 15 |
6 | 17 | 24 | 11 | 41 | 35 |
7 | 22 | 31 | 48 | 53 | 79 |
8 | 18 | 30 | 50 | 48 | 80 |
9 | 17 | 2 | 4 | 19 | 6 |
10 | 56 | 16 | 2 | 72 | 18 |
11 | 43 | 11 | 20 | 54 | 31 |
12 | 33 | 6 | 28 | 39 | 34 |
13 | 58 | 14 | 11 | 72 | 25 |
14 | 31 | 38 | 13 | 69 | 51 |
15 | 32 | 3 | 16 | 35 | 19 |
16 | 56 | 7 | 2 | 63 | 9 |
17 | 40 | 4 | 33 | 44 | 37 |
18 | 26 | 49 | 14 | 75 | 63 |
19 | 44 | 30 | 17 | 74 | 47 |
20 | 53 | 15 | 16 | 68 | 31 |
21 | 15 | 21 | 22 | 36 | 43 |
22 | 28 | 26 | 56 | 54 | 82 |
23 | 25 | 20 | 38 | 45 | 58 |
24 | 3 | 12 | 22 | 15 | 34 |
25 | 26 | 2 | 62 | 28 | 64 |
26 | 3 | 24 | 42 | 27 | 66 |
27 | 66 | 29 | 18 | 95 | 47 |
- 各スロットの適用数値および合計値の統計量を追表5に示す.
追表5 各スロットの適用数値および合計値の統計量
統計量 | 1st-SL | 2nd-SL | 3rd-SL | 全スロット | 合計値 |
平均値 | 615.11 | 537.26 | 590.81 | 581.06 | 1743.19 |
分散 | 16669 | 7232 | 15244 | 13793 | 28152 |
標準偏差 | 129 | 85.0 | 123 | 117 | 168 |
結果の解釈
- 2nd-SLの数値が小さいようなので,一元配置分散分析およびSteelの多重検定方法によりチェックした.詳細は割愛するが,その結果は次の通り.
- 「3つのスロットのうち少なくともどれかひとつの母平均は,他のスロットの母平均と異なるといえる」(分散分析)
- 「2nd-SLの母平均は,1st-SLの母平均より小さいといえる.3rd-SLのそれと違うとはいえない」(Steelの方法)
- 今回は3スロットあるので,単純に相関係数のみでは比較しづらい.しかし,ごく簡単に比較できるものであるため,いくつかのスロットの組に対して計算した相関係数を追表6に示す.スロットの組の選択根拠は次の通り.
- 1st-SLと2nd-SL,1st-SLと3rd-SL,2st-SLと3rd-SL:前のスロットと後のスロットの関係を見る
- 1st-SL+2nd-SLと3rd-SL,1st-SLと2nd-SL+3rd-SL:前のスロット(またはスロットの合計)と後のスロット(またはスロットの合計)の関係を見る
- 2ndと3rdの組以外では相関係数はいずれも負値である.(最初が高いと後が低い,ということを表している.)弱相関ではあるが,各スロットの独立性は疑わしいといえる.
追表6 各スロットの組み合わせによる相関係数
スロットの組 | 相関係数r |
1 & 2 | -0.02 |
1 & 3 | -0.40 |
2 & 3 | +0.10 |
1+2 & 3 | -0.28 |
1 & 2+3 | -0.32 |
- 追表6の組のうち,2と3を除くデータを散布図にしたものを追図1(上段3図)に示す.
- 明確な相関関係は見出せないが,図中赤丸の部分のデータが不自然に欠落している.この部分は,良-良という結果の領域であり,スロット全体に渡って良合成がきたデータがないことを表している.
- この結果の解釈を容易にするため,各スロットの適用数値は互いに独立であるという仮定の下で,コンピュータで3SL×27回の成長合成シミュレーションを行い,実際の結果と比較を試みた.シミュレーション結果の一例を追図1下段3図に示す.
- シミュレーション結果が今回の試験結果と同様な傾向を示す場合もあるが,その頻度はかなり小さい.(3つの図とも試験結果と同様になるケースは,100回中4回程度であった.)
- よって,今回の試験結果からは,各スロットの適用数値に依存性があり,良-良-良という結果が得られない仕様である疑いが強い.
追加試験まとめ
- 3SL装備の成長合成では,2つめのスロットの適用数値が低いという検定結果を得た.
- 今回の試験では,良-良-良という結果が得られず,各スロットの適用数値が互いに独立であるとしたシミュレーション結果と著しく異なる.
- よって,3SL装備の成長合成では,各スロットの適用数値間に依存性があると考えられる.
成長合成適用度について
- 今更気づいた.
- エブリ盾の適用数値は"7"または"8"の飛び飛びの数値である.(すべての整数値をとるわけではない.)
- この現象について,「成長合成適用度」(以下では略して「適用度」という)xを次のように定義するとほぼ矛盾なく説明可能である.
y=[(Su-Sl)*x/100+Sl] ・・・式(1)
ここに,y:成長合成適用数値
x:適用度 0≦x≦100の整数
Su:適用数値範囲の上限値
Sl:適用数値範囲の下限値
なお,[ ]はガウス記号をあらわし,[A]でAを超えない最大の整数を表す
(つまり,[A]はAの小数点以下を切り捨てた数である)
ここに,y:成長合成適用数値
x:適用度 0≦x≦100の整数
Su:適用数値範囲の上限値
Sl:適用数値範囲の下限値
なお,[ ]はガウス記号をあらわし,[A]でAを超えない最大の整数を表す
(つまり,[A]はAの小数点以下を切り捨てた数である)
- 適用度は,上で定義した「変換された適用数値」にほぼ等しい.
- 式(1)を採用すると,適用数値範囲の幅が101より大きい場合,適用数値は適用数値範囲のすべての整数値をとる事はなく,適用数値範囲を100等分した値(つまり101個の値)しかとり得ない.幅が101以下の場合は全整数値をとり得る.
- 過去のデータについても凡そ式(1)と矛盾しないが,一部"1"のズレが生じる.(「べっこう」の適用数値で確認.)適用数値範囲が実は整数でない可能性もあるが,式(1)の精度はやや疑問?
- なお,ここでいう「成長合成適用度」とケミカルラボスキルの説明にある「成長合成適用度増加値」は別物である.