動物キャラ・バトルロワイアル内検索 / 「赦されざる者」で検索した結果
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赦されざる者
赦されざる者 ◆TPKO6O3QOM 墓場ってなあ、嫌なもんだ。別に、ゾンビが這い出てくるとか、ペット・セメタリーみたいなことが起きるとか、そういうことを言ってるんじゃねえ。んなことを勝手に想像して勝手に怖がる能天気は人間だけで十分だ。 じゃあ、何が嫌なのかっていやあ、しみったれてるからさ。遺族たちの、亡者たちへの弔いと称した自己憐憫が満ち溢れて居やがる。その陰湿な情念が毛皮に纏わりついてくるようで、非常に不愉快だ。カビつきそうでな。 そんな中を進むなら、血臭の中で深呼吸した方がマシってんもんさ。 「――で、しないの? 深呼吸」 「すると思ってんのか? おまえはバカか? バカなのか? もしくはアホか?」 くだらないことを口にしたピカチュウに対して鼻を鳴らす。奴の身体に小さな稲妻が走ったのが見えたが、溜息を一つして結局何もしてこなかった。自分の質... -
トニートニー・チョッパー
...る。同行中 072 赦されざる者 イギー 警戒 言動を糾弾される 072 赦されざる者 楽俊 敵対 襲撃される 094 荒れ狂う稲光の―― 最終状態 【D-4/ホテル跡/1日目/正午(放送直前)】 【トニートニー・チョッパー@ONE PIECE】 【状態】重傷(自前の応急処置済み)、自己嫌悪 【装備】なし 【所持品】支給品一式*2 、応急処置用の医療品、担架 【思考】 基本:人殺しを殺す、そうでない人からは逃げる。 1:人殺しを探す。誰かに会えばまずそれから聞く。 2:最終的には――――? ※参戦時期は少なくともフランキーを仲間にしてからです。 ※ザフィーラ(名前は知らない)を動物系悪魔の実の能力者と誤解しています。また、自分のせいで海に落ちてしまったと思っています。 ※イッスンには気づいていません。剣(グランドリオ... -
イギー
...動に不快感 072 赦されざる者 ザフィーラ 中立 青いの 情報交換 092 驟り雨 クロ 中立 にゃんこ先生 護衛される? 092 驟り雨 ホロ 中立 情報交換 092 驟り雨 最終状態 【E-4/サッカー場/1日目/正午】 【イギー@ジョジョの奇妙な冒険】 【状態】:全身打撲(小・治療済)、疲労(中)、精神的疲労(中) 【装備】:腕時計 【道具】:支給品一式(食糧:ドライフード)、犬笛 【思考】 基本:面倒なので殺し合いには乗らない。 1:サッカー場でしばらく休んでいく。 2:雨が止んだら、まん丸に会いに行く? 3:ツネジローを探し、タヌタローのことを伝える……? 【備考】 ※イギーの参戦時期はペット・ショップとの戦闘で、下水道に逃げ込む前後です。 ※スタンドの制限に気づきました。 ※タヌ太郎に少し心を... -
第二回放送までの本編SS
...アマテラス 072 赦されざる者 ◆TPKO6O3QOM ピカチュウ、トニートニー・チョッパー、イギー 074 熊嵐 ◆TPKO6O3QOM 赤カブト、銀、カエル、グレッグル、ツネ次郎 075 異界の車窓から ◆1eZNmJGbgM ギロロ伍長、ユーノ・スクライア 076 闇の梯子 ◆TPKO6O3QOM ウマゴン、オーボウ、ラルク 077 闇よりほかに聴くものもなし ◆TPKO6O3QOM シエラ、クロコダイン 078 戯守奇譚 ◆TPKO6O3QOM アライグマの父 079 雨がくる風がたつ ◆TPKO6O3QOM ぼのぼの、アマテラス 082 慌てない慌てない、一休み一休み ◆1eZNmJGbgM クズリの父、ザフィーラ、ホロ、まん丸、クロ、イカルゴ 084 Four Piece of History ◆k3fZfnoU9U ケロロ軍曹、楽俊、ケットシー、オカリナ、キラーパンサ... -
ピカチュウ
...る。同行中 072 赦されざる者 最終状態 電波塔にてケロロと遭遇し、支給品のジムのプラモデルを奪われる。 自分の世界に入り込むケロロに己の存在を気付かせようと、ショック療法のような具合に軽い電撃を浴びせるも、ケロロに敵対行動と見られてしまう。 更に、そこにやってきたのはオカリナと、顔が怖いと評判のキラーパンサー。ケロロは手の尽くす限りの抵抗の末に逃げ去ってしまう。ジムを奪ったまま。 電波塔を出た一行は、ここの動物達は人間と関わりのある、そして人を主に持つもの達であるという仮説を導き出す。 途中でイギーを拾い保健所へ。そこで電話を通してニャースと再会する。 ホテルに残る楽俊を心配し、オカリナらと別れ、サッカー場へ行くというイギーと共に東へ。 サッカー場にてチョッパーと遭遇する。人を殺したと落ち込む彼を慰めるが、そのことでイギーとは仲違してしまう。 チョ... -
【051~100】
...アマテラス 072 赦されざる者 ◆TPKO6O3QOM ピカチュウ、トニートニー・チョッパー、イギー 073 雪上断温 ◆k3fZfnoU9U ラルク 074 熊嵐 ◆TPKO6O3QOM 赤カブト、銀、カエル、グレッグル、ツネ次郎 075 異界の車窓から ◆1eZNmJGbgM ギロロ伍長、ユーノ・スクライア 076 闇の梯子 ◆TPKO6O3QOM ウマゴン、オーボウ、ラルク 077 闇よりほかに聴くものもなし ◆TPKO6O3QOM シエラ、クロコダイン 078 戯守奇譚 ◆TPKO6O3QOM アライグマの父 079 雨がくる風がたつ ◆TPKO6O3QOM ぼのぼの、アマテラス 080 Crossfire ◆TPKO6O3QOM ギロロ伍長、ユーノ・スクライア、パスカル、ラルク 081 stray ◆TPKO6O3QOM イギー 082 慌てない慌てない、一休み一休み ◆... -
◆TPKO6O3QOM
...アマテラス 072 赦されざる者 ピカチュウ、トニートニー・チョッパー、イギー 074 熊嵐 赤カブト、銀、カエル、グレッグル、ツネ次郎 076 闇の梯子 ウマゴン、オーボウ、ラルク 077 闇よりほかに聴くものもなし シエラ、クロコダイン 078 戯守奇譚 アライグマの父 079 雨がくる風がたつ ぼのぼの、アマテラス 080 Crossfire ギロロ伍長、ユーノ・スクライア、パスカル、ラルク 081 stray イギー 083 今日も明日も変わるけれど―― クズリの父、まん丸、イカルゴ 086 風は悽愴雨迷風影 オカリナ、プックル、クロコダイン、ニャース 088 白い兎は歌う ケロロ軍曹、因幡てゐ 089 黒い牙 アライグマの父 090 SPIRITs away クロコダイン、シエラ、ニャース 092 驟り雨 ザフィーラ、クロ、イギー、ホロ 095 第二回放送 キュウビ、アザー... -
雪上断温
...で読む Back 赦されざる者 Next 熊嵐 053 先送りの決断 ラルク 076 闇の梯子 -
Dances with the Goddess
...雪上断温 Next 赦されざる者 投下順で読む Back 朝日と共に去りぬ Next 赦されざる者 063 命ゆくもの ムックル 093:背なの上のぼの 059 距離を超えた遭遇 ニャース 086 雨迷風影 059 距離を超えた遭遇 アマテラス 079:雨がくる風がたつ -
荒れ狂う稲光の――
...送 072 赦されざる者 ピカチュウ 死亡 072 赦されざる者 トニートニー・チョッパー 098:とても優しい瞳をしてたあなたが歌う―― -
SSタイトル元ネタ
...iWn80 072 赦されざる者 クリント・イーストウッド監督・主演映画「許されざる者」 http //www.youtube.com/watch?v=Ai1mP8_pVoE 073 雪上断温 pop n music 12より「 雪上断火 」 074 熊嵐 熊を殺したときに吹くと言われる嵐、および三毛別羆事件を題材にした吉村昭の小説「 羆嵐 」 075 異界の車窓から テレビ朝日系列旅番組「世界の車窓から」 076 闇の梯子 藤沢周平の短編「 闇の梯子 」 077 闇よりほかに聴くものもなし 山田風太郎の連作短編「 夜よりほかに聴くものもなし 」 078 戯守奇譚 梨木香歩の小説「 家守綺譚 」 079 雨がくる風がたつ 漆原友紀「蟲師」第二巻収録「雨がくる虹がたつ」http //www.youtube.com/watch?v=QuzFrYh0psw 080 Crossfi... -
stray
...み 072 赦されざる者 イギー 092 驟り雨 -
Beyond the Sword
...チョッパー 072 赦されざる者 025 それは不幸な出会いなの? ザフィーラ 062 在りし日の夢は散り散りに毀れる -
距離を超えた遭遇
...ピカチュウ 072 赦されざる者 049 異境異聞 キラーパンサー 084Four Piece of History 049 異境異聞 オカリナ 084 Four Piece of History 049 異境異聞 イギー 072 赦されざる者 -
熊嵐
...で読む Back 赦されざる者 Next 異界の車窓から 投下順で読む Back 雪上断温 Next 異界の車窓から 064 へんたいトリロジー ~爪とヒマワリの章~ 赤カブト 死亡 064 へんたいトリロジー ~爪とヒマワリの章~ ツネ次郎 死亡 069 罪穢れの澱みを着せて グレッグル 死亡 069 罪穢れの澱みを着せて 銀 死亡 069 罪穢れの澱みを着せて カエル 087 GREN~誤解の手記と鍾乳洞~ -
結成されたチーム
結成チーム 【チーム:ボノテイ】 構成:ぼのぼの、因幡てゐ 性格:扇動マーダーと、それに気が付かない普通動物。 【チーム:三匹が行く!】 構成:楽俊、アマテラス、ニャース 性格:純粋な対主催チーム 基本思考:殺し合いに乗っていない参加者を集める。 【チーム:契約者】 構成:クロコダイン、シエラ 性格:契約に基づくマーダーチーム 基本思考:ラルクを除く全参加者の殺害 1:C-2駅を目指す 2:そこに参加者がいれば殺害する ※契約内容 クロコダイン、シエラ、ラルクが最後の3人となるまで、クロコダインとシエラの協力関係は継続される。 それが満たされれば、契約は破棄され、互いの命を取り合って最後の一人を決める。 【チーム:主をもつ魔物達】 構成:キラーパンサー、オカリナ、ピカチュウ 性格:純粋な対主催チーム 【共通思考】 1:... -
驟り雨
驟り雨 ◆TPKO6O3QOM 「すっかり濡れちまったなァ」 「まったくだぜ。駅は無駄足だったしよー」 「………………」 「だーから、オイラは駅なんて寄らずに屋敷から真っすぐ此処に向かうべきだと言ったんだ。その通りだったじゃねえか」 「そうだなあ……って、思わず頷いちまったが、クロはおっさんに同意してなかったか?」 「気のせいだ」 「………………」 ホロは雄二匹のぼやきに耳を翻しながら、彼らと同様に空を見上げていた。垂れさがるような暗い雲から大粒の雨が絶え間なく降り注いでいる。その勢いは中々のもので、サッカー場の軒先から地面へと落ちていく水の流れは、まるで小さな滝のようだ。 「まあ、そう責めてやるな。地下鉄を使わねば、もっと酷い有様になったかもしれぬからの」 沈黙しているザフィーラを悪戯っぽく見やり、己の頭をぽんと叩いた。髪の中のイッスンが小... -
命を懸ける熊犬と懸けない羆
命を懸ける熊犬と懸けない羆 ◆TPKO6O3QOM 銀は幾度目かの溜息をついた。眼には既に疲労の色が出ている。引き締まった体躯を包む虎毛は乱れ、毛艶も悪くなっているようだ。草叢を往く足取りはふらふらと力がない。 彼の周囲は開けた草原だ。時折吹く穏やかな風を受けて、草たちがさらさらという笑声を上げる。 彼を苛んでいるのは、殺し合いでもキュウビと名乗った大狐のことでもない。先刻に見た一つの巨影だった。 爛と隻眼を耀かせた熊影――あれは赤カブトだ。と彼は断定した。自分が止めを刺したはずの。 銀は集められた会場で、それを遠目ではあるがはっきりと見た。いや、そうでなくとも、あのおぞましい姿は見間違えようがない。 悪い夢でも見ているようだった。いや、出来れば夢であって欲しいと銀は心底思う。 だが、足裏の肉球が通して伝わるひんやりとした地面の感触が、... -
熊王の城
熊王の城 ◆1eZNmJGbgM 切っ掛けは、一羽のハヤブサによるものだった。 そのハヤブサからしてみれば、己の能力確認にしか過ぎない行為。 しかしその能力は第三者からみれば異形であり、異端。 そのため、周囲では様々な影響が及ぼされた。 ある者たちは、脅威をやり過ごした後に支給品の白馬?に跨りいずこへか旅立ち。 またある者たちは、これもまた別の者たちと出会い、新たな武器と餌を手に入れ南へ。 そしてもう一方の者たちは、かの異形を打ち倒し、親友を救いださんとするべく北へ。 そしてここにもその異形によって生じた副産物に導かれ、二匹の参加者が顔を合わせる。 一匹は崖の近くで聞こえた滝とは違った音の正体を観るべく南へ向かい。 一匹は崖の近くで月明かりに反射した光の正体を視るべく東へ向かい。 出会ったのはただの偶然なのか、それとも元の... -
されど山犬は仔猫と躍る
されど山犬は仔猫と躍る ◆TPKO6O3QOM 天は蒼月を抱き、森は静寂の中に沈んでいる。海底に佇む岩礁のように青ざめた木々の一本一本までが、繰り広げられる狂宴に怯え、じっと息を潜めているようだ。近くに滝があるのだろう、耳朶を打つ爆音が大気を揺らしている。ひんやりとした風が森の中に漂っていた。 緩やかな瀑布のように降り注ぐ木漏れ月に銀毛を輝かせながら、モロは支給された袋の中身を確認していた。 前足と顎を丁寧に動かして、袋の中身を取り出していく。その様子はモロの巨躯とは対照的で、どこか滑稽にも見える。袋の口を閉じていた、歯の様に連なった金属の留め具が中々の難物で、それを解除するのに結構な時間を費やしていた。試行錯誤の後、どうにか金具に爪を引っ掛けることに成功し、ようやく開けることが出来た。 しかし、袋の中に入っていたものはその苦労に見合うものではなかった。 ... -
【ハーメルンのバイオリン弾き】からの出典
【伝説の剣】 桃カンを開けるという、珍妙な経緯で開発された剣。 ダル・セーニョの王族が守っている宝石(ルビー)に聖なる者の魂を取り込ませたものを剣の柄の穴に入れると、何でも斬り裂く剣になる。 しかし、宝石あるいは聖なる者の魂がなければ、何も斬ることができない(逆に、何をしても斬られる事もないらしい)。 ちなみに、桃カンを開けた時には、聖なるカブトムシの魂を宝石に取り込ませたらしい。 なお、出典自体は18巻。詳しいことが解るのは19巻前後。 ラルクに支給。 【ハーメルのバイオリン】 もとはハーメルの母親のパンドラのものだったが、作中ではずっとハーメルが所持している。 ハーメルの祖父のヴァィ・オリンが作った魔器であり、特別製。 ハーメルによく鈍器として使われているが、まったく痛まない。 一度破損したことがあるが、それ以降きつい攻撃を壊れることはなかったため、相... -
メレオロン
【名前】メレオロン 【出典】HUNTER×HUNTER 【種族】キメラアント 【性別】男 【年齢】不明 【外見】パーカーを着た二足歩行のカメレオン 【性格】飄々としていてつかみ所がないが、義理堅い。 【口調】 一人称:俺 【備考】 神の不在証明(パーフェクトプラン) 使用者:ジェイル(メレオロン) 自身が呼吸を止めている間は、誰にも自分の存在を気付かれなくなる能力。 ドラえもんに出てくる「石ころ帽子」のようなもの。 流れ弾やあてずっぽうの攻撃が偶然命中するなど何らかの外的要因によって能力の効果が途切れるまで発見する術が無い。直に触られた場合は「触られたこと」は分かるが、触っているメレオロンの存在がやはり認識できないため、何も無い場所から触られたようにしか感じられない。 持続時間は、平時:約2分、戦闘時:1分程度。 神の共犯者 「神の不在証... -
ぼのぼの
【名前】ぼのぼの 【出典】ぼのぼの 【種族】ラッコ 【性別】オス 【年齢】??(子供) 【外見】青い毛に覆われた三頭身二足歩行のラッコ 【性格】のんびりやだが、好奇心旺盛 【口調】 一人称:ぼく 【備考】 以下、動物キャラ・バトルロワイアルにおけるネタバレを含む +開示する ぼのぼのの本ロワにおける動向 初登場話 オープニング 死亡話 登場話数 8話 スタンス 対主催 現在状況 1日目日中の時点で生存 現データ 097:雨の降る昼、いったいどうする キャラとの関係(最新話時点) キャラ名 関係 呼び方 解説 初遭遇話 アライグマ 仲間 アライグマくん 元世界の友人 オ-プニング クズリの父 仲間 クズリくんのお父さん 元世界の知人 ヒグマの大将 仲間 コヒグマくんのお父さん 元世界の知人 030:狡兎三窟 アライグマ... -
二つの思惑
二つの思惑 ◆Tgv.obtSQA 雪原の片隅、山岳地帯の麓にその教会はひっそりと佇んでいた。 夜だというのに教会がほのかに明るく照らされているのは、周りにそっと積もった雪が月の光を反射しているからだ。 その雪の絨毯の上に、教会の入口から一人分の足跡が伸びている。良く見れば足跡の向く先は教会で、実際は雪原の真ん中で突然足跡が発生し教会へと伸びているのだった。 その教会の中、聖堂に並ぶ古めかしい長椅子の側に、足跡を残した張本人、ラルクはいた。 月光が差し込む教会の中は、深夜だというのにほんのり明るく、その神秘性と荘厳さを高めている。 「剣か」 床にデイバックを置き、中身を確かめていたラルクは、一振りの剣をデイバックから抜き出した。差し込む月明かりに照らされ、研ぎ澄まされた刃がキラリと輝く。 その剣の腹には何か文字が掘り込まれており、柄には穴が開... -
雨迷風影
雨迷風影 ◆TPKO6O3QOM 保健所らしき建物が見えた。強さを増す風に吹き飛ばされぬよう、マントを抑えながらニャースは叢を駆け抜ける。マントの透明化機能を用いているが、草を踏みつけ走る事象までが消えるわけではない。臭いの道筋が消えるわけではない。 人間はどうでも、獣を誤魔化しきることは難しい代物だ。 殺し合いに乗った獣が今にも飛びかかってくるのではないか。彼の鼻と耳が周囲に誰も居ないことを報せているにも関わらず、視えぬ恐怖に身を縛られていた。 頭を占めるのは墓地に置き去りにしてきたアマテラスのことだ。そして、白毛のライコウのような獣のこと――。 アマテラスは不可思議な技を持っている。充分に勝てるはずだ。だから大丈夫だ。 そう自分に言い聞かせ続けている。しかし、それを別の思考が両断する。 それならば、なぜアマテラスは追いついてこないのか。 ... -
背なの上のぼの
背なの上のぼの ◆1eZNmJGbgM 「あー、オオカミさん!」 道の脇の草むらから、ぼのぼのはそう言ながらアマテラスの方へ走りだす。 この殺し合いに巻き込まれて半日が経とうとしているなか、最初に出会った時と同じ 白い体毛に紅の隈取りがよく映える雄々しい姿に、ぼのぼのは安堵する。 本人は気づかないかも知れないが、ヒグマの大将と死に別れてゐを見失っているのでなおのこと嬉しいのだろう。 「ワンッ」 アマテラスもぼのぼのが近づいてくると、相槌を打つかのようなタイミングで吠える。 彼の本心は伺い知れないが、恐らくはそうなのだろう。 「オオカミさんそのお腹の怪我どうしたの!?」 再開した時には見えなかったのか、胴の片側にできた傷口を目ざとく見つけたぼのぼのが慌てだす。 傷自体はカスリ傷よりは少し深い程度のものだったが、なに... -
夢有
夢有 ◆k3fZfnoU9U 『マモナク、F−4ノ駅ニ着クンダベ! オ降リニナル方ハ危険ナノデ、足元ニ気ヲ付ケテ降リルンダベ』 「まん丸、そろそろF−4駅に着くようじゃの。」 「ホロ…さん?」 「まあ、なんというか、今のわっち達にできることはメレオロンの冥福を祈ることくらいじゃないかや。」 「うぅ…メレオロンさん。」 受け入れなければいけない事実だったが、まん丸にとっては受け入れたくない事実だった。 それは自分の目の前で事切れてしまったメレオロンの存在だ。 この場に放り込まれて、最初に出会った彼が死んだという事実を信じたくなかった。 「まん丸、受け入れたくないという気持ちは分かる。しかし、これは受け入れなければいけない事実だかや。」 「ホロさん……。」 ホロはそんなまん丸の気持ちを察して、慰めるような口調で告げた。 それでもまん丸は影を落としていた。 ... -
陸の上のタコ
陸の上のタコ ◆EFl5CDAPlM 相手の戦力は未知数。加えて自身は直接戦闘能力は低い。 奇襲して倒そうにも、気付かれたらさっきと同様食われる可能性が高い。 さっきは相手も油断していたから助かったかもしれないが、次に食われたら俺は確実に奴の腹の中だろう。 故に俺は退却を選んだ。 だが奴は背中と思える部分に鞍をつけていた。 恐らくは俺の知らない移動用に使われている生物なんだろう。 だから恐らく、足は速い。俺の足だとすぐに追いつかれて後ろからばくりだ。 だから進む方向は陸じゃない。海だ。 相手は爬虫類。カメレオンのように舌をのばして捕食する肉食。 ワニ等の例外も考えられるが、奴の形状的に水中での生活には適してない。 水中まで追いかけてくることがあっても軟体生物である俺が捕まるなんてことないはずだ。 あのトカゲに橋を渡る以外の... -
彼にしか出来ないぶち抜き
彼にしか出来ないぶち抜き ◆EwVLYtcCbD23 「ヒーッ! ホーッ!! こりゃいいや!!」 空を飛ぶという初めての感覚に、猫の機嫌は鰻登り。 今まで地に足を着けて歩くことしか知らなかった彼は、大空の旅を満喫していた。 とはいえ、そこまで自由なものではないのだが。 飛ぶ方向は決まっているし、速度も一定。 自分の思い通りに動かすことは、出来ない。 けれども、初めてというのはやはり気持ちがいいもので。 全身を使って風を切る、ということを思う存分楽しんでいた。 「ふぅ、もーいっかいと行きたいけど、ここは温存しとくべきだよね~」 初めてとは思えない完璧な着地をこなし、上機嫌の猫はあたりを見渡していく。 あたりに広がっているのは、瓦礫の山。 すこし歩きにくい地面を、よたよたとケットシーは歩く。 「おっ、マグネタイトじゃん? ラッキーラッ... -
狼の新たな旅立ち
狼の新たな旅立ち ◆bD004imcx 風が吹いているのか、まばらに生えている木の葉が音を立てて揺れる。 草原もその影響を受けて波を作り、風を形あるものに変えていく。 空模様もよく、雲の隙間から時折月の光が大地を照らす。 太陽の強い光とは異なる優しいその光が、全てにわずかな色と影を与えていく。 「ん~……」 そしてその景色を、彼女は大きく伸びをしながら、懐かしいものを見る目で眺めた。 (わっちの故郷は雪で埋もれていたが、こういう景色もたまにはあったかや……) 彼女は顔はまだ幼いがそれなりに整っている。 普段から着ている一張羅もあって、普通の人間としてなら見栄えはいい方だろう。 だが、彼女の頭と腰についている物は、普通の人間についているものではなかった。 遠くの音を聞こうと耳をすませば狼の耳が動き、本人自慢の... -
ホロ
【名前】ホロ 【出典】狼と香辛料 【種族】狼 【性別】メス 【年齢】数百歳 【外見】 赤い琥珀色の瞳に先の白い尻尾と立った獣耳を持つ長い亜麻色の髪の少女。 何百年も生きてきた人を丸呑みにできる程巨大な狼。 生き血か数粒の麦粒を食べると狼の姿に戻ることが出来る。。 【性格】 【口調】 一人称:わっち 二人称:ぬし 「~ありんす」などの郭言葉 【備考】 その耳は声色から嘘を見抜き、触れあった硬貨の音からわずかな純度の差を聞き分ける。故郷を出て各地の伝承にその名を残したが、悪魔憑き(人狼の類)と誤解され騒がれるのを嫌い隠遁の身となった。それゆえ気を許した相手にしか耳と尻尾を見せることはない。 教会から迫害を受けて追われ、長い間神として扱われ、対等に話せる相手に恵まれない半生であったため敬服される事は好まず、純粋につきあえることから子供には優しい。そのためロレンス... -
ラルク
【名前】ラルク 【出典】聖剣伝説 LEGEND OF MANA 【種族】獣人 【性別】雄 【年齢】死亡時22歳 【外見】赤毛の人狼 【性格】シスコ――――姉思い 【口調】 一人称:俺 【備考】 不死皇帝との戦いでの奮戦から「砦落としのラルク」という異名を持つ。 仲間の裏切りによって奈落に落ちたのち、ティアマットの要請を受けて彼のドラグーンとなる。 装備武器は片手斧。「地閃殺」と言う独自の必殺技を持つ。 以下、動物キャラ・バトルロワイアルにおけるネタバレを含む +開示する ラルクの本ロワにおける動向 初登場話 016:二つの思惑 死亡話 登場話数 9話 スタンス 奉仕型危険対主催 現在状況 1日目午後の時点で生存 現データ 103 未完成の自画像 キャラとの関係(最新話時点) キャラ名 関係 呼び方 解説 初遭遇話 シエ... -
悲しいことや辛いことが終わるために…
悲しいことや辛いことが終わるために…◆EMOQZrE4lI どうして、どうしてこんな事になったんだろう。 ボクたちはいつものように遊ぼうと思っていたのに 気がついたら真っ暗闇で、最初はしまっちゃうおじさんにしまわれたかと思った。 でもボクたち以外にもたくさんの動物達がいっぱいいた。 そこでオオカミさんがボクを励ましてくれて、友達にもなった。 そしたらいきなり大きなキツネさんが出てきて殺しあえと言われた。 シマリスくんは殺し合いなんか間違っているし、森に返してほしいって言っただけなのに、なのに… シマリスくんの首が爆発して…僕の腕の中でシマリスくんは冷たくなっていた。 昨日、僕は楽しいことはなんで終ってしまうんだろうと考えていた。 スナドリネコさんに聞いたら「悲しいことや辛いことが終わるために、楽しいことも終わってしまう」って言ってた。 ... -
第一回放送
第一回放送 ◆1eZNmJGbgM そこは、この惨劇の為に集められた参加者達が最初に意識を取り戻した場所。 参加者の中には、そこが学校の体育館であることに気付いた者もいたかもしれない。 尤も、突然あの場所に転送された上に周囲の照明が朧げな鬼火であったあの状況では、無理な話なのだろうが。 そして六時間前の悪趣味なデモンストレーションが終了した以上、ここには今、だれもいない。 見せしめとなったシマリスの死骸も血痕も既に消えており、血臭が周りに漂うことが惨劇の証拠としてのよすがである。 が、抜け殻となった体育館の入り口から雛壇へ目掛けて、どうした事か街路灯のごとく二筋の鬼火が灯されていく。 この鬼火の速さ、初め亀がのそりと歩くようであったが徐々に加速、早歩きから小走りさらに駆け足、最後雛壇に到達する頃には燕の如き速さで壇上に至る。 そして鬼火に囲まれた中に、一... -
この○○を作ったのは誰だぁ!!
この○○を作ったのは誰だぁ!! ◆1eZNmJGbgM 「フン……」 それがキュウビによる第一回放送を聞いた彼、赤カブトの感想だった。 まず第一、禁止エリアの発表。これについては全く興味が無い。 そもそもこの熊、現在位置がMAPのどこなのかを知らない。むしろ、知る必要が無いのだ。 現在地が禁止エリアでは無い。たったそれだけの感想で十分事足りてしまう。 なぜなら、彼自身が危険な存在である事は既に広まっている為。 開始直後のあの小熊と宿敵である銀の二匹によって、彼の悪行は知れ渡っているだろう。 あの小熊の方は先程の轟音に巻き込まれて死んでいる可能性もありえたが、放送で名前が呼ばれなかった以上まだ生きている模様。 銀に関しては問題無い。 あの犬(おとこ)の戦闘力、正義感はこの赤カブトが一番理解している。 まず間違いなく他の参加者を連れて再び相見える時が来... -
異界の車窓から
異界の車窓から ◆1eZNmJGbgM 遠からん者は音にも聞け、近くば寄って目にも見よ。 これは古代ポコペン人の戦士が合戦場で名乗りをあげる際に用いる言葉だが、どうやら人探しにも使える様だ。 そんな事を考えながらギロロはB-4からB-5にかけての市街を捜索する。 同行者であるユーノは彼の数メートル先を歩き、その後ろにギロロが続く。 斥候が俊敏な事は重要であるし、的も小さいに越した事は無い。もっとも、ユーノが自分で言い出したのだが。 しかしユーノからしてみれば、他の参加者に遭遇した時に銃口を向けられるよりは、 対話をしようとする方が警戒感を抱かれにくいとの計算も働いたからこその結論でもある。 とはいえ、捜索対象のてゐの足取りは一向に掴めない。その原因は先程カエルが放ったウオータガ。 あの鉄砲水によっててゐの足跡や匂い(彼らの嗅覚がどの程度か不... -
狼×お子様×サッカー場
狼×お子様×サッカー場 ◆w2G/OW/em6 「うわぁ……!凄いなぁ……!」 「へー、結構デカいんだな」 円形の巨大な建物―――サッカー場を見上げ、まん丸とメレオロンは感嘆の声を上げる。 彼等は現在、E4のサッカー場の前にいる。 本当はゆっくり情報交換でもしようと思っていたのだが、彼らが出会った場所はE3の墓場のど真ん中。 どうにも、いい気がする場所ではない。。 そこで、どこか別の場所に行こうと地図を開いたところ……『サッカー場』という文字が、まん丸の目に飛び込んでしまったのだ。 サッカー大好きなまん丸はこの誘惑にまんまと引っ掛かり、サッカー場に行きたいと言い出した。 メレオロンもサッカー場なら付近の電波塔や発電所よりも参加者の注目度は低く比較的安全だろうとの考えにより、彼等はサッカー場を目指すことにしたのである。 (さて、どうすっか... -
Train Train Runnin'
Train Train Runnin ◆1eZNmJGbgM 「ふむ、おそらくはこの辺りに……」 そう呟きながら、下草を掻き分けるワニが一匹。別に草刈りをしてるわけでもなく、ゴミ拾いをしている訳でもない。 彼の名は魔王軍百獣魔団長クロコダイン。そんな彼が何をしているかというと… 「おお、あったあった………なんだこれは?」 彼が捜していたものとは先程の戦闘で吹き飛んだタヌ太郎のデイバッグと支給品。もしかしたらその中に 彼の望む強力な武器が残されているかもしれないとの一縷の望みを託してみたものの、その結果は…… 「これは…何かの薬のようだが、説明書が見当たらん。戦闘中に吹き飛んでしまったのか、最初から 付いていなかったのか、今となっては解らんがな」 そう言いながら自らのバックにソレを押し込む。そして他にはアイテムが無いこ... -
空が別れを告げている
空が別れを告げている ◆TPKO6O3QOM 叩きつけるような雨の中を、一羽の白い鳥影が舞っていた。いや、舞っているというのは語弊があるかもしれない。 その羽ばたきに力強さはなく、風が吹く度に大きく身体を傾がせる。崩された体勢を立て直す余裕もなく、その小さな姿は大きく北に流されていく。 轟く様な強風と、石礫のような雨粒が吹き乱れ、地上の木々は大きく揺れていた。弾き飛ばされた枝葉が幾枚も宙を飛んで行く。 傍目から見ても、この天候の中を飛ぶのは無謀というものだろう。ましてや、鳥は疲弊しきっていた。どこぞの木で翼を休めるのが一番の選択だ。 しかし、それでもその鳥は懸命に東へと向かっていた。向かおうとしていた。風に戻され流され、それでも少しずつ東へと進んでいく。 風のせいで視界もままならぬ中、鳥は命を削るように両翼を羽ばたかせた。 休んでいる暇など... -
本日の特選素材
本日の特選素材 ◆1eZNmJGbgM 給食室の一角で、早めの朝食の準備をしているのはケロロとぼのぼの。二人とも、かなりさっぱりとした身なりで食事にありつこうとしている。 事の発端は二人が出会った時にあった。 ぼのぼのの方はともかく、ケロロは最初に集められた場所でぼのぼのの姿を目撃している。そこでぼのぼのがどんな目にあったかも。 そして先程顔を合わせた時に、まずケロロの鼻についたのはぼのぼのが浴びた血の臭い。 ケロロ自身も電波塔の一件で体は汗と多少の煙で汚れてしまっている。 周りを見渡せばそこは給食室。巨大な鍋やシンク、勿論水道も石鹸も完備。ならばする事はただ一つ。 レッツパーリィー!と言わんばかりにぼのぼのの手を引きながらシンクで体を洗うケロロ。 普段よりも多少テンションが高めだったのは、決して(ケロロ視点で)マトモな参加者に会えたからではなく、 落ち込んでい... -
終端の宴と異世界の騎士
終端の宴と異世界の騎士 ◆w2G/OW/em6 エリアE―1……そこに建つ城。 城という言葉から連想される豪奢かつ荘厳な雰囲気も、この殺し合いの遊戯では意味をなさない物となる。 森の中にひっそりと存在する古城は、月光を浴びてただ……静かにそびえるのみ。 その城のバルコニーにて、彼女は月を見上げていた。 美しい白銀の毛並みに、紫色の鬣に、柔らかい月の光は降り注ぐ。 白く、微かに青みがかった満月……それは、彼女の敬愛する主を思い出させた。 慈愛に満ちた知恵のドラゴンが紅一点……白妙の竜姫・ヴァディス。 かつて死の淵にあった自分の命を救い、今は仕えている者ではなく対等な話し合い手として見てくれている存在。 ああ……この殺し合いを主が知ったらどのような事を思うだろう? きっと、自らの命を賭してでも止めようとするだろう。 キュウビと名乗ったあの... -
慌てない慌てない、一休み一休み
慌てない慌てない、一休み一休み ◆1eZNmJGbgM 駅。それは文明の交差点。 その原点は古代中国にて皇帝の伝令を素早く伝える為に早馬をリレー方式で繋いだ中継地点が始まりとされる。 また、徒歩で旅をする者にとっても休憩・宿泊所としての拠点として重宝され、 その結果人や物や情報が集い、別れ、やがて駅は都市として発展していく。 それはヒトが自らの足で食料を求めた時代から始まり、 馬車にて商隊を組み山脈や砂漠を越え大陸を繋いだ時代、 帆船にて波や星や風を読み新たな土地・富を目指した時代、 蒸気機関にて後世に革命として伝えられる程の高速・大規模輸送を成し遂げた時代、 内燃機関にてより軽量化・効率化を目指し遂には重力を振り切り大空へ飛び立った時代。 そのいずれの時代においても宿場町、港町、鉄道駅、空港としてエキは存在してきた。 つまり... -
飴と機知
飴と機知 ◆1eZNmJGbgM 「う……む……」 うめき声を一つ上げ、ケルベロスと呼ばれた魔物は意識を取り戻す。 あたりを見回せば、既に明けの明星どころか太陽が顔を覗かせ、夜が明け朝が来ている。 どうやらあの飴玉を舐めながら休息を取るつもりが寝てしまったらしい。 意識だけは保とうとしていたが何たる不覚。運が悪ければ先ほどの様な魔物に殺されていたかもしれないと自省する。 「……そういえば主人も悪運は強かったな。そもそも一目会えただけでもマシ、か」 あの地獄の様な世界でも、主人の顔は、笑顔は全くと言っていいほど不変だった。 彼がハスキー犬であった時でも、ケルベロスになってからでも、変わらず。 そしてそんな主人に再び会いたいと彼は願う。 そのためには何としてでもこの殺し合いで生き残り、主人の傍へ戻る。それが唯一の願い。 ただ現状... -
禍福は糾える縄の如し
禍福は糾える縄の如し ◆1eZNmJGbgM 唐突だが、この場において最も不運な参加者とは誰であろう。そもそも、いきなりこのような 殺し合いに呼び出されたこと自体が不運ともいえるが、その中でも選ぶとしたら? 例えば信じられる仲間がいない者は不運である。 その逆でかけがいのない仲間が殺し合いに参加させられている者も不運である。 あるいはあの妖孤が気紛れで支給した品が使えない、使いこなせない者も不運である。 だが少なくとも現状で最も不運な者、それは既に仲間の死を目撃してしまった者であるだろう。 それも至近距離で、その血を浴びるほどの距離で見てしまった二匹。 だが彼らの不運は終わらない。ここではその内の一匹の様子を紹介しよう―― 場所はA-6とA-7の境界線、駅前。他の地とは隔絶されたこの場所にアライグマは転送された。未だ あの場所で... -
第二回放送
第二回放送 ◆TPKO6O3QOM 定刻だ。生憎の雨に見舞われてしまったが、畜生どもよ、息災であろうか? 雨に震えていたとしても、誰も手など差し伸べてはくれぬぞ。 呪法を始めて、半日が過ぎた。貴様たちも、段々と己が牙を取り戻してきたのではないかな。 さて、我は非常に悦んでいる。やっと貴様らが、獣らしい野性と残虐性を発揮してくれるようになったのでな。いやはや、先刻、奮起を促した甲斐があったというものだ。 クカカカカ……やれば出来るではないか。 すぐにでも貴様たちの成果を読み上げたいところではあるが、まずはお前たちの命に直結する禁止区域から報せよう。耳を……――ソバダて、よく聞くのだぞ。 B-5 D-1 E-7 F-4 だ。 雨の中、確と聞きとれたか? ふむ。我は今、実に気分がいい。もう一度だけ教えてや... -
第一回放送案
没放送案 第一回放送案 ◆TPKO6O3QOM 暗闇の中に焚かれた篝火がぼうと辺りを仄かに照らしている。闇の中で複数の影が騒がしく喋っていた。 「イヤー、異世界ッチューノハ 面白イモン ダッペ」 「鉄ガ高速デ走ッタリ 水ヤ宙ニ浮イタリスル ン ダカラナ。オラハ 飛行機ッテノ、操ッテミタイ ン ダナ」 「オラ ハ がんだむ!」 「シカシ、何処ニモ オラ達 ミタイナ モノ ハ 居ルモンダナア」 「苛メラレルノガ、オラ達ミタイナ カ弱イ存在ナノモ同ジダベ。 ぷるぷるシタ 真ッ青ナ団子達ニハ 同情ヲ禁ジ得ナイベ」 「げっとダゼ ダンベ」 「電車ノあなうんす、聴イタカ? 連中モ オラノ美声 ニ 酔イ痴レタ コト ダベ」 「キュウビ様 二 ヤタラ 分厚イ草紙 ヲ 幾百ト押シ付ケラレタ コト モ イイ思イ出ダッチ」 「アレハ キュウビ様 ガ 根ヲ詰メ過ギテ 寝込ンジマッ... -
神の不在証明
神の不在証明 ◆TPKO6O3QOM 電車を知っていれば言葉が通じる奴の可能性が高い。これは、まあ事実だろう。だが、言葉が通じるが故の断絶ほど深いものはない。 例えば、キメラアントと人間は言葉が通じる。だからって分かり合えるか? 一部はイエスだ。おれとゴン、キルアとイカルゴみたいにな。 じゃあ、王と人間はどうだ。分かり合う余地があれば、あんな戦いは起こらないわな。 いや、そもそもそりゃあ人間同士にも言えることだ。道理を説いたところで殺す奴は殺すし、奪う奴は奪うし、犯す奴は犯す。話せば分かるなんて世迷い事が本当なら、警察官は皆失業だ。 ただの獣だったら、脅してやれば逃げる。余計に追い詰めたりしなければな。 だが、襲い来る相手が理性ある相手だった場合は脅したところで意味はない。ましてや言葉を尽くしたところで、止まることはない。 見ず知らずの他人の言葉で揺... -
狡兎三窟
狡兎三窟 ◆TPKO6O3QOM (一) 月に照らされた白磁のような道に、ぼのぼのは感嘆の息を漏らした。 このような夜更けまで、ぼのぼのは起きていたことがない。初めての夜の散策に、ぼのぼのの心は昂ぶっていた。きょろきょろと忙しなく辺りを観察する。心なしか、路に伸びるぼのぼのの影も踊っているように見える。 一方、ぼのぼのの横を歩くてゐは、さして珍しくもないのか、欠伸を噛み殺していた。 大人だなあ。と、ぼのぼのは思う。 てゐの言葉によると、この道を辿って行けばマチというところに行けるらしい。 マチというのはニンゲンの住処がたくさんあるところなのだそうだ。ニンゲンというのはサルに似た生き物だが、毛がないらしい。また、マチには色々なものが集まり、引いては他の動物たちも来る可能性が高いという。 それはつまり――。 (アライグマくんたちに会えるってことだよ... -
闇の梯子
闇の梯子 ◆TPKO6O3QOM 三つの影は砂浜の彼方へと小さくなっていく。それを見送るオーボウの目は名残惜しげに少し細められた。 彼らと次に言葉を交わせる時はいつだろうか。いや、そんな時など来ないかもしれない。 ここはそういう土地だ。妖魔王の用意した血みどろの盤面だ。盤上の駒でいる限り、殺し合いの渦から逃れることはできない。 ずっと彼らを見送っているのも、目を離したら死んでしまうのではないか、そんな不安に駆られるからだ。 足元のウマゴンも同じ思いなのか、ずっと彼らが去っていった方を見つめている。もう彼の目には三匹の影は見えなくなっているだろうが。 風が幼子の柔らかそうな毛を撫でて行く。くすぐったかったのか、ウマゴンの耳がぴらと翻った。 その様子に少し頬を緩めながら、オーボウは彼に話しかけた。 「ウマゴンや、本当にわしと一緒に行くのかの?」 ... -
ポーキー案
没OP ポーキー案 暗闇の最中。 何の前触れもなく、50に近い動物や魔物が謎の空間に集められていた。 程なくして、それらは次々と目を覚ます。状況を理解できず呆然としている物もいれば、 異常に気付き仲間へ呼びかけようとするもの。状況を把握すべく辺りを伺っているものと様々だった。 「……んにゃ……なんだか身体がいたいにゃ」 そんな中、一匹の猫も目を覚ました。はて、自分は気球で移動中に眠っていたのでは? と首をかしげて、他の者がそうしたようにキョロキョロ辺りを見回す。 だが辺り一面が暗闇でつつまれており何がおこっているのかは分からない。 しかしそれでも、ここがどうやら広めの空間であること、 声や息遣いから人? がたくさんいることは理解していた。 「……にゃんにゃ? にゃにが起こっているんにゃ?」 少し不安になった猫――ニャースは思わず立ち上がる。夜目の... - @wiki全体から「赦されざる者」で調べる