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我が侭な物語 ◆dKv6nbYMB.


エスデスから逃れたほむらと花京院は、病院で医療品を探していた。

「...あまり置いてませんね」
「まあ、広川が求めるものが殺し合いである以上、そこまで期待するべきじゃないだろう」

本当は、めぼしい物は入れ違いとなった佐倉杏子が持って行ってしまったのだが、二人がそれを知る由はない。

「さて、早速傷口の消毒をしよう」
「...その前に、いいですか」
「なんだい?」
「その、お互いに支給品を確認しませんか?お互いに使いやすい物もあるかもしれませんし、手当をしている間に襲撃される可能性もありますし...」

ほむらの支給品は、帝具『万里飛翔マスティマ』。空を飛べるだけではなく羽根を飛ばすことで武器になるのだが、生憎使い方をよく知らないほむらではこの帝具は武器にはなりえない。
そのため、ほむらは一刻も早く武器を手に入れたかったのだ。
花京院は少し考え込む素振りを見せる。

「...わかった。ちょうど、わたしには使え無さそうな物があったからな。きみに使えるものがあればいいが...」

そして、二人はそれぞれの支給品をデイパックから取り出した。
花京院が取り出したのは、一振りの剣とベレッタ。
ほむらが取り出したのは、万里飛翔マスティマ。


「...なんだい、これは」

花京院の現実的な支給品と比べれば、そんな言葉が出ても仕方ないだろう。

「...空が飛べるらしいです」
「それはすごいな」
「実際に試したわけじゃないんですけどね。飛べる時間も限られているようですし」
「ふむ...しかし、この殺し合いでは、飛べることはあまりアドバンテージにはなりそうもないな」

花京院の言葉には、ほむらも同意だった。
まず、飛ぶ行為自体が目立つ。エスデスのような好戦的な者が近くにいれば狙ってくれと言っているようなものだ。
次に、この殺し合いには異能力を持つものが多くいるということだ。
空を飛ぶことによる最大の利点は、相手の攻撃が届かない事。
しかし、自分の知る限りでも、氷をとばせるエスデスに、遠距離攻撃だけでなく、リボンで相手を引きずりおろせるうえ、足場を作れる巴マミがいる。
それに、能力だけでなくとも、銃火器で狙撃されれば十分に危険だ。
よほどのことが無い限りマスティマは使い道はないだろう。


「わたしの方は何の変哲もないものだが...そうだな、きみの護身用としてはこの刀がいいんじゃないかな」

花京院がほむらに渡したのは、刃渡りがとても美しい刀。
刃物に関してはド素人のほむらですらそう思うほど、その刀は美しかった。

「いいんですか?」
「ああ。私には『体質』があるからね。自衛くらいはこれでできる」
「...ありがとうございます」

欲をいえば、使い慣れているベレッタを欲しかった。
しかし、先のエスデスの件から、銃を欲しがる一般人などいないだろうと思い直し、まだ包丁などの家庭用品に近い刀で了承した。
刀は刀で使い道はある。
この刀の切れ味がどの程度かはわからないが、時間停止と組み合わせればかなり強力な武器となるだろう。
ほむらは受け取った刀をデイパックにしまった。

「さてと。今後の方針は応急手当をしながらでもいいかな?」
「はい」

消毒液、脱脂綿、ガーゼ...治療に必要な物を揃え、花京院はほむらに手を差し伸べた。

「しみるかい?」
「だいじょうぶです」

ほむらの傷口に優しく消毒をしながら、花京院は語りかける。

「さて、今後の方針だが...わたしはここに留まるのもありだと思っている」

一旦、ほむらの手当を止め、花京院はデイパックからタブレットを取り出す。

「わたしたちのいる場所は病院だ。おそらく、負傷した参加者の多くはここを目指すことになるだろう」
「でも、それって...」
「ああ。負傷した参加者を狙う、ゲームに乗った参加者も目指す可能性は高い」

しかし、と花京院は言葉を一旦区切る。

「きみの友達も連れてこられているのだろう?ならば、わかりやすい目印となる場所で待っていた方がいい」

花京院の言う事は尤もだった。
この地図には、『地獄門』『DIOの館』『音ノ木坂学院』など特徴的な施設が多くある。
おそらく、参加者になにか関連する施設の名称であることは想像に難くなく、知り合いが複数いる参加者はそこを目指すだろう。
それに対して、自分達に関連する施設が見当たらない。
『廃教会』は佐倉杏子の家かもしれないが、わざわざそこを目指すのは彼女くらいだろう。
自分達も知る一般的な名称で、見滝原にもある場所は『病院』『図書館』『発電所』の三つ。
この中で一番便利と思われるのはやはり病院だ。医療器具があれば、魔法少女の魔力も節約できる。
それに、ほむらの知る四人、特にまどかは優しい子だ。
自分が怪我をしていないにしても、他の怪我人を気遣って病院を目指す可能性は高い。

「ただ、問題はここが端の方だということだ。遠くにいる参加者は危険を冒してまで来ようとは思わないだろう」

会場の中央部なら集まりやすいのだが、いかんせんここは端の方。
周辺ならともかく、B-8にある発電所やG-7の闘技場辺りにまどかがいれば、此処で待っていても会える可能性は低い。
自分たちが知っている施設は少ないとなると、確固たる自信を持ってここを目指すという意思は持てない。同行者がいれば、そちらの要求に合わせてしまうだろう。
花京院に残ってもらって自分は別の場所を探したいとも思ったが、DIOのこともある。
ほむらは、エスデスがDIOを殺そうとしていることを花京院に伝えていない。
もし伝えれば、彼はエスデスを倒しにいこうとする。しかし、あの圧倒的な力には、自分たちでは相手にならないだろう。
時間停止を使って殺すことはできるかもしれないが、もしDIOが本当に悪人だった場合、そして殺し合いを破壊し広川たちと戦うときに、あれほどの戦力がいなくなるのも惜しい。
それに、DIOを敵視しているのはエスデスともう一人、アヴドゥルという人がいるらしい。
もしもアヴドゥルがまどかと出会い、DIOは危険だと伝えていれば、まどかと花京院が出会ってしまった時、間違いなく問題が生じるだろう。
そうなると、花京院から離れるべきではないと思う。

「それに、ここが浮遊島というのも厄介だ。周りが海などならまだ助かる望みはあるかもしれないが、奈落に落ちたら最後だ。遠くにいるのなら、わざわざ落ちる危険がある場所には立ち寄らないだろう」
「奈落?」
「ああ。きみと会う前にA-1に寄って確認したんだが、底が見えない真っ暗闇だったよ」
「真っ暗闇...太陽が出たら、底が見えるんでしょうか?」
「どうだろう。ちょうどここからも見えるし、確認してみようか」

席を立ち、窓から外を確認すると、少しの足場を残して、そこから先は文字通り底が見えない奈落だ。
まだ陽が昇りきっておらず、辺りも薄暗いとはいえ、こうも底が見えないのは不気味そのものだ。

「どう思います?」
「幻覚...と決めつけるのは早計かな。現実的に考えればこの浮遊島も奈落も有り得ないものだが...」
「有り得ない?」
「基本的に島というのは海や地面が無いと成り立たないものだからね。この浮遊島というものは自然的な法則を無視しているんだ」
「自然的法則...」

花京院の言葉について、ほむらは考える。
花京院が指摘するまでは、この島についてなんの疑問も抱いていなかった。
この島はおかしい。改めて考えればわかることだ。
浮遊する島。底が見えない奈落。
常識から外れているものが当たり前のように存在しているのだ。

(おかしいものが、当たり前...)

ほむらは知っている。
おかしいことが当たり前のようにできる世界のことを。
ほむらは持っている。
それを確かめる手段を。
故に、ほむらは口にした。

「なら、調べてみませんか?」



ほむらの怪我の応急処置を終えたあと、ほむらと花京院は病院と奈落の境目、つまり崖っぷちに立っていた。

「...本当にやるつもりかい?」
「はい。大丈夫です、テストのついでに少し調べるだけですから」

ほむらが円盤状のマスティマに触れると、両肩から僅かに離れた場所へ浮き、翼が生える。
それと同時に、ほむらの身体が僅かに浮き上がる。

(...説明書の通り、飛ぼうと思えば飛べるみたいね)
「それでは、行ってきます。もし放送から10分以内に戻って来なければ、私を置いて花京院さんの思った通りに行動してください」

そう言うなり、ほむらは奈落へと降りていった。

(...この辺りでいいかしら)

ある程度まで降下すると、今度は滑空し奈落に対して平行に飛ぶ。
やはりというべきか、奈落には底が見えない。
欲をいえばこちらも調べたいと思うが、飛行時間に限界があるため無茶はできない。
それに、今回調べたいのは奈落ではない。
ほむらが着目したのは、会場の端。
島の端ではなく、地図上の端。即ち、奈落によって徒歩ではいけない場所だ。
わざわざ低く飛んでいるのは、奈落の底を確認するためだけでなく、どこにいるかわからない敵に姿を見られるのを防ぐためだ。
やはりというべきか、こちらも奈落と同様先が見えない。

(もし、これが私の予想通りなら...)

どれほど飛行しただろうか。
突如、ほむらの眼前に巨大な壁が現れた。
暗がりで見えなかったのではない。本当に、突然壁が現れたのだ。
壁に沿って上昇し、頂上まで辿りつく。
誰もいないことを確認すると、マスティマの羽根を消し、地上へと降り立った。


(やっぱり...!)

ほむらが確認できたのは、発電所と思われる施設。即ち、ここはB-8地点であることがわかる。
つまり、この会場に行き止まりはなく、C-1からB-8まで一瞬で移動したことになる。

ここから考えられる答えは二つ。
ひとつは、この会場が地球ではない小さな星のひとつだということ。
インキュベーターという異星人のことを知らなければ、こんなことは思いつかなかった。
しかし、地球と同様にこうして人間が普通に生きていられる基準を満たす星などあるのだろうか?
いや、そんな星があれば巷でもっと話題になっているはずだ。若しくはインキュベーターだけがそんな星を知っている可能性もある。
しかし、この場には魔法少女ではない人間が複数名いる。
魔法少女の素質を持つ者には、第二次成長期の少女であることが最低条件だ。
それ以外の者には、インキュベーターに干渉できないし、奴らの方からも直接は干渉ができないはず。
これらを踏まえると、『インキュベーターは魔法少女もその素質を持たない者でも、誰にも気づかれない内に他の星へ転送することができる』という前提が無ければ成り立たないこの可能性は限りなく低いといえる。

もうひとつの可能性...ほむらは、こちらの可能性の方がかなり高いとふんでいた。
気が付いたら同じ場所から出られなくなっていた。
現実にはありえないものが当たり前のように存在している。
見覚えのある建築物が存在する。
これらを両立するものを、ほむらは身を持って知っている。

(この会場は、魔女の結界によく似ている)

ほむらが考えたもう一つの答え。それは、この会場自体が魔女の結界であるということ。
勿論、普通の魔女ではなくインキュベーターがなにかしら手を加えたであろう魔女の結界だ。
お菓子だらけの空間。
地面が無く、上下左右など方向感覚がメチャクチャな空間。
自分の住んでいた街を丸ごと模倣した空間。
魔女の結界の中では、とにかく常識の理屈が通じないものが存在する。
魔女が狙った標的を、気付かぬうちに結界内に連れ込むこともできる。

それに対して、この会場の浮遊島。
全く底が見えない奈落。
ワープしたとしか思えない現象。
いつの間にか集められた大勢の人間。
参加者に関係があると思われる施設の数々。
魔女の結界と共通点がありすぎるのだ。

故に、ほむらは『この殺し合いの会場は、魔女の結界によるものである』と結論を出した。

もしこの仮説が真実なら、魔女を探し出して殺してしまえば殺し合いを続けることは困難になるだろう。
勿論、この仮説に確たる証拠があるわけではない。
しかし、この調査でインキュベーターが関わっている可能性はかなり跳ね上がった。
ならば、魔女を探す手間をかけることは無意味ではないはずだ。
問題は、『魔女が誰で、どこにいるのか』だ。
単純に考えれば、自分の知る中では魔法少女は五人。魔女はこの五人の誰かがそうであると考えるのが定石だろう。
しかし、参加者である以上、殺し合いの途中で殺されてしまうような場合も考えられる。
そんなことがあれば、終了を待たずしてバトルロワイアルは存続困難となる。
なら、この五人がこの会場を作っている魔女である可能性は極めて低いだろう。

(...ちょっと待って。そうは言い切れないんじゃないかしら)

そもそも、本来ならば魔女という存在はまどかの祈りで過去や未来、全ての時間軸から消し去られた。
自分が魔女と成り果てたのは、インキュベーターがソウルジェムを外界から隔離し干渉不可能な状態にしたからだ。
その結界に、まどかや美樹さやか、佐倉杏子、巴マミなど知り合いが取り込まれたのは、インキュベーターが内側から誘導し連れ込むことだけは可能にしたからだ。
つまり、この会場が魔女の結界内ならば、インキュベーターが干渉しない限り作ることができない。
そして、魔女の存在を知らなかったインキュベーターが干渉する可能性が高いのは、やはり魔女を唯一知る暁美ほむらだろう。
自分の知らない者たちがいる件に関しては、インキュベーターが記憶になにか細工をすればできないことはないかもしれない。
ならば、現状、尤も簡単に殺し合いを終わらせられる可能性が高いのは...

(...私が、死ぬこと?)

インキュベーターの狙いがなにかは分からない。
しかし、魔女が死ねば、結界は崩れ去り、この殺し合いは優勝者を待たずして終わるだろう。
そうなれば、まどかは助かり、奴らの狙いを防ぐことができる。

(...でも、もしかしたら、そう思わせることこそ奴らの狙いなのかもしれない)

もしも自分が魔女であることを知れば、自害してでもこのバトルロワイアルを終わらせようとするのは奴らも知っているはず。
ならば、奴らの目的は『暁美ほむらの死』を利用することにあるかもしれない。
どうやってかはわからない。
ただ、奴らは今まで人間の理解を超える方法で策をろうじてきた。
ならば、その方法については考えるのは後に回そう。
とにかく、いまは生きよう。少なくとも、自分が魔女であることが判明するまでは。
そう思い直し、花京院の待つ病院へと戻ろうとマスティマを発動させたときだ。

―――ザザッ

『おはようしょくん』


(くっ...まずいぞ、これは)

花京院は焦っていた。
ほむらに潜航させていたハイエロファントグリーンが、突如解除されてしまったのだ。

(まさか勘付かれて逃げられた...?そうなれば、わたしの立場が無くなってしまう!)

もしも、花京院がゲームに乗った者だと言いふらされれば、それだけ多くの敵を作ることになってしまう。それは避けたい。
しかし、何かしらの偶然でほむらから解除されてしまっただけかもしれない。
とにもかくにも、ほむらを探し出さねば答えはわからない。
花京院は、ハイエロファントグリーンに辺りを観察させた。
間もなく発見したのは、少女と女性の二人組。

(あの女...!)

あの蒼く長い髪に、グンバツなスタイル。
間違いない、エスデスだ。

(まずい、奴にはわたし一人では勝ち目はない!)

どう考えても始末すべき厄介な女ではあるが、生憎ここには花京院一人しかいない。
不意打ちのエメラルドスプラッシュでも傷一つ付けられなかった奴だ。
アヌビス神はほむらを操る手段のひとつとして渡してしまったし、そのほむらも何処へと消えてしまった。
この場にあるのは、拳銃ひとつとハイエロファントグリーンだけ。
まともに戦ったところで勝ち目はないだろう。
傍に居る少女を人質にとろうとも考えたが、そこまで近づけば、エスデスに気付かれてしまうだろう。

(ここは、大人しくしておくべきだろう)

幸運にも、エスデスは病院をほとんど調べようとはせず、病院の裏側にいる花京院に気付かずに去っていった。
その数分後、ノイズ音と共に、広川の放送が始まった。


エスデスのインパクトに気を惹かれ、出会いがしらに殺害したはずの鹿目まどかの存在に気付かなかったのは、花京院にとって幸か不幸か。
それは誰にもわからない。

(16人か...)

放送を聞いた花京院は、なんとなくそう思った。
ここに来てからすぐに殺害した少女の名もあるのだろうが、花京院はそれほど興味がなかった。

(悪くは無いペースだな)

花京院の目的は、DIOを優勝させること。わずか6時間で16人も死んだのなら、それだけDIOを脅かそうとする者は少なくなる。

(もっとも、ジョースター一行、及びエスデスとかいう女が誰一人として脱落していないのは残念だが)

ジョースター一行。DIO様の敵であり、いずれは自分が戦わなければならない相手。
エスデス。先程発見したばかりなので死んでいなくて当たり前だが、ほむらの話やあの氷を生みだす能力から判断すれば、必ずやDIO様の厄介な種となる。

(できれば、あまり危険は冒したくないものだが...)

もしも、肉の芽が無くとも忠誠を誓ったヴァニラ・アイスやンドゥール、エンヤ婆といった生粋のDIO信奉者ならばこんなことを思いもしないだろう。
肉の芽を植え付けれた花京院も、DIOのために命を捧げることはできる。
しかし、単純にDIOへの恐怖を突かれて肉の芽を植え付けられた彼には、『可能な限り危険な目には遭いたくない』という防衛本能が自然と働いていた。
未だ能力を知らないジョースター一行、当面の大敵であるエスデスへの対抗策を練りながら、ほむらがここへ戻ってくるのを待つことにした。
それから数分後、こちらへと戻ってくるほむらを見て、花京院は内心ホッと胸を撫で下ろした。


「無事でなによりだ。お疲れさま」
「この会場に端はありませんでした」

花京院の労いの言葉もロクに聞かず、ほむらはデバイスを取り出し地図の画面を開いた。

「このC-1から真っ直ぐ北上するとC-8に出ることになります」
「ほむらちゃん?」
「会場の端へと飛ぶのに必要な時間はおよそ2、3分。時間を空けて飛べばマスティマも問題なく使えるはずです」

まるで花京院など眼中にないかのように、ほむらは得た情報を述べていく。
花京院から見れば、ほむらはどう見ても焦っていた。
再びハイエロファントグリーンをほむらに潜航させるのも容易くできるほどにだ。


「花京院さんの探すDIOの屋敷も飛んでいけば時間を短縮できます。
そこで、これから目指す場所は
エスデスと合流するコンサートホール。
DIOさんが目指すであろうDIOの屋敷。
私の知り合いが目指す可能性があるかもしれない廃教会に絞りたいと思います。
花京院さんはどこから探すのがいいと思いますか?」

なにをそんなに焦っているのか、花京院には思いもよらなかったが、自分に選択権があるのなら好都合だ。
エスデスが人を集めているというコンサートホールか。
DIOが目指す可能性の高いDIOの屋敷か。
ほむらの知り合いの目指す可能性がある廃教会か。
それとも、最初の提案通りに病院で参加者が来るのを待つか。


「わたしは...」

花京院が出した答えは―――


巴マミ。

私は、あの人が苦手だった。

強がって無理しすぎて、その癖誰よりも繊細な心の持ち主で...

あの人の前で真実を暴くのは、いつだって残酷すぎて、辛かった。

でも、決して嫌いじゃなかった。

だって、あの人は―――

『魔女としてのきみが、無意識のうちに求めた標的だけがこの世界に入り込めるんだ』

不意に、私の魔女の結界について説明するインキュベーターの言葉が脳裏をよぎった。

もしも...もしも、私が心の底から彼女を拒絶していれば、彼女は死ななかったのだろうか。

その答えはわからない。

けれど、私に出来るのは前に進むことだけ。

そう、まどかを救い、この命が尽きるそのときまで。


【C-1/病院の裏側の崖/一日目/朝】


【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ(新編 叛逆の物語)】
[状態]:疲労(中)、ソウルジェムの濁り(小) 全身にかすり傷 精神的疲労(中)
[装備]:見滝原中学の制服、まどかのリボン
[道具]:デイパック、基本支給品、万里飛翔マスティマ@アカメが斬る! アヌビス神@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース(まどかの支給品)
[思考]:
基本:まどかを生存させつつ、この殺し合いを破壊する
0:これからの方針を決める。
1:まどかを保護する。
2:協力者の確保。
3:危険人物の一掃
4:まどかの優勝は最終手段
5:DIOは危険人物ではない...?
6:信用を置ける者を探し、自分が魔女かどうかの実験をする。(杏子が有力候補)



[備考]
※参戦時期は、新編叛逆の物語で、まどかの本音を聞いてからのどこかからです。
※まどかのリボンは支給品ではありません。既に身に着けていたものです
※魔法は時間停止の盾です。時間を撒き戻すことはできません。
※この殺し合いにはインキュベーターが絡んでいると思っています。
※時止は普段よりも多く魔力を消費します。時間については不明ですが分は無理です。
※エスデスは危険人物だと認識しました。
※花京院が武器庫から来たと思っています(本当は時計塔)。そのため、西側に参加者はいない可能性が高いと考えています。
※一度解除されましたが、再び花京院のスタンド『ハイエロファントグリーン』の糸が徐々に身体を浸食しています。ほむらはそのことに気付いていません。
※この会場が魔女の結界であり、その魔女は自分ではないかと疑っています。また、殺し合いにインキュベーターが関わっており、自分の死が彼らの目的ではないかと疑っています。


【万里飛翔マスティマ@アカメが斬る!】
 翼の帝具。装着することにより飛翔能力を得ることが可能。
 翼は柱を破壊する程度の近接戦闘は描写から可能であり、無数の羽を飛ばして攻撃することも出来る。
 飛翔能力は三十分の飛翔に対し二時間の休息が必要である。
 奥の手は出力を上昇させ光の翼を形成し攻撃を跳ね返す『神の羽根』。



花京院典明@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]:健康 
[装備]:額に肉の芽
[道具]:デイパック、基本支給品×2、油性ペン(花京院の支給品)、ベレッタM92(装弾数8/8)@現実、花京院の不明支給品0~2 まどかの不明支給品0~1
[思考・行動]
基本方針:DIO様を優勝させる。
0:これからの方針を決める。
1:ジョースター一行を殺す。(承太郎、ジョセフ、アヴドゥル)
2:他の参加者の殺害。ただし、今度からは慎重に殺す。
3:DIO様に会いたい。また、DIOの部下が他にもいるかどうか確かめたい。


※参戦時期は、DIOに肉の芽を埋められてから、承太郎と闘う前までの間です
※額に肉の芽が埋められています。これが無くならない限り、基本方針が覆ることはありません。
※肉の芽が埋められている限りは、一人称は『わたし』で統一をお願いします。
※この会場内のDIOが死んだ場合、この肉の芽がどうなるかは他の方に任せます。
※『ハイエロファントグリーン』が他人に憑りついたとき、意識を奪えるかどうかは他の方に任せます



047:笑う女王と嗤う法皇 花京院典明 099:再会の物語
暁美ほむら
最終更新:2015年08月26日 00:53