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無謀な炎◆dKv6nbYMB.



私ね、とても怖い夢を見たの
「夢?」
まどか。あなたがもう二度と逢えないほど遠いところに行っちゃって、なのに、世界中の誰もかもがそのことを忘れちゃって。
私だけがまどかのことを憶えている、たった一人の人間として取り残されて...
寂しいのに、悲しいのに...その気持ちを誰にも解ってもらえない。
そのうちに、まどかの思い出は私が勝手に作りだした絵空事だったんじゃないかって
...自分自身さえ信じられなくなって


「...うん。それは、とっても嫌な夢だね。でも大丈夫だよ。
わたしだけが誰にも会えなくなるほど遠くに一人で行っちゃうなんて、そんなことありえないよ」
どうして?何故そうが言い切れるの?
「だってわたしだよ?ほむらちゃんでさえ泣いちゃうような辛いこと、わたしが我慢できるわけないじゃない」
...あなたにとっても、それは我慢できないほど辛いこと?
「そうだよ。わたしの大好きな人たちの、誰ともお別れなんてしたくないよ」



そう...そうだったのね。それがあなたの本当の気持ちなのね





私が自ら作り出した偽物の街で聞いた、本物の彼女の本心。
その時、私はようやく己の間違いに気付くことができた。
まどかをあんな願いで契約させることは、やはり認めてはいけなかった。どんな手を使ってでも止めるべきだった。
だから、私は彼女を裏切ろうとした。魔法少女たちの希望の象徴、円環の理から、彼女の人間としての記憶だけを引き裂こうとした。
彼女の優しい救いを払いのけ、彼女の祈りを穢そうとしたのだ。
そして、私が彼女の腕を掴んだとき、彼女は再び人間としての生を受ける、はずだった...のに...

「わけがわからないわ」

気が付けば、妙な体勢で動けなくなっており、いきなり殺しあえと説明を受け、ウニ頭の少年が爆死した。おまけに、意識が無くなったと思ったら別のところに移動していた。
まったくもって意味がわからない。
いったいあの広川という男は何が目的なのだろうか。その答えはわからない。だが、これだけはいえる。
この殺し合いには、インキュベーターが一枚噛んでいる。

名簿を確認したところ、私の知る名前は、鹿目まどか、美樹さやか、巴マミ、佐倉杏子の四人。
この中でいるはずのない存在は二つ。それは、鹿目まどかと美樹さやかだ。
まどかは、その身と引き換えに、円環の理という概念に姿を変え、どの時間軸からも消滅した。
概念ということは、人間には触れるどころか認識すらできないということでもある。
故に、彼女から干渉してこない限りは、こんな場所へ連れてくるのは不可能なのだ。
美樹さやかも同様だ。彼女は、既に円環の理に導かれたため、魔法少女以外には干渉できない存在となっている。


そうなると、誰からも認識されることのない彼女たちに干渉できる者は限られてくる。
それは、彼女の本当の姿を知る者。私と、魔法少女を産む存在であるインキュベーターだ。
現にあいつらは、私から聞いた記憶だけで、円環の理に干渉する装置を独自に作り上げていた。
このことから、インキュベーターが一枚噛んでいることはほぼ確定だろう。
それならば、生き残った一人の報酬である、"なんでも望みを叶える"というのは、奴と契約するということで間違いない。
広川自身、その辺りは認めているような言動をしていた。
ならば、私の為すべきことは決まっている。

「まどかを契約させはしない。絶対に、このふざけた茶番を壊してみせる」



もし、まどかを優勝させればどうなるか。まず間違いなく同じことの繰り返しだ。そうなれば、結局彼女の本心はないがしろにされてしまう。
それでは駄目だ。彼女をみすみす孤独においやるような真似はしてはならない。
なにより、彼女自身、親友である美樹さやかたちを見殺しにすることを望まないだろう。
そのうえ、私にはもう時を戻すことはできない。やり直しもきかないのならば、このバトルロワイアルそのものを壊すしかない。
きっと、殺しあえと言われてハイそうですかと従わない人物はいるはずだ。
当面の目的は、そんな協力者の確保、そしてまどかに危険を及ぼす人物の排除だ。
首輪の解除はそれからでも遅くは無い。
...でも、それでもなおこの殺し合いに抗えなかったらその時は...

パシンと、頬を叩き気をとりなおす。
弱気になってどうする。
そうだ。私は一度は神の理にさえ抗おうとした身だ。
あんな男一人とインキュベーターごときが敷いたレールくらい、壊してみせる。変えてみせる。

とにかく、いまは進むしかない。
今度こそ、必ずまどかを救う。そのためなら、こんな命いくらでも使ってみせる。
もう時を戻すことはできない。そのうえ、条件は過去最悪最低の劣悪な環境。
それでも、私はまどかを諦めることなんてできない。
それが、今まで私の生きてきた意味なのだから。
奇しくも、ここは病院。私の今までのスタート地点と同じだ。
覚悟は決めた。


―――私の叛逆は、まだ終わっていない。



【C-1/病院/一日目/深夜】

【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ(新編 叛逆の物語)】
[状態]:健康
[装備]:見滝原中学の制服、まどかのリボン
[道具]:デイパック、基本支給品、不明支給品1~3
[思考]:
基本:まどかを生存させつつ、この殺し合いを破壊する
1:まどかを保護する。
2:協力者の確保。
3:危険人物の一掃
4:まどかの優勝は最終手段


[備考]
※参戦時期は、新編叛逆の物語で、まどかの本音を聞いてからのどこかからです。
※まどかのリボンは支給品ではありません。既に身に着けていたものです
※魔法は時間停止の盾です。時間を撒き戻すことはできません。
※この殺し合いにはインキュベーターが絡んでいると思っています。

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