016

人為世界のエンブリヲ◆H3I.PBF5M.



本田未央、十五歳。高校一年生。
大手芸能事務所である346プロダクションに所属する新人アイドル。
平和な世界、平和な時代に生きる、紛れも無い一般市民である。

「あぁー、でも良かったー。最初に会ったのが鳴上くんとエンブリヲさんで!」
「それは私の言う台詞だよ、未央」
「いえ、俺もです」

その本田未央の前には、二人の男がいた。
一人は、眼鏡をかけた男子高校生。名前は鳴上悠。
一人は、高級そうなスーツに身を包んだ外人の男性。名前はエンブリヲ。
未央を含めたこの三人は、ショッピングモール「ジュネス」にある喫茶店に腰を落ち着けていた。

「しかし、殺し合い……か」
「状況はまだ理解できないが、我々は未曾有の危機にあるのは間違いないようだ。
 悠、未央。さっきは何とかなったが、次もうまくいくとは限らない。今のうちに何か身を守れるものを用意しておこう」

悠とエンブリヲが各々の荷物を確認しながら話している。
未央も慌てて持っていた自分のバッグをひっくり返した。
さっき……未央は、つい十分ほど前のことを思い返す。


広川と名乗った男が語った、バトルロワイアルという言葉。
それは、未央もよく知るアイドル同士の競い合い……アイドルLIVEロワイヤルと、響きは同じ。
しかし何が違うのか、未央は既に知ってしまった。
暗闇の中から広川と上条という男子が言い合い、上条が殺された、らしい。
殺された、というのが未央にはいまいち確信が持てない。
アニメや漫画の中ならよくある出来事なのだが、高校生兼アイドルである未央は当然そんな血なまぐさい世界に縁がないからだ。
祖父や祖母が寿命で死ぬのとも、病気で死ぬのとも違う。
明確な殺意があり、それによって死に至らしめられる……誰かに殺される。
現実感がない。実は夢なのではないか。そうであってほしい、と思っている。
だが、未央は襲われた。
気がついたら見知らぬ夜の街に放り出され、とりあえず誰か……プロデューサーや、島村卯月、渋谷凛……同じアイドルの仲間を探そうと、歩き出した矢先の事だった。
未央とさほど歳の変わらない茶髪の男が現れ、声をかけた未央を無視して服に手をかけ引き裂こうとしてきたのだ。

「ペルソナ!」

現実感のない上条の死よりも、今まさに暴行されようとしている恐怖は圧倒的な勢いで未央を飲み込んだ。
ほとばしった悲鳴を聞きつけてそこに助けに入ってくれたのが、眼鏡を掛けたかっこいい系の男子……つまりは鳴上悠だった。
走り寄って来る悠の頭上に、大きな人影のようなものが浮かんでいた。
かと思うとその人影は、持っていた大きな剣を未央の服を脱がそうとしていた男へと振り下ろした。
寸前のところで男は未央から手を離し、後ろへ下がって攻撃を避ける。

「君、大丈夫?」
「う、うん」

悠は未央を自分の背後へと庇い、襲ってきた男もとい変質者と向かい合った。
頭上に浮かんでいた人影はいつの間にか消えていた。

「いいところで邪魔をしてくれたな」
「お前は、あの広川ってやつの言いなりになってみんなを殺すのか」
「ふん、何を当たり前のことを。殺さなければ殺されるんだ、それの何が悪い」
「だからってこんな女の子まで襲おうとするのか?」
「逆らったらこの首輪で殺されるんだ。だったら、誰を殺したって罪になんかなるものか!」

変質者は道に転がっていた拳ほどの石を拾う。あれで殴られたら人は簡単に死ぬだろう。
今までぶつけられたことのない本気の殺意に未央は萎縮したが、悠は違った。

「だったら、俺はお前を止める。このペルソナで」

そのとき、再度あの大きな人影が悠の前に現れた。

「な、なにこれ?」
「大丈夫。俺の力、ペルソナだ。
 ……抵抗するなら、今度は手加減しない。骨の一本や二本は覚悟してもらう」


驚く未央に悠が短く説明する。
悠は未央と違い、こういう状況に慣れているようだ。しかしその頬には一筋の汗が流れていた。

「マナではない。私の知らない力か……?」

変質者がぼそりとつぶやく。何と言ったか未央にはよく聞き取れなかった。

「面白い」
「来るのか……くそっ!」

手加減しないとは言っていたが、本当にやるかどうか悠も迷っていた。
しかし変質者は構わず突っ込んでくる。悠が覚悟を決めて、ペルソナというらしいお化けを変質者にけしかけようとして……

「そこまでだ!」

突如、新たな声が響き渡った。
変質者の向こう、ちょうど未央たちと挟み撃ちをするような位置に、流れるような長い金髪の男がいた。

「タスク! それ以上はさせんぞ!」
「貴様、エンブリヲか!」

金髪の男は変質者と顔見知りのようだった。
エンブリヲ、タスク。お互いそう呼びあった彼らは、未央と悠を無視して睨み合う。

「いつもいつも俺の邪魔ばかりしてくれるな、エンブリヲ」
「タスク、貴様はこんな愚かな殺し合いに乗るというのか?」
「当たり前だ! 欲しいものはなんだって力づくで手に入れるのが俺のやり方なんだよ!」
「アンジュもそうやって私から奪ったのか!」
「ハハハ、そうさ! アンジュはもう俺のものなんだよエンブリヲ! 彼女の身体はとても良かったよ!」
「貴様ァ……!」

エンブリヲが顔を歪める。二人と初対面の未央にも、彼らがどういう関係なのか何となくわかった。
悠もどう口を出したものか迷っていると、

「お前が来たなら分が悪い。ここは引くとするか」
「待て、タスク!」
「じゃあな、エンブリヲ! 次に会うときはアンジュの目の前でお前を殺してやるよ!」

悠だけでなくエンブリヲも相手にするのは分が悪いと見て、タスクは逃げていく。
悠が追おうとするが、エンブリヲが止めた。


「奴は危険だ。狡猾で残忍、特に女性に対して非道な行いをする卑劣漢だ。深追いはやめた方がいい」
「……わかりました。で、あなたは……?」
「申し遅れたな。私はエンブリヲ、当然殺し合いなどする気はないよ」

そして、未央と悠とエンブリヲは、とりあえず落ち着いて話をするためこのジュネスへとやってきたのだった。

「誰もいないね」
「殺し合いに余計な人間を関与させないためだろうな」
「でも電気や空調は通ってる。とりあえず中に入ろう。夜動き回るのは危ない」

ジュネスの中には店員や客が一人もおらず、不気味さを感じさせた。
とりあえず目に入った喫茶店へと入ると、エンブリヲが未央と悠にコーヒーを淹れてくれた。
未央は自分がやるといったが、年長の自分がやるとエンブリヲが譲らなかったのだ。
店の設備を勝手に使うのも気が引けたのでありがたかったが。

「あまり自信はないが、どうぞ飲んでみてくれ」
「ありがとうございます」

手渡されたコーヒーをゆっくりと啜る。時刻は深夜だというのに、眠気は欠片もない。
広川という男の言ったことと、上条の死、そして何よりタスクに襲われたことが未央の精神をやや麻痺させていた。
そうしている間にも、悠とエンブリヲが簡単に自己紹介しあっていた。未央も慌てて自己紹介する。

「本田未央、十五歳。346プロでアイドルやってます!」
「アイドル? りせと同じか」

驚くと思ったが、意外にも悠はあっさりとアイドルという言葉に納得した。
なんでも、同じ高校の後輩に元トップアイドルがいるらしい。
久慈川りせ、聞いたことがない。有名なアイドルなら未央はたいてい知っているはずなのだが。
素直にそう言うと、悠も驚いていた。彼の後輩は一時期はテレビにもよく出ていたというから、知らないほうが珍しいと。
エンブリヲがゆっくりと手を上げた。

「君たち、ドラゴンを見たことはあるか?」

一瞬、何を言っているのかわからなかった。
ドラゴン? ゲームの話だろうか。未央は悠と顔を見合わせる。

「ふむ……やはりな。そういうことか」
「あの、どういうことです?」
「私と君たちは、違う世界から連れて来られたということだよ」


先ほどにも増して疑問符を浮かべる未央たちに苦笑し、エンブリヲは説明を始めた。
エンブリヲが元いたところは、ドラゴンという怪物と戦争をしているのだと。
未央と悠は最初そんなことないと笑っていたが、エンブリヲは真剣な顔で続けた。

「では、君たちは今ここにいることをどう説明する?
 私は一時間前は確かに自室で就寝していた。だが気がつけばこうしてスーツを着せられ、見たこともない土地にいる」

途端に笑えなくなった。
未央だって、ついさっきまでしまむーやしぶりん……アイドルユニット・ニュージェネレーションズのメンバー二人とメールしていたはずなのだ。
それが、いつの間にか制服を着て夜の街にいる。

「さらに言うなら、悠。さっき君が使った……ペルソナ? あれを私は見たことがないが、私の言うドラゴンと荒唐無稽という点ではさほど変わらんと思うがね」
「それは……そうですね。すみません、笑ってしまって」
「いや、気にしないでくれ。正直、私だって半信半疑なんだ。だが起こったことを否定してはいけない。まず現実を受け入れなければ」

その後はじっくりと情報を交換する。
エンブリヲの世界はマナという魔法みたいな力を使う人と、ノーマと呼ばれるマナを使えない人がいる。ドラゴンが襲ってくる。
悠の世界は未央のとあまり変わりがない。が、彼も彼でテレビの中に入って冒険するというやはりどこかファンタジックな体験をしているらしい。
テレビの中にはシャドウというバケモノがいて、それと戦う力がペルソナなのだという。

「あれ、でもここってテレビの中じゃないよね?」
「そうなんだ。テレビの外でペルソナは使えないはずなんだが、ここじゃあ出せると思って、それで実際に出せた。違う世界っていうのは案外本当なのかもしれないな」
「ペルソナ……マナとは違う力、か……」

エンブリヲが悠をじっと見つめて何かを考えている。
なんとなく静かになったのが不安で、未央はわざと大声を出した。

「あぁー、でも良かったー。最初に会ったのが鳴上くんとエンブリヲさんで!」


話は冒頭へ戻る。
未央が持っていたバッグをテーブルの上にひっくり返す。
出てきたのはこれまた映画の中でしか見たことがないようなもの……武器だった。

「拳銃と……何だこれは、筒か? いや、これは……!」

本物であるらしい武器に手を出すことを躊躇した未央の代わりに、エンブリヲがその二品を調べる。
筒からは光が出た。未央はライブのときファンが振ってくれるサイリウムを連想したが、当然そんなものではない。

「驚いたな。光の剣か」
「ライトセーバーだな」

悠の言葉で未央も理解する。某星間戦争映画に出てくる有名なアレだ。
エンブリヲが軽く筒を振って空いていた椅子を光で撫でる。
すると椅子は真ん中から綺麗にぱっくりと割れた。

「大した切れ味だ。こんなものを受けたらひとたまりもないな」

光を消してエンブリヲが未央へと銃と筒を返却しようとしたが、未央はざっと後退りした。

「だが武器としては心強い。未央、君のものだ」
「あ、あの私そういうのは……ちょっと……」
「ふむ、未央は戦いなどない世界の出だったな。いや、これは私の思慮不足だ、済まない。だが、身を守るためにも武器は必要だぞ?」
「それはわかってますけど、でも、私……」
「では、私に譲ってくれるかい? その代わり、私がなんとしても君を守ってみせよう」
「えっ……?」
「か弱い女の子に戦わせるわけにはいかんからな」

エンブリヲは天使のように微笑みかけてくる。
守ってみせる。その言葉に未央は安心して、銃と筒を差し出した。
エンブリヲが銃と筒を受け取り、懐へ入れる。そのまま、未央と悠へと手を差し出してくる。

「未央、悠。どうか私に力を貸してくれ。私はこんな殺し合いを許せない。
 私自身死ぬのは怖いし、なによりアンジュ……我が最愛の人が巻き込まれている。絶対に助けねばならない」
「それは俺も同じです。仲間が三人この名簿に載ってる」
「わ、私も! しぶりんとしまむーとみくにゃん、それにプロデューサーがいる!」
「では……?」
「うん、絶対に止めよう! 殺し合いなんて!」

未央はエンブリヲの手を強く掴む。悠もそれに続く。
三人はがっちりと握手を交わした。


「では、君たちは私のものだ」
「……ふぇ? あっあひいいいいいいいいいぃぃぃっ!?」

その瞬間、未央の全身を言葉に出来ないほど強烈な快感が突き抜けた。
エンブリヲに握られている手が……とても……気持ちいい。
とても背筋を伸ばしていられない。テーブルに突っ伏す。
視界が震え、鼓動が早まる。隣では悠も似たような体勢になっていた。

「ふむ、感覚の操作は問題ないな。まったく……広川め、この私の力に干渉するとは、どういう手を使ったのやら」

エンブリヲは一人、物憂げにつぶやく。
未央が眼球だけを何とか彼に向ける……その顔は先程までの紳士然としたものと全く同じだ。
だが未央を見返す瞳は、昆虫を見るそれだった。

「悠、君のペルソナの力は実に興味深い。マナとは発生原理からして異なるようだ。久々に研究者としての血が疼くよ。
 未央、君は……さしたる力もないのだったな。だが安心したまえ、私はそんなことで君を処分したりはしない。後でじっくりと楽しもうじゃないか」
「え、えんぶ……くぁああ!」

悠がなんとか手をエンブリヲに伸ばすが、無造作に払われる。その動作だけで快感が暴走している。
エンブリヲの手が未央の首筋を撫でる。

「あっ、あっ、らめえええ!」
「怖がることはない。もっと気持ちよくしてあげるよ、未央。
 アイドル……か。もはや聞くことも見ることもないと思っていたが、わからんものだ。
 渋谷凛、島村卯月、前川みく……だったか。その娘たちも探してやらねばな」

さっきまでとは違う。エンブリヲのその言葉に、怖気だつほどの不快感しか感じない。
この男は自分だけでなく、しまむーやしぶりんまでも食い物にしようとしているのだ。

「ら……らめ……しょんな、ことぉ……!」
「おや、抵抗するか。よほど友達が大事なのだね。
 だが一度私の与える快楽に溺れてしまえば、それもすぐにどうでもよくなるよ」

エンブリヲの手が未央の服を脱がしに掛かる。
まるでさっきの、タスクという男のように……


「……ぐっ!?」
「エンブリヲォォォォォォッ!」

突然、エンブリヲがのけぞった。
その肩には木の枝……即席の手裏剣が突き立っている。
喫茶店の窓ガラスを突き破り、飛び込んできたのは若い男……というか、タスクだった。

「ええい、また貴様か!」
「死ね、エンブリヲ!」

タスクが手に持ったナイフをエンブリヲに突き刺そうとする。
だがそれよりエンブリヲが動けない悠を人質にするほうが早かった。

「おや、どうした? 私を殺さないのか?」
「卑怯な……その人を離せ!」
「ふん、このバトルロワイアルとやらの中なら私を殺せると思ったか。その思いあがり……許しがたいな!」

エンブリヲが銃を抜く。未央のバッグに入っていた拳銃だ。
エンブリヲの銃とタスクのナイフでは、どうやってもエンブリヲが勝つ。
形成は逆転した。一転して追い詰められたタスクが物陰に隠れようとするより早く、エンブリヲが引き金を引く。

「……ペ、ル……ソ……、ナ!」

弾丸は、タスクを貫く前に現れた巨大な人影、ペルソナによって叩き落とされる。

エンブリヲ、未央、タスク、三者の視線が悠へと集中する。

「その娘を、連れて……逃げ……!」
「チィッ!」

思わぬ反撃に舌打ちし、エンブリヲが銃床で悠の首筋を打つ。
昏倒した悠。エンブリヲは銃を構える。
しかしそのとき、タスクは未央と転がっていた悠のバッグを拾い上げて窓へと飛んでいた。

「ふぁああぁあ!?」
「済まない、絶対に助けに来る!」

エンブリヲではなく悠へと言葉を残し、タスクは走り去っていく。
未央はその間ずっと全身を貫く快楽に苛まれ、悠を置いて行くことに抗議することもできない。
ジュネスに残ったのは、エンブリヲと鳴上悠の二人だけ。


「……ふん、してやられたか。まあいい、私にはこれがある」

エンブリヲは銃をしまい、自分のバッグから小さな箱を取り出す。
これがエンブリヲに支給された特別な品……帝具・変身自在「ガイアファンデーション」。
どんな物にも変身できる、体積すら無視できる逸品だ。
エンブリヲはこれと自身の能力である分身を用いて一芝居打ち、未央と悠の信頼を騙し取ったのだった。
まさか本物のタスクがこんなに早く襲ってくるとは思っていなかったが。

「奴がいくら私の悪評を振りまこうと、私はいくらでも別人になることができる。何も問題はない」

エンブリヲは気絶した悠を抱き上げる。
男は趣味ではないが、ペルソナという力を理解するには鳴上悠という存在を丸裸にする必要がある。
悠一人でダメなら彼の仲間を探す。里中千枝、天城雪子という二人の少女なら趣味と実益の両方を満たせるだろう。

「アンジュ、君なら早々に死ぬということはないだろう。少しの間だけ待っていくれ。すぐに迎えに行くよ」

ペルソナ、帝具。幾多の世界を渡り歩いた超越者たるエンブリヲすらも知らない世界。
実に興味をそそられる。ぜひとも調査解析し、自分のものとしなくては。
このバトルロワイアルもそう悪いものではないと、エンブリヲは静かに笑う。




【F-7/ジュネス/深夜】
【エンブリヲ@クロスアンジュ 天使と竜の輪舞】
[状態]:健康
[装備]:FN Five-seveN@ソードアート・オンライン、カゲミツG4@ソードアート・オンライン
[道具]:ガイアファンデーション@アカメが斬る!、基本支給品×2
[思考・行動]
基本方針:アンジュを手に入れる。
1:悠のペルソナを詳しく調べる。
2:アンジュを探す。
3:悠、未央の仲間に会ったら色々と楽しむ。
4:タスクを殺す。
[備考]
※出せる分身は二体まで。本体から100m以上離れると消える。本体と思考を共有する。
 分身が受けたダメージは本体には影響はないが、殺害されると次に出せるまで半日ほど時間が必要。


【F-7/ジュネス/深夜】
【鳴上悠@PERSONA4 the Animation】
[状態]:気絶、全身性感帯+感覚五十倍
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・行動]
基本方針:仲間と合流して殺し合いをやめさせる
1:エンブリヲから逃げる
[備考]


タスクは夜の街をひた走る。
肩に担いだ少女はいつのまにやら気を失っている。暴れられるよりはマシだが。
スカートからチラチラ見える下着が気になるが、そこはグッと我慢した。

「くっ、すぐそこにエンブリヲがいるのに……!」

タスクにとって、殺し合いをやれと言われたことよりもすぐ近くにエンブリヲがいた事のほうが重要だった。
仲間がいたのでしばらく監視して様子を見るつもりだったが、エンブリヲは仲間を切り捨てようとしていた。
介入しないわけにはいかなかった。放っておけば男は殺され、女は体も心も蹂躙され壊されてしまっただろう。
あの眼鏡の青年は力を振り絞ってタスクたちを逃してくれた。
あそこで命を捨てるより、アンジュや仲間と合流してエンブリヲを倒し、青年を助ける可能性に賭けるしかない。
無論、殺し合いを認める気はない。
タスクはアンジュ……機動兵器ヴィルキスを駆る戦姫にして、彼が守ると誓ったただ一人の女性、アンジュに胸を張って会うために、絶対に人を殺さない、殺させないと決めていた。
例外はあのエンブリヲのみだ。
奴は必ず殺す。その後、広川という男を捕らえてこの殺し合いをやめさせる。
強い決意を胸に、タスクは走り去っていった。



【F-6/市街地/深夜】
【タスク@クロスアンジュ 天使と竜の輪舞】
[状態]:健康
[装備]:スペツナズナイフ×3@現実
[道具]:基本支給品
[思考・行動]
基本方針:アンジュの騎士としてエンブリヲを討ち、殺し合いを止める。
1:アンジュを探す。
2:未央を安全なところに移す。
3:エンブリヲを殺し、悠を助ける。
[備考]

【本田未央@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[状態]:気絶、全身性感帯+感覚五十倍
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品1~3
[思考・行動]
基本方針:殺し合いなんてしたくない。帰りたい。
1:こいつさっきの変態じゃ……?
[備考]

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GAME START タスク 045:揺れる水面のアイオライト
エンブリヲ 033:神の発情
鳴上悠
本田未央 045:揺れる水面のアイオライト

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最終更新:2015年05月31日 21:58