『REACH OUT TO THE TRUTH』(後編) ◆IVe4KztJwQ
緩やかに炎に包まれていく屋敷。
逃げ惑う暦の家電乱舞を受けた藤乃はその姿を見失ってしまった。
しかし、すぐさまもう一つの魔眼、千里眼を発動させ屋敷の中を一瞬で探る。
「ふふっ、隠れても無駄ですよ。ほら、見つけました」
藤乃の攻撃を必死に掻い潜る内に
屋敷の母屋から大分離れてしまい駆け込んだ場所。
広い空間と壁際に立てかけられた数本の竹刀が眼に付く。
「ここは剣道場なのか」
その後ろで不吉な声がした。
「もう、逃げられませんね」
剣道場の入り口に立つ藤乃。
しまった、と思う。
唯一の出入り口には藤乃が居て。此処には視線を遮る物が何も無い。
「先輩の為に死んでください」
そう言いながら藤乃が笑う。本当に楽しそうに。
「だけど!」
もしここで僕が殺されてしまい、次の放送で僕の名前が呼ばれてしまえば。
戦場ヶ原、どこまでも情の深い僕の彼女は目の前の
浅上藤乃と同じように、
僕を生き返らせる為、容赦なく殺人者になるだろう。
『阿良々木君が死んだら、私はどんな手を使ってでも阿良々木君を
殺した相手を殺すに決まっているじゃない。私を殺人者にするつもり?』
何時かの戦場ヶ原の言葉が聞こえてくる。
全く。自画自賛じゃないが、こんな事を考えてしまう位に僕は
あいつの愛を感じてしまう。男冥利に尽きるという事か。
浅上の間違いを正し、戦場ヶ原に間違いを起こさせない為に。
「僕はまだ死ねない。でも浅上藤乃、君にも誰も殺させない」
対峙する両者、もう逃げ場は無い。
「凶れ」
容赦なく襲い掛かる歪曲の力。
藤乃の物質を捻じ凶げる。その攻撃を。
ある時は身体を捻り破滅の螺旋をぎりぎりの所でかわし。
ある時はデイバックから取り出した電化製品を彼女の歪曲の視線上に
放り投げる事で、何とか凌いでいくが。如何せん、この場の不利は拭えない。
ここにきてデイバックの中にある電化製品も
度重なる家電乱舞により、遂に底を尽きかけていた。
もしも藤乃の体力が本調子であれば僕はとっくに殺されていただろう。
「くそっ」
何度目の悪態かもうわからない。
僕に出来るのはここまでなのか。
いや、ここからは体だけで何とかするしかない。
暦は藤乃から視線を外さずに、剣道場の中心で立ち止まる。
「どうしたんですか。もう抵抗は終わりですか?」
藤乃の口元に笑みが浮かぶ。
「ああ、もうデイバックに詰めていた電化製品も流石に打ち止めだよ」
そう返しながら暦は気付く。その不可解な笑みに。
先輩を救う為にごめんなさいと言いながら他者を殺そうとする藤乃。
その言葉と笑みは何かが食い違っていた。
暦はその瞬間。はっとする。
最初に感じた違和感の正体。その決定的矛盾に暦は気付いてしまう。
「そうか…。そういう事、なのか?」
ごめんなさい。先輩の為に。と繰り返し呟きながら襲い掛かる浅上藤乃。
その言葉から、死んでしまった先輩を生き返らせる。帝愛の言葉を信じ、
その目的の為に彼女は無理をしてこのゲームに乗っている。
ずっとそう思っていた。けれど、それは暦の勘違いだった。
浅上藤乃という少女は。あの時の
神原駿河とは違う。
いや、真逆と言ってもいいだろう。
戦場ヶ原が欲しいと願った神原駿河。
それを叶える為、裏の願いとして僕を殺そうとた怪異『レイビーデビル』
でも、浅上藤乃は。先輩を助けたくてその願いを叶える為の
人殺しをしているんじゃない。確かに死んでしまった先輩を助けたい。
生き返らせたい。という気持ちもあるのだろう。
だけど、間違いない。
浅上は先輩を助けるという理由で自分の行為を正当化し、
人殺しを楽しんでいる。そしてそんな自分の本心に気付いていない。
だから、僕があの時に。
『なんで笑ってるんだ』
と言った言葉に対して、意味がわからないと困惑して見せた。
だから、民家のガラス戸に映った自分の予想外の表情を見て怯んだ。
自分の表情の意味が心底理解できなかったのだろう。
なんて事だ。つまり僕は、快楽殺人者に人殺しをやめさせようと、
見当違いの説得をずっと繰り返していたのか。
そんな相手を説得するなんて。土台無理な話じゃないか。
そして矛盾に気が付かないまま僕は殺され。彼女は破滅の道を進むしかない。
『本当にそうなのかなあ?阿良々木君はまだ何か
見落としている事が、あるんじゃないのかな?』
…言いたい事はわかるよ羽川。
いつだってお前は僕を助けてくれたんだからな。
でも、そうは言っても。僕は羽川みたいに頭が回るほうじゃないんだよ。
暦は知る由もない事だが。
かつて、
荒耶宗蓮は浅上藤乃の事を『存在不適合者』だと言った。
それは一体何に対しての不適合なのだろうか?
答えは明確。つまり、人の世に対して、である。
だからこそ浅上藤乃は殺し合いというこの異常な状況にあっさりと適応し。
人為らざる騎兵の英霊に、藤乃が知らず知らず魅かれるのは
当然の事だったのだろう。逆もまた然り。
騎兵の英霊は己に近い『存在不適合者』である藤乃に魅かれていた。
では
阿良々木暦『怪異に行き会った少年』彼はどうなのだろう。
春休みの事件以降その罪と罰を抱え。少しだけ人から外れてしまった存在。
彼もある意味では、人の世の『存在不適合者』その成れの果て。
であるが故に、両義式と同じく、正しく藤乃の歪みに気づく事が出来た。
無い頭を使い、僕は必死に考える。
前の時と同じように不意を付ければ、この状況を打開出来るかもしれない。
周囲を再度見回してみる。しかし剣道場の中には
前回のように、都合よく浅上の顔を映すような物は何もなかった。
それでも、僕の言葉が浅上に届くかなんてわからないけれど。
諦める訳にはいかない。
暦の瞳が紅く輝き。その瞳孔が縦に開く。
「うおおおおおおおおおおおおおおお」
暦は覚悟を決め。藤乃へ向かって突進する。
「阿良々木さん、ごめんなさい。でも…凶れ!」
藤乃は笑う。暦の左腕が、あり得ない方向へ捻じ凶る。
「がはあああっ、ぐっ」
想像を絶する衝撃と痛み。それを無理やり堪え。歩みを止めず突き進む。
もう一度。聞くけれど。
「浅上藤乃!お前は、何で、笑っているんだ?」
眼の前にいる阿良々木さんが叫びながら変な事を聞いてくる。
私は笑ってなんかいないのに。どうしてそんな事を言うのだろう。
少し考えてみて、藤乃は理解する。そうか、ごめんなさい。
腕の痛みに耐えられず、少しおかしくなられてしまったのですね。
「こんな事は間違ってるんだ。浅上」
「凶れ!」
暦の右足が捻じ凶る。
「ぐぅああああ」
それでも暦は歩みを止めない。それを見た藤乃は思い出したように呟く。
「忘れていました。阿良々木さんは普通の人より死ににくいのでしたね」
でも、安心して下さい。先輩の為にちゃんと殺して。凶げてあげますから。
「凶れ!」
螺旋が暦の脇腹に突き刺さり内臓が捻じ凶る。
「…ごふっ」
口から赤い鮮血を吐き出しながら。
ああ、やばい。
忍に血を吸ってもらい能力を底上げして神原と戦った時とは違うんだ。
これは、本当に死ぬかも。
それでも、阿良々木暦は諦めない。
暦は藤乃の眼前まで距離を詰め、藤乃の右肩を左手で掴む。
しかし、今まで逃げ回る事しかできなかった上に、
武器らしい物さえ一切持たず。ボロボロになり吐血する暦を前に
藤乃は何の危険も感じていなかった。
もう、あの時のように拳を握る力さえも残っていないのだろう。
その証拠に私の肩を掴むその指先は力なく震えていた。
額に脂汗を浮かべ。苦痛に身を捩りながら。
藤乃の瞳を真正面から見つめ暦は叫ぶ。
「浅上藤乃。僕の眼を見ろ!僕の眼に映るお前をしっかりと見るん、だっ…」
またそれですか。一体この人は何を言っているのだろう。
その言葉に何の感慨も浮かばないけれど、
私を助けてくれたお礼位はしてあげてもいいのかしら。
そう思い、最後に阿良々木さんの表情を確認しようと顔を見やる。
───。
「えっ?」
間抜の抜けた声が漏れる。その瞳に映っていたのは。
頬に手を触れてみる。
「なん、で?」
わたし、笑っているの?
訳がわからない。阿良々木さんの言う通り。私の顔は笑っていた。
そのあまりにも醜い表情に。わたしは戦慄する。
「わからないのか。浅上」
そんなはずが無い。だから、わたしは謝ってきたのに。
その謝りが。誤りだったとでもいうの?
「君が先輩を助けたいと思っている。それは本心だと思う。
でも、君はそれを言い訳にして。人殺しを楽しんでいる」
藤乃は体を震わせ。
「どうして、そんな事を言うんですか?」
人殺しに快感を覚えるような殺人鬼。両義式と同じような事を。
「どうして、そんな嘘を言うんですか?」
わたしは人殺しに快感を覚えるような殺人鬼じゃない。私は正常なはずだ。
再び二人の視線が絡む。そして。
「嘘じゃない。浅上は自分で自分の本心に気付いていない。
その証拠に、君は自分が笑っている事に気付いていなかった」
決定的な言葉。さっきから何かが可笑しい。自分の心がわからない。
この人の言っている言葉がわからない。そんなのは絶対に嘘。
だって、もしそうでないとしたら、わたしは。わたしは。
「嘘、笑ってなんかいない」
人殺シガ、楽シカッタ。
「嘘、楽しんでなんかいない」
アノ時ハ痛ミヲ理由ニ。
「違う。人殺しはいけない事だってわかってるわ。
だから、わたしは。ごめんなさいってちゃんと謝っていたのよ」
ソレガ嘘ダ。人殺シヲ、楽シンデイタ。
この声は、一体誰?
苦痛と吐血に苦しみながらも暦は藤乃の肩を掴んで離さない。
この人は一体何なの?どうして殺されそうになりながら。
そんなに哀しそうな眼でわたしを見るの?
理由は解っていた。嘘じゃない、とわたしに容赦なく真実を突きつけてくる。
阿良々木暦に浅上藤乃は戦慄する。
「あっ…うぁ…」
「うわっ」
藤乃の体から力が抜けその場に蹲り。
その肩を掴んでいた満身創痍の暦は重心を崩し
二人はお互いを引き摺られるようにして倒れ込んでしまう。
「わたし…先輩…」
藤乃は自分が両義式と同じように人殺しを楽しんでいた。その事よりも。
黒桐先輩の事を理由に人殺しを楽しんでいた。その事実が何より恐ろしい。
「…ごめんなさい」
心が痛い。その真実に。あまりに醜い己の心に恐怖する。
何時からこうなってしまったのだろう。
それとも、浅上藤乃という存在は元からこういうモノだったのか。
違う。嘘だ。そんな事ない。嘘だ。そんな事ある訳がない。嘘だ。
いつの間にか藤乃の顔から笑みが消えていた。焦点は虚空を彷徨い。
違う。嘘。とその口から繰り返し漏れる言葉。
眼前の藤乃は震えていた。自分の本心に気付き。恐怖していた。
その想いが、藤乃の体を通して僕に伝わってくる。
その藤乃の姿に。
僕はかつての自分の姿を重ねてしまう。
吸血鬼に襲われて。自らもその吸血鬼の眷属になってしまった春休み。
その地獄のような日々の終わり。
怪異の王にして。鉄血で熱血で冷血の吸血鬼。今は失われた真名。
『キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード』
彼女は当たり前のように人を喰っていた。何故だ、と聞いた僕に対し。
食べなければ死んでしまう。そう言って、僕の目の前で人間を食べていた。
そして、いつしか僕も人間(食料)を食べる事が当然だと考えてしまう
彼女と同じ吸血鬼(化物)になってしまった事を思い知らされた。
その事実に気が付き、自分の存在に恐怖した。夜の住人となり、
日の下に出る事も、家に帰る事も、誰かに悩みを相談する事さえできない
その絶望の中で、羽川翼は僕を救ってくれた。
あの時の僕と同じように、浅上藤乃は自分の存在に恐怖している。
だから、偉そうな事を言うけれど。言わせてもらうけれど。
僕は浅上藤乃を救いたいと、そう思った。
藤乃は自分の心の中で渦巻く言葉を追い払おうと必死になっていた。
眼前の暦、自分自身、その全てを拒絶しようと魔眼の力を放つ。
「凶れ、凶れ、凶れ、凶れ、凶れぇ!」
焦点の定まらない狂気の螺旋。それは藤乃の心を表すように
尽く見当違いの方向へ飛んでゆき、周囲を破壊していくのみだった。
けれど螺旋の一つが暦の蟀谷を掠める。その頬を一条の鮮血が垂れて。
華奢な藤乃の身体に覆い被さっている暦。藤乃の頬に赤い物が落ちる。
「浅上。僕はお前の恐怖を知っている。
僕自身が人間を外れてしまった時の恐怖を僕は覚えている」
自らの命の危険を顧ず。阿良々木暦は揺るがない。
気付いてしまった浅ましい自分の本性。
他人によって暴かれ晒されたその事実に。
藤乃の、その心は。今、崩壊しようとしていた。
「浅上藤乃」
暦の右手が藤乃の左頬に触れる。
「ひっ…」
流れ出る一滴の涙がその頬を伝い。
「君は…言ってたよな。何度も何度も、ごめんなさいって…言ってたよな」
藤乃に凶げられた内臓の損傷からか、暦が喋る度にその口から鮮血が漏れ。
「人殺しは…いけない事なんだよ」
そんな当たり前の事。わたしだって解っています。
「じゃあ…どうして、いけない事だと思う…んだ?」
藤乃は答えられない。理解しているつもりで解っていなかった。
「それは多分…とても簡単な事で…浅上、お前は先輩が
死んで…しまったと知った時…哀しくなかったのか?」
先輩…。藤乃に優しくしてくれた、大好きな先輩。
初恋の人。けれどもう会えない。その笑顔はもう見れない。
「哀しかったです」
先輩の死を知った時。
ライダーさんがわたしを慰めてくれた。
でも、阿良々木さんの言葉はあの時と何かが違う。そう感じる。
「お前の、心は痛くなかったのか?」
「あっ…」
暦は藤乃の眼を。藤乃は暦の眼を見る。
『心は痛くなかったのか?』
痛いのなら言うべきなんです。
確かにあの時、ライダーさんはそう慰めてくれた。
でも。人殺しがいけない理由は知らなかった。
そんな当たり前の事、考えようともしなかった。
誰も教えてくれなかった。
「それが…どんな人だとしても。それを哀しむ。誰かが居るから…なんだよ」
届くかわからないけれど。それでも。阿良々木暦は叫ぶ。
「だから、親しい人や好きな人が死んだ時。胸が痛くなるんだ」
藤乃に向かって必死に叫ぶ。その表情が一瞬だけ先輩と重なった気がした。
「…あっ」
暦の言葉が藤乃の胸に突き刺さる。
胸が痛い。その痛みの理由が。今は、はっきりと解かる。
『痛かったら痛いって言っていいんだよ。』
黒桐…せん…ぱい。
力なく崩れ落ちる藤乃。その両眼に涙が溢れていく。
「うぇっ…、え…くっ…、ひっく…」
「黒桐…先輩…ごめんなさい。わ…たし、わたし…」
その場に泣き崩れ。阿良々木暦の服の裾を掴み。
腹に顔を埋めながら。嗚咽を漏らし藤乃は喋る。
幾人もの命を奪ってしまった事。
加治木ゆみの命を、月詠小萌の命を、
真田幸村の命を奪ってしまった事を。
先輩と同じように。彼らが死んでしまった事で胸を痛くする人が居ると、
その事が理解出来る。
「わたし…これから…どうしたらいいんですか…」
この罪を。奪ってしまった命を。その痛みを。
僕は胸の中で泣きじゃくる浅上を見て。そっと、彼女の黒髪を撫でた。
「浅上が奪ってしまった命は…もう戻ってこない。
僕が言えた義理じゃないけれど。それは…これから先も
浅上自身が背負っていかなくちゃ罪…なんだと思う。
けれど僕は…いや、人が誰かを…罰する事なんてできない」
だから、どんなに辛くても。その罪を背負って生きていかなくちゃいけない。
『罪を背負っての自殺なんて。わたし絶対に許さないからね』
僕は羽川翼にそう教えられたんだ。
二人の死闘。浅上の魔眼で破壊され、家電が散乱してしまった道場内。
体を引き摺り、その壁に背中を預けると、暦は其処に力無くもたれ掛かる。
剣道場の入口から見える日本家屋。
母屋が炎に包まれてゆき、夕闇の中で火の粉が舞っていた。
その光景は不謹慎かもしれないけれど。とても綺麗だと思った。
思い出したように暦は自分の体を確認する。ボロボロだった。
その腕の中。未だ暦の胸で嗚咽を漏らす浅上は。
阿良々木さん、ごめんなさい。先輩、ごめんなさい。と繰り返す。
その姿に。
ああ…僕は、初めて…誰かを救う事ができ…たのかな。
忍野、お前の言う通り…僕はとんだ偽善者…なのかもしれない。
でも。そんな僕でも…こうして浅上の心を救う事が…できたのなら。
…上出来だ。
だろ、忍野。
薄れゆく視界の中で…そんな事を考えながら。
阿良々木暦の意識は途切れた。
─────────────────────────────
───────────。
不意に、藤乃は自分の頭を撫でていた暦の腕に力が無くなるのを感じ。
その顔を上げる。
「あっ…、阿良々木さん?」
力なく垂れ下がる暦の腕。その瞼は静かに閉じられていた。
「阿良々木…さん?…嘘です…よね?」
暦の肩を掴んで揺する。暦は何も言わない。
「さっきみたいに、返事をして下さい!
僕の眼を見ろって…眼を開けてください!」
藤乃が纏う純白のドレス。それが赤く染まっていた。
虚しく。哀しい。藤乃の絶叫が響く。
【E-5南西 衛宮邸 剣道場/一日目/夕方(放送直前)】
【浅上藤乃@空の境界】
[状態]:千里眼覚醒・頬に掠り傷(応急処置済み)疲労(大)全身に軽い刺し傷(応急処置済み)
[服装]:純白のドレス(シーツを服代わりに纏っている)@現地調達
[装備]:軍用ゴーグル@とある魔術の禁書目録
[道具]:基本支給品一式、拡声器@現実
[思考]
基本:どうしたらいいのかわからない。けれどもう人殺しはしたくない。
0:阿良々木さん…。わたし…わたし…。
1:次にライダーさんと会ったら…。
2:ライダーさんは象の象を目指しているのだろうか?
3:サーシェスを敵視。
4:人を凶ることで快楽を感じていた事を自覚し、その自分に恐怖する。
5:断末魔サービスを利用したい?
6:サーヴァントと戦国武将に警戒。
[備考]
※式との戦いの途中から参戦。盲腸炎や怪我は完治しており、痛覚麻痺も今は治っている
※藤乃の無痛症がどうなっているかは後の書き手にお任せします。
◆ ◆
後日談、というほど時間は経っていないけれど。今回のオチ。
あまりに無茶をやり過ぎた反動で血が足りなくなった僕は、
いつの間にか死んだように意識を失ったらしい。
僕が死んだと勘違いして必死に体を揺さぶる浅上のその声で
僕の意識は再び覚醒した。
重傷患者の体を揺さぶるって駄目なんじゃないか?
と思ったけれど。泣いていた浅上にそんな事を言うのは野暮だった。
僕が生きている事に安堵した浅上が見せた。その涙と笑みは。
あの『歪んだ笑み』とは全然違っていて。
とても美しく一見の価値があった。
その笑顔が見れた事は心底ボロボロになった僕の
せめてもの役得といったところかな。
それから僕を凶げた事に対する罪悪感で
一人出ていこうとした浅上を僕は引きとめる。
もう人は殺したくないと言っていた浅上は正直これからが大変だと思う。
何せ人を殺してしまった罪と向き合っていかなきゃいけないのだから。
そんな彼女を一人にする訳にはいかないし。
彼女がスザクやデュオ、式と出会ったらそれこそ無用な誤解というか
争いを招いてしまう恐れもある。それを仲裁するのは僕が居た方がいい。
春休み僕の事を救ってくれた羽川翼。
あの時の僕と似たような境遇の浅上藤乃を助けるのは、きっと僕の役目だろう。
重傷で暫くは動けない僕を一人残して行かないでくれ。
そう説得したら浅上があっさり頷いてくれた事に今度こそ安心する。
一応、誤解が無いように断っておくけれど。
僕には戦場ヶ原という彼女がいて、
彼女の毒舌を含め戦場ヶ原の好きじゃない所はない。
そうはっきりと断言できるくらい。僕は戦場ヶ原の事が好きだ。
だから、僕が浅上を助けたからといっても。そこで何らかのフラグが立つ。
なんて事はあり得ない、とだけ断っておこう。
『何を言ってるんだい阿良々木君。フラグならしっかり立っているじゃないか。
これは俗にいう、阿良々木君がツンデレちゃんに刺されるっていう死亡フラグだよね』
…忍野。それ、笑えない。
忍野メメの幻聴が聞こえてきたような気がしたけれど。
僕は、あえてそれを無視する事にした。
そして第三回目の定時放送が始まる──。
【阿良々木暦@化物語】
[状態]:疲労(大)、出血によるダメージ(大、治癒中)左腕歪曲(大、治癒中)右足歪曲(中、治癒中)左脇腹歪曲(中、治癒中)
[服装]:直江津高校男子制服
[装備]:マウンテンバイク@現実
[道具]:デイパック、支給品一式、ギー太@けいおん!、エトペン@咲-Saki-
沢村智紀のノートパソコン@咲-Saki-、毛利元就の輪刀@戦国BASARA、USBメモリ@現実
(政庁で使った物品は適当に回収したため他に何が残っているかは不明、後の書き手にお任せします)
[思考] 誰も殺させないし殺さないでゲームから脱出。
基本:知り合いと合流、保護する。
0:浅上藤乃を一人にしない。
0:戦場ヶ原…。
1:憂をこのままにはしない。
2:モモ、ルルーシュを警戒。
3:……死んだあの子の言っていた「家族」も出来れば助けてあげたい。
4:支給品をそれぞれ持ち主(もしくはその関係者)に会えれば渡す。
原村和とは一方的な約束済。
5:千石……八九寺……神原……。
6:太眉の少女については……?
7:落ち着いたら【ホール】を再調査してみる。
[備考]
※アニメ最終回(12話)終了後よりの参戦です。
※回復力は制限されていませんが、時間経過により低下します。
※会場に生まれた綻びは、あくまで偶発的なものであり、今後発生することはありません。
※巨神像はケーブルでコンソールと繋がっています。コンソールは鍵となる何かを差し込む箇所があります。
※原村和が主催側にいることを知りました。
※サポート窓口について知りました。
※今回のSSで家電乱舞を使い切りました。
※やばっ…、母屋が燃えてるって事は。乾燥機に入れっぱなしの浅上の服は…。
【E-5南西 衛宮邸】
冬木市にある
衛宮士郎の住居。衛宮邸を模した日本家屋。
しかし現在は剣道場と土蔵を残し。母屋が炎に包まれている。
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最終更新:2010年04月10日 01:52