贖罪は優しき少女の為に ◆CgCz1GHD8o



きらりと輝く星一つ。
静かに何処かを見守って。
きらりと輝く星一つ。
きっと彼女らを見守って。

★★★★★★★★

放送が終わり、しばらくの間何も考える事が出来なかった。
真田から聞いていた明智光秀が死んだ事。
僕はその明智が何をしていたのかは知らないけど、やっぱり殺し合いに乗っていたのだと思う。
そして次に呼ばれたのは神原だった。
覚悟はしていたとはいえ、名前が呼ばれると更に重くのしかかってくる神原の死。
改めて、もうあいつとはあんな会話ができなる事を思いさびしくなってくる。
だからこそ僕はやっぱり立ち止まれない。
あいつが愛した戦場ヶ原を、僕が愛している戦場ヶ原を守るためにも僕は立ち止まれない。
それが神原の為になると思って。
そして、驚いたのは浅上が神原の事を知っていたという事だ。
聞いた話だとおそらく神原はレイニーデビルに三つ目の願いを頼んだらしかった。
そして神原がレイニーデビルと化した時浅上はその場に居たらしい。
確かに浅上にも原因はあるかもしれないけど。
僕は浅上を責める気にはなれなかった。
それは、浅上が反省しているのもあるし、最後に決めたのは神原だったからだ。
でも、そうか……。
神原は最後の願いを願ったのか。
多分あいつの事だろうから戦場ヶ原に関係ある事なんだろうな。
なら、会えたのだろうか。
神原は戦場ヶ原に……。
次に呼ばれたのはセイバーと同じサーヴァントらしい。
とは言っても、僕自身は面識がないからなんとも言えないけど。
だけど、そのアーチャーを倒したのがどうやら真田の言っていた織田信長らしく、本当にそいつが危険な奴だってことがよく分かった。
そして次に驚いたのが、平沢唯の名前。
平沢憂の姉であり、僕の持っているギー太の持ち主らしい。
結局僕はこのギー太を本人には返せずじまいになった訳なのだけど、まだ平沢憂が居る。
あの子にやっぱりこれを渡さなきゃいけない。

そして死者の発表が終わり、しばしの沈黙に剣道場は包まれる。

あの後、やはり母屋の炎は消えず全て焼け落ちるまでそれは消えなかった。
だけど、剣道場は炎が回っていなかったので休むのには特に問題が無かった。
休む、という問題は。
だけど、それ以外に一つ大きな問題があった。
それは――

「くちゅん」

「だ、大丈夫か?」

「は、はい」

そう、浅上の服だ。
くちゅんという浅上のくしゃみで破られた沈黙と共に、浮き出た問題。
乾燥機がある母屋が燃えてしまったので、それに入れていた浅上の服も乾燥機と同じ運命をたどってしまったのだろう。
浅上自身は大丈夫と言っている。
だけど、シーツだけを来たまま夜を過ごすのは寒いに決まっている。
だから僕は浅上に、炎の被害をうけていない土蔵を探して貰うことにした。
いくら土蔵といっても何かはあるよな……。
そう思い、休んでいた。
そして、しばらく。
浅上が剣道場の扉を開けて帰ってきた。
その手には土蔵で見つけたのか袋があり、おそらくその中に入れたのだろう。
だから、僕には浅上が何を持ってきたのかが分からなかった。

「あの、阿良々木さん。色々あったんですけど」

そう言って浅上は袋の中に手を入れる。
この時の僕は何が出てくるのか予想がついてなかった。

「まずは……」

そう言って取り出してきたのは、男物の少し古くなっているコート。
浅上が着るとしたら明らかに袖が余るもので、それをシーツの上から着るとなると――

「浅上、それは駄目だ」

「えっ。あ、はい」

そう言って浅上はそれを自分の体の横にとどける。
僕はそれを見てほっとする。
もちろん戦場ヶ原を裏切る、いや裏切るって言うのか? ……まぁ、裏切るで良いとしよう。
僕には戦場ヶ原を裏切る気はこれっぽちも無い。
だから別に浅上がそんな身の丈にあっていないコートを着て、その下にうっすらシーツと素肌が見えようとも全くやましい気持ちにならないって……言いきれる、と思う。
ただ、万が一。
いや、万が一でもないけど念のためやめておいた。

「じゃあ、次は」

そう言って浅上が出してきたのは、虎柄のセーター。
これを浅上が着る事をまた考えてみる――

「浅上、それもやめておこう」

「は、はい。分かりました」

そう言ってさっきのコートの上に、その虎柄のセーターを綺麗に畳んでおく。
その動作で浅上がやはり見た目通りのお嬢様らしいことがうかがえる。
で、何でこれもやめたか。
考えても見てほしい。
浅上は見て分かる通り、その戦場ヶ原以上の胸があると思う。
その浅上があのセーターを来たとしたら、その……ある部分がとてつもなく目立つと思う。
いや、だからさっきも言った通りそれでやましい気持ちになるとか本当に無く、というかそんな気持ちになったら戦場ヶ原に殺される。
後もう一つ理由があった。

なんだかその服を着た時点でろくな目にあわない予感がした。
例えば、終盤辺り全く出番のない呪いとか。
どっかの道場で弟子をとったりとか。
自分のルートを求めてクイズを出す怪異になったりとか。
そんな予感しかしなかった。

『そこ、失礼。多分私は君と凄い縁がある。なんたって君ほどヤンデレとフラグを立ててる死亡フラグ王はそうそういないわ』

何か良く分からない幻聴までが聞こえてきた。
もしかしたらこの服は何かしらの怪異なのかもしれない。
やっぱり着ないのが正解だろう。

「じゃあ最後は」

そう言って浅上が出してきたのは、浴衣。
縁日とかで良く見るような動きやすい浴衣で、何でそれが土蔵に置いてあるのかは分からなかったけど、どうやらこの家の持ち主はどうやらそうとうずぼらだったのかもしれない。
まぁ、これの持ち主は誰か知らないけど――

『そ・れ・は私! さぁ、感謝するがいいわ!』

直感的に感謝する必要はないと思った。

「あの、阿良々木さん」

今まで何かを言っていた僕が急に黙ったので、何かあったのかといったような感じで浅上は僕の顔を覗き込んでくる。
やはり間近で見ると、浅上の顔は人形みたいに綺麗で整っていた。
そして、比較的、いや明らかに大きい方にはいる浅上の胸。
すこしついている切り傷を除けば、滑らかでとてもきれいな肌。
女の子として魅力的に感じれるぐらいについた肉。
そのどれもが浅上を美少女だと言っているかのようで、急に鼓動がうるさくなり始めてきた。
分からないけど脈なども速くなっていると思う。

「阿良々木さん?」

尚も返事をしない僕に対して更に顔を近づける浅上に対して、頭が真っ白になってきて――

『もし他の女を優先させてるようなら――』

そんな余りにリアリティが籠った声に僕は現実に戻る。

「あ、別に何でもない。僕はそれで良いと思う」

「そうですか」

安堵の心が感じられる声を浅上は吐き、着替えるために再度土蔵へと向かっていった。

それにしても、随分リアルに感じた声だったな。
もしかして実際にそう思ってたり……普通にありえそうで怖いな。
ごめん、もう少し。本当にもう少しだけだから遅くなりそうなんだ。
だから戦場ヶ原、無事で生きていてくれ。
あ、あともし誰かにいるなら毒舌を少しは控えとくように。
普通の人からしたらそれは随分心にくるからな。
いや別に僕が変態だから平気とかそういう意味じゃなくて。
いやいや、そんなんじゃないから本当に。

ちょ、信じてくれよ戦場ヶ原ぁぁ!!

「あの……? 何をやっているんですか」

何かに対して叫んでいるように見える格好をしている僕に、戻ってきた浅上が不思議そうな顔をして声をかけてくる。

「いや、何でもない。うん、本当に」

「そう……ですか」

危なかった。
体が本調子だったらいつものように本当に叫んでいるところだった。
ある意味体が傷ついていて良かったのかもしれない。
また、変態っぽく思われるかもしれないがそんなことは無い。

そう思考に一端の区切りをつけて浅上の方を見る。
浴衣を着た浅上はまた別の美しさがあった。
戦場ヶ原もやっぱり似合うのだろうか?
うん、きっと似合うに違いない。
ここから帰ったら夏祭りとかに誘うのも良いのかもしれない。

「あの、阿良々木さん?」

「どうした浅上?」

真面目な顔をしている僕の方を向いてきた浅上に対して、僕も同じように真面目に答える。

「あの、阿良々木さんの怪我はあとどれくらいで治りそうなんですか?」

「僕の怪我? うん、どうだろう。正直僕にもよく分からないんだ」

だんだん回復する早さも落ちていくので、本当に分からない。
次の放送までには必ず治るだろうけど、それが本当に直前になるのか、それとも案外もっと早いのか。

「そうですか」

「もしかして、僕が治ったら一人で行こうとしているのか?」

「っ……」

図星か……。

「浅上。さっき見たから分かるだろうけど、僕は回復が早い以外は全く普通の人間なんだ。そんな僕を一人置いていくのか?」

ちょっと卑怯な言い方になってしまったけど、こうでも言わないと治った瞬間に浅上はどっかへ言ってしまうだろう。
殺し合いに乗っていると知られている浅上が。
なら、絶対僕がついていかなきゃいけないんだ。
……戦場ヶ原に会った時何か言われそうではあるけど。

「……だけど、阿良々木さんを私の都合につき合わせる訳にはいきません」

「都合?」

「私、探したいと思うんです。私が今まで殺した人たちの知り合いの人を」

「…………」

なんとなく予想はついていたりした。
凶げた僕の元から去ろうとしたり、神原をレイニーデビルした原因が自分だという事を悔やんだり。
浅上は優しい女の子なんだと思う。
だからこそ、背負ってしまう。
自分が起こした殺戮を。
それから連鎖した悲劇を。
全て、償おうとしてしまう。
なら、そうなおさら。
僕は――

「浅上から離れない」

「ッ……! どうしてですか?」

「そんな浅上を僕は一人にしておけない。もし浅上が僕を置いてったなら――」

剣道場に散らばっている物の中からある物を手に取る。

「これを島の中心で使う」

ある物――拡声器を。

「そ、そんな事したら阿良々木さんが!」

「だから、もし浅上を僕を置いってたらの話だ」

ぎゅっと、拡声器を握りしめ浅上の方をじっと見る。
同じく僕の方を見てた浅上は顔を伏せこう呟いた。

「分かりました……。その代わり、阿良々木さんは絶対私が守ります」

そうして僕はその流れで浅上の話を聞く。
浅上がこの島で何をしてきたかを。

浅上が言うには最初に殺した加治木という女の子は東横桃子を探している言っていたらしい。
東横。
僕も少なからずの縁がある女の子だ。
東横が殺し合いに乗っている事を浅上に告げると、浅上はこくりと頷いた。
その動作の中で、浅上が何を思ったのかは知らないけど、きっと浅上なりの決意なのだと僕は思う。
次に言ったのは月詠小萌という先生。
残念ながら僕の学校にはそんな合法ロリな先生はいないので首を横に振る。
それを見て浅上は一瞬悲しそうな顔をした後、またいつも通りに喋りだした。
その時にあった千石撫子琴吹紬
千石は浅上と出会ったいたらしく、死体の場所を知っているのか? と聞いたら、千石は上手く逃げれたらしいのだ。
その琴吹という女の子と一緒に。
おくりびとの事を考えると多分その琴吹って子が千石の死に関わっている事が分かる。
浅上から聞いた琴吹の見た目とおくりびとの見た目も一致していた。
そして驚いた事がある。
どうやら琴吹と平沢は同じ世界の出身らしいのだ。
浅上が前まで持っていた、参加者の詳細情報が載っているものには顔写真がおくりびとよりでかく載っていたらしく同じ制服だという事がわかったらしい。
これで、また浅上と会いたい人が被ったことになる。
そして、その後の真田だけど参加者名簿と放送を照らし合わすと残っているのは、真田が魔王と語った織田信長だけなのでこれは除外という事になった。
そして神原。
この場合は戦場ヶ原になるだろう。
そして驚いたんだけどその時神原と一緒に居た枢木。そしてレイっていう男の人にも会いたいらしい。
そして、最後に浅上が会いたいと言った相手は――

ライダーさんですね」

やっぱり、というべきなのだろうか。
ライダーの名前だった。

「ライダーさんと私は一緒に協力して殺し合いに乗っていました」

だけど、僕は今更ながら疑問に思う。
一人しか生きれないこの殺し合いで協力するというのは変なんじゃないかという事だ。
だけど、あえてそれは言わないでおいた。
そんな野暮な事を言うつもりは僕には無い。
だって、ライダーの事を語る浅上の顔はどこか嬉しそうで……悲しそうだったから。
これはあくまで僕の想像だけど。
浅上はそのライダーとの協力関係。
浅上が言うには利用しあう仲間でも何でもない関係らしいが僕にはそう思えない。
多分だけど浅上は途中から普通にライダーを仲間として信頼してたり、信用してたりしてたんじゃないだろうか。
本当かは分からないけど、どうしてもライダーとの事を語る浅上を見て僕はどうしてもただの利用しあう関係には見えなかった。

「以上で、私の話はおわりです」

そう締めくくり、浅上のこの島での罪の告白が終了する。
こう聞いてみると浅上はこの島で随分の事をしてきたんだと思った。
もし、僕があの時浅上にあの事を気付かせてあげなかったらどうなってんだろう。
この優しくて、狂っていた少女は。

……やめよう。
今はもう関係の無い事じゃないか。
浅上は今は気付いた。
そして償おうとしてる。
そうじゃ無かった時の事なんて考えなくても良いんだ。

さて、聞いてみると僕と会いたい人が被っている。
それなら平気だろう。
だけど、どうするか。
このままあてもなく歩いても会えるっていう事はないだろう。
参加者の位置を知る方法は――あ、そういえば。

そこで僕はアレの存在を思い出す。

「なぁ、浅上」

「何ですか」

「ちょっと僕のバックを取ってくれないか?」

そう言うと、部屋の隅に置いてある僕のバックを取りにいってくれて、それを渡してくれる。
そして僕はそのバックの中からある物を取りだす。

「ノートパソコン~!」

少し、某たぬきに似たお世話ロボットの口真似をしてそれ、ノートパソコンを出す。
それを見て浅上は何でノートパソコンを出したのか分からないのか、きょとんとした表情を出している。
そんな、浅上に僕はついでなので僕のこの島での事を話す。
東横と平沢に少なからずの縁がある事。
そして原村和という謎の少女の存在とサポート窓口の存在を。

「そんなものが……」

浅上は帝愛がそんなものを用意したのが信じられないのか驚いている。
確かに驚くけど、これを使わない手はないだろう。

「これで参加者の居場所を聞けるんだ、浅上」

「何人まで聞けるのかは分からないけど、僕の時は二人の居場所が聞けた。そして、だ。誰の居場所を聞くかは浅上が決めて良い」

そして、そう最後にそう付けたす。
それを聞いて浅上は口元に指を持っていき、何かを考え始めた。
そう、これを使えば二人の人物の居場所は分かる。
だけど、浅上が会いたい人はそれ以上にいる。
だから僕はそれを決めるのは浅上に任せる。
誰に会いに行くのかを。

「…………本当に私が決めて良いんですか?」

「勿論」

確認してきた浅上に僕はそう答える。
結局は僕の傷が治らないと駄目な訳だけど、それでも決めておけば聞いて直ぐに出発ができる。

「あの、これって他の事とかも聞けるんですか?」

「あぁ。あ、ただ聞けないのもまだあるらしい」

そこまで聞いて浅上は浅上はパソコンを開いて立ち上げる。

「まだ、阿良々木さんが動けませんから、参加者の居場所は聞きませんけど他の質問をしてみてもいいですか?」

「勿論だ」

そう言うと浅上は僕の方からは画面が見えない方向にパソコンを開き、デスクトップにみつけたのかサポート窓口を開いていく。
僕はそれを見て、少しの休息に入る事にする。
まだ、体が本調子とは言えないのに少し喋りすぎたかもしれない。
きっと疲れてたのだろう。
直ぐに僕の意識は闇へと落ちて行った――。


【E-5南西 衛宮邸 剣道場/一日目/夜】

阿良々木暦@化物語】
[状態]:疲労(大)、出血によるダメージ(大、治癒中)左腕歪曲(大、治癒中)右足歪曲(中、治癒中)左脇腹歪曲(中、治癒中)
[服装]:直江津高校男子制服
[装備]:マウンテンバイク@現実 拡声器@現実
[道具]:デイパック、支給品一式、ギー太@けいおん!、エトペン@咲-Saki-
    毛利元就の輪刀@戦国BASARA、USBメモリ@現実
    (政庁で使った物品は適当に回収したため他に何が残っているかは不明、後の書き手にお任せします)

[思考] 誰も殺させないし殺さないでゲームから脱出。
基本:知り合いと合流、保護する。
0:浅上藤乃を一人にしない。
0:戦場ヶ原…。
1:憂をこのままにはしない。
2:モモ、ルルーシュを警戒。
3:……死んだあの子の言っていた「家族」も出来れば助けてあげたい。
4:支給品をそれぞれ持ち主(もしくはその関係者)に会えれば渡す。原村和とは一方的な約束済。
5:千石……八九寺……神原……。
6:太眉の少女については……?
7:落ち着いたら【ホール】を再調査してみる。

[備考]
※アニメ最終回(12話)終了後よりの参戦です。
※回復力は制限されていませんが、時間経過により低下します。
※会場に生まれた綻びは、あくまで偶発的なものであり、今後発生することはありません。
※巨神像はケーブルでコンソールと繋がっています。コンソールは鍵となる何かを差し込む箇所があります。
※原村和が主催側にいることを知りました。
※サポート窓口について知りました。

ふと、前を見ると阿良々木さんの眠っている姿が目に入る。
そんな風に、さっきまで自分を殺そうとしていた相手の目の前で寝れる阿良々木さんはやっぱりお人よしなのかもしれない。
先輩と同じように――。

『おねがい! アツアツ お皿のカレー
スパイスひとさじ刺激ちょうだい☆
甘口じゃなく 今日は中辛なの
大人味なの☆』

ッ! 意外と大きい着信音にびっくりした。
それにしても、凄い便利になったんだな……。
私の居た時はパソコンなんてもっと大きかったと思ったのに。
こんな、コンパクトになった姿を見て少し驚いた。
そして私は受信メール一件という所クリックして、私は今帰ってきたメールの内容を見る。

『From:原村和
 To:沢村智紀
 ―――――――――――
 その質問にお答えします。
 黒桐幹也を殺したのは明智光秀です』

その文面をみて、少しほっとしてしまった。
先輩を殺したのは私の殺した人と特に親しい訳では無い人だ。
だから私のせいで死んだわけじゃない。
少しの逃げだけどそれをどうしても知りたかった。
先輩の敵はもういなくなってしまったけど、それでいいのかもしれない。
先輩の為になんて、ただの建前を掲げる事は無いのだから。
私は、そうずっと先輩の為にと言って自分の快楽を満たしていた。
だからこれからはもうそんな風に逃げない。
私の罪は私が背負わなきゃいけない。
それが私の罰だと思うから。
ふと、今頭にある言葉が浮かんだ。
それは遠い日、学友に聞いた言葉。

『たとえそれがどんなに苦しくても、この世界は綺麗だと信じて欲しい』

その言葉の意味、今なら分かった気がします。

そう、私はここにいない学友に伝える。

そして私は一端パソコンを閉じ、剣道場の外に出る。
夜の風は私に冷たさと、焦げ臭いにおいを運んでくれる。
夜空を見上げて、目に入った一つの星に私は誓いを立てる。

きっと、私の罪は赦されることは無くても、私はそれを背負って生きていきますね――先輩

【E-5南西 衛宮邸 剣道場前/一日目/夜】

【浅上藤乃@空の境界】
[状態]:千里眼覚醒・頬に掠り傷(応急処置済み)疲労(大)全身に軽い刺し傷(応急処置済み)
[服装]:浴衣@現実 
[装備]:軍用ゴーグル@とある魔術の禁書目録
[道具]:基本支給品一式、
[思考]
基本:今までの罪を償っていく
0:阿良々木さん…。わたし…わたし…。
1:次にライダーさんと会ったら…。
2:ライダーさんは象の象を目指しているのだろうか?
3:サーシェスを敵視。
4:人を凶ることで快楽を感じていた事を自覚し、その自分に恐怖する。
5:サーヴァントと戦国武将に警戒。

[備考]
※式との戦いの途中から参戦。盲腸炎や怪我は完治しており、痛覚麻痺も今は治っている
※藤乃の無痛症がどうなっているかは後の書き手にお任せします。
※沢村智紀のノートパソコン@咲-Saki-、衛宮切嗣のコート@Fate/stay night、藤村大河のセーター@Fate/stay nightは剣道場に置かれています


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222:『REACH OUT TO THE TRUTH』(後編) 阿良々木暦 248:アラガミShort Story
222:『REACH OUT TO THE TRUTH』(後編) 浅上藤乃 248:アラガミShort Story


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最終更新:2010年05月05日 21:25