意識の狭間にて ◆BXnAdYmV9c
「さて、どうしようかしらね」
油の臭いが混じった潮風を身に受けながら、桃色髪の少女はそう呟いた。
巨大な倉庫が立ち並ぶ区画の一角。
他者からはちょうど死角になるその場所に、支給された荷物の確認を行っている少女の姿があった。
少女の名前は
アーニャ・アールストレイム。
神聖ブリタニア帝国皇帝直属のナイトオブラウンズのナンバー6である。
しかし、彼女をよく知る者――例えば同じくラウンズである
枢木スザクなどが見れば、
今の少女の雰囲気に違和感を感じるに違いない。
「
C.C. とも連絡が取れないし、簡単には合流できそうにもないわね」
今現在、少女の肉体を掌握し、困惑の声をあげているのは彼女の心のうちに潜んでいた者。
その名はマリアンヌ・ヴィ・ブリタニア。
神聖ブリタニア帝国の皇妃のうちの一人であり、
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアとナナリー・ヴィ・ブリタニアの実の母である。
公式記録では8年前に死亡したはずであった彼女は、
死に瀕した際に発現した「他者の心を渡るギアス」により少女の精神の奥底で生きながらえていたのだった。
(Cの世界を通しての交信は何かに阻害されているみたいね……それに)
支給された武器を確認しながら、少女は片手で頭を押さえる。
そこには耐えられないほどでは無いものの、継続的に続く鈍痛が走っていた。
(これは交信の阻害に関する副作用? それとも私に対するハンデといった所なのかしら?)
ともかく、こうまでも頭痛が続くと肉体より先に精神的に疲弊してしまうだろう。
そう判断し、マリアンヌはその意識を海より深き精神の果てに――
目を開くと見知らぬ場所だった。
「私、また……」
そう呟きながらアーニャは懐から自らの携帯を取り出し、震える両手で握り締める。
(確か誰かに監禁されてて、映像の中で人の首が飛んで……殺し合い)
そして背後にあるドアから出るように促された直後からの記憶が、アーニャの脳裏からは失われていた。
出しっぱなしになっていたデバイスと地図を確認。
さらに、すでに開けられている封筒から名簿を取り出す。
そこには自分の名はなかったが、そのかわり見知った名前が二つほどあった。
一人は自らと同じナイトオブラウンズである枢木スザク。
もう一人はスザクの友人である
ルルーシュ・ランペルージ。
更に、自分のように名簿に記載されてない知人がいる可能性がある。
(主催に反抗するにしても一人では無理。まずは仲間が必要)
すでにデイバッグから出されていた銃――ひどく骨董品的な代物だったが――を手に少女は行動を開始した。
「まずはスザクを捜す」
【F-3/倉庫群/一日/深夜】
【アーニャ・アールストレイム@コードギアス 反逆のルルーシュR2】
[状態]:健康、記憶が途切れることへの不安
[服装]:ラウンズの正装
[装備]:ベレッタM92(15/15)、アーニャの携帯@コードギアス 反逆のルルーシュR2
[道具]:基本支給品一式、ベレッタの予備マガジン(4/4)
[思考]
基本:主催者に反抗する
1:まずはスザクを捜す
※マリアンヌの思考
基本:C.C.と合流したい
[備考]
※少なくとも21話より以前からの参戦です
※マリアンヌはCの世界を通じての交信はできません
またマリアンヌの意識が表層に出ている間中、軽い頭痛が発生しているようです
※マリアンヌのギアスに対する制限は後の書き手にお任せします
【アーニャの携帯@コードギアス 反逆のルルーシュR2】
アーニャが所持している携帯。
アーニャの記憶ともいえる沢山の写真データが入っている
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最終更新:2009年11月05日 00:36