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どうして、こんなことになってしまったのか。
秋山澪は血の海の上で嘆く。
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どうして、こんなことになってしまったのか。
久川鉄道は血の海でまた嘆く。
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「おいおい…やべーんじゃねえのかよぅ、これ」
さすがに顔を引きつらせる鉄道。彼は基本的に楽観的で、特に時がたった今では仲間たちの中でもムードメーカー的な存在となっている。
久川鉄道もまた、『花火』を打ち上げたところで暗転した。
荒耶宗蓮に、取り戻せたかもしれない幸福は奪われたのだ。
勿論こうしちゃいられない。早く誰かをーーーーーーーーーーーー、
「……あれ?」
胸元から、何か赤いものが吹き出ていた。
撃たれた、と気付くときには、肺が破れており、彼の生還は不可能になっていた。
「(じんたん、ゆきあつ。めんまの奴を頼むぜ。お前等が喧嘩ばっかりしてちゃあ、つるこやあなるだって悲しむだろうが。心配すんなよ、俺はいつまでも、『ぽっぽ』だからな)」
静かに、鉄道はその生涯を終えた。
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「……え?」
確かに澪は撃った。しかし、肩を撃って行動できないようにしようとしたはずだった。
怖かった。それだけが、人を撃つという禁忌へと駆り立てたのだ。
脈など確かめるまでもなかった。
理科なんかの授業で習った肺の位置に、穴はしっかり重なっていた。
血は止まらないし、鉄道の顔色も助かりそうなそれではなかった。
血がスカートに付くのも省みず、その場にへたり込み、失禁した。
ーーーーどうして、こんなことに。
【久川鉄道@あの花】 死亡
【残り35/40人】
【深夜/c-4】
【秋山澪@けいおん!】
[状態]恐慌状態、極度の疑心暗鬼
[装備]天井の銃@とある魔術の禁書目録
[所持品]不明1
[思考・行動]
基本:人は殺したくない。でも死にたくない。
1:………
2:律には会いたくない。
※アニメ第二期、卒業後からの参加です
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「何だろう今の…銃声、だよね」
パァン、という破裂音がした。
シャルロットの支給品は対人地雷(クレイモア)。
当たりではあるが、使ってしまえば相手は確実に死ぬか体が欠損する。
対主催のシャルロットには、素直に喜べない一品であった。
「…行ってみよう」
シャルロットはおもむろに歩いていく。
不安定な壊れかけの少女、秋山澪の元へ。
最終更新:2011年07月05日 09:46