失敗だった。
両儀式はそう思っていた。
魔術師・蒼崎燈子の事務所である廃ビルならば、きっとアラヤの魔術などで拉致されることはなかっただろう、と。
というより荒耶が生きていること自体、式には理解できなかった。
ーーーーあいつは確かにオレが殺した筈、なのに。
両儀式には事故で昏睡状態になってからひとつの能力が宿っている。
直死の魔眼。
ありとあらゆるモノの"死"を視覚できる最高クラスの力。
故に死の線を式に断たれた者に生き長らえることは不可能である。
荒耶は恐らく、もう一つのスペアの自分を持っていたのだろう、と式は勝手に推測し、脳内で勝手に決定する。
「いずれにせよ、やるコトは変わらない」
荒耶を殺す。ゲームに乗る奴も殺す。
限りなく殺人鬼に近い存在の式には、それがどこか甘美な響きに聞こえた。
しかし、式には真っ先に殺すべき人間がいたことを思い出す。
ーーーーーーーーー白純里緒。
これから殺すはずの相手で、かつて敵だった浅上よりずっと警戒すべき相手。
式にとって彼は真っ先に殺しておきたい存在だった。
適当にデイバックをまさぐると、そこには見覚えのあるナイフがあった。
豪華に装飾されたナイフ。
全寮制のお嬢様学院、礼園で見たものだ。
黒桐鮮花に取り上げられ結局使うことはなかったのだが。
「」
無言で、適当な電信柱を斬りつける。
死の線は人だけではなく、家やガスなどにさえ見えるのだ。
柱は勢いよく倒れ、無惨にも後ろの家を押しつぶした。式はそれを見て、口元を真横に裂く。
「なんだ、十分じゃないか」
【深夜/不明】
【両儀式@空の境界】
[状態]健康
[装備]礼園のナイフ@空の境界
[所持品]不明1
[思考・行動]
基本:
殺し合いに乗る奴は殺す。勿論アラヤも殺す。
1:白純里緒を捜して殺す。
※白純と戦う前からの参加です
※直死の魔眼に規制はかかっていません
最終更新:2011年07月06日 20:45