◆
主催者ーーーーーリリーステイクが辻結花をゲームに参加させたのは、協力者であり自分の仕事仲間である辻元造に対する皮肉だった。
辻結花。彼女は世界にたった一人しか存在しない『大罪の器』と呼ばれる実験サンプルとしてリリーステイクたちの研究機関に保管されていた。
彼女を研究所へ引き渡したのは金を積まれた両親だが、その話を両親に話し、持ちかけたのは叔父にして"プロジェクト"の主催者である辻元造であった。
結花は幼少期から時折原因不明の高熱にうなされ、その度に奇怪な現象が周囲で起きるということが続き、周りのほぼ全ての村人から敬遠されていた。というか、嫌われていた。
どんなことがあっても、結花は笑ってみせるだけであった。
元造は結花の理解者であった。無口で更に狙撃などのスキルも超一級の男と、齢13たの少女の淡いつながりが確かにあった。村人は彼が居る間は結花に嫌がらせを行うことをしなかった。
主催本部。元造は、苦々しげに携帯電話の待受を眺めた。
無表情の自分と、無垢な笑顔で腹に抱きついている12歳くらいの少女が写っている。
「ーーーーーーー結花」
彼は何を望むのだろうか。
◆
「ハッ…お前、怖がらないんだな」
氷川封。巷を一時期騒がせた前代未聞の17人を殺害するという少年犯罪の主犯であり、偽りの精神異常で無罪となり今も時折血に手を染める外道だ。
その手には奇しくも彼が犯行時愛用するバタフライナイフが握られている。
倒れているのは『大罪の器』辻結花。意識はあるようだが、どこか悟ったように、儚い微笑みを讃えて氷川を見ていた。
「……慣れてるから。早く殺して、お兄さん」
『お兄さん』と年上の男性を呼称するのは結花の癖だ。
とはいえ20歳を越えるとさすがに呼ぶのは自重するようだが。
「へへっ。言われなくても、」
言いかけた氷川の背中に、一人の少年が体当たりしていた。
氷川は既視感を覚えていた。まるで、この光景は自分が殺人を犯すときと同じではないか?と。それは当たっている。少年は勢いよく、包丁で氷川を刺していたのだ。
「大人気ないことはよすんだな、下衆が」
氷川封を刺したのは、長身にどこかの学校の制服を着た少年だった。結花は驚いた表情で少年を見つめている。既に絶命した氷川から包丁を引き抜くと、少年は結花に顔を向けた。
「すまない。酷いものを見せてしまったな…。僕は刻命裕也。一応、
殺し合いには乗っていない。」
刻命裕也。少年はそう名乗った。殺し合いに乗っていないと言ったため、結花は自分も自己紹介をしようと思う。
「私は…辻、結花。刻命お兄さん、有り難う御座いました」
刻命はまさかこうも簡単に信用されるとは思っていなかった。
刻命裕也は殺し合いに乗ろうと考えていた。
彼がとあるお呪いによって拉致監禁された多重閉鎖空間『天神小学校』で彼は人を殺し続けた。日頃から溜まっていた家族への不満と沸き起こる衝動にただ身を任せて、狂っていった。
脱出できないと踏んでいたが、まさかこうあっさりと脱出できるとは思っていなかった。彼が欲したのは『妹』。刻命のことを理解しない偽善の言葉を並べるだけの兄と姉ではなく、自分を理解してくれる妹が欲しかった。
ならば、この少女を、辻結花を守ろう。
もしも敵に回るような者が居たなら、容赦なく殺してやる。
刻命裕也という人間が辻結花という少女を守ろうと思ったのは、家族に愛されていないという意味では共通していたかもしれない。遠くないみらい。刻命は本来とある少女の前で狂い、鉄槌の男に撲殺される筈であった。
この物語では、彼はどのような運命を辿るのか。
刻命裕也を待つのは救いか、もしくは予定通りの破滅か。
答えは神しか知らない。
【氷川封@オリキャラ】 死亡
【残り39/40人】
【深夜/a-1】
【辻結花@オリキャラ】
基本:殺し合いには乗りたくない…かな。
1:刻命お兄さんについていく。
2:叔父さん……どうして…?
【刻命裕也@コープスパーティーBCRF】
基本:辻結花を守る。
1:辻結花を脅かす者は殺す。
※Chapter3、由香と合流する前からの参加です
【辻結花】
悪魔などのよりしろとなる素質を持つ『大罪の器』。
彼女の精神が不安定になると力が発動され、ポルターガイストなどを引き起こす。
【氷川封】
18歳の凶悪殺人犯。
狡猾で、精神不安定や証拠隠滅などを完璧にこなす。
| 救いの無い世界 |
投下順 |
神に臨む神父 |
| GAME START |
氷川封 |
GAME OVER |
| GAME START |
辻結花 |
[[]] |
| GAME START |
刻命裕也 |
[[]] |
最終更新:2011年07月05日 10:14