「……無駄なのは分かっている」
椎名みゆきは俯き加減で言った。これはアニヲタ女子の彼女の癖で、ことあるごとにアニメキャラの台詞を持ってくる『痛い』言動。
しかし、今の台詞が意味するのは絶望感。
殺し合いにはあらがえない、椎名みゆきの人生はここで終わる。
そんな意味を込めて言い放った。
殺し合いに乗るなんて正気ではないことができる筈はない。かと言って、主催者ーーーー人の命を軽々奪ってしまうような奴等に敵うはずもない。
ーーーディパックには、任峡ものでよく見るドスが入っていた。
そうだ。
どうせ死ぬのなら、腹を勢いよく捌いて、華々しく散ろうじゃないか。
ドスに力が入る。体は正直で、手は震えて、まるで自分の体が防衛反応を起こしているような感覚に捕らわれていた。
さあ、これで死のう。16年の短い人生、楽しかった。みんな、ありがとうーーーー
「本当に良いんですか、それで」
静かな声がした。よく透き通っていて、声だけでも美人と推測できるほどに美しい声。視線を声の主に移すと、若干燈色に近い髪に小綺麗な洋服を着た優しそうな若い女性だった。
「…私は怖い。他人に殺されるのが、とてつもなく!」
「そのくらいで死のうとするなんて、貴女は幸せですよ。私には死ぬことも許されていない。死ぬまで永い時を、好きな人とも会えずに過ごすのですから」
ああ、とみゆきは思った。この女性は、みゆきとは根本的に違う存在だと。幸せに『なれない』悲しい運命を背負った、みゆきとは違い、『救われることは絶対にない』永遠の苦痛を持つ人。
彼女ーーー真名香織は、余生を常蛾の町の地下、櫛名田家の地下牢にて『大神様』と呼ばれ、崇められ続けるまま生涯を終える。
最初からバッドエンドしかないのだ。
「じゃあ…じゃあ、私は、どうしたら」
「一緒に、勝ちましょう。私の好きな人はここに呼ばれているんです。その人なら、必ずあなたも守ってくれる。だから、幸せになりましょう?」
嗚咽しながら、みゆきは香織に身を委ねた。
香織も優しい笑顔で両手を腰に回して、慰めるように、抱きしめてくれた。
「私は真名香織です。これから一緒に頑張りましょうね」
するっ、と香織の手から力が抜けた。みゆきは顔に何かかかったことに気付き、服の袖で拭う。それは、真紅の液体だった。
「香織さーーーー、」
香織の首を、錐が貫通していた。血管が裂け、血が溢れ出す。
みゆきは走った。ただ、怖かった。失禁しながらも、あの殺人鬼から逃げるために。
【深夜/b-2】
【椎名みゆき@オリキャラ】
基本:死にたくない。
1:殺人鬼から逃げる。
◆
賀茂雅史という男を知っているだろうか。世界各地で総合867人もの人間たちを様々な殺害方法で殺害してきた。たった数日前、英国の騎士たちに討たれたはずであったが、ここに居たのは最悪の殺人機械、賀茂雅史本人であった。
彼には生まれながらに殺すことしかない。
最悪の男は、香織からIMIマイクロウージーを奪い取り、適当に歩きだした。
【真名香織@おおかみかくし】 死亡
【残り38/40人】
【賀茂雅史@オリキャラ】
基本:皆殺し。
1:主催者も可能なら殺す
【椎名みゆき】
16歳のアニオタ女子高生。
アニメの気に入った台詞を引用する癖がある。以外と豆腐メンタル。
【賀茂雅史】
21歳、『史上最悪の殺人鬼』。
並外れた身体能力を持ち、発射された弾丸を叩き落とすくらいは余裕でできる。
英国騎士団に討たれたはずだが何故か復活している
最終更新:2011年07月09日 11:12