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届かない光の向こう

2話 届かない光の向こう

安野賢史はいじめられっ子である。それも空前絶後の。
虎の獣人だが小柄で、気弱な性格は格好の的になった。
そして現在男子校である高校に通い始めているのだが彼を更なる困難が襲う。
女性のようにも見える容姿の彼は。

性的ないじめも受けるようになってしまったのだ。

「どうして僕ばっかりこんな目に遭うの」

そして今度は殺し合い。いじめに耐え続けた結果が殺し合い。
心配をかけまいと親にも先生にも言わず(言った所で何も無いかいじめが酷くなるだけだろうが)、
極太のそれを無理矢理尻に入れられたりしても我慢してきた結果が。

「そうなんだ、神様は僕を嫌いなんだね…」

支給された自動拳銃ルガーP08を握り締める。

「なあ、君」

声を掛けられ賢史が振り向く。
筋肉質な濃い茶色の人狼が立っていた。手には特殊警棒が握られている。

「何ですか―――!?」

賢史が返事をするや否や人狼は特殊警棒で殴り掛かってきた。

ガッ

首と肩の間の辺りを殴られ賢史は卒倒する。
声も出せず激痛に悶える虎の少年から、人狼、ヘンリッキはルガーを奪い取った。

「良い武器が欲しかったんだよ」

ヘンリッキは地面に蹲る少年に向けルガーを構えた。

「悪いけど死んでくれ」

(……しぬ? だれが? え?)

激痛と脊椎辺りを殴られた事による意識の混濁の中、人狼が言い放った「死」と言う単語に、
賢史は酷く反応を示す。

(しぬって、ぼくが? ぼく、しぬの? いやだ、いやだ、そんなの)

「……だ」
「あ?」
「そんなのっ嫌、だあああああああああああ!!!!」

少年が絶叫し、人狼の足元に突進しその巨体を地面に倒した。

「ぐああっ! このガキ……!」

思いがけない少年の反撃に怒ったヘンリッキがルガーを少年に向けて引き金を引いた。

ダァン!

「うぐぅ!!」

賢史が苦鳴を上げるが銃弾は彼の左頬を掠るのみに留まった。
無我夢中になっている賢史は痛みには構わず、立ち上がり、ヘンリッキの股間を思い切り踏み付けた。
露出している陰茎と睾丸に固い靴底による踏み付けがなされれば、いくら賢史が非力でも。

「ガアアァアアアァ!!?」

屈強な人狼に悲鳴を上げさせ股間を押さえのたまわさせる事は容易に出来るのだ。

「このガキもう許さ、」
「ガキガキうるせぇんだよ……」

虎少年を睨もうとしたヘンリッキが固まる。
いつの間にか少年はルガーを取り返し、銃口を自分に向け仁王立ちしていた。
声の質が先程までとは違い低めになっている。

「……おい、待て、待て! 俺が悪かった! 悪っ」

ダァン!

「悪いと思うんなら、死ねよ糞」

ヘンリッキの額から9㎜パラベラムの銃弾が後頭部まで突き抜け、彼の意識は霧消した。

「…どいつも、こいつも、僕を虚仮にしやがって!!」

死体となった人狼を何度も何度も蹴り上げる賢史。
先程までの彼とはまるで別人のように乱暴な口調と態度になっていた。

「みんな僕の事嫌いなんだろ、ええ? そうかよ。じゃあ、先に殺してやっから。いいよな?」

溜まりに溜まった鬱憤は爆発し彼を大きく変貌させた。
人狼が持っていた特殊警棒を拾い、更に人狼のデイパックも確認するが基本支給品以外は何も入っていないと見ると、
ルガー拳銃を装備した虎少年はその場から立ち去った。


【ヘンリッキ:死亡】
【残り:38人】


【早朝/C-2森】
【安野賢史】
[状態]鬱憤が爆発した事による性格豹変、左頬負傷、首付近に打撲
[装備]ルガーP08(6/8)
[持物]基本支給品一式、ルガーP08弾倉(2)、特殊警棒
[思考]
0:全員殺してやる。
[備考]
※普段より攻撃的で乱暴な性格に変化しています。


※C-2森にヘンリッキの死体及びデイパック(基本支給品一式)が放置されています。


≪キャラ紹介≫
【安野賢史】  読み:あんの さとし
15歳の虎獣人の少年。小柄で女のような外見となよなよとした性格で小学校からいじめの対象に。
更に男子高に進学して性的ないじめもされるようになる。鬱憤が凄まじく溜まっている。

【ヘンリッキ】
22歳の人狼。濃い茶色の毛皮で筋肉質。
人狼の盗賊団の一員で正規の騎士と戦って撃退した事もある。肉は火を通して食う方が好き。


001:ロリコンは正義か悪か、それとも 目次順 003:地獄の中に天使来る

ゲーム開始 安野賢史 :[[]]
ゲーム開始 ヘンリッキ 死亡

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最終更新:2011年07月28日 22:18
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