野比のび太ーーーーー。彼はこの
殺し合いにおいて、常識で見れば生き残れる確率はかなり低い人間だ。運動音痴、頭の悪さ、どちらも最悪クラス。
只、彼には主人公となる素質がある。射撃能力は現役のガンマンを当に超えている。
更に大きな問題に巻き込まれたときの決断力は高い。
バトル・ロワイアルという状況において、のび太はとある決断を強いられることになる。それはこれから綴られる物語に大きな変化を起こすこととなるのであったーーー。
◆
「うぇぇえええん、怖いよー、ドラえもーーん!!」
のび太はいつものように叫んでいた。
しかし、どれだけ喚こうともドラえもんはこの殺し合いに呼ばれていない。
ーーーなのに。
『のび太君、聞こえるかい?』
最高の親友の声は、確かにのび太の耳に届いていた。
それが何かの秘密道具なのは理解できたが、それらしいものは確認できない。
『いいかい、時間はあまり残されていないんだ』
「ドラえもん!どこなの、助けてよ!」
『……ごめんね。でも、君には一つできることがあるんだ』
できること。
例えば、大魔王デマオンや鉄人兵団と戦ったときのように、何かできるのだろうか。
しかし。のび太の期待したような、優しい言葉が掛かることはなかった。
『君が全てを殺して、何もかもなかったことにするんだ。それで全部救える…!』
「ーーーーーえ?」
殺せ。その悲しそうな声色の言葉の意味が、のび太は理解できなかった。
そしてすぐに。のび太はある『賞品』を思い出す。
「願いを、かなえる権利…。」
『そうだよ。君はそれを手に入れるために、ジャイアン達も殺すんだ』
あまりにも残酷な方法。だが、のび太には守りたいものがあった。自分が居て、皆が居て。そんな暖かい日常が、きっと数多に繰り広げられているのだろう。
なら、殺し合いがあった事実を消し去ってしまえば?
何もかもを守るには、確かにそれしかない。野比のび太に、事実は押し寄せる。
ーーーーーそれでも。
「分かった。僕、やるよ。殺し合いに乗る」
返事はなかった。通信が途切れたのだ。
もう頼らない。支給された実銃ーーーワルサーP99を右手に持ち、ゆっくり歩き出す。
【野比のび太】
基本:優勝して『殺し合い』をなかったことにする。
1:仲間には会いたくない。でも、会ったら覚悟を決める。
最終更新:2011年07月27日 22:35