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救済する者

4話 救済する者

「やだ…怖い」

座礁した遊覧船の船室にて、熊沢美沙都は震えていた。
あの開催式の時まではまだ強気でいられた。しかし数人と共に主催者のアンネリーゼに詰め寄ろうとした時、
得体の知れない力によって弾かれ、更に首にはめられた首輪の威力を見せ付けられ。
あっと言う間にその士気は挫かれた。
デイパックの中に入っていたそれを見詰める。
旧式の自動拳銃、南部十四年式拳銃。本物の人を殺傷出来る武器である。

「これ使って人殺せって言うの……やるしかないの……?」

生きて帰るにはこの殺し合いで最後の一人になるしかないとアンネリーゼと梶井伸一郎は言っていた。
逃げようとしたり下手に主催に逆らえば、見せしめにされた小堀実緒と言う同年代の少女のようになる。
名簿を見た限りでは特に知り合いなどはいなかった。

「……やってやる」

美沙都は決心する。殺し合いに則り、優勝を目指す事に。
銃器など扱った事は無いが説明書を読んでおおよそは理解出来た。
遊覧船の二階に居た美沙都は一階への階段を下りる。

「可哀想に」
「!」

いきなり声を掛けられ驚く美沙都。
座席に白い雌竜が座っていた。

「あなたもこの殺し合いに運悪く呼ばれてしまった一人。
戸惑い、怯え、迷い、あがこうとしている……何て事でしょう」
「……?」

妙に達観した事を言う雌竜に、美沙都は銃を向ける事も忘れ、しばし呆然とする。

「救わないといけない、私が」
「す、救うって、この殺し合いに反抗するって事?」
「……」

ゆっくりと白雌竜が座席から立ち上がる。

そして右手で美沙都の胴体を刺し貫いた。

腹から入った雌竜の右腕はあっさりと少女の身体を貫通してしまう。

「がはっ……あ゛……?」
「そう、救うのです。この殺し合いから……この世から、解放してあげないと。この私――エルザ=マリアが」

そう言う白竜の表情はどこか熱に浮かされたように見えた。
口から赤い液体を溢れさせる美沙都は激痛と言うよりも鈍い未知の感覚が、
刺し貫かれた部分から広がり全体の身体の感覚が失われて行くのを感じる。
エルザ=マリアが右腕を引き抜くと、床に血が撒き散らされ、美沙都は十四年式拳銃を落とし崩れ落ちる。

「や……ダ…ぁ、ご…ん……ナ……」

覚悟はしていたがこんなにも早く自分の人生の終わりが来てしまうとは。
認めたく無かったが、もう、美沙都には、死の運命を受け入れる選択肢しか残されていなかった。
近くの台車の上に置かれていた手拭いで右腕の血を拭き取るエルザ=マリア。

「まず一人…救えましたね」

とても嬉しそうに白い雌竜が言った。
教会で育てられた彼女は、敬虔な教徒であった。
だが、彼女は教義をかなり曲解してしまっていた。要するに「死ねばこの世の苦しみから解放される」と思ってしまっていた。

「皆さん、私が救って差し上げます」

それが完全なる間違いだと彼女は気付く事は無い、彼女にとっては「間違い」などでは無いのだから。


【熊沢美沙都:死亡】
【残り:37人】


【早朝/H-5座礁遊覧船:一階部分】
【エルザ=マリア】
[状態]健康
[装備]無し
[持物]基本支給品一式、???(1~2)
[思考]
0:参加者達を救済する。
[備考]
※救済=殺害の意味です。


※H-5座礁遊覧船:一階部分に熊沢美沙都の死体及び所持品(デイパック(基本支給品一式、南部十四年式拳銃弾倉(2))、
南部十四年式拳銃省力型(8/8)が放置されています。所持品についてはエルザ=マリアが回収する可能性があります。


≪キャラ紹介≫
【熊沢美沙都】  読み:くまざわ みさと
16歳の少女。淡い青髪で巨乳の高校一年。勝気な性格であるが、精神的に脆い一面も。
コンドーム装着主義で装着しなければ絶対行為をさせない。但しぶっかけはOKらしい。

【エルザ=マリア】
17歳の雌竜の少女。白い身体で竜人体型、胸はそこそこ大きいぐらい。
幼竜時に教会前に捨てられ、教会で育ったため敬虔な教徒となった、が、教義を曲解しており、
死ぬ事で現世から解放され救われると思い込んでいる。


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ゲーム開始 熊沢美沙都 死亡
ゲーム開始 エルザ=マリア :[[]]

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最終更新:2011年07月30日 08:13
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