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この遊園地楽しくなーい

14話 この遊園地楽しくなーい

かつては子供の笑い声が響いていたであろう遊園地は今はその役目を終え、
雑草に覆われ錆びて朽ちていくアトラクションを晒すだけであった。
売店は倒壊し、ゴーカートは内部の機械が剥き出しになり、メリーゴーランドは乗り物の馬が外れ落ちていた。

宗形昌輝は陸軍軍曹(一等軍曹)であり、小隊長を務める男だ。
もっとも人使いが荒く自己中心的で部下を含めた周囲からの人気は芳しく無いが。
軍人としての能力は高くその面では信頼は得ていた。

殺し合いだと…」

デイパックの中に入っていた九五式軍刀を見ながら呟く昌輝。

「そんなものは……」

刀を抜き、ゆっくりと立ち上がる。
そしてメリーゴーランドの乗り込み口から外に出た。
雑草が生えひび割れた路面を固い軍靴で踏み締める昌輝。
海が近いせいかどのアトラクションも錆に覆われ朽ちていた。
ふと足元を見るとこの遊園地の物と思われるパンフレット。発行年は昌輝の時代から10年前となっていた。

「海沿いで10年も経てばこうもなるよな…ん?」

昌輝がふと立ち止まる。前方に歩く人影。

……

「どうしてこんな事になっちゃったの…はぁ」

猫耳の少女、江尻敬子はとぼとぼと廃遊園地内を歩いていた。
昨夜は乱交パーティーを楽しんだ後家に帰り就寝したはずなのだが、気が付けば殺し合いだ。
パジャマに着替えたはずなのに学校の制服を着させられている。
いやそんな事よりも、事態は非常に深刻であろう。
アンネリーゼと梶井伸一郎なる謎の二人――いや、組織かもしれない――により、殺し合いを命ぜられた。
首には爆弾内蔵の危険な首輪をはめられ、命を握られている。
冷たい感触の首輪を指でなぞる敬子。

この首輪の威力はあの教室でまざまざと見せつけられた。

自分より少し年下ぐらいと思われる少女の首が炸裂し、真っ赤な噴水が――――。

「うっぷ…」

余り思い出さない方が良いと敬子は思う。
胃の中の――何を食べたのかは余り良く覚えていないが――物を吐き出してしまいそうになった。
下手をすればあの少女――確か小堀実緒だったか――のようになってしまう。
首輪を解除するなど、絶対に無理な絵空事のようにも思える。
きっと、首輪を解除しよう、絶対に脱出しよう、と考えている参加者もいるとは思うが。
なら自分はどうすれば良いか?

「私は……私は……どうしよう」
「教えてやろうか」

背後から不意に、男の声が掛けられる。
敬子は考え事に熱中する余り周囲に気を配る事を失念していた。
グサッ、と鈍い音が聞こえ敬子は胸元辺りに違和感を感じた。
胸元と背中、その中間辺りの体内からその違和感は広がり熱となり、喉の奥から熱い液体が溢れる。
鉄錆の味、生温かく、うっかり口の中を噛んでしまった時の味を思い切り濃くしたような。
敬子は灼熱を感じる中首を動かそうと、何かを喋ろうとしたが何も出来ない。
首は上手く動かず喉はゴボゴボと鳴るばかり。
身体中から段々と力が抜け意識が遠退く中、背後から刺された刃が、刺した方向に引き抜かれるのははっきりと感じた。
その瞬間敬子の身体はアスファルトに崩れ落ちる。その時にはもう、彼女の足はその役目を果たさなくなっていたから。
世界が闇に呑まれて行く中、敬子は自分が人生の終わりを迎えた事を、半ば放心しながら受け入れるしか出来なかった。

「死ねば良いのさ、死ねば楽になる」

敬子の血で濡れた九五式軍刀を、敬子の衣服で拭う軍服姿の男、宗形昌輝。
そして軍刀を一旦腰に差した鞘に収め、敬子の持っていたデイパックを調べる。
ブリスカヴィカ短機関銃と予備の弾倉三個、更にア*ルバイブが入っていた。
昌輝は短機関銃と弾倉を回収し後の基本支給品一式とア*ルバイブは放棄する事にした。

「ア*ルバイブ…ふざけ過ぎだろ…主催者連中……しかしこいつ、
支給品見ていなかったのか? ブリスカヴィカ…強力な奴支給されてんじゃねぇか…こいつ装備してたら、
ちと危なかったな……」

猫耳少女が短機関銃を装備していなかったのは幸いだった。
背後を取って不意討ちした形だったが、万一と言う事もある。
刀と短機関銃では余程の熟練者が刀側でも無い限り、短機関銃の方が優勢だろう。

「悪いな、猫耳ちゃん、俺はまだこんな所で死にたくないんでね」

ブリスカヴィカ短機関銃に装備を切り替えた昌輝は死体となった少女にそう言うと、
足早にその場を立ち去る。

「すみませんねぇ黒沼中尉殿…悪ィなぁユーディト」

殺し合いに呼ばれている上官と部下の名前を呟き、昌輝は口元を吊り上げ邪悪な笑みを浮かべた。


【江尻敬子:死亡】
【残り:33人】


【早朝/G-6廃遊園地】
【宗形昌輝】
[状態]健康
[装備]ブリスカヴィカ短機関銃(32/32)
[持物]基本支給品一式、MP40弾倉(3)、九五式軍刀
[思考]
0:全員殺して優勝し帰還する。
[備考]
※特に無し。


※G-6廃遊園地に江尻敬子の死体及びデイパック(基本支給品一式、ア*ルバイブ入り)が放置されています。


≪キャラ紹介≫
【宗形昌輝】  読み:むなかた まさてる
30歳の人間、陸軍軍曹。軍人としての能力は高いが、
自己中心的で人使いが荒く、人気は低い。ある程度刀が扱える。

【江尻敬子】  読み:えじり けいこ
18歳の猫耳少女。巨乳でありスタイル良しの淫乱ビッチ。
生で行為するのが大好きで「ゴムなんて邪道よ!」が彼女のモットー。


013:姉弟愛を極めし二人 目次順 015:出身地同じってちょっと親しみ感じるよね

ゲーム開始 宗形昌輝 :[[]]
ゲーム開始 江尻敬子 死亡

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最終更新:2011年08月18日 00:08
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