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寡黙(課目)

3年前。
この少年は、ポケモンリーグを制覇した。
思えば短かった。

マサラタウンを旅立とうとして、まずは草むらに入ったんだ。
そしたら、どこからともなくオーキド博士に引きとめられて、説教を食らった。
その後勢いのまま、研究所に連行され、ポケモンを貰ったんだっけ。
あの時あいつはオーキド博士に名前を忘れられていて、今思うと良い想い出だと思う。完全に人ごとだけど。
まぁ。そんな感じで初めてのジム戦に臨んだ。
相手はタケシ。岩タイプ使いだった。
それはもう、まさしく苦戦と言った感じで、初めての強敵といえる強敵で、
まだまだポケモンもゲットしていない中だったということもあり、凄く苦労した。
けれどそれでも勝つことができて、初めてのバッジ、グレーバッジ。
その輝きが眩しかった。

それからもいろんなことがあった。

ライバルと切磋琢磨していって。
世に悪事を働かすロケット団を壊滅させて。
バッジを8個集めて。
ポケモンリーグを勝ち進みんで。
四天王最後の一人、ワタルとも勝って。
最後にはあいつを倒して、晴れてチャンピョンになった。

嬉しかった。
楽しかった。
気持ちよかった。
こんなにもポケモンバトルは面白い。
そう、実感できた。

そして月日は流れ。
昨日に至る。

昨日もいつも通り、シロガネ山に修行しているところに、あの子が現れた。
代わり映えのしない日々に、一筋の光明が射してきた。
それは、それは。黄金色の希望だった。


そして迎えた今日という日。
目を覚ましたら、感じるのはいつも通りの冷たい床だった。
だから、初めは夢オチかと期待した。
その直後に、希望と言うものは儚いな、と感じてしまう。
昨日いた洞窟内では何もしなくても明るかった、
しかし今は黒く染め上げられている。
漆黒。
まさにそんな言葉がよく似合う暗闇だ。

「…………………」

彼の元々の性格も相まってか、この場には溜息一つ漏れ出さない。
ただ、彼の心臓を打つ音、鼓動が響くのみである。

ドクン、ドクン。

一定のリズムで、その音が鳴る。
一定の間隔で、そのリズムが速くなる。
緊張。
恐怖。
その無限に湧いてくる気持ちに歯止めが利かなくなり、
苦虫を噛み潰したような悲痛の表情を浮かべて、ただ、鼓動は早くなる。

「…………………」

彼の中での懸念内容は今のところ一つ。
ポケモン。
ポケットモンスターの身について。
もう、今現在における自分の身においては保留においてまで、ポケモンのことを考える。
そもそもの話、こんな首輪をつけられている時点で、自分がどうこうできる話ではない、そう告げていた。
10歳とちょっとの少年にしては、重すぎる肯定だった。
希望に満ちているのか、既に絶望に打ちひしがれているか。
分かる話ではないけれど。

普通、ポケモンの籠、モンスターボールは腰につけている。
だから彼も自らの腰やその周辺を弄ってみたが、何もなかった。
さも当然か、と言った具合に彼は落胆も見せず、足元近くに落ちていたディパックを拾う。
その中に入っていたのは……………。

「………………………………!」

三つとも、俗に言う意思持ち支給品だった。





「僕の名前はミュウですの!よろしくですの!」

以下説明書きに書かれていたことだ。

[チーグル族という生き物で、名前はこの個体名はミュウと言う。
性別はオスで、身長は30cm。本来は大人に成長するまでは火を吹けないが、このミュウは吹ける。
腰に巻いているのは《ソーサラーリング》と言い、人の言語を理解できたり、
とある譜を書き込めば、それに担う能力を装着者は手に入れれる。
今現在使える技は、
ひのこ:タイプ=ほのお 威力=40 たまにあいてをやけどにさせる
ずつき:タイプ=ノーマル 威力=70 たまにあいてをひるませる
そらをとぶ:タイプ=ひこう 威力=70 じかんがかかる
なきごえ:タイプ=ノーマル 威力=× あいてのこうげきりょくをさげる
です。精一杯可愛がってあげてね、でないと私、泣いちゃうからねっ!(by若葉美咲)]

以上説明書きに書かれていたことだ。

「…………………」

彼は沈黙と言う名の非難をこの説明がなされた紙切れにぶつける。
意味のないことに気づいたのか、すぐにその行為自体はやめたが、それでも納得いっていない様子。
彼が何に納得がいかないかと言うと、人語を喋る人間以外の生命体をよりにもよって自らに渡されたことにだ。

「えーと、あなたのお名前は何ていうんですの?」
「…………………」

こういう場合が、困ってしまう。
ポケモンに言語の壁などない。それ以下ないしはそれ以上の関係を気付けるから。
けど、この生物は、そうはいかない。
言語の世界が成り立つ以上、そのエリアに彼も立たなければいけなくなった。

「…………………」

…………それでも、喋ることはなかったが。
小・中学生特有の症状なのか。
はたまた、根っからの性格がそうさせているのか。
結局喋ることはなく、ゴソゴソとポケットから一枚の紙を取り出す。
参加者名簿である。

「みゅう?」
「…………」

ミュウはそれを見て、気になったのかこちらに歩いてくる。
トコトコと歩きながら可愛らしく歩いてく姿に、彼は微かに笑みを零すが、
それでも、声は漏れることはない。

「どうしたんですの?」
「………………」
「って何するんですの~!」

彼は胡坐をかいて座り込み、ミュウをもち上げ、そのまま彼の上に座らせる。
そして、彼はミュウの頭を撫でながら、名簿をゴツゴツとした床に置き、もう一方の手で、ある一点を指していた。

「『レッド』ですの?…………あ! あなたのお名前ですの!?」
「………………」

その問いに、彼は静かに首を縦に振る。
ただ、ミュウの方はというとようやく名前を知れたことが嬉しいのか、
嬉々として、彼の膝の上ではしゃいでいる。
その行為を彼は嫌な顔一つせず、ただただ見守った。




「モ、モンスターですの~!?」
「………………」


次に出てきたのは、定春。
以下、説明書きに書かれていたこと。

[狗神と呼ばれる種族で、名前を定春、もしくは神子。ただし定春呼ばれるのが一般的である。
性別はオスで、座高は170cm。狗神には、攻めを司るもの、守りを司るものが必ずいて、、
この定春は、攻めを司るものとして、生まれてきた。紅き果実と、山羊の血を与えると存分に力を発揮する。
覚えている技は以下のとおりである。
かみつく:タイプ=あく 威力=60 たまにあいてをひまるませる
とおぼえ:タイプ=ノーマル 威力=× こうげきをあげる
とっしん:タイプ=ノーマル 威力=90 あたえたダメージの1/4はじぶんもくらう
ねむる:タイプ=エスパー 威力=× 体力を回復、眠る
です。精一杯可愛がってあげてね、でないと私、泣いちゃうからねっ!(by若葉美咲)] 



…………数分後…………


「わんっ!」
「す、すごいですの、レッドさん」
「………………」

………………手懐けたところで次の支給品




「また、モンスターですの!?」

次に出てきたのはグリーンの相棒、ピジョットであった。

[ピジョットと呼ばれる種族で、
うつくしいハネをひろげてあいてをいかくする。マッハ2でそらをとびまわり、
はったつしたむねのきんにくはかるくはばたいただけでおおかぜをおこせるほどだ。
つばさでうつ:タイプ=ひこう 威力=60
ふきとばし:タイプ=ノーマル 威力=× あいてとのせんとうをおわらせる
でんこうせっか:タイプ=ノーマル 威力=40 せんせいこうげきができる
おんがえし:タイプ=ノーマル 威力=? つかいてのなつきどによっていりょくがかわる]


「……………」

ピジョットはそれなりに見覚えがあるのか、彼に対いて、それなりに好意的な態度を示す。
それに彼は安堵する。ここで、嫌われていたら話しならないから。

「……………」

周りが騒がしくなる中、彼は一向に喋らない。
ただ、ただ、沈黙を貫きとおす。

「どうしたんですの? レッドさん」
「………………」

彼は、待つ。
静かに、一人で、堂々と。
洞窟の最果てにて、昨日苦しい戦いを呈した、黄金色の希望、ゴールドを。

そして。

そして。

そして。


無事、この色褪せた日常に終止符を打つ。



そして、色鮮やかな日常へと回帰する。





―――――――――なんていうのは、所詮建前で。





10歳ちょっとの人間に、こんな異常を耐えきれるかどうか。
確かに胆は据わっている。何せロケット団のリーダーである、サカキを打倒した。
打倒しただろう。………………。


だから、なんだ。


あっちは、負けても小遣いの半分が持って行かれ、
例えポケモンが全てを瀕死にさせようが、ポケモンセンターという蘇りができた。
ただ、人の命は違う。
終わったら、終わり。
消えたら、消えて。
亡くなったら、亡くなる。
そんな場で、恐怖せずにいられるだろうか。
いつもの仲間がいない。
例えばピカチュウ。
例えばカビゴン。
例えばエーフィ。
例えばフシギバナ。
例えばリザードン。
例えばカメックス。
皆がいない、ただそれだけで、不安を誘う。
不安が不安を誘うとはこのことだろう。
考え出しただけで、怖くなる。


無表情のその裏には。
無口のその裏には。

ただただ、恐怖の二文字が巡っていた。


だから。

だから。

だからこそ、そんなことを忘れさせるほど熱中させてくれた、あの希望が欲しい。
だからこそ、光が欲しい。


この暗闇を照らす、光が。


ただ、何もかも見えなくする閃光が純粋に欲しかった。



【一日目/深夜/F-8 洞窟】
【レッド@ポケットモンスター金銀】
[状態]健康、不安
[装備]
[道具]KS×1、(一応グリーンの)ピジョット@ポケモン金銀、ミュウ@TOA、定春@銀魂
[思考]
基本:殺し合いには乗らない、帰りたい
1:ゴールドに会って、バトルしたい
2:グリーン、オーキド博士にも会いたい
3:それ以外は…………?
[備考]
※一応設定としては、ゴールドとの対戦後


【ピジョット@ポケットモンスター金銀】
[状態]健康
[思考]
基本:主人(グリーン)の元に帰る
1:とりあえずレッドの言うことを聞いておく
[備考]
※主人はグリーン設定のピジョットです

【ミュウ@テイルズオブジアビス】
[状態]健康
[思考]
基本:皆の元に戻る
1:レッドと行動

【定春@銀魂】
[状態]健康
[思考]
基本:皆の元に行く
1:レッドと行動




それはどういう関係か 投下順 完了 ⇔ 完成
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最終更新:2011年08月31日 16:44
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