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“ま”ちがいさがし

アホ毛が揺れる。
ピコピコと可愛らしい擬音を出し(たように見せ)ながら。
ハルナと言う人物は、尊厳を振りまきながらただひたすらに、歩いている。

「おーい! アユム~! 根暗マンサー~! 葉っぱの人~! ―――――ったくあたしとはぐれんなよなっ!」

唯我独尊。
傍若無人。
猪突猛進。
かつ負けず嫌い。
と、どこぞのなにかの団長に大同小異な性格の持ち主とも、
言い方を多少変えればできるのかもしれない人物である。

「はぁ……。全くあたしまでこんなことに参加させるなよな、やった奴はマジで死ね!」

これでも、こんなセリフを吐く癖に、その裏は、心中では、
そんな彼女は、仲間のことで胸がいっぱいだった。

―――――――――ただし、それは心配。

それだけでは無かった。


根暗マンサーこと、ユーこと、ユークリウッド・ヘルサイズの存在だ。


ハルナ自体、彼女について詳しい訳ではない。
ただ知っていることは少なくもない。
まず、彼女自体の危険性。
良く知らないけど、危険だというのは知っている。
それは、それは、大変に。
そんな彼女が、何かしらの理由をもって、殺し合いに乗ったら?
否定したい。
否定できない。
否定しきれない。
なんたって、自分の心を偽って、家出もできるし、その為に世界の破滅にまで追いやることだってできる。
いや、これは実際問題で。
先日の一件。メガロ、吸血忍者、魔装少女をも巻き込んだ、夜の王との一件。
あれは、ユーがさっさと夜の王を
殺してさえいたならば、事件はここまで拡大しなかった。
なのに。
それなのに。
たった一人、殺したくないだけで。

町を破壊するような悪者を殺したくないだけで。


―――――何もしなかった。


もしも、主催側から、何かしらの干渉を施されたのであれば、彼女は動くだろう。
例えそれが、夜の王の為だとしても。
例えそれが、相川歩の為だとしても。
例えそれが、ハルナの為だとしても。
例えそれが、セラフィムの為だとしても。


どのように動くかは、予想もつかないけれど、いい風には動かないだろう。


―――――しかし、ハルナの嫌な予感はここまででは終わらなかった。



セラフィム
本来彼女は、ユーを守り戦って、歩の住まいに居ついているのだ。
それなのに、この場面でユーを守らないわけがないだろう。

人を殺すだろう。

平気で。

普通に。

堂々と。



だから、ハルナだって殺されても不自然ではない。





相川歩。
彼は、ユーに対してどのような感情を抱いているかは、ハルナの知る由では無い。
それでも、彼はユーを大切に扱っているのは知っている。

どんな時でも。


いつだって。


どんな場所でも。


どこだって。


自分も大事に扱ってくれているのは分かる。
だけど。
それでも。
そうだとしても。

差は感じる。

格差は感じる。


それこそ、先程の夜の王の一件だって、良い例ともいえる。


しょうがない?
いやいやいや。


それがどうした。


今思いかいせば、あんなことにこんなこと。


ほとんどがユーの為だったじゃないのか?



「…………おーい!」


ユーを守るためには、ハルナは見捨てられるのか?
ユーを守るためには、セラフィムは見捨てられるのか?

嫌な考えだ。

分かってる。
分かっているつもりだ。

けど考え出したら、止まらない。




ハルナは落ちこぼれだ。
天才という名の落ちこぼれだ。

「…………せめて誰かいろよな!」

マテライズ魔法学校リフレイン年ライジング組出席番号634526379番の学生。
ただし、顔をほとんど出しておらず、精々授業を受けなくても単位の取れるメガロ狩り程度。

学校がつまらない。
天才だからこその悩み。
天才にしか分からない苦悩。

それ故に、彼女は孤独となった。

そんな彼女は先日。

つい先日初めて「名前」を覚えた。

初めて、覚えた「名前」は「アユム」。

人肌に触れた瞬間だった。

温かかったのだろう。


「…………はぁ」


心地よかった。
気持ちよかった。



「…………アユム~!! さっさとでてこいよな!」



だから、信頼したかった。
たとえどんな場面でも。







ハルカは、支給品を漁る。
そこからでてきたのは………。

「ミストルティンじゃん! ラッキー! さすがはあたしだな!」

まず、飛び出したのは、チェーンソウ型の魔装錬器。
さすがに今では火花を飛び散らかすほど、拒絶されてないが、
それでも、魔装少女に変身するのは、まだ無理だ。


――――――――――まだ。


ハルナは一旦ミストルティンを傍らに置いて、
次の支給品を、取り出す。

「……………オーブメント? なんだそれ? 新しい魔道具か!?」

あながち間違ってもいないそれは、オーブメント。
いくつかの鮮やかな宝石が、その無骨な円型の塊を彩る。

これ一つで、身体能力が上がり、割合簡単に魔法が打てるのだから不思議なものだ。
…………ただし、今のハルナには最低限の魔力しか今はもてていないので、撃てずにいるのだが。


――――――――――今は。


そのオーブメントを、ミストルティンの傍らに置き、
さっさと次の支給品を取り出すべく、ディパックを弄る。
そうして、取り出したのは、―――――――――今ハルナが一番欲したものと言っても、過言ではない。


「パイングミ…………。――――ってうおお! これであたし復活するんじゃね!?」


説明書には、魔力が6割回復するグミ。
そう書いてあった。

だから、まよわずハルナは食した。


するとなんということでしょう
見る見る内に、魔力が上がり―――――――――――そして。


「ノモブヨ、ヲシ、ハシタワ、ドケダ、グンミーチャ、デーリブラ!!」


久しぶりの、変身を果たした。


ピンクが基調のその衣装は、男が着れば気色悪いの一言だが、
この幼女が着れば、まだ可愛らしいで済む。
そんな、衣装を身に纏い、彼女はとうとう歩みを進めることとなる。



「―――――――――――まってろよ、皆!」



彼女が、他人の為に動き出した。






そんな彼女の目の前に現れたのは、―――――――――魔法少女。
公園のブランコでブラブラと遊んでいた。


―――ブラブラ―――

――――ブラブラ――――

―――――ブラブラ―――――

――――――ブラブラ――――――

――――――ギィギィ――――――

―――――ギィギィ―――――

――――ギィギィ――――

―――ギィギィ―――


錆び掛けた鎖に繋がるブランコの椅子には、人が乗っている。

「…………………」

終始無言で、懐中電灯の明かりにすら気付かない。
余裕か? とも一瞬ハルナは思うが、明らかにそうではなかった。


眼が死んでいた。


だから、経路なんかは軽く無視して、こんな思考に直結した。


(気持ち悪っ………)


死んだ目をした魔法使い。
蒼い、青い、明るい青。
青い、蒼い、沈んだ蒼。
服と、顔が、まるで合っていない。

………ここで、一回ハルナは無視をしようかとも思ったが、やはりやめた。
こんなやつでも、情報をもっているかもしれないから。ただそれだけで。

トコトコとブランコの目の前にある柵にちょこんと座る。
鉄製の為か、少しひんやりとした。


「―――――――なぁ、お前。名前は」

と、問いかけた。
すると、少女はゆっくりと顔をあげて、ハルナと視線を合わす。
その瞳は、どこまでも濁っていた。

「…………………………あんた誰よ」
「あたしは、天才美少女悪魔男爵ハルナちゃんだ! 言ったんだからお前も言えよな!」
「…………天才、ね。―――――――あぁはいはい。あたしは美樹さやかよ。…………ヨロシクネ」
「―――――――――あぁよろしくな」

美樹さやか。
――――――既に病んでいる。
すると、今度はさやかの方から話しはじめた。



「…………ねぇ、あんたのその格好何? もしかして、魔法少女?」



ここで、ハルナはいつか相川歩に聞かれた時と同じ様に、答えた。




「はあっ? あたしは『魔装少女』だ! そんな陳腐なもんと一緒にすんな!」



答えてしまった。 
最悪の回答を、提示した。




「そう、陳腐――――――――――ね。」




さやかは壊れ始める。
音を立てて。



「お、おい。どうしたんだ、お前」



顔つきが変わる。
目が濁る。
魂も濁る。




「は。アハハハ。そう、あたしってホント馬鹿だよね。馬鹿。――――――――馬鹿。」




とうとう―――――――壊れた。
手から出でるは、両刃の剣。
その剣先が、柵に座るハルナを指す。
揺れる、自身の心の如く揺れるブランコの上で。

一回。


二回。


三回。




そしてさやかは、飛んだ。



ハルナの頭上を裕に飛び越し、その先に在った、砂場に着地した。



そうして、ハルナの方に振り返る。








目の前に在ったのは、炎の塊だった。








「――――――――――――ん?」

当然上がったのは、驚きの声。
あがったというより、漏れたという感じだが、


「悪いけどさ、死んでくれないか」



魔法を使った。
オーブメントによる攻撃。

ファイアボルト。


天才は、時に理解を超える。


このハルナにとって、初めて使う者だからって、使えないということはない。



「………………」


当然の如く、炎は、さやかを包み込む。
ボゥボゥ、そんな擬音を醸し出しながら。


「…………。まっ、お前には悪いと思わなくもないけどな」


そう、何とも思わず表面上だけなぞった様な声を出し、柵からおろした身をさやかの方から遠ざけて。


「お前―――――――――――気持ち悪い」


その言葉と、とある置き土産を最後にして、ハルナは去っていった。



「……………」



置き土産は、勿論のこと。



炎の塊、ファイアボルトである。



そして、直撃する。







公園から、少し離れた場所にて、ハルナは小休憩を入れていた。

「………まぁ、一発目は死ななかったけど、さすがにあれで、死んだだろ」

と、もうここでさやかのことは忘れよう、そう言う結論に至った。
理由はただ一つ。









ただそれだけである。


ちなみに、今の彼女に、自前の攻撃魔法は使えない。
主催により封印されたからだ。

「――――――――そんなことするなら、こんなもん渡すなよな!」

たすかってるけどさ、と。
オーブメントをいじりながら言う。
………まぁ、確かに一般人から見るとただのチート以外何者でも無かった。

と、本当に小休憩だったようで、
もう立ち上がり、ハルナは、仲間――――――――――アユムたちを探し始めた。



「………よしっ!」



魔装少女は、歩き始める。

どこか、まだわからないけど。


【一日目/深夜/H-5 公園外】
【ハルナ@これはゾンビですか?】
[状態]健康、魔装少女化
[装備]ミストルティン@これゾン、オーブメント@空の軌跡
[道具]KS×1、パイングミ×9@TOA
[思考]
基本:皆と一緒に帰る
1:皆を探す
2:襲ってくる者は、邪魔になりそうなものは殺しておく
[備考]
※三巻後からの参戦です





結果的に言って、美樹さやかはまだ生きている。
というかピンピンしている。

「……………」

魔法少女の力。
祈りから生まれた力。
“とある身体異常を治してほしい”から生まれた力。


強力な治癒力。


まるで、ゾンビの如くの治癒力。


それにより、幸にも、不幸にも。


彼女は生き残った。


傷痕は、もうすぐ完治する。




「……………あたしって」



彼女の目的はただ一つ。



救われたい。



それだけだった。





救われ方は、忘却の彼方に放り投げられたが。




【一日目/深夜/H-5 公園】
【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ
[状態]火傷(小、治癒中)、精神異常、魔法少女化
[装備]ソウルジェム(穢れ九割)@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]KS×1、RS(0~2)
[思考]
基本:何が―――――――――正しいのか、教えてほしい
1:あたしって………
2:…………
[備考]
※漫画版の電車から降りてベンチに座った辺りからの参戦です
※これ以上穢れが増えるのは、よほど魔力を使用しなければなりません



表と裏が交り合い 投下順 勇者テツヤは今日も行く(嘘)
GAME START ハルナ
GAME START 美樹さやか

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最終更新:2011年09月08日 23:26
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