場所は研究所。
画面は隅々まで光を放ち、情報を参加者に照らす。
そんな場所に、一人の参加者がいた。
◆WYGPiuknm2。
彼は書き手の一人である。
――――なんてお決まりのやり取りはお開きとしまして、
彼が研究所で何をやっているのかというと、
当たり前だが、研究所のモニターに映る情報を次々と頭の中に入れていく。
とはいっても、そのモニターは幾つもある訳だが。
まず映るのは、【非リレー型バトルロワイアル@wiki】というものだ。
それは、◆WYGPiuknm2を初めとする、書き手の集うホームページの一つだ。
[メニュー]
[個人ロワ本編]
[その他]
その他諸々だ。
そこで、彼は何をしていたかというと、チャットというものをやっていた。
[発言]
[PM][文字サイズ][文字色][絵文字][添付ファイル]
入室:1 (WYGPiuknm2) 閲覧:0
WYGPiuknm2:誰か見てたら入ってもいいのよ(12:10)
WYGPiuknm2:真っ白とか………(12:09)
お知らせ:WYGPiuknm2さんが入室しました
なんて打ってから早10分。
返答なんて嬉しいものはなく、ただ、ひたすらにこの状態を保ち続けていた。
「………どうしたものかね」
とはいっても、この時間。
12時なんて真夜中に入ってくる書き手はそうはいないのが現状で、
個々の名簿が正しいかどうかの確認もできなければ、助けも呼べるわけもない。
しかしながら、入らなくても閲覧する人からも助けを呼ぶことは可能ではある。
「でも、意味ねぇっぽいな、こりゃ」
先ほどから、閲覧の箇所が微動だにしてないのだから、考えられる話だ。
普通、といっても結構な誤差はあるだろうが10分20分凝視し続けて、閲覧の文字が動かないのはあまりない。
少なくても、この異常な状況下にいなければ、先ほどと矛盾する話だが、書き手が来ないわけがない。
こんな真っ白なチャットが待っている訳もなく。
「………外と切断されてんのかね」
きっとここに
超高校級のプログラマー、不二咲千尋が
対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース、
長門有希が
《創帝》、都城王土が
『ザ・サードマン』、三村信史
《死線の青》、玖渚友
らがいたならば、話が違っただろう。
しかし彼は、あくまで書き手。
それなりに詳しいとはいえ、あくまで常識の範囲内。
《異常》にはどう足掻いても至らない。
「………………まぁ、いつか来るだろ」
何て暢気に待っていることにした。
無駄に偉そうな椅子が揺れる。
空いた窓からは、涼しげな、冷やかな風が◆WYGPiuknm2を掠める。
「―――――――ふぅ」
そんな静寂な空間に。
そんな脆弱な空間に。
一発の銃声が響いた。
■
人殺しには、馴れている。
死体には、馴れている。
咽返る異臭には、馴れている。
あの、何故か仲の良い不良警官であった
須牙襲禅以上のある意味での凶悪さを兼ね備えている者だ。
だから、遠慮もなく撃った。
目標は、◆WYGPiuknm2。
目的は、計画生還。
「アンタに恨みがある訳じゃないんだけど」
不躾にも、窓から研究所に這入る。
彼女は、窓の外から撃った。
容赦遠慮なんてない。
ただ一つの変わらない決意。
計画生還の為なら、彼女は人殺しだって躊躇うつもりはない。
自分は壊れてしまたのだろう。
自分は囲われてしまったのだろう。
頭からは、血はドクドクと流れ、モニターは返り血が邪魔して、光が満足にこちら届かない。
身体は、椅子ごと倒れ、どうしようもなく死んでいると思わせる。
「あぁ………。ちょっと邪魔だからどいて」
と。
◆WYGPiuknm2の死体を無下にも蹴飛ばす。
すると、彼の死体は、(わずかに)明日の方向に飛んでいき、そのまま沈んだ。
しかし、そんなことは関係なしに真紀はモニターに向かう。
モニターの血はダラダラとだらしなく垂れ下がり、視界に映すのを邪魔するが、
舌打ちしながら引ん剥いた◆WYGPiuknm2の比較的血の被害の少ないズボンで拭う。
それでモニターの血は、わずかに後は残るが、綺麗になった。
「………ま、これでいいかな」
真紀は、こうしてモニターに凝視し始めた。
まず映ったのは、
[発言]
[PM][文字サイズ][文字色][絵文字][添付ファイル]
入室:1 (WYGPiuknm2) 閲覧:0
WYGPiuknm2:誰か見てたら入ってもいいのよ(12:10)
WYGPiuknm2:真っ白とか………(12:09)
お知らせ:WYGPiuknm2さんが入室しました
「………まぁいいや。これ以上情報はなさそうだな」
それ以上の詮索はせず、このタブを閉じ、【非リレー型バトルロワイアル@wiki】を調べる。
そんな中で、とあるバトロワ。
彼女の良く知っているバトルロワイアル。
【俺のオリキャラでバトルロワイアル】というものを見つけた。
彼女としてはただ、なんとなく目に付いたので。
押してみた。ただそれだけだった。
それだけだったのに。
頭に与えるダメージは、最悪だった。
「―――――――――――は?」
自分の名前。
自分の言動。
自分の行動。
自分の思考。
自分の結末。
その全てが乗っていた。
間違いなく、自分が参加した、あの極秘ゲームの概要が、ここにあった。
「―――――――――――は?」
意味もなく、もう一度疑問符をつける。
それほどまでの、衝撃だった。
そんな衝撃の所為だったか。
自分の警戒が抜け切ったいたことに、気付かなかった。
だからなのか、普通に背後を取られていたことに、気付かなかった。
「FREEZE!………まぁ、冗談さておき動くな」
新藤の握り締めていたはずの、二十六年式拳銃を握り締めた、
パンツという締まらない格好の中、◆WYGPiuknm2が。
死んだはずの◆WYGPiuknm2が立っていた。
振り返るまでもなく、真紀には分かる。
さっき殺した男が、立ちあがったのだと。
だからこそ。
「――――――――――――は?」
三度目の、漏れた言葉。
頭には、冷たい感触。
頭には、固い触感。
「死にたくないなら、ここから荷物を全ておいて出てけ」
真紀には、言葉に従うしか、道はなかった。
冷血な武力も失い、
終いには、冷静な思考までも奪われた。
イイコトどころか、ワルイコトばかりで散々な結果だった。
■
身軽と言えばカッコはつくのだろうか。
身に服しか纏わない彼女は、ただひたすらと逃げるだけだった。
「――――はぁ、はぁ、はぁ」
彼女を埋めるのは、恐怖と、対峙している敵の不可解さに悶絶する気持ち悪さだった。
殺した者は生き返る。
本来極秘の情報は漏れている。
何だこれは。
この現状は。
あまりにも、おかしすぎる。
彼女の知る範囲内では決して起こらない様な出来事が一気に起こった。
「――――――――はぁはぁはぁ」
だからひたすらと逃げるしかムシャクシャと気持ちを抑えるは無かった。
(好きなように殺せばいい、それが世の真理)
どこかで声が聞こえたような気もしたが、そんなことも構わず走り去る。
【一日目/深夜/1-C 研究所外】
【新藤真紀@他の書き手様のオリキャラ】
[状態]健康、精神疲労(中)
[装備]
[道具]
[思考]
基本:計画生還
1:――――――――?
■
「―――――――――ったく。うわっ! このズボン気持ちわりっ!」
血塗れた自分のズボンを中指と、親指でつまむようにして持ち上げるが、中々着る気になれなかった。
彼が生きている理由は、支給品に在った。
リバースドールである。
リバースドールにより、彼は自動復活を果たした。
それ以降は簡単な話である。
何故だが呆然としていた真紀にこっそりと近づき、
銃を奪って、あたかもそれが当然のように振る舞えばいいだけ。
「まぁ――――――――いいや。どうせ近いうち誰も来ないだろ」
そうして、倒れた椅子を戻して、再び画面に戻る。
再び、◆WYGPiuknm2は活動を始めることとした。
『◆WYGPiuknm2の法則』
氏は一度死ぬが、それでも復活することが多数ある。
皆から愛されている証と言えるだろう。
元祖はDOLシリーズであった。
【一日目/深夜/1‐C 研究所】
【◆WYGPiuknm2@非リレー書き手】
[状態]
[装備]二十六年式拳銃(5/6)
[道具]KS×2、RS(2~4)、リバースドール×2@TOA
[思考]
基本:乗る気はないけど、乗らない気もない
1:誰か来るのを待ってる
2:情報を漁る
[備考]
※放送で呼ばれるかは不明です
最終更新:2011年09月15日 19:58