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青春と爆弾と異質な愛

銀丘白影(ぎんおか・はくえい)は、殺し合いをある程度知っていた。
単純に、彼のネット上で参加している創作企画『非リレー型バトルロワイアル』にて、彼は◆xzYb/YHTdlという名前で活動を行っていたからだ。
何時か、バトルロワイアルを模倣した事件が起きるとは思っていた。
クラスメイトにして書き手仲間の白逆紹(しらざか・しょう)こと◆VxAx.uhVsMなんかはいつか主催してみたいなんて漏らしていたし。

まあ、白逆の事は信頼している為、彼の言葉は単なる冗談として受け止めることができたが。
高校生活最後の思い出は、黒崎刑梧に破壊された。

「許せねえよな―――ああ許せねえ。ムカついたぜ黒崎せんせーよぉ」

ぶっ殺す。
努めて冷静に、だが明確に、白影は殺し合いへの反逆を決した。

残念ながら、銀丘白影には不可思議な能力や才能などは無い。
あるのは殺し合いの知識と、クラスメイトたちへの強い愛着くらいか。
尤も――――――ただ一人だけは別だったが。

支給された物はまず、一本のスタンガン。
威力に改造などはされていない――――が。相手の神経に作用し、少しの間相手を一人で歩けないほどに封殺できる代物だ。

黒崎がこの殺し合いの為だけに作らせた特注品のスタンガン。
そう思うと反吐が出るが、ここは素直に受け取っておくとしよう。

もう一つは拘束用の縄。
それなりに便利な道具になるし、これも当たりといえるか。
まずはこのD-2映画館エリアを探索しよう、と歩き出し―――――――、

爆音が響いた。


九柳やよい。クラス委員長。
完璧なようでどこか抜けている、テストの英語の問題の答えを全て日本語で書き赤点を取った伝説を持つ、軽音楽部ボーカル。
……ここまで読んだら分かるな?当然こいつも普通じゃない。

柄部霊歌・辻斬りハロー、殺人鬼。
伊藤遺・人格破綻者。
沖崎翔・通り魔、強姦魔、窃盗犯、麻薬買人、学生野球賭博監督役。

九柳やよいは一言で言うなら、科学特化型厨二病爆弾魔。
彼女は、思春期という余りにも最悪の時期に、『近代科学』に触れすぎてしまった。そして、やよいは『厨二病』を見事に発症してしまう。
何時しか危険な薬品を部屋に揃えるようになり、調合などもにわか仕立てながらも行うようになり、やよいはある禁断の行為に目覚める。

爆弾の生成。
それを用いた建造物の爆破。

やよいはテロリストの才能があったようだ。いや、ありすぎた。


更に、彼女の作る爆弾は最悪にも、余りにテロリスト向けだった。
テニスボール大の大きさから、パチンコ玉大の時限爆弾。
何もかもが天才的だったといえよう。

そんな彼女が最初に取ったのは、支給品以外に隠し持っていた爆弾。
制服の内ポケットに仕込んだ爆弾の数は、およそ五つ。
殺し合いに乗ろうと彼女は適当に決意し、適当に―――――

銀丘白影に向け、爆弾を投擲した。


白影が助かったのは決して運が良かったからではない。
爆弾のピンを抜く微妙な音を敏感に捉え、の不慣れな投擲により威力を落とした投擲物を掴み、真横に勢いよく投げ飛ばした。

爆風に視界を遮られるが、それは相手も同じ事。
バトルロワイアルを机上論で考えてきた『書き手』としての脳内シュミレーション通りに行動できるだけでも、先頭では白影――◆xzYb/YHTdlに一日の長がある。

「―――委員長かよ。まったく、委員長は爆弾使いかい」
「そういう―――ことっ!!」

デイバックからやよいはアーミーナイフを抜き出す。
次に爆弾を、叩きつけるように床に投げつけて煙幕を生み出す。

「(……おいおい、こんなの素人の技じゃないぞ)」
「九柳爆殺術」
「刺殺術の間違いじゃねえか!!」

アーミーナイフを紙一重でかわし、その腹に膝蹴りを叩き込む。
華奢な肉体が僅かに飛び、爆弾を取り落として倒れる文香。

「……っ、はぁ、けほっ……女の子に乱暴しちゃ、けほっ、いけないんだよ?」
「バトロワでそんなルールは無いよ」

やよいは爆弾を掴み、白影に投げつける。
しかし、不安定な体勢が仇となり、大きく軌道が反れる。
爆風が両者の視界を遮り、やよいにも体勢を立て直す時間が出来る―――チャンス。残りの爆弾を、手辺り次第に投げれば当たるかもしれない。
爆風が晴れてくる。チェックメイト。
可愛らしい、無邪気かつ残酷な微笑みを浮かべ、爆弾を掴む。

そして気付く。
青白い火花を散らしているスタンガンが、真っ直ぐ投擲されていることに。
避けようなどある筈もない。

爆弾魔は、書き手の机上論の前に敗北する。

「チェックメイトだよ、委員長――――予想外だったか?スタンガンを投げつけてくる、なんてさ」
「……っ、あ、ぅ…」

この威力は相当のようだ。
暫くの間、九柳やよいからは歩行の自由さえ奪われる。


「さて、と。こっからはお勉強の時間だよ、委員長」

スタンガンを拾い上げ、デイバックにしまう白影。
近付いてくるそのシルエットから逃げようにも、手足が痙攣を続けて動かない。
初めて、九柳やよいは目の前のクラスメイトに恐怖を覚える。

「正しいバトロワってのはなぁ―――こういうのが王道なんだよ」

ぼふっ。
やよいの肉体が、少々乱暴に、銀丘白影に背負われる。

「俺はこのクラスが好きでな。生憎、10000000人の人を殺した奴でも余裕で助けるくらいには愛してるよ―――だから、俺は君を助けた。もし感電の後遺症が残るってんなら、そうだな。一生かけて君を助けよう」
「――――――はぁ!?何言って」
「まあまあ焦るなよ。反逆の道のりはきっとスリリングで楽しいぜ」

さあて反逆開始だ、と白影は不敵に笑むのだった。

―――俺の愛するクラスメイトに殺し合いを強要した罪、たっぷり償ってもらうぜ。

【深夜/D-2】
【銀丘白影(◆xzYb/YHTdl)】
[状態]疲労(小)
[所持品]特注スタンガン、ロープ
[思考・行動]
0:殺し合いに反逆する。
1:分け隔てなくクラスメイトを守る。

【九柳やよい】
[状態]手足の痙攣による歩行不能
[所持品]アーミーナイフ、自作爆弾
[思考・行動]
0:殺し合いに乗ってみる
1:なにこの人……?

【銀丘白影】
書き手。クラスメイトを病的に愛している。
トリップは◆xzYb/YHTdl。

【九柳やよい】
爆弾魔・軽音楽部ボーカル。
クラス委員長だがどこか頭のネジが抜けている。

はろー、ぐっばい 投下順 呼吸悪行
GAME START 銀丘白影(◆xzYb/YHTdl) [[]]
GAME START 九柳やよい [[]]

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最終更新:2011年11月25日 08:52
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