7:狂乱少女
「畜生、親父…どうして……」
展望台の下で、魔王の娘――周囲からは娘様と呼ばれている――は涙を流していた。
自分の父、魔王が殺されたのだ。見せしめとして首輪を爆破され。
魔王軍の長として、強く誇り高く、そして重度の親馬鹿、愛妻家だった父。
余りに親馬鹿が過ぎて鬱陶しく感じたりぞんざいに扱う事もあったがそれでも、大好きで、
自分の目標となる立派な父親だった――だが、死んだ。
「畜生、畜生、畜生! よくも親父を…許さねぇ!」
娘様は泣きながら強く心に決める。
父親の仇を取るためにも、
殺し合いに呼ばれている知り合い達、自分の母のためにも、
この殺し合いを絶対に潰してやる事を。
「…名簿を見た限りじゃ、アレックス達やムシャ、ダーエロ、ハー妹、お袋もいるんだよな……。
早い所、合流したいな……」
「ねぇ、そこのあなた」
「?」
急に声を掛けられ娘様は声の方向に振り向く。
高校生ぐらいの少女が立っていた。
「な、何だい?」
「…茶色い髪で、私と同じ制服を着た女の子を、見ていませんか? 北沢樹里って言うんですけど」
「い、いや見てない…ねえちゃんの、知り合いなのか?」
「うん…そうですね、私は倉沢ほのか…あなたは?」
「俺は…娘様でいい。本名は訳あって言えねぇ。名簿にもそう載ってるし」
「そう…娘様、北沢樹里って子の事は、見ていないんですね」
「見ていないな…すまねぇ、ほのかのねーちゃんが最初に会った参加者だ」
「……なら、あなたにはもう用はありません」
「え?」
倉沢ほのかの右手に、黒光りする銃が握られているのを娘様が気付いた時には全てが手遅れだった。
ほのかが、右手に持ったW&SウェブリーリボルバーMkVIの銃口を娘様の頭部に向け引き金を引くと、
いともあっさり、娘様は絶命した。
「北沢さん…あなたは、何度殺しても殺し足りませんよ…うふふ…今度はじっくり甚振ってから…」
薄ら笑いを浮かべぶつぶつと何かを呟きながらほのかはどこかへと歩き去った。
後に残ったのは頭を撃ち抜かれ血と脳漿を地面にぶちまけた娘様の死体とデイパック。
「……」
すぐ近くの公衆トイレの建物の陰から、水色の髪を持ったハーピーの女性が出てくる。
「む…娘様……ああ……」
彼女は通称ハー妹、魔王軍四天王の一人ドラゴナスの妻、ハーピーの妹である。
当然、たった今殺害された娘様の事も知っていた。
「魔王様に続いて娘様まで…そう言えば、名簿には嫁様もいたし……悲しむだろうな……」
どこかにいるであろう、見せしめで殺害された魔王の嫁、つまり娘様の母親が、
娘まで死んだと知ったらどうなるのか、無職で所謂ニート状態の彼女でも、流石にそのぐらいは思う。
「…もう一人いましたか」
「えっ」
ハー妹の背後から声が。
振り向くとそこには、立ち去ったと思った先程の、倉沢ほのか。
ハー妹の顔面に冷たい銃口が向けられている。
「あのまま立ち去ったとでも? 気付いていないとでも思っていましたか? 甘いですね」
「お、お願い、見逃して…お願い」
「だ め で す よ」
再び銃声が響き、二人目の死体が出来上がった。
娘様のデイパックからMkII手榴弾三個、工事用ロープの二つ。
ハー妹のデイパックから、日本刀を、ほのかは手に入れ、今度こそその場から立ち去った。
【娘様@VIPツクスレ・もしもシリーズ 死亡確認】
【ハー妹@VIPツクスレ・もしもシリーズ 死亡確認】
【残り 52人】
【早朝/G-3展望台付近】
【倉沢ほのか@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]健康、狂気
[装備]W&SウェブリーリボルバーMkVI(4/6)
[持物]基本支給品一式、.455ウェブリー弾(12)、MkII手榴弾(3)、工事用ロープ、日本刀
[思考・行動]
基本:皆殺し。北沢樹里は惨たらしく殺す。
[備考]
※本編死亡後からの参戦です。
最終更新:2012年01月03日 21:44