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夢が始まり終わりを告げる

OP 夢が始まり終わりを告げる


夢――――それは何だろう。
あの殺し合いから生還してから見なくなってしまった。
あれから僕は少しの間堕落な人生を過ごしてきた。
母親からも心配されつつも、少しづつ持ち直した。
集団失踪事件から一人だけ生還した、という理由でマスコミから追いかけまわされたりもした。
それでも、すべてを忘れようとは努力した。
あの短いようで長かった殺し合いも。
自分が知らぬ間に死んでしまった、熱く他人思いな友人も。
自分が殺してしまった、兄思いな優しき少女も。
自分たちの事を大事に思ってくれた、強い先生も。
全て忘れようとしていた。
夢の奥へと消し去ろうとしていた。
しかし、神はそれをも許してくれないらしい。

「……ぁ」

声が出ない、何故だろうか。
僕――――相川友は目を覚ました。
目を開けても一面に広がる闇の世界。
それは近くに見たあの夢。
悪夢、と言うには質が悪すぎる現実。
殺し合い―――――高杉という男により開かれた殺し合い。
坂田銀時、銀さんが決着をつけたからか、僕は生還することができた。
それで終わりなんだと思っていた。
それで終わりであってほしかった。

「やぁやぁ、皆起きたかい?まぁ起きたといっても視界が制限されてるから厳しいだろうね。
 これは僕のスキルのうちの一つ『暗黙の了解』の力によるものだよ。まぁ、少ししたら戻るから安心してね」

可愛らしい―――と言っていいのだろうか。
そう言った感じの声が耳からというより頭から入ってくる。
まるで頭にスピーカーでも入ってるかのように。
そういったイメージで頭に言葉が入り込んでくる。

「僕の名前は安心院なじみ、安心院さんとでも呼んでくれればいいよ」

安心院なじみと名乗る声の主が笑ったような気がした。
あくまで、それはイメージである。
現実にあるかなんて不明だ。
実際は苦しみながら泣いているのかもしれない。
笑い転げているのかもしれない。
それどころが、実は死んでいるのかもしれない。
五感で感じ取れないものは、信じるわけにはいかない。

「君たちをここに呼んだのは理由があるんだよ。
 まぁ、理由もなく人を呼び付ける人間なんていないと思うけどね。
 ああ―――でも理由もなく呼び出すことはあるかもしれないね。
 人と言うのはいろいろあるからね、僕のスキルより圧倒的に数が少ないとはいえ、ソレは生き物だ。
 各個人に生命というものはあって、思考というものがあると思っているよ。
 まぁ――――僕からすればそんなことは好きにできるんだけどね」

何を言っているのか分からなかった。
スキル、と言うのがさらに訳が分からなかった。
僕みたいな一般人には到底理解不能と言うことか。

「話を大まかにまとめてあげよう。ありがたく思え。
 とりあえず――――――そうだね」





「君たちにはかるーく、殺し合ってもらっちゃうか」





まったく訳が分からない。
安心院という女性はきっと頭が吹っ飛んでいるに違いない。
僕の常識では計り知れないような。
あの銀髪の侍―――坂田銀時でも勝てないかもしれない。
そんな感じの恐ろしさが僕の体中を襲った。
五感がどうこうという話ではない、襲ってくる恐怖心が体を震わせている。

「殺し合いだなんてふざけるなー、なんて思っていたりするのかい?
 するだろうね、そりゃあ君たちは思うだろうさ。
 これは質の悪い夢だ、早く目が覚めろ、なんて逃げるのもいるだろうね」







「言っておくけど、夢落ちなんて甘いことが起きるのはB級漫画やB級小説だけだ。
 これがB級小説ならば夢落ちとなるだろうさ、でもそうはなってくれない。
 理由なんて言う必要が無い、これがB級漫画や小説ではないからだよ」

まったく話の筋が見えてこない。
殺しあえと言われたのは分かった。
それ以外に分かっている事実が少ない。
少なくとも――――どうすればいいのか分からないくらいに。

「逃げようだなんて思うな―――無謀だぜ?それは無理がありすぎる。
 可能性なんて微塵もないんだよ、これは僕が創った場所だ。
 君たちが逃げれるほど簡単には出来ていないよ」

自分が創った場所、意味が分からない。
いや―――分かろうとも思っていない。

「ただ殺し合いと言っても面白くないよね、ってことでご褒美を用意しました。
 君たちは見えないと思うから僕が伝えておいてあげるよ。
 僕のスキルのうちの一つと、好きな願いを叶えてあげる権利を上げよう。
 まぁ、願いと言っても一部受け付けないのはあるけどね、基本は何でも叶えてあげるよ。
 お金?もちろんいいさ、僕の『欲望理論』で作ってあげられる。もちろん本物だぜ?使っても逮捕されない。
 統率力?簡単さ、僕のスキルの『統治好学』があれば出来るさ。
 人の命?当たり前だ、こちらにはその力があるからね」

願い――――そんなものはどうだっていい。
人を殺して、平和をつかみ取った僕にはどうでもいい。
そう考えだしたころには、強烈な眠気が襲いかかってきた。
また始まってしまう――――殺し合いが。
僕はその現実を、受け入れることしかできなかった。

【自分が選んだキャラクターでロワ 開幕】
【参加者 100人】

【主催者 安心院なじみ@めだかボックス】

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最終更新:2012年05月29日 21:15
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