「全く、どーなってんのこの状況。めちゃくちゃじゃーん」
東屋のベンチに腰かける。
何回も言うけれど、今の所、何がどうなっているのかさっぱり分からない。
何しろ、気がついたら自分の知らない変な所にいたんだから、驚くのが当然だ。
まあ、別にめちゃくちゃ気にするほど重大ってほどでもないが。
それより、気になることがある。
「……ここらへん、誰かいるのかなあ」
一応、ポツポツと街灯の光が見えるけれど、人影は見えない。
自分は、街灯より人影の方が見たいのに……。まぁ、見えないんじゃどうしようもない。
出てこいと言って、はい出ます、と素直に出て来る奴も、そうそういないだろうし。
どっちにしろ、今、自分は孤独だ。これだけなら、いつもと変わらないけれど。
「……バッグ調べてみよっと」
◆
「日本刀1振りに、コップに入った1杯の水……どー言う因果関係?」
日本刀と水。この2つに、共通点なんて、無い。
なのに、なんたってこんな物を一緒にしてバッグに入れたのだろうか。
と言うか、水の入ったコップなんてどーやって入れたんだ。こぼれるのは目に見えているのに。
しかし、実際問題中でこぼれてるような様子は無かった。濡れてなかったし。
どっちにしろ、こんなモン役に立たない。喉が乾いてたら、役に立ったかもだけど。
「どーしよ、これから」
いつまでも、ここで座っている訳にもいかない。
禁止エリアとやらにここが指定されたら危ない……待てよ?
自分には、何故かあいつの言っていた首輪がついていない。理由は分からないが、とにかく無い。
でも、流石に何も仕掛けられていない訳はないだろう、多分。
……もしかしたら、頭の中に爆弾でも入ってたりして。
「頭の中に、爆弾が!……って感じ?」
もしそうだとしたら、かなり大変だ。
あの首輪みたいな物だけがついていたなら、バラして外せるかもしれないのに。
体の内部にあるんじゃ、手も足も出ない。
流石に、頭は切り開けないし……。開いた瞬間に、死ぬ。回復も多分追いつかない。
これがお腹の中なら、パッパと切り開いて取り出してやるのだが。
「……禁止エリアにさえ入らなきゃ爆発しないんだから、別にいっか」
結局の所、体に何か仕掛けられてようがどっかから攻撃されようが、入らなきゃ無縁だ。
入れば死ぬと分かっている場所に、わざわざ入る必要もないし。
「どっか行こー。ここからだと、何処が一番近いかな?」
地図を見る限り、一番近いのはショッピングモールと、グロズニィグラードとか言う場所のようだ。
前者は……誰かいそうだ。お茶してそう。
後者は……誰かいるのかな?なんとなく、殺風景で閑散としてそう。
自分としては、人が多い方が楽しそうだから、人がいる場所に行きたい。
「どうしよっかなー……あれ?おーい、そこの人、何やってんの?」
「あっ……」
何か、コソコソと歩いてる人を発見。
まるで、できるだけ人目に触れたくないみたいに歩いてる。
「やったー、人だー」
「……君は、誰だ?」
「私?私は……誰だっけ。名前は覚えてないけど、皆からは4号とか呼ばれてるよ」
「4号……何だそれ」
「何、って言われてもなー。それより、あなたは何て名前なの?」
「俺は……507、としか」
「私と同じだねー」
◇
「で、君も……」
「4号、って呼んでよー」
「……4号も、これに巻き込まれたんだな」
「そー。それで、あのあと目覚めたのがこの辺りだった訳」
「俺は、もうちょっと南の方だった。あっちの、水門の近く」
「水門?そんなのがあるんだ……」
水門があるなんて、知らなかった。
……人はいないだろうけど、なんだか気になる。
てっぺんに登れば、周りも見えるし、探索するのも楽しいかもしれない。
しかし、その前に聞かないといけないことがあったのを忘れてた。
507が、
殺し合いをやる気があるかどうか。これは、なかなか重要な事だ。
「ねー、507は殺し合う気ある?」
「無い。でも、出来れば生きて帰りたいけどね」
「それは、私も同じだけどねー。ところで、今から水門に行こうと思うけど、一緒にどう?」
「……俺、さっきまで近くにいたよ」
「あ、そういやそーだったね。何かあった?」
「探し回った訳じゃないから、何とも言えないな……」
「やっぱり、自分の目で見るのが一番かな……よし!行こう!」
そう言うと、507の方を振り返りもせず、南に向けて歩き出した。
◇
(とんでも無いことになったな……もしかしたら、あのスレよりキツいんじゃないか?)
せっかく、スレで1のカラクリの種を暴いたのに。
その直後、気が遠くなって、気がついたらこんな状況だ。
まあ、スレに書く直前にこんなことにならなくて良かった。
あのままでは、間違い無く実行してしまう人間はもっと増えていたかもしれない。
それを阻止しただけでも、まだマシだ。
「どーしたの?行こうよー」
「……分かった」
とにかく、今は何も分かっていない。何でも良い、情報を集めないと。
これから、生きて帰るために。死んでたまるか、こんな場所で。
……そう思っていた時に、4号が無邪気な表情で尋ねてきた。
「507は丸腰で大丈夫なの?私は、日本刀持ってるからいいけどねー」
「もう持ってる。最初に、荷物の中を見てみたんだ。そしたら……」
「なになに?何持ってるの?」
「……これだ。間違い無く本物の、銃だよ」
スラリ、とまるで刀でも抜くような感じでバッグから銃を抜く。
……さっき見た時にも思ったが、やはりこれは殺し合うための道具なんだ。
どう考えても、これで平和的解決は望めない。
自分は、人を撃つ気なんて無いが、もしその気がある奴にこれが渡っていたら。
そう思うだけでも、背筋が凍り付くような思いだ。
「へー……これが、本物の銃なんだー。初めて見た」
「……怖くないのか?本物なんだぞ」
「怖くないよー」
どうやら、かなり…………いいや、もの凄く変わった子らしい。
まあ、これほどの体躯で日本刀を振り回そうって時点で、まともとは思えないが……。
とにかく、元気はあるようだから、そこは安心、かもしれない。
……こうやって、冷静に考えていられる自分もまた、まともじゃないかもしれない。
「……フッ」
「何笑ってるの?私、何かおかしい事言ったっけ」
「いいや、別に。それより、水門に行くんだろ?」
「あ!そうだった!行こう行こう!」
……これから、俺達はどうなるのか。一体、どうなってしまうのか。それは、神様でも分からない。
【一日目・深夜/C-5】
【507@オカルト】
[状態]:健康
[装備]:モスバーグM500(6/6)
[所持品]:支給品一式、不明支給品(確認済み)
[思考・行動]
基本:殺し合いする気は無い。生きて帰りたい
1:……果たして、どうなるんだろうか
※おつかれの罠の仕掛けを解いて、スレに書き込んだ直後からの参戦です
【被験体04号@
オリジナル】
[状態]:健康
[装備]:焔薙@SIREN2
[所持品]:支給品一式、水の入ったコップ@オカルト
[思考・行動]
基本:殺し合いたくないよー
1:水門に、507と一緒に行ってみる
≪参加者紹介≫
【名前】 不明(被験体04号)
【性別/年齢/職業】 女/不明/無職
【特徴】 詳しい年齢は分からないが、見た目から察するに10代と思われる。
【特殊能力】 受けた傷を高速で治癒できる。
【能力説明】 傷を負った部分の細胞の活動を、異常なまでに活発にして、傷を塞ぐ。
しかし、四肢を失っても腕はくっ付けられない(切断面は塞げる)。
また、連続で治癒しすぎるとだんだん効果が弱くなっていく。
【備考】 見た目や言動は幼く感じるが、思考はそこそこ大人びていたりする。
≪支給品紹介≫
【焔薙@SIREN2】
被験体04号に支給。
隠しシナリオにて登場する、異界ジェノサイダーことSDK(須田恭也)専用武器。
威力、リーチ共に優秀過ぎる性能を持ち、モーションも早い。その上、闇人甲・乙式と正面から戦える。
完全に最強武器だが、使えるのは隠しシナリオだけ。
【水の入ったコップ@オカルト】
被験体04号に支給。
1(いのり)が住民に用意させた物。
これを使って、いのりは住民にとあることをさせた(詳細はあえて記載せず)。
元が元だけに、もしかしたら霊が入っているかも……。
最終更新:2012年02月04日 22:02