8 ひらりひらり(一人二人)
一人の少年は走っていた。
とある事情により追われているためである。
後ろを見るとさらに追いかけてくる奴との距離が近くなっている。
彼自身も運動は出来ないわけではない。
だが、相手はもっと上なのだろう、逃げても追いつかれていく。
「……クソッ!」
渡されたというデイバックの中に入っていたものは四角い形の物体。
モノメイトと言うらしいが攻撃には使えそうにはない。
それに比べて向こうはブロードソードと来ている。
こちらに一切分が無いのは分かっている。
それでも、彼は諦めずに逃げていた。
「畜生――――なんでこんなことに!」
彼はこの場に呼ばれた理由が分からなかった。
別に何をしたというようなことはない。
普通の学生なのだから。
彼――――笹川走馬は矢部翼から逃げていた。
支給品を確認している途中に気配に気づき、逃げていたのだ。
気づいていなければ自分は死んでいたので、恐怖心を隠せずに今もいる。
修学旅行に行こうとしていたはずなのにここにいることも驚きだが、死に直面した恐怖の方が大きい。
「ぐ、うおぉっ!」
足元に何かが落ちてたせいで、足を引っ掛けて転倒してしまった。
急いで起き上がろうとするが、後ろにすぐに刀が構えられている事に気がついた。
冷や汗が体中に伝わっていった。
「……悪い、でも……優勝しなきゃいけないんだよ……だから、死んでくれ」
初めて聞いた声は死刑宣告だった。
こんな所で死ぬのか、そう笹川走馬は思った。
刀は首に突き刺さり、血がそこから抜け出していく。
少しづつ視界が悪くなっていく。
痛みと言うものは不思議となかった。
だが、死ぬのは怖い、死にたくはない。
デイバッグを握りしめる。
何か体を包むような物に包まれて、彼は眠った。
◆ ◆
「……っはぁ……はあ、まずは一人だ」
矢部翼は息をついていた。
さしてすぐに彼から離れ、歩いていた。
彼の刀には赤黒いそれが付いていた。
それを見て彼は何も考えないようにする。
すべては彼の大事な妹も為に――――。
修羅の道だって進む覚悟は彼にあった。
「絶対に、優勝する――――そして、あいつを幸せにしてやるんだ」
彼はブロードソードを固く握りしめて歩き始めた。
彼の瞳には、固まった決意が見えた。
【朝/D-9】
【矢部翼@他の方のオリキャラ】
[状態]健康、返り血(小)
[所持品]基本支給品、ブロードソード@現実
[思考・状況]
基本:妹の幸せのために
殺し合いに乗る
1:人を殺すのに後悔はしない
[備考]
※重要なしむしろ自己満足のロワ3rd開始前より参戦です
◆ ◆
笹川走馬は気絶していた。
だが、死んではいない。
彼は首を斬られても死んでいなかった。
正確にいえば、斬られたのは気道だけだ。
矢部翼が首を丸ごと斬る勇気がなかっただけだ。
だからこそ、彼は助かった。
デイバッグの中に入っていた身代り人形と言うアイテム。
それは、傷を代わりに受け持つものである。
彼の傷口は何もなかったように、塞がっている。
それは、このアイテムのおかげである。
彼は幾つもの偶然に助けられた。
だが、いつこの幸運が無くなるか分からない。
【朝/D-9】
【笹川走馬@変哲オリ・リピーター】
[状態]気絶、失血(中)
[所持品]基本支給品
[思考・状況]
基本:死にたくはない
1:……
[備考]
※本編にてバスに乗って眠った後より参戦です
※身代り人形@
オリジナルにより傷がふさがりました、ただし後遺症があるかもしれません
最終更新:2012年06月07日 19:58