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愛する人、救えましたか―――?

9 愛する人、救えましたか―――?


「はは―――殺し合いねぇ」

沖崎翔はシャワーを浴び終わり服を着た。
90人が呼ばれている殺し合い。
そんなことも我関せずにシャワーを浴びていた。

「まぁ、とりあえず――――――死にたくないからな、全員殺せばいいか」

ここには彼が唯一気を許しているような少女――――鏡御音もいる。
だが、彼はもともといた殺し合いでも殺すことを決めていた。
少しくらいの優しさを以って殺す。
それが沖崎翔の考えだった。
彼には強力な能力がある。
それを過信するつもりはない――――だが、これは殺し合いを進めるのに『有利すぎる』のだ。
他人の感覚を操る能力――――。
痛覚を異常にすれば、転んだだけで死ぬような痛みを味わえる。
空腹感を異常にすれば、どれだけ食べても腹は減らなくなる。
そして――――――。

「さて、気分はどうだい?稲垣葉月さん」
「ッ―――は、ぁ」

民家内のベッドの上で一糸纏わず横になっている女性。
稲垣葉月――――レックスと言う狼と愛し合っているただの女性だ。
彼女は沖崎の能力により、『女としての感覚』を異常にさせられている。
つい先ほど――――沖崎がシャワーを浴びるまで、彼女は人として、女として壊されていた。
近くにいる少年――――沖崎翔の手により。

「何をビビってんだよ――――俺は何もしないぜ?俺みたいな普通な高校生はいないってもんだ」
「な、にが、普通の、よ」

口から発される声は途切れ途切れである。
快感により声が発しにくい状況なのである。

「ん?どこがおかしいって言うんだよ――――まぁいいか……それじゃあ問題です」

沖崎は満面の笑みで右手に持った小刀を掲げた。
そして葉月に近づく。

「子宮ってのは、体のどこらへんにあるんだろうな――――なぁ、知りたいとは思わないか?」



◆    ◆



「葉月ッ!!」

少し時間が経って――――1人の来訪者が来た。
黒い毛皮を持った狼、レックスだ。
稲垣葉月の匂いを探っていたところ、感知してここに来たのだ。
だが、一個だけ彼の不安感を煽る匂いが感知できた。
『血』の匂い、だった。
その匂いも嗅いだ瞬間レックスは疲れも気にせず全力で走りだした。
そして、扉を開けた。
そこに待っていたのは、見ての通りの惨劇。
加害者と思わしき銀髪の長身の男を見つける。
その横には、稲垣葉月『のようなモノ』があった。
レックスは何も考えられなくなった。
なんでこんなことになっているのか。
葉月は何をされたのか。
横にいる男は誰なのか。
そんなことは知らない、分からない。
だが、一つだけ分かった事がレックスにあった。




――――こいつが、葉月を




「ウガアアアアアアアアアアアアアアア!!」

獣の如く、いや―――獣だからこそなのか。
怒りのままに銀髪の少年を殺しにかかる。
だが、銀髪の少年は無理に戦おうとはしない。
明けてあった窓から外に抜け出し走っていく。
レックスはそれを追いかけようとする。
だが、彼は降りようとするところで止まった。

「今は、葉月の方が大事だ――――――!」

稲垣葉月のところに急いで向かう。
その状態はひどいものだった。
腹は斬り裂かれ、血液が流れ出ている。
そして、切り口から出されているモノ。
それは本来愛した証を授かるべき場所だった。
だった―――――――のだ。

「葉月、返事をしろ葉月!俺だ、分かるか!?」
「ふ、ふふふ……ははは………」

もはや死んだ目をして遠くを見ている。
未来があったはずなのに。
好きな人を愛した証が得られるかもしれなかったのに。
それを、完膚なきまでに壊されたのだ。

「葉月、葉月、葉月……」
「ごめんね…レックス――――」
「ッ!葉月!俺はここにいる!だから、死なないでくれっ…頼む!頼むから!」

彼女は震える唇で何かを言おうとしていた。
いや――――言ったいた。
普通の人間には聞こえないような声。
それを彼、レックスは聞き取れていた。
獣だからこその、聴力の良さだ。



「赤ちゃん、産めなく…なっちゃった……ごめんね?」


彼女の眼から完全に光が消えた。
そしてその言葉を聞いて再びレックスの動きが止まった。
握られた手から抜けていく温かさ。
このぬくもりはすぐに消えていく。
それでも、レックスは手を離さない。
そして、目から透明な液体が流れる。

「……クソッ、俺が…もっと早く来ていれば、良かったんだ…畜生オオオオオオオオ!!!」

【稲垣葉月@他の方のオリキャラ 脱落】
【残り 98人】

【朝/D-1城下町】
【レックス@他の方のオリキャラ】
[状態]怒り(極大)、ショック(極大)
[所持品]基本支給品、不明支給品
[思考・状況]
基本:……
1:……
[備考]
※新訳俺オリロワ開始前からの参戦です
※沖崎翔の容姿のみ把握しました。



◆     ◆



「喋る狼もいるなんてなぁ…吃驚吃驚」

沖崎翔は城の中に隠れていた。
向こうはこちらを追いかけてこない。
死んだあの女を気にかけているのか、それは分からない。
だが、厄介な奴が追いかけてこなくてよかった。
ある程度の運動神経はあるが、狼には勝てない。
だから、追ってこないのはありがたい。

「……さぁて、とりあえずお城見学と行きましょうか」

巨大な城の扉を押し開ける。
沖崎は優雅に城の中に入る。
そして、自動的に扉が閉まった。
さっきまで人がいた庭には、誰もいなくなった。

【朝/E-1城】
【沖崎翔@他の方のオリキャラ】
[状態]身体的疲労(中)
[所持品]基本支給品、小刀@現実
[思考・状況]
基本:殺し合いに優勝する
1:城の中を見て回る
2:鏡御音はできれば殺したくない
[備考]
※サイッキッカーロワ開始前からの参戦です
※レックスの容姿のみ把握しました
※超能力は2時間ごとに3回使えます
 回数のリセットは0:00、2:00、4:00、6:00、8:00、10:00、12:00、14:00、16:00、18:00、20:00、22:00に行われます

前の話   次の話
ひらりひらり(一人二人) SS順 もう一度やり直せるなら
START 沖崎翔 [[]]
START 稲垣葉月 脱落
START レックス 悲しみを超えてなお

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最終更新:2012年09月19日 22:50
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