42:このゲームの行方どこに辿り着くだろう
「静香ちゃん、大丈夫か?」
「…はい…」
放送で二人の友達の名前が呼ばれた同行者の少女を気遣いながら、
黒狼レックスは住宅街を歩いていた。
自分の最愛人
稲垣葉月はまだ生きているようだが、静香の友人二人を含め、
30人が既に死亡していると言う。
一刻も早く葉月を捜し出したいレックスだったが、静香を放っておく訳にもいかない。
ダァン!
「うぐっ!?」
突然の銃声と同時に、レックスは胸元に痛みを感じた。
「レックスさん!? ! 血が…!?」
「えっ、うわ、血が」
静香が叫ぶ。レックスの胸元から血が垂れていた。
銃口から煙を噴く回転式拳銃を構えた二人にとって見覚えのある少女が近寄ってくる。
「貴方は…!」
「また会いましたね……巡り合せって奴ですかねぇ」
黒髪の少女、倉沢ほのかは銃口を二人に向けながら話す。
戦闘能力が高いと思われる黒狼は動きを封じた――とほのかは思っていた――ので、
多少余裕に構えていても問題無いとほのかは思ったのだろう。
「残念な事に、私の目的だった北沢さんが死んでしまったようで……。
折角私がこの手でグチャグチャにしてあげようと思ったのに、やる気が空回りしてしまいました」
「え、な、何……」
北沢と言う名前は、放送で死亡者として呼ばれていた中にあったような気がするが、
静香は友人の名前ばかり気にしていた事と友人二人の名前が呼ばれてしまった事で、
ほとんど記憶になかった。記憶にあった所でこの少女と北沢と言う人物の関係自体、
静香の預かり知らぬものなのだが。
「欲求不満なので、代わりに……」
「ひっ」
ほのかは静かに銃口を突き付けた。
代わりに、その先はほのかは言わなかったが、静香には状況と雰囲気だけでその先を予想させるには十分だった。
二メートルも無い至近距離、こちらが動く前に向こうが引き金を引く方が断然早い。
自分は殺される、後数秒もしない内に――――静香は絶望した。
しかし。
「……させるかよ」
低い青年の声――――レックスの声がしたかと思うと、
静香の傍で蹲っていた狼がおもむろに動いた。
動きを止めたと思っていた狼が突然動いた事にほのかは少し驚いたが、すぐに銃口を狼の方に向け直した。
だがその時には牙を剥き出しにした黒狼が自分に向かって飛び掛かってきていた。
ダァン!!
銃声と、ほのかがレックスに押し倒されたのはほぼ同時。
倒された衝撃でほのかの持っていたウェブリーリボルバーが空中に投げ出され、
間も無くアスファルトの上に金属音を立てて落ちた。
ほのかとレックスはしばらく揉み合っていたが、赤い噴水がほのかの首付近から噴き出した。
「あ、ぐぁ」
「頸動脈を切った、君はただの人間だろう、もう助からないぞ」
「う……ゆ…裕也君……私も……そっちに…………」
倉沢ほのかはかつての恋人の名前を言うと、眠るように息を引き取った。
「レックス、さん…」
「…静香ちゃん、大丈夫かい…」
「わ、私は大丈夫です、けど…レックスさん、撃たれて…」
先程ほのかに飛び掛かった際、レックスは腹を撃たれていた。
胸元と腹を撃たれた事になる。
「大丈夫さ、これぐらい……」
「本当ですか…?」
「普通の人間より丈夫だから…大丈夫」
痛みはあったが妖狼である自分にとっては致命傷には至らない。
レックスは静香にそう伝えると立ち上がる。
黒い毛皮で余り目立たないが少なくない量の血が流れていた。
それを見て静香は益々レックスの事が心配になる。
「…そんな顔するなって…死にはしないよこのぐらいなら」
「……」
せめて応急手当だけでもしたかったが、そのための道具は都合良く持ち合わせていなかった。
仕方無く静香はレックスに促されるまま、ほのかの持っていた武器を回収し、先を急ぐ事にした。
【倉沢ほのか@自作キャラでバトルロワイアル 死亡確認】
【残り 18人】
【午前/E-3住宅街】
【レックス@オリキャラ】
[状態]胸元と腹に銃創(命に別条無し)
[装備]???
[持物]基本支給品一式、???(1~2)
[思考・行動]
基本:葉月を捜す。
殺し合いはしたくないが必要なら戦う。
1:静香ちゃんと行動。
[備考]
※ドラえもん、野比のび太、剛田武、骨川スネ夫の情報を得ました。
【源静香@ドラえもん】
[状態]左上腕に銃創(処置済)、悲しみ
[装備]蕎麦切包丁
[持物]基本支給品一式、W&SウェブリーリボルバーMkVI(4/6)、455ウェブリー弾(1)、
MkII手榴弾(2)、工事用ロープ、日本刀
[思考・行動]
基本:殺し合いには乗らない。のび太さんを捜す。
1:ドラちゃん、武さん、スネ夫さん……。
2:レックスさん、大丈夫かしら本当に……。
[備考]
※稲垣葉月の情報を得ました。
最終更新:2012年02月19日 21:25