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悲劇的序曲・日常の崩壊

レナは言っていた。突然に惨劇が起きても悔いのないように毎日を生きている、と。
俺――前原圭一がこの場所に連れてこられたのはその直後のことだ。

「元の場所に戻りたいなら殺し合いに生き残れ……か」

殺し合いと言われてもイマイチ実感が沸かなかった。
最初は夢か何かだと思っていた。もし夢なら、こんな悪夢はすぐに覚めて欲しいと思っていた。
でも、俺は見てしまった。テニスボールによって人が殺された現場を。人はあんなにも脆く、簡単に死んでしまうものなのか。
名簿には沙都子の名前が載っていた。レナや梨花ちゃん、詩音の名前も載っている。
俺は沙都子を――部活メンバーを助けてやりたい。仲間同士で殺し合いなんてしたくない。
にーにーとして、前原圭一として――沙都子を守ってやりたいんだ。

「なあ沙都子……俺はどうすればいいんだ?」

「おい!何か面白いことはないか」

沙都子の代わりに返事をくれたのは、雛見沢ではあまり見掛けないような姿の大男。
そいつは殺し合いに巻き込まれた筈なのに、全くそれに動揺しているように見えない。
それどころか、まるでこの惨劇を楽しんでいるようにも見える。殺し合いに面白さを求めている。

「無いのか。ならば消えろ!」

☆ ☆ ☆


コロセ、コロセ、コロセ。
アイツは俺を殺しにきている。
アイツは俺を殺し終えたらいつか沙都子も殺すだろう。
沙都子を守れ。それでもお前は沙都子のにーにーの代わりなのか。
殺せ。沙都子を守るにはコイツを殺すしか無い。
殺せ。俺が生き残るにはコイツを殺すしか無い。
あの声の女は元の場所に戻るには殺し合いに生き残るしかないと言っていた。
どうせ目の前のコイツもいつか殺すしか無い。なら今ここで殺したっていいじゃないか。相手は俺を本気で俺を殺しにきているんだ。今ここで俺が殺してもただの正当防衛だ。
怯えるな前原圭一!殺せ!コイツを殺せ!生き残るには誰かを殺すしか無いんだ!沙都子を本当にこの殺し合いから助けてやりたいなら、殺人の一つや二つできなくてどうする!

「ッ!?」

前原圭一の決死の攻撃は、しかしルークが化物としての本性を現したことで簡単に防がれてしまった。
パシリ、という心地良い音の直後にくるのは痛み。ルークの拳は、正確に前原圭一の腹を捉えた。
圭一は精一杯の力で蹴りを入れるが、怪人と化したルークには全くソレが効かない。どれだけ本気を出そうが、力を入れようが、殺意を込めようが、所詮は人間の力だ。あまりにも次元が違い過ぎる。
人間を瞬時に消滅させてしまう不透明な牙を避けることが出来たのは不幸中の幸いだが、このままでは死んでしまうというのは変わらない。
ルークが更に圭一の頬を叩くことで、圭一の身体は宙を舞い、地面へと転倒する。

それでも圭一の心から闘志は消えない。殺意は消えない。だから改めてゴルフクラブを構え、ルークに突撃する。
案の定その攻撃は簡単に防がれ、今度は腹を蹴られる。片手で蹴りを受け止め、追撃を試みようとしたが圭一程度の人間では怪物の蹴りを受け止めることすら出来なかった。
力量差は圧倒的だが、圭一は再び立ち上がる。何度地面へと叩き付けられようが、立ち上がる。
その後も同じようなやり取りがあったが、相変わらず圭一の攻撃は一切効かない。ゴルフクラブを握る手も、だいぶ痛くなってきた。あまりにも痛みが酷い。歩くだけで身体の至る所が壊れそうになる。
しかし、圭一は諦めない。諦めることが出来ない。ここで諦めたら、沙都子は間違いなく殺される。誰も沙都子を助ける人間がいなくなる。沙都子の笑顔が――

「うおおおおおおおおおおおお!!!」

気合いを込めて雄叫びをあげると、助走をつけて叩き込んだ渾身の一撃は、見事にルークの頭に命中した。
だが、ルークは何事もなかったかのように圭一の右肩を殴る。人間程度の力では、ルークに致命傷を与えるにはあまりにも力不足だったのだ。
続けて左肩も殴るが、圭一は諦めない。両手で握ったゴルフクラブは、未だに力強く握り締められている。
更に腹に蹴りを入れられたことでゴルフバットを手放してしまったが、今度はシャベルを持ってルークへ襲いかかる。
それも簡単にルークに受け止められ、先程手放してしまったゴルフクラブで足を殴られ、圭一の身体は情けなくも地面へと転がってしまう。
最早何本もの骨が折られ、歩くことすらままならないが、それでも圭一は立ち上がろうとする。
しかし目の前の怪物はソレを待つほど甘くない。いい加減止めを刺そうとゴルフクラブを圭一の頭上で振り上げた。

☆ ☆ ☆

(ここまでか……。すまねぇ、沙都子。俺はやっぱりお前のにーにーなんかに……)

脳裏に思い浮かぶのは、沙都子の笑顔。俺はあの笑顔を守ってやりたかった。お前のにーにーになってやりたかった。
もう沙都子に寂しい思いはさせてやりたくなかった。沙都子を殺し合いになんて巻き込ませたくなかった。沙都子を殺させたくなんてなかった。
沙都子の料理は美味かった。普段はあんな態度なのに、まさかお前にあんな一面があるなんて思わなかった。悟史、どうしてお前はこんな妹を見捨てたりしたんだ?
お前が転校してる間、俺が沙都子を守ってやる。だからすぐに戻ってこいよ。沙都子はずっとお前を待ってるんだ。

オヤシロさま――もしも本当にいるのなら俺はどうなってもいい。沙都子だけでもいいから、このふざけた殺し合いから救ってやってくれ。
今までは散々だったんだ。こんな時くらい、アイツを助けてくれたっていいじゃねぇか。お前は雛見沢の守り神なんだろ?
もしもまだ沙都子を見捨て続けるなら、俺がお前を祟り殺して――

そこで前原圭一の意識はプツリと途切れた。


「させるもんか!」

しかし、前原圭一のその魂はまだ死には至らなかった。
前原圭一の目の前に現れたのは、青髪の少女。少女はサーベル状の剣でルークが手に持つゴルフクラブを防ぎ、圭一は偶然にも助けられた。
ルークは嗤う。新たに現れた強敵に。
平和を守る魔法少女とゲームと称して快楽殺人を行う怪物との戦闘の火蓋は、今、切って落とされた。



【一日目/朝/A-4】
※シャベル@ひぐらしのなく頃にが放置されています
【前原圭一@ひぐらしのなく頃に】
[状態]ダメージ(大)、疲労(大)、固い決意、複数の箇所の骨折、全身に打撲痕、気絶中
[装備]なし
[道具]支給品一式、不明支給品0~1
[思考・状況]
基本:沙都子を守る。そのためなら殺人も厭わない
1:……
※祟殺し編からの参戦です

【ルーク@仮面ライダーキバ】
[状態]ダメージ(極小)、ファンガイア態に変身中
[装備]なし
[道具]支給品一式、不明支給品×0~3、ゴルフクラブ@ひぐらしのなく頃に
[思考・状況]
基本:ゲームを楽しむ
1:目の前の男と女を決められた時間内に殺す

【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ
[状態]健康、魔法少女に変身中
[装備]ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]支給品一式、不明支給品×0~3
[思考・状況]
1:まずは怪物を倒して気絶してる人を助ける

開演・非情な演奏会 時系列順 禿山・テニスボールの脅威
開演・非情な演奏会 投下順 禿山・テニスボールの脅威
GAME START 前原圭一 [[]]
GAME START ルーク [[]]
GAME START 美樹さやか [[]]

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最終更新:2012年02月26日 17:26
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