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英雄行進曲・戦いの神

紅音也――彼は、ファンガイアのキングたる男を倒した人間。
キングは紅音也によって、その人生を滅茶苦茶に荒らされた。
結ばれる運命である筈のクイーンは取られ、自身に強力無比な「闇のキバの鎧」を装着させるための生物であるキバットバットII世すらも音也に取られ、最後には自身の息子によって殺されるという始末。
更にキング本人は知っていないが、2008年にはビショップによって蘇生され、自分の息子と音也の息子の協力によって再び殺されてしまうというあまりにも悲惨な運命を辿っている。

しかし、そんなキングに思いのよらぬチャンスが与えられた。何者かは知らないが、死んだ筈の自分を「完全な形」で蘇生してくれたのだ。
それに加え、紅音也を殺せばどんな願いでも叶えられるときた。果たして本当にどんな願いでも叶えられるのかは不明だが、死んだ筈のファンガイアを蘇生出来たのは事実。自分が今、こうして生きていることが何よりの証拠だ。
ファンガイアの王たる自分がこのようなことに巻き込まれるのは少々不満だが、それも憎き紅音也を殺すため。生憎と紅音也の息子はいないようだが、紅音也さえ死ねば、その息子もいないことになるだろう。
あの時は「黄金のキバ」と「闇のキバ」を同時に相手にしたから敗北したのだ。紅音也一人ならば、殺すことなど造作も無い。事実、闇のキバとなった紅音也を殺しかけたこともある。
恐れる必要は何もない。ファンガイアの王がたかが人間風情に負けることなど有り得ないのだから――


「お前は……」

獲物が現れた。
淡い茶色のサングラスをかけたこの大男は、ウルフェン族の生き残り。
一度は封印してキャッスルドランの飾りとしていたが、紅音也によって解放されてしまった者だ。
紅音也とコイツは間違いなく何かしらの繋がりを持っている。でなければ、わざわざキャッスルドランに乗り込んでまで助けようとはしないだろう。
それにコイツは己の身を犠牲にしてまで紅音也を庇っていた。ウルフェン族唯一の生き残りが何の関わりもない人間にそこまでするとは思えない。
ならばここでウルフェン族を絶滅させたら――紅音也はどうなるだろうか?
幸い、今はキバットバットII世もこちら側についている。たかがイクサで闇のキバやファンガイアの王たる自分を倒すなど、絶対的に不可能だ。

「絶滅せよ」

「喜べ、絶滅タイムだ」

「変身」

キバットバットII世がキングの腕へと噛みつき、魔皇力を注入する。
するとキングの身体に黒い線が浮かび上がり、漆黒の鎖が巻き付き――やがて人間だったキングの姿は、闇のキバへと変貌していく。
次狼も負けじとウルフェン族としての姿へと変身するが、キング相手に1対1ではあまりにも不利。次狼に残された手段は、逃げるしか無かった。
だが、それを逃すキングではない。闇のキバが指を指すと、蝙蝠のような漆黒の紋章が地面に浮かび上がり、やがては次狼に追いつき、次狼の往く道を壁のように遮り、拘束する。
紋章によって拘束され、身動きが取れなくなった次狼の身体は何一つ対抗することが出来ず、闇のキバが腕を引き寄せることで次狼も引き寄せられる。
引き寄せは殴り、引き寄せは殴り――こんな一方的な虐待が長時間続いた。

☆ ☆ ☆

「ぐ……!」

あまりもの猛攻に次狼は人間の姿となり、地面に俯せになってしまうが、それでもキングの虐待は続く。
この男がいなければ紅音也はあの時に死んでいた筈なのだ。そう簡単に殺すつもりは無い。
だが、その考えが殺し合いの場においてはあまりにも甘すぎた。
確かにキングは強い。しかし、ここにはどのような強力な敵にも勇気を持って立ち向かう者も連れてこられている。

そう、天の道を往き総てを司る男と共に数々の死線をくぐり抜けてきた男も――

「やめろ!」

突如、クワガタの姿を模した青色の機械が闇のキバの周囲を周り、その身体を使って攻撃を仕掛ける。
闇のキバは邪魔なクワガタを叩き落とそうとするが、圧倒的なスピードで撹乱され、その拳がクワガタに当たることはない。
クワガタの名はガタックゼクター。選ばれし男のみが使用することが出来る特殊な機械だ。
キングは知らない。ワームという未知の生命体と戦ってきた心優しき熱血漢がいることを。

「変身!」

『HENSHIN』

クワガタの猛攻が止んだと思ったら、直後に現れたのはゴテゴテの装備をした未知の戦士。
「変身」という掛け声からキバのようだが、その姿はキバのソレとはかけ離れている。
となれば、イクサの新たな系譜か?という疑問が思い浮かんだら、それにしてはあまりにもイクサとかけ離れている。
尤も、それが何であろうと今のキングには関係ないことだ。闇のキバとバットファンガイア、これらの最強の能力を併せ持つキングにとって、男が変身した戦士など取るに足らない。

「キャストオフ!」

『Cast Off』

電子音が鳴り響き、ゴテゴテとした装甲が弾き飛ぶ。
その威力は絶大なモノで、ガタックゼクターの猛攻には全く動じなかった闇のキバですら多少のダメージを受けてしまった。
だが、この程度ならばキングにとっては大したダメージではない。ワームと呼ばれる未知の生命体の最弱形態を一気に滅するマスクドフォームの装甲も、ファンガイアのキングにはまるで無意味なのだ。

『Change Stag Beetle』

「貴様……キングに歯向かうのか?」

先程まで居た戦士の装甲が弾き飛び、その直後に現れたのはクワガタを模した青色の戦士。
流石のキングも目を疑ったが、黄金のキバのように封印を解いたと考えれば多少は理解することが出来た。
新たに現れた戦士の装甲は太陽に照らされ輝いており、戦士が只者ではないことをキングは直感する。
これこそがガタックの――加賀美新の真の姿。戦いの神と呼ばれし戦士は2本の剣を握り締め、闇のキバと対峙する。

「どうしてその人を殺そうとした!」

ガタックへと変身した加賀美新は、2本の剣で闇のキバへ立ち向かう。
理由は簡単、ここで倒れている人を助けるためだ。
コウモリのような不気味な姿をした男は新たなライダーなのか、それとも別の何かなのか――それはわからない。
だが、だからといってここで怯えて戦いとは無関係な一般市民を見殺しをするつもりはない。
相手が誰であろうと、逃げずにひたすら立ち向かう。それが加賀美新という男なのだ。
加賀美が今助けようとしている人間の姿をした男は、実は人間とはかけ離れた異形の怪物なのだが、そのことを加賀美はまだ知らない。
尤も、知っていたとしても加賀美新は地面に傷だらけで俯せになっている見知らぬ怪物を助けていただろう。何故なら加賀美にはワームであるにも関わらず人間の心を持ってしまった友がいるのだから。


【一日目/朝/D-5】
【キング@仮面ライダーキバ】
[状態]ダメージ(極小)、ダークキバに変身中
[装備]キバットバットII世@仮面ライダーキバ、
[道具]支給品一式、不明支給品0~3
[思考・状況]
1:紅音也と紅音也の親しい人物を絶滅させる

【次狼@仮面ライダーキバ】
[状態]ダメージ(大)、疲労(大)
[装備]なし
[道具]支給品一式、不明支給品0~3
[思考・状況]
1:まずはキングから逃げ出す
2:音也とゆりに合流する。特にゆりは心配

【加賀美新@仮面ライダーカブト】
[状態]健康、ガタックに変身中
[装備]ライダーベルト@仮面ライダーカブト、ガタックゼクター@仮面ライダーカブト
[道具]支給品一式、不明支給品0~3
[思考・状況]
基本:殺し合いには絶対に乗らない。殺し合いに巻き込まれている人は助ける
1:倒れている人を助ける

禿山・テニスボールの脅威 時系列順 [[]]
禿山・テニスボールの脅威 投下順 [[]]
GAME START キング [[]]
開演・非情な演奏会 次狼 [[]]
GAME START 加賀美新 [[]]

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最終更新:2012年03月01日 22:09
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