古ぼけた駅の構内で、この状況に一人憤っていた。
人を無理矢理集めて、殺し合いをさせるなど、言語道断だ。
その上、それを「ゲーム」と称するなんて……もはや話にならない。
何が何でも、かの男を懲らしめなければならない。
「しかし、この状況……どうすればいいものか」
今まで、幾多の幽霊やらを破ァ!!してきたものの……人と戦うのは、初めてだ。
もしかしたら、自分より強いヤツがいるかもしれない。それには、十分気を付けなければ。
自分以外が、殺し合いをする気……ってのはまずないだろうが、注意は必要だ。
死んでしまっては、誰も守れないのだ……。
だからと言って、誰かを守るために人を殺すと言うのも、間違っているだろう。
「……親父……俺に、出来るだろうか」
天を仰ぎ、思案する。
……このゲームを打ち砕き、人の命を救う。並大抵の難易度ではない。
これほどの事を、自分が成し遂げられるのだろうか?
現段階では、やってみないと分からない、と言った感じだ。
……親父なら、すぐに解決してしまうのだろうか?それとも、俺くらいかかるのだろうか?
(見ててくれ、親父。俺、必ずやり遂げるからさ……)
――――親父、まだ生きてるけど。
……とにかく、ここにじっとしていても始まらないだろう。
ここ辺りを探し回れば、仲間を集められるかもしれない。
流石に、全員が全員、殺し合いに賛同するとは考えにくい。
「……そこにいるのは誰や?」
「む……?」
「アンタも、俺と同じか?」
「……ここに連れてこられたって意味なら、確かにそうだが」
この人は一体誰だろうか……。
関西弁を喋り、かなり大柄な奴だ。おそらく、自分より年上だろう。
「…………こないな事、間違っとる。アンタも、そう思うやろ」
「ああ。許せる訳が無い」
……この人も、自分と同じように殺し合いに反発しているのだ。
「初対面の相手に不躾かもしれへんが……俺に、協力してくれへんか?」
「ああ……いくらでもいいぜ」
「助かるわ。それじゃ……仲間を、探しに行こか」
「探すって……目星でも付いてるのか?」
「そんなもん無い。やが、やらなアカンやろ」
……何だか不安ではあるが、まあいい。
何かあったら、自分が戦えばいいのだ。
この人も、見た所腕っ節が強そうだが、本当にそうかは分からない。
人は、見かけによらないのだ。
「……とりあえず、近場から探そう。いいか?」
「ああ。構へん」
「そうか、じゃ行くか」
◆
(兄弟……お前も、ここに来とるんか……?)
未だ暗い空を見上げる。
……一体、何がどうなっているんだ。
(どっちにしろ、こんな訳の分からん所で死ぬ訳には行かん。俺は東城会を守らなアカンのや)
だからと言って、人を殺してまで帰ろうとは思わない。
――――人を殺す事の恐ろしさは、良く分かっている。
闘技場で、涙を流し訴えた、あの時の気持ちが蘇ってくる。
(人を殺すっちゅうんは、ごっつう怖い事なんや……)
「ところで、なんであんたは俺を信じたんだ?」
急に、男が聞いてくる。
「何となくやが……信用してもええ、そう思うたからや」
「……俺が、殺し合いをする気だったかもしれないのにか?」
「そうや。……早よ、探しに行こうや」
「ああ。悪いな、妙な事聞いて」
「構へん。ほな、行こか」
そこで、ふと気づく。
……自分は、この男の名前すら知らない。
もしも、この男の知人に遭遇するような事があるかもしれない。
そうなったら、名前を知っておいた方が良い。
「……そうや。アンタ、名前は何て言うんや?」
「俺か?俺は、Tさんだ」
「何やて?もっぺん、言うてくれへんか」
「だから、俺は……Tさんだ」
「…………まあええ。俺は、冴島。冴島大河や」
【一日目・深夜/D-7:駅構内】
【冴島大河@龍が如く4】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、不明支給品×1~3
[思考・行動]
基本:殺し合いから脱出する。人を殺す気なんぞ無い
1:……Tさん?おかしな名前やな。外人か?
2:兄弟も来とるんやろか?知り合いも探さなアカンな……
【Tさん@オカルト・ネタ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、不明支給品×1~3
[思考・行動]
基本:殺し合いなんてする気はない。あの男を破ァ!する
1:……何かおかしな事でも言ったか?
2:冴島と共に「知り合い」を探す
最終更新:2012年04月08日 22:33