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交わる正義

結局、あの後僕らは話しあいをすることにした。
どうせやるなら、少しはマシな所でやろう、と1号さんが言いだしたので、施錠できる所を探すことに。
探す事、だいたい5分くらい。
結局、自販機の場所からそんな離れてない部屋を使うことにした。
……何か、妙に時間を無駄にした気がする。

「何だよ、狭いなぁ。安アパートよりはマシだけど」
「1号さんの体が大きいんですよ……」
「あー、そりゃすまねえな」
「さて、これからどうしま…………あっ!」

気がつけば、1号さんが椅子に座ったまま眠っている。
この大きな体を、よくあんな椅子で支えられるなぁ。
良く見てみれば、ここのは皆古い。
リサイクルショップで買ってきたような、わざわざ中古を選んで買ったような。
そんな妙な古さがある。
……ま、別に大したことじゃないだろう。
ゲーセン1つ建てるのだって、とんでもないお金がかかるんだから。
こんな備品にまで、手が回らないのかもしれない。








結局、静かなまま時間だけが流れてしまった。

「……そろそろ、起きて下さいよ」
「んあ? ……俺は、元から寝てないぞ?ちょっと考え事してただけさ」
「そうですか……さて、これからどうしましょうか?」
「確定事項兼最終目標は、あの男を倒すことだぜ」
「そうですね……」
「とにもかくにも、仲間がいる。俺達2人じゃキビしいぜ」
「ですね……」

1号さんの言ったことには、一理ある。
でも、そんな簡単に人が集まるかな?何しろ、ここは殺し合いの場だ。
危ない人が、沢山いるに違いない。人を平気で殺しちゃうような、怖い人が。
ふと、そんな殺人鬼の姿を思い浮かべて、僕は身震いした。

「でも、どうやって人を集めるんですか? 大きな声でも出します?」
「……とにかく人を集めるなら、それでもいいけどねえ……それじゃマズいのよ。
 全部が全部、善人って訳じゃないだろうしさ。悪人に来られても困るしなぁ……」
「まぁ、そうですけど……」
「できるだけ、俺は人を殺したくないんだよ。分かるだろ? 誰だって人殺しにはなりたくないしな。
 だから、悪人が来ると……殺さなきゃならなくなるかもしれないじゃない? それがイヤなのよ~」

最後がオカマ口調なのが気になるが、間違ったことは言っていない、と思う。
確かに、誰だって進んで人殺しになろうとは思わない。
でも、襲い掛かられたなら……。
自分を守るためなら……。
誰かを守るためなら……。
その時、自分はどうするだろう……?

「おい、どうした? いつになく神妙な顔してるぜ?」
「え? ……ああ、ちょっと考え事を……って、『いつになく』って言うほど長い付き合いじゃないですよ?」
「ハハハ……悪い悪い。とりあえず、仲間の確保は後で考えようか。特に、アイデアも出ねえしさ。
 どうだ、一服しようぜ。もっぺん、コーヒー取ってくるわ。お前もいるか?」
「それじゃあ、お願いします」
「分かった。ちっと待ってろ……一応、鍵かけといてくれ」

そう言って、1号さんは部屋を出る。
言われた通りに、内鍵をしっかりとかけておく。これで良し。

(一人じゃ、やっぱり心細いなぁ……早く、帰って来てくださいね……)








「よいしょ、よいしょっと」

俺は、前にぶっ壊した自販機の近くまで来ていた。
床に散らばった缶やペットボトルが、壊した時のまま残っている。まぁ当然か。
とりあえず、地面に転がるコーヒーや何やらを片っ端からカバンに入れる。
地面に落ちていた物だが、まぁ大丈夫だろう。衛生的には問題無い、はずだ。
まあ、この程度じゃ腹なんか壊さないか。

「へー、このコーヒー、まだ売ってたんだな…………」

ある意味感心しながらも、缶をバッグに入れて行く。
その時……。

(む…………殺したくないって、言った矢先に、か)

誰かが……近くにいる。何だか、そんな気がするのだ。
自分には、殺気なんて物感じ取れる訳じゃないが、それでも誰かがいるような気がしてならない。
だが……まだ、その相手がヤバイ奴と決まった訳じゃない。安全な奴と決まった訳でもないが。
どっちにしろ、警戒するに越したことは無い。
一応、体を硬化させて、不意打ちに備える。


――――ゲームセンターの中に、静寂が戻る。
聞こえてくるのは、筺体から出る楽しげな音楽だけ。
この状況とは似ても似つかないような音楽と、この状況の取り合わせは、実に滑稽……。
……なんてことを考えてる場合じゃないか。


(さぁ、いつでもいいぜ。どこからでも来いよ。迎撃してやるからよぉ……)


しかし、起こった出来事は俺の想像していたそれとは無縁の物だった。

「警察だ! 動くな!!」
「なぬ!?」

飛び出してきたのは、青いジャケットの男。
手には拳銃。その銃口は、俺に向けられている。
……おいおい、ヤバい奴だったのかよ。

「そんな物騒なモノ下ろせよ、な? 俺が怪しい人間に見えるか?」
「…………」

沈黙。
これはどう受け取ればいいものか。

(こいつ、マジで警官なのかな? 制服っぽいモノは着てないし……もしや、私服警官か?
 まぁ、その可能性も無くはなないけどさ…………そうだ!)
「お前、警察ならさ……手帳、あるだろ? 出してみろよ」
「……分かった」

少しもたついた後、男は手帳らしき物を出してきた。
……本物を見た事がないから、アレが本物かは分からんが……顔写真がついている。
その写真は、間違い無く男の顔写真だ。
……だけど、やっぱり怪しいな。いきなり、銃を向けられたんじゃ仕方無いか。

「こいつは本物っぽいが…………1つ質問。お前、この殺し合いやる気ある?」
「無い。……俺は、警察官としてあいつを逮捕する」
「そうか…………なら、俺達と行かないか? お前1人よりはいいだろう」
「いや……遠慮するよ」
「あ、そう。それじゃあな。……死ぬなよ」








「……さて、と。そろそろ戻るか」

道草をくったお陰で、ちょっと遅くなってしまった。
と言っても、大して時間は経ってないだろうけど。
どっちにしろ、あまり時間をかけすぎるのは良くない。あんまり、あいつを心配させたくないし。
こんな訳分からん所に1人でいたら、誰だって怖いだろう。俺はそこまででもないけど。

「おーい、開けてくれ。帰って来たよ」
「……ちょ、ちょっと待っててください」

返事が返ってくると同時に、ガガガっと何かを引きずる音が。
……音から察するに、多分机でも置いていたのかもしれない。
普通に、鍵をかければ、それで良かったんだが。
どっちにしろ、今更言った所で、後の祭り……と言うヤツだ。
ま、そこまで言う程の事でもないか。

「おう、大丈夫だったか?」
「い、一応大丈夫ですけど……怖かったですよ、やっぱり……」
「すまなかったな……。ま、もう大丈夫だ。さて、飲みながら話そうぜ。これからの事をよ」



【一日目・深夜/C-4:ゲームセンター内】
【宮村洋介@オリジナル
[状態]:健康
[装備]:ガンツスーツ@GANTZ
[所持品]:支給品一式、不明支給品×1、缶コーヒー
[思考・行動]
基本:殺し合いなんかしたくないし、死にたくもない。
1:……良かった。
2:1号さんとこれからについて話し合う。
3:この服、役に立つのかな……?調べてみたいなぁ……

【被験体01号@オリジナル】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、不明支給品×1、缶コーヒー
[思考・行動]
基本:殺しあう気なんてねえ。
1:……ま、いいか。
2:今度は、ちゃんとこれからについて話さないとなぁ
3:さっきの男(谷村)についても、一応話しとくか








「…………」

さて、何から手を付ければいいのか。
今の所、俺は何も情報を得ていない。
これが、普通の事件なら、ちょこちょこ調べ回るだろうが……そうもいかない。
なにしろ、命が掛かっているから。
あの時に見た、あの爆発。アレは間違い無く現実に起こったこと。
つまり、ヘタすれば自分もああなる可能性がある……という事だ。
……自分は、こんな所で死ぬ気は無い。が、殺人を犯すつもりもまた、無い。
第一、俺は警察官だ。
巷じゃ俺の事を「神室町のダニ」と呼ぶ奴もいたようだが……。

「……必ず、逮捕してみせるさ」

……しかし、1人だけじゃどうにもこうにも。
知り合いでも、探してみようか。

【一日目・深夜/C-4:ゲームセンター付近】
【谷村正義@龍が如く4】
[状態]:健康
[装備]:ミネベアM60(5/5)
[所持品]:支給品一式、予備弾薬×15、不明支給品
[思考・行動]
基本:あの男を逮捕する
1:警察官として、やらなきゃいけないな……
2:知り合いか……いるんだろうか?


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堅い体、脆い心 宮村洋介 [[]]
堅い体、脆い心 被験体01号 [[]]
GAME START 谷村正義 [[]]

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最終更新:2012年05月05日 23:53
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