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交わる正義

結局、あの後僕らは話しあいをすることにした。
どうせやるなら、少しはマシな所でやろう、と1号さんが言いだしたので、施錠できる所を探すことに。
探す事、だいたい5分くらい。
結局、自販機の場所からそんな離れてない部屋を使うことにした。
……何か、妙に時間を無駄にした気がする。

「何だよ、狭いなぁ。安アパートよりはマシだけど」
「1号さんの体が大きいんですよ……」
「あー、そりゃすまねえな」
「さて、これからどうしま…………あっ!」

気がつけば、1号さんが椅子に座ったまま眠っている。
この大きな体を、よくあんな椅子で支えられるなぁ。
良く見てみれば、ここのは皆古い。
リサイクルショップで買ってきたような、わざわざ中古を選んで買ったような。
そんな妙な古さがある。
……ま、別に大したことじゃないだろう。
ゲーセン1つ建てるのだって、とんでもないお金がかかるんだから。
こんな備品にまで、手が回らないのかもしれない。




◆




結局、静かなまま時間だけが流れてしまった。

「……そろそろ、起きて下さいよ」
「んあ? ……俺は、元から寝てないぞ?ちょっと考え事してただけさ」
「そうですか……さて、これからどうしましょうか?」
「確定事項兼最終目標は、あの男を倒すことだぜ」
「そうですね……」
「とにもかくにも、仲間がいる。俺達2人じゃキビしいぜ」
「ですね……」

1号さんの言ったことには、一理ある。
でも、そんな簡単に人が集まるかな?何しろ、ここは殺し合いの場だ。
危ない人が、沢山いるに違いない。人を平気で殺しちゃうような、怖い人が。
ふと、そんな殺人鬼の姿を思い浮かべて、僕は身震いした。

「でも、どうやって人を集めるんですか? 大きな声でも出します?」
「……とにかく人を集めるなら、それでもいいけどねえ……それじゃマズいのよ。
 全部が全部、善人って訳じゃないだろうしさ。悪人に来られても困るしなぁ……」
「まぁ、そうですけど……」
「できるだけ、俺は人を殺したくないんだよ。分かるだろ? 誰だって人殺しにはなりたくないしな。
 だから、悪人が来ると……殺さなきゃならなくなるかもしれないじゃない? それがイヤなのよ~」

最後がオカマ口調なのが気になるが、間違ったことは言っていない、と思う。
確かに、誰だって進んで人殺しになろうとは思わない。
でも、襲い掛かられたなら……。
自分を守るためなら……。
誰かを守るためなら……。
その時、自分はどうするだろう……?

「おい、どうした? いつになく神妙な顔してるぜ?」
「え? ……ああ、ちょっと考え事を……って、『いつになく』って言うほど長い付き合いじゃないですよ?」
「ハハハ……悪い悪い。とりあえず、仲間の確保は後で考えようか。特に、アイデアも出ねえしさ。
 どうだ、一服しようぜ。もっぺん、コーヒー取ってくるわ。お前もいるか?」
「それじゃあ、お願いします」
「分かった。ちっと待ってろ……一応、鍵かけといてくれ」

そう言って、1号さんは部屋を出る。
言われた通りに、内鍵をしっかりとかけておく。これで良し。

(一人じゃ、やっぱり心細いなぁ……早く、帰って来てくださいね……)




◆




「よいしょ、よいしょっと」

俺は、前にぶっ壊した自販機の近くまで来ていた。
床に散らばった缶やペットボトルが、壊した時のまま残っている。まぁ当然か。
とりあえず、地面に転がるコーヒーや何やらを片っ端からカバンに入れる。
地面に落ちていた物だが、まぁ大丈夫だろう。衛生的には問題無い、はずだ。
まあ、この程度じゃ腹なんか壊さないか。

「へー、このコーヒー、まだ売ってたんだな…………」

ある意味感心しながらも、缶をバッグに入れて行く。
その時……。

(む…………殺したくないって、言った矢先に、か)

誰かが……近くにいる。何だか、そんな気がするのだ。
自分には、殺気なんて物感じ取れる訳じゃないが、それでも誰かがいるような気がしてならない。
だが……まだ、その相手がヤバイ奴と決まった訳じゃない。安全な奴と決まった訳でもないが。
どっちにしろ、警戒するに越したことは無い。
一応、体を硬化させて、不意打ちに備える。


――――ゲームセンターの中に、静寂が戻る。
聞こえてくるのは、筺体から出る楽しげな音楽だけ。
この状況とは似ても似つかないような音楽と、この状況の取り合わせは、実に滑稽……。
……なんてことを考えてる場合じゃないか。


(さぁ、いつでもいいぜ。どこからでも来いよ。迎撃してやるからよぉ……)


しかし、起こった出来事は俺の想像していたそれとは無縁の物だった。

「警察だ! 動くな!!」
「なぬ!?」

飛び出してきたのは、青いジャケットの男。
手には拳銃。その銃口は、俺に向けられている。
……おいおい、ヤバい奴だったのかよ。

「そんな物騒なモノ下ろせよ、な? 俺が怪しい人間に見えるか?」
「…………」

沈黙。
これはどう受け取ればいいものか。

(こいつ、マジで警官なのかな? 制服っぽいモノは着てないし……もしや、私服警官か?
 まぁ、その可能性も無くはなないけどさ…………そうだ!)
「お前、警察ならさ……手帳、あるだろ? 出してみろよ」
「……分かった」

少しもたついた後、男は手帳らしき物を出してきた。
……本物を見た事がないから、アレが本物かは分からんが……顔写真がついている。
その写真は、間違い無く男の顔写真だ。
……だけど、やっぱり怪しいな。いきなり、銃を向けられたんじゃ仕方無いか。

「こいつは本物っぽいが…………1つ質問。お前、この殺し合いやる気ある?」
「無い。……俺は、警察官としてあいつを逮捕する」
「そうか…………なら、俺達と行かないか? お前1人よりはいいだろう」
「いや……遠慮するよ」
「あ、そう。それじゃあな。……死ぬなよ」




◆




「……さて、と。そろそろ戻るか」

道草をくったお陰で、ちょっと遅くなってしまった。
と言っても、大して時間は経ってないだろうけど。
どっちにしろ、あまり時間をかけすぎるのは良くない。あんまり、あいつを心配させたくないし。
こんな訳分からん所に1人でいたら、誰だって怖いだろう。俺はそこまででもないけど。

「おーい、開けてくれ。帰って来たよ」
「……ちょ、ちょっと待っててください」

返事が返ってくると同時に、ガガガっと何かを引きずる音が。
……音から察するに、多分机でも置いていたのかもしれない。
普通に、鍵をかければ、それで良かったんだが。
どっちにしろ、今更言った所で、後の祭り……と言うヤツだ。
ま、そこまで言う程の事でもないか。

「おう、大丈夫だったか?」
「い、一応大丈夫ですけど……怖かったですよ、やっぱり……」
「すまなかったな……。ま、もう大丈夫だ。さて、飲みながら話そうぜ。これからの事をよ」



【一日目・深夜/C-4:ゲームセンター内】
【宮村洋介@オリジナル】
[状態]:健康
[装備]:ガンツスーツ@GANTZ
[所持品]:支給品一式、不明支給品×1、缶コーヒー
[思考・行動]
基本:殺し合いなんかしたくないし、死にたくもない。
1:……良かった。
2:1号さんとこれからについて話し合う。
3:この服、役に立つのかな……?調べてみたいなぁ……

【被験体01号@オリジナル】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、不明支給品×1、缶コーヒー
[思考・行動]
基本:殺しあう気なんてねえ。
1:……ま、いいか。
2:今度は、ちゃんとこれからについて話さないとなぁ
3:さっきの男(谷村)についても、一応話しとくか




◆




「…………」

さて、何から手を付ければいいのか。
今の所、俺は何も情報を得ていない。
これが、普通の事件なら、ちょこちょこ調べ回るだろうが……そうもいかない。
なにしろ、命が掛かっているから。
あの時に見た、あの爆発。アレは間違い無く現実に起こったこと。
つまり、ヘタすれば自分もああなる可能性がある……という事だ。
……自分は、こんな所で死ぬ気は無い。が、殺人を犯すつもりもまた、無い。
第一、俺は警察官だ。
巷じゃ俺の事を「神室町のダニ」と呼ぶ奴もいたようだが……。

「……必ず、逮捕してみせるさ」

……しかし、1人だけじゃどうにもこうにも。
知り合いでも、探してみようか。

【一日目・深夜/C-4:ゲームセンター付近】
【谷村正義@龍が如く4】
[状態]:健康
[装備]:ミネベアM60(5/5)
[所持品]:支給品一式、予備弾薬×15、不明支給品
[思考・行動]
基本:あの男を逮捕する
1:警察官として、やらなきゃいけないな……
2:知り合いか……いるんだろうか?


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堅い体、脆い心 宮村洋介 [[]]
堅い体、脆い心 被験体01号 [[]]
GAME START 谷村正義 [[]]

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最終更新:2012年05月05日 23:53
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