放送時刻、吉橋寛和は放送機材の前に立った。
「えーと……これをこうすんだっけか……」
「違いますよ、ここをこうするんです」
助手の岩岡朋佳の助けを借り、ようやく放送が出来る状態になる。
「悪ぃ悪ぃ、サンキューな、朋佳」
「ちゃんと覚えて下さい」
「それじゃ……第一回目の放送行きますかい」
くつくつと笑いながら寛和は放送開始のスイッチを押す――――。
◆
『あーあー、マイクのテスト中マイクのテスト中。
俺だ、吉橋寛和だ、久し振りだな。
午前8時になったから、第一回目の放送始めるぞ。
まず禁止エリアだ。
午後9時から、C-2、E-2、F-3、F-5、A-6、C-6の六つ。
もう一度言うぞ、午後9時から、C-2、E-2、F-3、F-5、A-6、C-6の六つだ。
これらのエリアに午後9時以降入れば首輪が爆発するからな、覚えておけよ。
それじゃあ次に、最初の4時間で死んだ奴の発表だ。
最初に見せしめ失敗で殺した奴は除く。
アドレイド
アルジャーノン
井沢るな
大迫照夫
沖元実沙
織田亜耶乃
川瀬正俊
ギル
白石龍一郎
セシリー・バーンズ
戸賀崎かれん
萩野美祐
フェリックス・クレイグ
皆川宏介
御代田優太郎
以上15人。五十音順だ。
アルジャーノンの奴折角運良く生き残れたのに結局死んじまったみてぇだな。クックック。
乗り気の奴はそれなりに多いみたいで安心したよ。
今呼ばれた死者の中に友人とかいた奴もいるだろうが、元気だせよ。
それじゃ次の放送は正午。
また放送聞けるよう、生き残って、殺し合え。
じゃあな』
◆
「よし、こんなもんか」
「お疲れ様でした」
「軍の連中から依頼されてた生体兵器の戦闘テスト、井本萌実だったっけな。
三人殺してるし上々なんでねぇの、性能。確か宮原が担当したプログラムの時も、
小神さくらだっけか、生体兵器の試験運用させてたのにまたかよって感じだぜ」
「兵器と言う物は日々改良する物です。その度に新たな問題点が浮かび上がるから、
その度にテストを行いその問題点を洗い出し、その問題点をまた改良する……」
「そのテストってのが殺し合いって訳かい、大抵が民間人なのにテストになんのかね。
兵器のテストなら紛争地帯とかにでも行かせれば良いと思うんだけどな」
「さあ……私に言わないで下さい、軍の方に言えば良いでしょう」
「言えるかそんなもん、大事なお得意様だし機嫌を損ねたりしたら俺の首が飛んじまうわ」
【残り 26人】
最終更新:2012年05月28日 15:54