0話:楽しいお遊戯のお時間ですよ
戸賀崎かれんは困惑していた。
いつものように夜自分の部屋で就寝したはずが、目覚めた時には知らない広間にいたのだから無理も無いが、
それよりも首には金属製の首輪、周囲には見知らぬ人々と言う状況も困惑に拍車を掛けていた。
「あれぇ……どうして私こんな……まさか誘拐されちゃったのかな……。
いやらしい男の人達にエッチな事一杯されて調教されて売られちゃうのかなぁ……。
……それはそれで良いかも……興奮しちゃう……」
妙な妄想をして涎を垂らしていると、部屋の扉が開いた。
スーツ姿の狼獣人の男、かれんと同年代と思われる少女、黒い軍服を着た兵士らしき男数人が入ってくる。
兵士らしき男達は突撃銃を持っており威圧感があった。
「何かな?」
かれんが興味深そうに入って来た集団を見た。
◆
「おい、俺達を集めてどうしようってんだよ?」
「こんな勝手な事して許されるなんて思ってないでしょうね」
「家に帰りたい……」
人々が狼獣人の男に向け抗議の声を発する。
「……まずは自己紹介しときますよ、俺は吉橋寛和、こっちは助手の岩岡朋佳ちゃん。
なぜあんた方に集まって貰ったか、それを今から話しますぜ」
吉橋寛和と名乗った狼の男は少し間を置いて、本題を切り出した。
「これから皆さんに、ちょっと
殺し合いをして貰います」
場の空気が一瞬凍り付いた。
「殺し合い? 何それおいしいの?」
「ええー何でそんな事しなきゃいけないんだよ……めんどい」
「ふざけるな! アホ!」
「いーやーだー」
大ブーイングの嵐を受けながら、寛和は話を続ける。
「
ルール説明しますんで、ちと静かにして下さい……朋佳ちゃんお願い」
「無人島のどこかにテレポートして頂き、殺し合って頂きます。
最後の一人が優勝となり家に帰れます。反則行為は基本的にありません。
ゲーム開始の際に渡すデイパックに支給品が入っていますのでそれを上手く使って下さい」
「…この首輪は何なんだ?」
殺し合い参加者の一人が朋佳に質問する。
「その首輪は、私達に反逆する方がいた場合、遠隔操作で爆発させます。
確実にゲームを進行させるための、枷です。
特殊能力や魔法を封印する機能もあります……回復魔法や蘇生魔法は流石に許可出来ません」
朋佳の説明に何人かが苦い顔をした。
「朝の4時頃に
スタートし、8時、12時、16時、20時、0時の四時間毎にこちらから放送を流します。
その時刻までの新たな死者と、禁止エリアの発表です。禁止エリアに入っても首輪は作動します。
地図の外と上空100メートル以上も同じですよ。
制限時間は……最後の死者が出てから24時間死者が出なかった場合、生存者の首輪を全て爆破します。
つまり優勝者はありません、参加者が全滅しても同じです。
……詳細はデイパックの中にルールの小冊子を入れるので各自確認して下さい。
以上です」
「はい、ご苦労様朋佳ちゃん。それじゃあそろそろゲームを開始しますが……」
「おい待て、そんなゲームやりたくないぞ! 降りさせろ!」
「そうだよ! 気持ち良いのは好きだけど殺し合いなんて嫌だよ!」
「お前らより俺達の方が数多いぞ? 銃持ってるからって調子乗んな!」
参加者達の怒りの声を聞いて、やれやれと言った様子で寛和が溜息をつく。
「……どうやらまだ自分達の立場を分かって貰えていないようだ。
言ったはずだぞ、あんたらには爆弾付きの首輪つけてるってな。
しゃーない、おい、アルジャーノンさんよ」
「な、何だ」
寛和が、アルジャーノンと呼んだ茶色の牡馬の方に鋭い視線を向けた。
それを見ていたかれんはとても嫌な予感を感じる。そしてそれはすぐに的中する。
「このゲーム降りたいたいんなら、棄権させてやるよ……朋佳ちゃん、アルジャーノンさんの首輪を爆破しちゃえ」
「……うん」
「なっ……!」
朋佳が手元にあったノートパソコンを弄り始める。
「! や、やめなさいよ! ここで殺したらゲームにならないでしょ!?」
堪らず、かれんは身を乗り出して叫んだ。
しかし寛和はより一層、邪悪な笑みを浮かべるのみ。
「見せしめだよこれは。お前らがどんな状況に置かれているか分からせるには首輪の威力見せんのが一番だろ?」
「そ、そんな……」
「や、やめろ! やめてくれ! 嫌だ! 俺はまだ死にたく無い! もっと男のケツを掘りたいんだ!」
「もう手遅れだよ、さよならだアルジャーノン」
「やめて!」
「うわあああああああぁあああぁああああ!!」
ピィーーーーーーーーーッ。
「……え?」
バァン!!!!
首輪は爆発した。
しかしアルジャーノンの物では無く、全く違う柴犬獣人の青年の物が。
「……間違えちゃった」
ばつが悪そうな顔で、朋佳が言った。
【許田拓斗 死亡】
【残り 41人】
【EX俺オリロワ2nd 開幕】
≪キャラ紹介≫
【戸賀崎かれん】 とがさき・かれん
16歳の高校一年生の少女。スタイル良好の美少女で、変態。
勉強は苦手だが運動神経と体力、生命力は強い。
自宅部屋では基本、下着姿か全裸で過ごし、最近は露出にはまり出している。
【アルジャーノン】
人間の言葉を操る牡馬。品種はアラビアンスタリオンで茶色。
とある人間の男に無理矢理欲情させられその男の尻を掘ったのが切欠で尻掘りの快楽に目覚めた。
かつては競走馬だったが足を骨折し乗馬用の馬に転職した。
【許田拓斗】 きょだ・たくと
19歳の大学生。柴犬の獣人。少し背が低い事を気にしている。
バイク好きで休日は良くツーリングに出かけている。
一度バイクに乗っていた時に車に撥ねられた事があったが本人は軽い打撲で済んだ逸話がある。
【吉橋寛和】 よしばし・ひろかず
謎の組織に所属する狼獣人の男。外見的には某ウルフルンに似ている。
現時点では詳細不明。助手の岩岡朋佳をとても可愛がっている。
【岩岡朋佳】 いわおか・ともか
謎の組織に所属する黒髪ポニテの美少女。
吉橋寛和の助手を務めている。現時点では詳細不明。
最終更新:2012年05月04日 00:37