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少年少女対面して

14 少年少女対面して


【1】


さてと、早速ながら面倒なことになりやがったもんだ。
この俺――――雲仙冥利は軽く考えていた。
球磨川に襲われ、色々あった後回復(まだ形上は入院中である)した。
そしてその先、これである。

「は、……色々と意味不明だなぁ、こりゃあ」

適当にホール待合ゾーンだと思われる場所の椅子に座りながら言う。
一応ここは市役所のような場所らしく、椅子は腐るほどある。

普段ならば自分以外にも人間はいるべきなのだろう。
平日であろうが休日であろうがだ。
だが、今ここにいるのはオレだけだ。
理由なんていまさら説明はいらない。
この場所が、殺し合いなんて奴に使われているらしい場所だからだ。

「武器も取られていやがるしな……制服は何故かそのままだが」

『白虎』は取られずに、超躍弾や炸裂弾も取られてやがる。
本当にあの安心院とか言うやつは何を考えているのか分からない。
いや――――特に何も考えていないのかもしれないな。
まるであの男、球磨川禊のように。
すべてが嘘のような存在、安心院もそんな奴なのかもしれない。

「――――さて、主催どうこう考える前にこいつをどうにかしなけりゃならねぇな……球磨川禊」

球磨川禊、さっきからたびたび言っているが、間違いなく危険人物だ。
超ド級も超ド級、参加者中で最高レベルだ。
敵に回したくないの代名詞だ。
残念ながら、最初からある意味敵であるが。
いや――――誰も味方がいないと言うべきか。
自動ですべてが敵となる。
それが、あの『過負荷』――――球磨川禊だ。

「ま、そう安易に会う事は無いとは思うが……警戒はしておくべきだな」

会ってしまえば最悪の結果にしかならない。
それを少なくともオレは知っている。
人吉の奴も、阿久根も知っているはずだ。
とりあえず人吉たちには会っておきたいところだ。
人好は球磨川に勝つために特訓していると聞いたしな。
どういう風にやっているかまでは知らないが、あの男の事だから強くはなっているのだろう。

「さてと……後は支給品を見ると言ったところだが」

バッグには武器が入っているというのはルールで確認した。
それがアタリかハズレかは知らない。
だがオレはそれを確認する前に確認しないといけない事がある。
オレは事務室と書いてある扉を見た。
先ほどホールを見まわした時、扉は一切開いていなかった。
空気清浄機の虚しい音が鳴っているだけだ。
だが、先ほど室内に違った空気が入ってきた。

つまるところ、この部屋には誰かが入ってきている。
それが殺し合いに乗っている人物かどうかは分からない。
例えばあいつ、行橋ならばできるかもしれないが、俺には不可能だ。
とりあえず、どうやって確認するべきか考える。
単純に声をかければ逃げられるかもしれない。
しかし接近して襲われれば面倒なことになる。

「――――ん」

何か使えるものは無いかと、デイバックを少し見た。
するとそこには、オレにとって最高の獲物が入っていた。


【2】


正直アタシはとてつもなく緊張していた。
理由なんざ言うまでもない。
この死ぬかもしれないと言う状態で、一人で放り込まれたからだ。
しかも、恐ろしかったのはあの安心院とか言った奴だ。
まず思った事は、こいつは異常だと言う事だ。
<ふうせんかずら>より、歪に曲がっている。

ある程度まともな事を言っているように見えて曲がっているのが<ふうせんかずら>だ。
支離滅裂な事を言っているのが、あの声の主……安心院とか言うやつだ。

異常度でいえば確実に<ふうせんかずら>より上だ。

そんな奴らを私たちで止める事は出来るのか。
いや、断言しよう。
アタシたち『だけ』では不可能だ。
<ふうせんかずら>をどうもできなかったアタシ達に何ができると言うのか。
だからと言って、何もしないのは嫌だ。
あたしはこんな場所で死ぬのはごめんである。
何よりも、あの場所が消えるなんて――――嫌だ。
だから是が非でも全員そろってここを出なくちゃいけない。
そのためにいるのは何だ。
強い武器、頭の回転が速い人間、何かに特化した人間とかか。
あの安心院とか言うやつを超える、異常な奴か。

「そんな奴――――いるわけないよな」

そんな奴がいたら最初の時点でこんな殺し合いなんて終わっているのだろう。
あの場で何かをやらかして、全員帰れるはハッピーエンド。
物語からしたら最悪かもしれないが、現実的にはそうなればいちばんいいのだ。

「――――とりあえず、まずは太一達を探さなくちゃな……」

信頼できる人間との合流は鉄板だろう。
後できれば、強い人間とかも仲間にしたい。
唯とかも強いと言えば強いが、それよりも強い奴がいてもおかしくはなさそうである。
そいつを仲間にしておけば、悪い事は無い。
いやむしろいいことだらけだろう。
とは言っても、そんなすぐに見つかるとは思いがたい。
ここは市役所――――のような場所だ。
良い武器もなさそうだし、強そうな奴は違うところに行ってそうだし。
この場では誰とも会わないだろうと思っていた。

「――――ッ」

ふと少しどこかにつながるであろうドアを開けて気づいた。
向こうに誰か人がいる。
それがどんな人物かまでは見えない。
姿勢を低くしてドアをゆっくりと開ける。
音が一切しないように配慮して、侵入する。
何やら声がする方向へと少しづつ向かう。
少しづつ声が鮮明になってアタシは驚いた。

(こ、子供――――?)

そこにいたのは、白い制服を着た少年だった。
小学生だろうかわからないが、幼いのは分かる。
丁度支給品を確認しているようだ。
あの少年はどういう風に考えているのだろうか。
味方になってはくれるのか。
そういう事を少しづつ考えていると、異変が起こった。

「ッ!?」

向こうから何かが猛スピードで飛んできた。
それは机で隠れているアタシには当たらないが、反射して跳ね返ってくる。
すると後ろからさらにそれが大量に飛んできた。
偶然一個だけあたしの目の前に止まったソレを見てアタシは驚く。

「スーパーボール……?」

そう、それはただのスーパーボールだった。
お祭りに行けば200円くらいで網が破れるまで掬える奴だ。
駄菓子屋で50円くらいで買える奴だ。
だが、何かが違う。
アタシが知っているスーパーボールは、ここまで跳ねない。

「――――さぁーて、そこに隠れている奴……そろそろ立って姿を出せ」

気づかれていたのか、驚いた事だ。
あの少年は洞察力にも優れているようだ。
見た目は子供、頭脳は大人って感じなのかもしれない。
仕方なく立ち上がる。

「さぁーて質問と行こうか、御託はいらねぇ――――イエスかノーで答えろ」
「――――わかったよ」
「問一、お前は殺し合いに乗っているのか」
「いいや、乗ってないよ」
「問二、知り合いもこの場に呼ばれているか」
「ああ、呼ばれている」
「問三、人吉善吉または阿久根高貴というやつに会ったか」
「いいや、会ったのはアンタが始めてだよ」

とりあえず質問に答えていく。
少年は少し考える素振を見せ、すぐにハァとため息をつき先ほど座っていた椅子に座った。

「もう質問は終わりだ……座れ、楽しい楽しい情報交換タイムだ」
「――――まさかあたしをあれだけで信頼してのか?」
「してるわけねぇだろぉが」

ハン、と少年は笑った。
とりあえずアタシは従うままに席に座る。

「さてと……そういや自己紹介がまだだったな、俺は雲仙冥利、好きに呼んでくれて構わないぜ」
「アタシは稲葉姫子だ、よろしく頼む」

自己紹介をされて返さないほどアタシも不躾ではない。
少年はまた少し笑い、そしてすぐに真面目な顔に変わった。

「それじゃあ、教えておいてやろうかな」
「――――――――何をだ?」

それは聞いてよかったのだろうか。
聞かなければよかったのだろうか。
そんな事は、わからないし知らない。
だが、アタシはその声を聞き逃さなかった。



「球磨川禊――――という奴についてだ」



【朝/F-2市役所】
【雲仙冥利@めだかボックス】
[状態]健康
[所持品]基本支給品、不明支給品(0~2)
[思考・状況]
基本:この殺し合いの打破
1:稲葉姫子との情報交換
2:人吉と阿久根とは合流、球磨川は対処
[備考]
※生徒会戦挙庶務戦開始前からの参戦です
【稲葉姫子@ココロコネクト】
[状態]身体的疲労(小)
[所持品]基本支給品、不明支給品(1~3)
[思考・状況]
基本:全員で生還する
1:雲仙と情報交換
2:太一達との合流
[備考]
※ココロコネクト―ヒトランダム―終了後からの参戦です

※市役所ホール内に超躍弾@めだかボックス×12が落ちています。


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最終更新:2012年05月23日 20:19
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